連載小説
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インキュバス編
本当にあった編集部の話
編集長のバフォメット(以下略、バ)「全く、お主もめげんというか、しつこいと言うか」
例の編集員(以下略)「悪かったですね。別にハーレムとは言いませんが、独り身は辛いんです」
編集員のアマゾネス(以下、ア)「さみしいなら実家にでも帰ったら?」
「孤児院出身なんで、今みたいな気分で帰っても傷の舐めあいみたいな感じになりますから逆に悪いでしょう」
編集員のオーク(以下、オ)「え、そうだったんですか。じゃあ、帰る場所はないんだ」
「いや、孤児院自体は悪いことないよ。魔物娘達が政権握ってから福祉は充実してるから。ただ、こういう荒んだ気分の時に帰ると周りに気分が伝染しそうで嫌なんだ」
編集員のエルフ(以下、エ)「へえ、意外と優しいんだ。嫉妬ばかりしてるから馬鹿とは思ってたけど」
「まあ、嫉妬するのはそういう方向で馬力上げてかないときついんだよ、仕事が」
ア「それは分かる。編集長、いい加減長期の休み下さい、常に一日しか休めないなんて横暴です」
バ「とは言っても人手は足らんしのう。まあ手はあるが」
「何ですか。休めるなら手段は選びませんよ」
バ「簡単じゃ、結婚すればいい。魔物娘なら恋人もおるじゃろうし」
ア、オ、エ「…」
「俺は出来ないって事ですね、そうなんですね!」
バ「そこでじゃ、儂と結婚しよう」
「は?」
ア「ちょっと待って下さい。アタシもこいつとなら結婚してやります」
オ「私も私も〜」
エ「何馬鹿言ってんの、結婚なんてそんなに簡単に決めていい訳ないでしょ」
ア「こいつは意外と家庭的だし、精液くれたし」
オ「え〜っお姉様もなんですか?」
バ「何と、もしかしてお主ら全員か」
エ「私は違いますよっ」
「あのですね、平気で2週間一か所に詰め込まれて、精液錠剤取りに行く暇もなく仕事をやらせたのは誰ですか」
バ「そんな事もあったかのう」
「それで死ぬかもしれないから精液くれと言われたんですが」
エ「誰が悪いかと言えば、編集長が悪いんですね」
バ「ふんっこういう時だけ団結し追って。いいんじゃいいんじゃ。儂なんかお兄ちゃんも持てずに死ぬんじゃ」
「すねちゃたよ、どうしよう」
ア「簡単だ、ここにいる皆と結婚すればいい」
「は?」
ア「ハーレムが夢なんだろう?丁度いいじゃないか」
オ「あ、それならお姉様と一緒に居られます」
エ「私も入ってるの?別にいいけど」
バ「儂のお兄ちゃんになってくれるかの?」
「分かりましたよ、結婚すりゃいいんでしょうが」
エ「無理しなくても、私は」
「泣き顔見せられて放っておけるほど馬鹿じゃないぞ。お前は馬鹿と言うがな」
『「まもふぇち」編集部一部皆さんのご多幸を願います』



インタビューページ さて、読者の中から対談しても良い、と言われた方々の内、さらに編集部の厳選と都合で選ばれた方達においで頂きました。皆さん旦那さんがインキュバスです。種族は被らないように調整しております。

編集部のカラステング(以下略)『それでは対談を始めたいと思います。雑誌ではこちらから時計回りに種族で呼ばせて頂きます。それではキキーモラさんからどうぞ』
キキーモラ(以下、キ)「キキーモラです」
サイクロプス(以下、サ)「…サイクロプス」
ネコマタ(以下、ネ)「ミナミハルオで」(スパコーン)←ハリセン)
ネ「痛い。冗談じゃないの」
『良いからちゃっちゃとすすめる』
ネ「はーい。ネコマタです」
テンタクル(以下、テ)「テンタクルです」
ホブゴブリン(以下、ホ)「ホブゴブリンの▽△です〜」
『名前は言わなくても良いですよ』
ホ「そうなんですか」
ミミック(以下、ミ)「僕はミミックで〜す」
『はい、有難うございます』
ネ「ところで、何でインキュバス編なんてやるの?アンタのトコ、魔物娘を扱うのが中心じゃないの?」
『「月刊まもふぇち」編集部の内、編集長と一部編集員が結婚の為婚休とって半年もいないからがたがたになったのよ。間違いなく産休になだれ込むから、続きは間に合わないから一回くらい残ってる編集員の知り合いや今まで出てくれた読者の中からやることにしたの』
ネ「大変ね」
『まったくだわ。職場は大編成されるらしいから復帰したらシベリア支局に派遣してやる』
ネ「ご苦労様」

