連載小説
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クエストクリア

 ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ

 人間の身体というのは凄いもんなんだなあ、と、荻須は思う。
若い荻須は勿論自家発電を行った事はある。
特に三人と知り合った最近は性欲が増進し、回数も多くなっていた。
その時にする射精と、今の射精。

 ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ

 睾丸で生成された精子を尿道から放出する。
工程は同じはずなのに、同じ行為とは思えないほどに快楽の度合いも、量も違う。

 ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ

 身体が認識しているのだ、今までの射精は予行演習だったのだと。
雌を孕ませるための練習だったのだと。
そう、今こそが本番なのだ、生物としての役割を果たす時なのだと。

 ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ ドクッ

 それにしたって。

「止まら……な……」

 止まらない。
脳が溶けて尿道から吸い取られているんじゃないかという快感。
陰茎が射精で跳ね上がるたびに狭い肉の壁が連動するようにぎゅんぎゅんと絞り上げてくる。
この雄に媚びる肉の蠕動があの愛らしくて美しいアリストレイの肉体によるものだと思うだけで頭がおかしくなりそうになる。
(気持ちいい……これどうでもよくなる……)
荻須は甘い匂いのする肉にぐったりと身体を預けて心ゆくまで射精感に浸る。
本当なら中に出してはいけない、などと考える所だが余りに深い陶酔によってもはやどうでもよくなる。
この先の人生が台無しになったとしてもこの快楽と引き換えならば等価交換だろうなんて思う。
むしろ、台無しどころかこれでアリストレイの人生を自分に縛り付ける事ができるならば、などという邪な考えまで頭をもたげる。
「……きもち……い?……」
とろん、と紅い瞳を瞼で半分隠しながらアリストレイが聞いてくる、きもちいい?と聞いてるらしい。
「きもちいい……」
半ば反射的に答える、何も取り繕えない。
「よかっ……わたし、ばかり、よくなっちゃ、だめだからね……」
(そうか、アリストレイも気持ちよくなってくれたのか)
稚拙で、乱暴で、自分勝手な、こんな自分の行為で気持ちよくなってくれるだなんて、何ていい子なんだ、申し訳なくなるくらいだ。
「今から、ね」
「うう……?」
「今から言う事は、ね、僕のただの独り言で、リーダーは全然、関係ないから、ね」
「え……?」
言いながら、アリストレイは荻須の頬に両手を添え、しっかりと紅い目で見つめながら口を開く。
「ウォートニー・アリストレイは、一生、リーダー以外の男の人とセックスしません、裸を見せません、性的な接触をしません」
「……」
「リーダーだけを生涯、愛することを、誓います」
荻須の陰茎がめりめりと大きさを増していく、その分ますます締め付けがキツくなっていく、いや、アリストレイの膣圧も増している。
荻須は思う、こんないい目に遭うような善行をしたか?前世でとんでもない徳でも積んでたのか?何でもいい、幸運でも棚ぼたでも、もうこの子を手放す事はできない。
そっと、荻須もアリストレイと同じように頬に手を添え、目を合わせる。
この子を一生……。
ぐいっ
決意を込めた口づけをしようとした瞬間、横から顎を引っ張られた。
(えっ?)
むちゅんっ
「んぐっ」
巴だった。
二人だけの世界に横槍を入れるように荻須の唇を奪う。
ぬるんっ
同時に長く、温かい舌が口内に侵入し、荻須の舌を絡め取る。
「むぢゅんっ!?んぐ!むぐ!」
「ぴちゅ、ちゅぶっ、ちゅぷ」
「あ♪や♪そんな♪」
予期しない愛撫によって、ただでさえ肥大していた荻須の陰茎が爆発的に昂ぶる、それを膣内で感じたアリストレイが嬌声を上げる。

びゅばっ!!!

