私は休日に本屋でとある本を手にした途端、今までにないほどにその本を読みたくなる感覚が私に襲いかかった

他の本には目もくれずその本を購入し、その場で読みたい衝動に駆られつつも急いで家に帰り、レジ袋を投げ捨て本の包装を破り捨てた

期待を胸にその本を読むと、異常なまでの満腹感と幸福感が私を満たした

内容はありふれた官能小説かもしれないが、その本が、ページが、挿絵が、一文字一文字が私を魅了する

特に甘美であろう交わりをとてもリアルに表現している挿絵は絵の分野が得意な私でも驚くほどに綺麗だった

気が付くと私はその本を読み終わり、読み始めていてからそれなりの時間が経ってしまっていた

しかし、まるで中毒症状のようにこの本の作者の別の作品を私の身体は求めてしまっている

私は一日全てを使ってその本の作者の官能小説や画集など作品をいくつか読み切り、衝動に任せてそれらの本をオカズとして使用した後に思った

これは運命の出会いだ、この作者こそ私の夫にふさわしい男なのだろうと

そう思ったとき、非常に甘美な香りが私の鼻をくすぐった

それらの本のように私を魅了する香りである

これは彼の匂いだ、そう思ったとき、私は家を飛び出してしまっていた









私は彼が居るであろう家の玄関までたどり着くことができた

辺りはすっかり暗くなってしまっているが、彼の家に泊めてもらうことができたのならば問題ない

期待を胸にインターホンを鳴らし、思わずドアを魔術で破ってしまいたい衝動を抑えて待っていると、ゆっくりと彼の匂いが近づいてくる

ガチャリと音を立ててドアが開かれるとけだるそうな様子の青年が私を出迎えた


　「はい、なんのようですか？」


そのまま彼の股間に飛びつきたくなるのを抑えて私は口を開く


　「初めまして私はあなたの作品のファンでシリナと申します、種族は見ての通りリャンンシーです」
　「突然ですいませんけど私の夫になってくださいっ！！」


私は自分の想いを全力で彼に伝える

こういう時はシンプルな方が相手には伝わりやすいだろう

しかし彼は私の告白に動じず、気だるげな雰囲気を崩さず、ボリボリと頬を掻いた


　「んー……俺の作品のファンになってくれたのは嬉しいし、俺なんかのことが好きになってくれたのも嬉しいんだけど……あー……なんていうか……」


言葉を探している様子にも見て取れるし、押し切れば受け入れてくれそうな様子のようにも見える彼もまた魅力的に私には映る

このまま魅了の魔術でもかけて私に夢中になってもらおう

そう思ったとき


　「………蒼井、お客さんは私が相手するって言ったのに」


彼の家の奥から私とは別のリャナンシーが出てきて、彼の肩の上に座った










妻であるナリィ以外のリャナンシーは初めて見たが、確かに色々なタイプが居るようだ

ナリィは俺の文章に惚れ込んで嫁に来てくれて、性格も大人しい感じなのだ

逆にこのシリナという娘は俺の作品の挿絵を特に気に入ってくれて、性格も活発そうに見える

さて、ナリィにシリナのことを任せて俺は作品作りに戻ったが、どういう風に話をまとめるのだろう

そんなことを思いながら一区切りつくまで書き上げると、二人が俺の部屋に入ってきた

ナリィはいつものように少しオドオドし、シリナも先ほど俺と出会った時のように目を輝かせて俺を見ている


　「………蒼井、私のことは愛してる？」


　「あぁもちろんだ、自分の妻なんだから愛してるのは当然だろ」


　「……ん、ありがと」


　「それじゃあ……いいんですか！？」


　「………うん、私は蒼井が愛してくれるなら別にいいよ、二人目の嫁を娶るのもネタ作りにはいい経験だと思うし」


……どうやら俺が知らない間にシリナが嫁に来ることが確定していたらしい

確かにナリィの言うとおりにいい経験にはなると思うが、彼女は本当にそれでいいのだろうか


　「………シリナも蒼井じゃないとダメみたいだし、一緒に蒼井を愛してくれるなら嬉しい、それに私が一番っていう約束」


　「悔しいけど、私もがんばって蒼井さんをメロメロにしてみせますよ！」


別に俺はナリィがいてくれればいいのだが、彼女がそれでいいのであればいいか









二人の妖精が全裸になって俺のモノに抱きついている

二人とも人間サイズに変身することができるそうなのだが、シリナが最初は本来の大きさで愛してほしいといったので、この状態になっている

自らの胴体とほぼ同じサイズのモノをナリィとシリナは愛しそうに全身をこすり付ける

シリナは亀頭にしゃぶりつき、次々と込み上げる先走りをおいしそうに飲み込み、ナリィは大き目の乳房で竿を挟みこんで愛撫する

そして二人とも手足でモノを擦って射精するのを今か今かと待ち望んでいる


　「んくっ♥ちゅ♥カウパーだけでこんなにおいしいなんて♥・・しかもこんなに大きいのが私の中に入ってくることとか考えただけですごいですねぇ♥♥」