『さて、旦那さんがインキュバスと言う皆さんに集まってもらいましたが、まずインキュバスになったと分かった時の事をお話し下さい。キキーモラさんから時計周りにお願いします』
キ「私からですね。そうですね、ご主人様は私が掃除しているのを見ているのがお好きなので夜のお仕事はあまり。撫でられるのが多かったです。そんな方ですので朝のご奉仕で普段よりお元気になられた時も最初は薬のせいかと思っていました」
サ「…恋人になってすぐ、何も着ないで好きなだけ抱き合ったらなってた」
ネ「アタシんとこは昼は昼寝してたから夜が多かったかな。一年くらいだから普通だと思うけど」
キ「私はご主人様がインキュバスになるのが出会ってから10年くらいかかりましたけど」
『そこは魔力や生活習慣なんかで変化しますから』
テ「出会うまでに結構精子貰ってましたから、初めての時にはなりました」
ホ「わたしの旦那様は皆のご主人様でもあるので、皆一緒にやってたら結構速くなったと思います」
ミ「僕の家に籠って、何年ぐらいしたかな?よくわかんないや」
『皆さん幸せなようで何よりです』

『さて、次は似たようなインキュバスになる前と後とで変化があったら教えて下さい。サイクロプスさんからどうぞ』
サ「…変化なんてない。いつも優しい」
ネ「旦那ね〜。猫が元々好きだから昔はしょっちゅう猫を触ってたらしくていつも別の匂いがぷんぷんしてたけど、インキュバスになった後は、ネコマタの匂いはしなくなったわ。アタシの物だって分かったのね」
テ「前より力持ちになりました。「嫁を抱き上げるのが夢だった」って、練習はしてたんですけど。インキュバスになって魔力を腕力に利用する事が出来るようになったそうです」
『性的なこと以外に魔力使える何て、魔術師の才能ありそうです』
ホ「やっぱり、全員に一杯してくれるようになりました」
『もしかして。残りは全員ゴブリンさん?』
ホ「はい。10人で山賊やってました」
ミ「僕の旦那は本人いわく、ミミックか宝入りの箱か空の箱か見分けられるようになったって」
『もしかしてトレジャーハンターがお仕事ですか?』
ミ「そうです」
キ「ご主人様は特に変わりませんよ。強いて言えば薬を飲まなくても朝まで一緒に居られるぐらいです」
『強精剤飲んでる時点で物凄く愛されているのが分かります』

『周囲の人から見てインキュバス化した後に周囲から何か言われた事はありますか?ネコマタさんからどうぞ』
ネ「そうねー。結婚してから早く帰るようになったって同僚さんが言ってたわ」
『さりげなく惚気ないように。それは新婚生活での変化です』
ネ「後は猫を愛撫するのがうまくなったって猫友達が言ってたわ」
『技術が向上したのか魔力のせいなのか微妙ですね』
テ「そうですね。うちの人は花屋なのでその関係でわたしも居たんですが、インキュバスになったのをすぐに発見されて、どうやったらわたしみたいなお嫁さんを貰えるのか教えろって言われてました」
『テンタクルさんの場合は急に奥さんが現れた感じですからね』
ホ「旦那様は元々砦で警備責任者をやってますが、魔術師さんから魔力の流れがよくなったって言われてました」
ミ「僕の方は、仲間だっていう人たちが全部インキュバスだったから、『ようやく一人前になったか』って言われてた」
キ「ご主人様はインキュバスのご友人に言われて何か色々な手続きをされていました。インキュバスになると長生きなので保険や貯金なんかの変更がいろいろいるそうです」
『それは知りませんでした。長生きと言ってもドラゴンとワーラビットでは違うでしょうから色々あるんでしょうね』
サ「…何故か友人と殴り合いになってた」
『え、その前後に何があったんですか』
サ「『どうやってあんな美人を騙したんだ』って。その後謎の黒覆面があの人を逆さ吊りにしてた」
ネ「それはきっと『ジェラシー団』の人間ね。何故かもてないと思い込んでる男たちの集団よ」
サ「…もてないと思い込んでる?」
『このご時世ちゃんと出会いを持とうと思ったら普通に結婚できますしね』