抜かずの二度目の射精、しかも、巴のキスが切っ掛けでの。
「やあ♪ひどい♪ひどいよぉう♪」
身をくねらせてアリストレイは注がれながら達する。
「……っっぷあっ!駄目!駄目だぁ!こんなの……むぐっ」
つい先程に、この女の子を一生大事にしようと決意した途端のこの暴挙。
別の女とキスしながらの中出し、やめさせようと声を上げてもその声も再び封じられる。
びゅぅっ!びゅっ……びゅぅっ……!びゅっ……びゅぅう!
そして、その背徳感がより射精を加速させる。背筋がぶるぶる震えるほどの射精感。
アリストレイの膣は男を殺す蠕動を止めず、巴の舌が踊り、舌をねぶり回す。
びゅく……びゅく……びゅく……
勢いが収まり始めてもそのコンビネーションは止まらず、最後の最後まで快楽を長引かせる。
「ちゅぱっ」
ぬるんっ
巴が口を解放するのと同時に、たっぷりの中出しを完了した陰茎が処女血と本気汁の混じったピンクの粘液を纏いながら解放される。

ぢゅぽっ

「おっ、あ゛っ!?」
外気の涼しさを感じる間もなく、また感触の違う温かい粘膜に包まれる。
巴に遮られて見えないが、それはるい子の口腔内の感触だった。
空気に触れる暇も与えずに、るい子が二人の行為の残滓を纏った陰茎に躊躇なくしゃぶりついたのだ。
勃起は鎮まる暇も与えられず、新たな快楽にわななく。
「うぅぅぅぅっ!」
初めてのフェラチオの快感に言葉を発せずにいると、その荻須の顔を蕩けた顔で覗き込みながら巴が囁く。
「これも……私が、勝手に言う独り言ですからね……」
「ぐぅぅぅぅぅ……!?」
「ミステラこと、市野巴は、この身体を荻須隆文以外に許さない事を、誓います」
「ぢゅぷっずちゅるっじゅるる!じゅるぅ……!」
教会の式場で聞くような神聖ささえ感じる宣言に、その口とは別の少女の口が自分の陰茎を啜り上げる音が重なる。
ああ、こんな、こんな、どうして、こんな
考える間を与えず巴がそっと、荻須に口付ける、式場で交わす誓約を思わせる軽い、でも重い口づけ、神聖な誓いの口付け。
ぱぢゅんっ
脳を蕩けさせられるようなその口付けの刺激に、また下腹部からの異なる刺激が重なる。
柔らかく、温かく、でも凄まじい圧迫感を伴う快楽。
るい子がその豊満な乳房の谷間に荻須の陰茎を挟み込んだのだ。
ちゅ……くち……ちゅぷ……
先程の激しいディープキスとは異なる、唇を触れ合わせるような浅い、でも淫らな口付け。
ぐにゅ……むにゅ……にゅるぅ……
るい子の乳房に挟まれた陰茎はゆっくりとその柔肉に弄ばれ、耐え難い柔らかさと快楽を伝えてくる。
やがて巴が唇を外し、ぬらぬらと舌を顎から首筋、胸元にまで這わせ始める。
鳥肌が立つような快感を残しながらゆっくり身体を下り、荻須の乳首をねぶる、笑みの形に歪んだ淫らな視線を荻須に送りながら。
その巴の顔の奥ではるい子が自身の乳房を持ち上げ、陰茎の先端を挟んでいる所だった。
コロロ……コロロ……と、その乳首に装着された淫らな装飾の鈴が音を立てる。
カリッ
「い゛っ!?」
と、巴が乳首に歯を立てた。
想像もしなかった電気が走るような快感が脳を走り抜けると同時だった。
ばちゅんっ
チリリン♪
るい子が持ち上げていた乳房を振り下ろしたのだ。
柔らかな肉に一気に陰茎全体が埋まる、同時に乳首の鈴が鳴る。
ぱちゅ!ぱちゅ!ぱちゅ!ぱちゅ!ぱちゅ!ぱちゅ!
チリン、チリン、チリリン、チリン、チリリン、チリリン♪
コツを掴んだのか、激しく、スムーズにるい子の乳房が上下運動を始めた。
乳肉が腰にぶつかると同時に陰茎を襲う耐え難い肉の圧迫、同時にそのリズムに合わせて響く鈴の音、卑猥な鈴の音。
「くぅぅあぁあああああ!んっぐ」
半ば悲鳴じみた声を上げさせられるが、それもすぐに塞がれる。
いつの間に回り込んだのか、アリストレイが逆さに自分を覗き込み、そのまま唇を奪ったのだ。
「むぐっふっ」
アリストレイのキスと、巴の乳首責めと、るい子のパイズリ。
三人から同時に快楽を与えられた荻須はただ、抗えない射精へ導かれるしかなかった。
ぶぢゅっ!
乳房の谷間に吹き出す所を、るい子が鈴口に口を付けて自らの口内で射精を受ける。
その間も肘で抱えた乳房を揺すって快楽を与えるのを止めない。
「ごくっ……ごくっ……ごくっ……ごくっ……んくっ……」
コロコロ……コロコロ……コロロ……
鈴を鳴らしながら、るい子は精液を飲み干す、びくびく腰をビクつかせながら飲む。
「ちゅ〜〜〜〜〜っぱぁ♪」
心底美味しそうにそれを飲み干したるい子は、最後にストローからジュースでも飲むように吸引した後、やっと陰茎を谷間と口から開放した。
するり、と胸を愛撫していた巴が下半身に移動する。
るい子が解放したその陰茎の上に流れるように移動すると、ローブの下半身をはらりと脱ぎ去る。
高級そうな下着にガーターベルト。
曲がりなりにも魔道士らしさを醸していたそのローブの下に勝負用としか思えない下着を着込んでいたのだ。
大人っぽく、成熟したその肢体に反則的に似合っている。
だが、荻須にそんな感想を冷静に抱いている暇はなかった。
「かぷ♪」
「うぅあああああ!?」
今度こそ、荻須は女のような嬌声を上げた。
アリストレイが首筋に噛み付いた瞬間、想像だにしたことのない快楽がそこから走り抜けたからだ。

