連載小説
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第二部:やっぱりデュラハンからは逃げられない。
「あ…ありのまま起こったことを今話すぜ!
 『俺はシルヴィアと性交していたと思ったら、いつの間にかここにいた』。
 な…何を言っているのか分からねぇと思うが、俺も何をされたのか分からなかった…
 頭がどうにかなりそうだった…淫術だとか超性技だとか、
 そんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。
 もっと恐ろしい物の片鱗を味わったぜ…」

とまあ、冗談はさておき俺は今、親魔物領のラリベルタにいる。
地図上ではケ・セラ・セラの左側、つまり西に位置する。以前衝突があった反魔物領の国家はここからケ・セラ・セラを挟んで右、そう東にある。
一部の例外を除いて、ここから西側は親魔物領だ。
反対に東側へと進むと反魔物領、正確には主神を信仰する宗教国家や反魔物を掲げる王国が多い。
つまりこの街は敵の正面に位置する城塞都市である。
それ故にこの街の建物はどれも頑丈に作られているし、領土を守るための壁があり、門があり、守衛がいる。
そうは言っても魔物娘が住民の半数以上を占める領土である、一度門を抜けてしまえば開放的で自由と言えば聞こえがいいが、怠惰で自堕落な生活を送る姿が見受けられる。
主神を信仰する連中の言うことも確かに一理あるなと思わせられる。

そして、俺がここにいる理由だが前述の大陸で有名なフェンシングの達人の名言を元にしたふざけた理由なんかではない。
あの夜、シルヴィアに半ば強引に迫られる形で性交に及んだ俺は老化と数年ぶりのブランクに大敗を喫し気を失ってしまった。
意識のない俺を彼女はここまで運んできてくれたのだろう、意識を取り戻したのはこの街の診療所だったのだから。
結局俺はあのクソ領主の実に身勝手な取り決め通り、魔王軍に編入することとなった。
とは言うものの、四六時中身柄を拘束されるわけでもなく一日二、三時間程度の訓練をこなせば後は自由時間なのでこうして街の中をふらついている。
そんな軍隊とは思えないような状況も魔王軍が魔王軍たる所以かもしれない。

とは言え、腹が減っては何とやら。
昨日魔王軍の追跡から逃げ始めて以降何も口にしていない。
追跡が始まったのが昨日の昼、シルヴィアに捕まったのがその夜、そして目が覚めたのが今日の午前中。
つまり、丸一日何も食っていないことになる。
師匠は「一週間は・・・余裕。」なんて言っていたが、人間である俺にはせいぜい三日が限度だ。
どこか飯の食える場所へ行きたいところだが昼時だからどこへ行っても込んでいるだろう、とりあえず俺は軍の施設に隣接していた食堂へと向かう。
この際、腹がふくれれば何でもいい。

「こりゃあ、予想以上だ。」
入った瞬間、ため息を漏らした。
一度に何百人も利用できる程広い食堂であるにもかかわらず、相席でもしなければ座れそうにない。
困ったことに金の方も司令官から受けた仕事の報酬と元から財布に入っていた分しかない。
仕方がないので本日の日替わりランチに目を向ける、

魔界風:新鮮!食人植物のサラダ、魔界産小麦使用手打ちパスタ、Dスライム風ゼリー(本日のおすすめ!!)

大陸風:大陸風メニューはシェフ不在のため本日お休みです。

ジパング風:稲荷寿司、きつねうどん

選びようがなかった。
好奇心がないわけではないが、人の身で食べても大丈夫なのだろうか?
魔界に生えてる食人植物を生で食べる酔狂な真似はできそうもない。
どう見ても手抜きにしか感じられないジパング風ランチを頼むほかなかった。

稲荷寿司ときつねうどんののったお盆を持って混雑した食堂の中を歩く。
先ほどよりさらに混み合い、もはや相席ですら確保するのが難しい状況になっている。
そんな中、窓際の二人席に一人で座っている赤髪の女性を発見し若干早足でそこに向かう。
先に断っておくが断じて女性目当てではない、空席の方が今の俺にとって重要だ。

「すまんが、相席しても構わねぇか?」
赤髪の女性はこちらに振り向く、どこかで見たような顔立ちだが気のせいだろう。
「ああ、凪か。ちょうど私も頼み事をしたいと思っていたところだ、相席してくれるか?」
まるで見知った顔のように俺に話しかけてくる。
「悪いがおめぇさん、何者だ?」
11/07/23 06:23更新 / おいちゃん
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■作者メッセージ
APU!APU!作品と全く関係ない作者メッセージを残すおいちゃんです。
この作品は
A8 3850とRadeon HD6670、c400m4ssdを使用して980円のキーボードでお送りいたします。
司令官殿「そんな作業環境で大丈夫かの?」
「一番いいキーボードを頼む。」

いつものようにご意見、ご感想、ご指導のほうお待ちしております。

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