『それでは次はテンタクルさんから。インキュバスになって嫌な事は?』
キ、サ、ネ、テ、ホ、ミ「「「「「「そんな事ない」」」」」」
ネ「インキュバスになっただけで長生き、健康、可愛い奥さんと一緒に居られる。良い事だらけじゃない。精々『俺は人間をやめるぞ!』のネタが言えないくらいじゃないの」
『それはそうですが、雑誌の都合という物がありますので、ないならないで良いですが思いついてください。あとそのネタはドラゴンとかリリムとか勝てない相手に突っ込んでいく時の落ちネタじゃないですか』
テ「え〜と、あ、わたしの家は商店街の花屋なので他にもお店があるんです。そこのあるお店が人間男性限定サービスをやってるんですけど、それが無くなったって言ってました」
『人間男性限定サービスですか。珍しいですね。商売になるんですか?』
テ「普通にカップル限定とか、新婚さん限定とかも色々やってますよ。童貞限定サービスの日はユニコーンが判別係でいます」
『まあそれなら納得します。というかユニコーンさん、何やってるんですか』
ホ「いつだったか教団過激派とかいう人が砦に攻めてきました〜」
『え、そんな危ない事があったんですか』
ホ「はい。旦那様が一回剣を振っただけで吹き飛ばされていきました〜」
『旦那さんの能力値が気になります』
キ「私の所も旦那様が教団過激派に脅迫状を送られてきました」
ミ「僕はないな」
ネ「アタシも」
サ「…さっき言ったジェラシー団と殴り合って帰る事が増えた」
『サイクロプスさんの旦那さんはもしかしてジェラシー団の一員だったんじゃないんですか?あの人たちは半分なれ合いというか、遊びでそういう事をやってる馬鹿友達みたいな存在らしいですから』
サ「…そうなの?帰って聞いてみる」

『それでは次は旦那さんが人間だった頃の習慣から引きずっていることや、インキュバスだった事を忘れていてやってしまった失敗談、インキュバスだと思っていたから起こった失敗談等をどうぞ。ホブゴブリンさんから』
ホ「失敗談というか〜。インキュバスになったから色々頑丈になったって剣なんかの練習時間を増やしてた時がありました。その分遊べなくて嫌だったです」
『脳筋というか、真面目な人はそんな話も聞きますね』
ミ「インキュバスになったばかりの頃、なるまで僕の箱に籠ってたから結構速いと言うか短いと言うか、時間がよく分からないんだけど、満足した時にはインキュバスだったけど気付かなかった訳で、魔物には効いて人間には効かない、特定の魔力に反応するタイプの罠に突っ込んでいった事があるよ。何とか無事だったけど」
『怖いですね、教会系の遺跡ですか?』
ミ「ううん。真夜中の大聖堂だけど」
『盗賊が職業でない事を祈っておきます』
キ「ご主人様の体の事を考えて一日何時間と決めてご奉仕していたんですけど、インキュバスになってもそうしてました」
『習慣ですか』
サ「…特大の剣を打った時、「インキュバスになったから大丈夫」、とか言って持ってぎっくり腰になった。怪力になる訳じゃないのに」
『時々インキュバス=魔物だから怪力になる、と思っている人はいますよね』
ネ「アタシがネコマタだっていうのに、他にもネコマタひっかけようとしてたわ。本人は猫を連れてきたつもりだったろうけど。つがいが居ても構わないって娘はいるんだからしっかりして欲しいわ」
『嫉妬が渦巻いてるだけでしょう』
テ「これも習慣ですかね、しばらく、特定の時間水やりするつもりでわたしに精子くれてました。逆にむらむらして襲っちゃいました」
『植物出身ならそういう事はありそうです』