ズブッミチィ

三人は、一切容赦してくれなかった。
初めての吸血の快楽に晒され、パイズリの余韻に浸る間もなく張り裂けんばかりになった荻須の陰茎を、淫魔の処女肉で包み込む。
「ん゛っぉっ」
神秘的な見た目からは想像できない生々しい嬌声を上げて、巴がガーターに包まれた安産型の尻をぶるぶる震わせる。
これほど同時によってたかって快楽を与えられているというのに、荻須には全ての快楽が余すところなくはっきりと知覚できた。
首筋にくい込むアリストレイの牙から注がれる痛烈な電流のような快感も、巴の処女膜の奥に潜んでいた貪欲な淫魔の肉粒が陰茎に絡む感触も。
正気を保ったまま気絶するような快楽を味わう。
「はぁー、はぁー、ふふ、頑張れリーダー、頑張れ♪頑張れ♪」
ばふっ
言いながらるい子が身悶える荻須の顔をその乳房で覆い、むにゅむにゅと肉に溺れさせる。
「あ、ぶ、ぷ、んぶ……!だめ……だめだぁ……こんな……こんな事……!」
自分は、こんな快楽は受け取り切れない、こんな至福を注がれるほどに器が大きくない、一人であっても不可能なのに、三人なんて。
そんな思いの荻須の言葉を聞いて巴は腰を振りながら淫らな笑みを浮かべる。
「ふ、ん、ん、かわいそうに、ぉっ、かわいそうに♪んぉっ、こんな風に、三人にレイプされてしまって♪ふぅ、おっ、貴方は、被害者なんですよ♪」
「ひ……ひが、い」
「そう、貴方はレイプ被害者、何も罪悪感を感じる事はないんですよ♪なぁんにも♪」
堕落に誘う巴の声、そうか、俺は被害者だったのか、いや、こんな被害があってたまるか、こんな……
「ふっ、んっ、んっ、んっ、んぉ、んぉ、んぉ、お、お、お、」
パンッ パンッ パンッ バスンッ バスンッ バスンッ
普段の穏やかで清楚な雰囲気からは想像もつかない下品な腰使いで、巴は尻を弾ませて先端から根元までたっぷりと味わうストロークのスピードを早め始める。
「んんんんんーーーー!!」
自分の意思と無関係な、雌の本能に引きずり出されたような雄の腰使いで荻須の体はゴツンゴツンと下から突き上げてその求愛ダンスに応える。
ズボッ ズブッ ビチャッ ズチャッ グチャッ
一際淫猥な水音の後、荻須が限界を迎えるのを察知していたかのように巴が腰を下ろしてピタリと動きを止める。
ちょうど最も深く繋がった状態、子宮口でしっかりと先端を捉え、一滴も漏らさない体勢で……。
「ふぅっ」
下腹部に力を込めた。
「あーーーーーーーーーーーーっ」
荻須は恥も外聞もない声を上げる。
巴の膣内が信じられない動きをしたからだ。
肉の粒が螺旋状に扱き上げるような、それでいて柔らかいような、きついような、とても言葉で表しきれないような動きだった。
ドボッ
まるで消耗をしらないかのような荻須の陰茎がその動きに捩じ伏せられるように精液を吐き出し、巴の飢えた子宮に捧げる。
「あぐ、く、ほぉぉぉぉぅ」
一瞬、完全に余裕を失った声を上げ、巴は一際激しくぶるぶると全身を震わせて搾精を味わった。
全身の痙攣に合わせてその人並み外れた膨らみがブルブルブルッと揺れてはしたない踊りを披露する。
意識の消し飛ぶような快感を味わいながら、荻須はその巴の恥ずかしい姿を脳裏に焼き付けながら射精し続けた。
「あぁ、ふ」
おぞましい量を吐き出したにも関わらず、ますます力を漲らせる荻須の陰茎がぬるんっ、と巴の体内から解放され、巴が妖しい笑みを浮かべて自分の下腹部を撫でる。