『ええと、実は本日皆さんにインタビューするにあたって、旦那さん達に一言、今回のインタビューの許可を戴きました。そのセリフを聞いて一言どうぞ。ミミックさんから』
ミミックさんの旦那さん『え、インタビュー。良いよ。俺の腰のこの箱、嫁さんのにつながってるんだけどさ、たまには自分の足で移動した方がいいと思うんだ』
ミ「何これ〜!僕が怠け者みたいじゃないか。しっかり腰を振ったりして運動してます」
『それは運動とは言いません』
キキーモラさんの旦那さん『インタビューですか。そうですね、彼女は家で仕事ばかりしているから気分転換にもいいし、行ってみるよう言っておきます』
キ「ご主人様の命令はちゃんと聞きますよ。それにお屋敷での仕事こそがメイドの本業です」
サイクロプスさんの旦那さん『うう、俺が阿保やってこんな状況じゃあ何も言えん。仕事と俺の看病ばっかじゃ飽きるだろうし、こっちからお願いすらあ』
サ「…飽きる事なんてない。仕事も、お世話も、絶対に」
『というかぎっくり腰は最近の話だったんですね』
ネコマタさんの旦那さん『おや、インタビュー?俺は良いけど、そっちは良いの?あいつ、あんたと話す時多く話すって言うか、俺より楽しそうに喋るじゃないか。何となく喧嘩腰で』
ネ「別に喧嘩なんてしてにゃい。それに旦那さんとの話の方がずっと楽しいし、カラステングとは幼馴染の腐れ縁だから」
『はいはい、必死に否定しているんだか言い訳しているんだか分からなくなってますよ』 
テンタクルスさんの旦那さん『へえ、インタビュー?うちの店にだったもっと嬉しかったけどね。冗談冗談。あいつはいわばこの場所しか知らないから、色々な所に行ってみて欲しいもんだ。予算に都合はあるけど。それに今度旅行に行こうとも思うし、予行練習になるかな』
テ「○×◇さ〜ん!旅行って本当ですか?良いんですか?嬉しいです。早速準備を…」
『まだインタビューも終わってないし落ち着いてくさい』
ホブゴブリンさんの旦那さん『彼女にインタビューですか?構いませんよ。彼女はいつも頑張ってくれているし、休暇も必要でしょう。「親分の分も働きます」はい、ありがとう。そういう事だから、ゆっくりしてください。ただ、○日後には私もそっちに報告会で行きますから待ち合わせますか。二人でゆっくりデートも久しぶりですね』
ホ「デート…。旦那様とデート」
『もしもーし。駄目だこりゃ聞こえてない。ちなみに旦那さんは下の階でお待ちいただいています』
ホ「さようなら」
『もう一問だから待って下さい。部屋を出て行かないで〜っ』

『ふう。ホブゴブリンの怪力を思い知りました。警備員さん、ご苦労様』
警備員のアカオニ、アオオニ『『おう』』
『それでは最後に何か質問したい事があればどうぞ。編集部が責任を以て返答をお届けします。これは順不同です』
テ「早速良いですか?」
『なんですか?』
テ「花屋の△○をよろしくお願いします」
『いきなり宣伝ですか。しかし後で編集した時に消しておきます』
テ「そんな〜」
ネ「早く帰りたいのでないよ」
ホ「早くデートしたいのでありません」
『欲望がダダ漏れになってますよ』
サ「…ぎっくり腰によく効く温泉や病院を教えて欲しい」
ミ「最近旦那さんが新しい遺跡のテーマに悩んでるんだ。良い遺跡ない?」
キ「そうですね。やっぱり新しい料理のレシピでしょうか。ご主人様は海老が好きなので海鮮料理を」
『はい、有難うございます、以上でインタビューを終わります。粗品がありますので受け取ってください。本日は有難うございました』
ドッガーン(←扉が壊れるくらいの勢いで開く音)
『大丈夫かしら、扉壊れてない?』
別の編集部員『大丈夫みたいだ、それにしてもすごい勢い』
『まあ、今度会ったら今日の事言ってやりましょう。旦那さん喜ぶわ』
また別の編集部員『ほどほどにな』
14/10/27 01:27更新 / 夜矢也
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■作者メッセージ
 当たり前だがこの回のグラビアページは残っていない。しかし、魔物娘への売り上げは歴代一位だったという。

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