ちりん

と、鈴の音が鳴った。
その巴の後ろに回り込んでいたるい子が、乳房の先端の鈴を鳴らしてくるりくるりと舞うような動きを見せたのだ。
「えへへ、リーダーに、見せて、あげる、リーダーにだけの、求愛のダンス……」
そっと、るい子の動きを邪魔しないように巴が退くと、天を突く荻須の陰茎が見える。

ちりりん

るい子がひらりその上に跨り、脇を見せるようなポーズで両手を頭の後ろに組むとポルノよろしく股をパックリと開いて見せる。
コロロ……と、乳首の鈴が鳴る。
「よぉく、見ててね、荻須くん……♪」
最後だけ「リーダー」と呼ばなかった、突然リアルの名前で呼ばれ、それが荻須の陰茎により一層の昂ぶりをもたらす。
その瞬間にるい子が一気に腰を落とした。

チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪
 
チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪

るい子の淫猥な「求愛ダンス」に合わせて、乳首の鈴は鳴り続けた。

チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪
 
チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪ チリン♪







 ジュルル、ジュポ、ジュル、ジュププぅ……
かなり、時間が経過したはずだった、二時間か、三時間か、だがいまだにこの淫らな宴が終わる気配はない。
二人で競い合うようなダブルパイズリで荻須の陰茎を嬲り、亀頭に二人がかりでしゃぶりつく巴とるい子の様子を見る限りでは。
「ふふ、ふ、ゲームも……順調だよ、リーダー……♪」
気付くとモニターの横に移動していたアリストレイが、たらふく精をいただいた下腹部を撫でながらゲーム画面を示した。

ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪
ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪ポワワン♪

ダンジョンの最深部、ボスの部屋で、四人のパーティーは装備を脱ぎ捨てて絡み合っていた。
もはや現実と違わぬクオリティーで再現された三人は、画面から溢れるほどにハートを散らしながら「オギス」に群がり、むしゃぶりついている。
画面上には燦然と「クエストクリア」の文字が輝いている。
しかし三人はそんな事はお構いなしに、ひたすらに「オギス」を貪り続ける、現実とまるで同じに。
「「あっち」にも負けてられないぞリーダー……荻須クン♪」
ぺろり、と舌なめずりを一つすると、アリストレイは二人にしゃぶられる荻須にまた歩み寄って来る。
(そう、か)
荻須は何となく、理解する。
この会場……イベントは、このために開催されていたものだったのだ、「彼女達」がパートナーを自分の物にするための……そのための機会だったのだ。
恐らく、このプレイ専用スペース……あの数え切れないほど設置されていたプレイスペースの中では、ここと同じような光景が繰り広げられているのだ。
「彼女達」がパートナーに跨り、腰を振っているのだ……。
理解した所で、荻須に出来る事はなにもない、ただ、人間の許容量を超えた快楽を注がれ、彼女達にたっぷりと食べられる以外の選択肢はないのだ……。
二人が退いた陰茎に、再びピンクの粘膜をあてがって微笑む愛しい魔物を見上げながら、荻須は自ら彼女の腰に手を添えた。

ぬちゅぅ……
18/12/10 02:00更新 / 雑兵
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冬コミもがんばります

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