　「………私も最初はこんなの入るわけないと思ってたけど、今はコレ無しの生活なんて考えられない♥♥」


うっとりとした表情で愛撫を続ける彼女達はまさに小さな淫魔といえるだろう

シリナは俺の敏感なところももう把握してきたようだし、ナリィにいたってはシリナを補助するかのように慣れた手つきで愛撫してくる

いつもの倍近く、もしくはそれ以上の快楽を与えられ、呻き声のようなものを出すことしかできない

俺は彼女達の愛撫に屈し、射精した

インキュバスになってからそれなりの時間が経つので射精する量は多く、とても濃い精液が放出される

サイズの小さな彼女達からすれば精液のシャワーといっても過言ではない量である


　「………♥♥♥」


　「あはぁ♥いっぱい出ましたねぇ♥♥」


彼女達はそれを愛しそうに浴び、おいしそうに口に運び、自分の身体にこすり付ける

している行為はともかくとして、楽しそうに、そして愛しそうにこのようなことをしている姿はまさしく妖精といったところだろう

二人の妖精はお互いの身体にかかっている精液を手で掬い、舐めあいながら期待に満ちた目で俺を見上げる


　「………今日はシリナから先にしてあげて」


　「初めてだからしてもらうばっかりになっちゃうかもしれないけれどできるだけ蒼井さんを気持ちよくして差し上げますね♥」


二人はそういってキラキラと光る羽虫のような羽を広げ、ナリィは俺の顔の傍まで飛んで俺にキスをし、シリナはまだまだ萎える様子の無い俺のモノの上に両足を広げて座った

俺はナリィの小さな唇にキスを仕返し、右手でそっと、しかし離してしまわないような力でシリナを掴んだ

そして彼女の身体をゆっくりと下に降ろしていく

彼女の体に対して大きすぎるほどの俺のモノを彼女はゆっくりと膣に収めてゆく

ギチギチと強く締め付けられ、痛みにも近い強い快楽が俺を襲うが、手を止めることなく彼女の身体を降ろしていく

シリナのお腹が妊娠したかの如くに膨れるが、彼女は痛そうな顔はせず、むしろ恍惚の表情を浮かべている

竿の真ん中あたりのところで手を止める、ナリィと同じでここまでしか挿れれないのだ


　「ふぁぁ♥しゅごいぃ♥♥おなか♥パンパンですぅ♥♥♥」


　「……んちゅ……うらやましい」


彼女を握る手の力は強めず、モノを抜いてしまうギリギリまで引き抜き、再び竿を真ん中まで押し込む

初めてなのでシリナの身体のことを気にしつつもそれを繰り返す

亀頭を中心に締め付けられる快楽も次第に強くなり、俺を追い込んでくる

それのせいで段々と彼女を掴む手の速度が速くなっていき、まるで自慰をしているかのごとくの速度になる

シリナは快楽にガクガク震え、口の端から涎が零れ落ちてしまっている

そのまま何往復も彼女の身体を上下させた後、俺は射精した


　「んあぁぁぁあぁあぁん♥♥♥ドプドプでてりゅぅ♥♥♥♥」


彼女のお腹が更にボコリと膨れ上がり、どう考えても入らない量の精液がドクドクと彼女に注がれる

ビクビクと脈を打つ俺のモツと同じように彼女の身体も痙攣し、快楽にまみれた顔を晒す

当然のごとく収まりきらない精液が溢れ、彼女の膣から零れ落ちてゆく

そしていつのまにやら彼女の側に近寄ってきたナリィがそれをおいしそうに頬張り、幸せそうな笑顔を浮かべる

俺はいまだピクピクと震えているシリナをそっと寝かせ、ナリィを掴む

彼女も何をされるのかわかっているようで俺に身を任せ、期待に満ちた目で見上げてくる

単純に考えるとシリナが増えたということはナリィに構ってあげる時間が半分に減ってしまうということだ

それならば彼女達に構ってあげる時間を倍にしてあげれば問題ということだろう

俺はナリィの頭を親指で軽く撫で、彼女の小さな膣口を自分のモノにあてがった









二人に構ってあげる時間を倍にするということは他のことをする時間が減るということだ

インキュバスである俺にとって妻と交わる時間を増やすということは問題ないのだが………


　「………蒼井、このあたりの誤字が酷い」


　「蒼井さん、ここは鎧のはずなのにマントの色が少し浸食してしまってますよ！」


………創作活動をする時間も減るというわけだ

ナリィは文章の方の指摘はよくしてきたが、挿絵に関しては最低限しかしなかったのだが、シリナはその逆だ

双方からの指摘のおかげで作品自体の仕上がりは自分でも満足でき、二人にも満足してもらえるぐらいのクオリティにはなるのだが………

作品を作っているときは今まで以上に追い詰められる状況で作らなくてはならなくなった


　「………もう少し頑張ったら休憩しよ♥」


　「こっちの方ももう少しで仕上がりですから完成したらご褒美あげちゃいますよ♥」


幸せではあるがな

■作者メッセージ
色々な芸術分野の才能がある人ってそれぞれの分野のリャナンシーにモテるのじゃね？という発想を作品にしてみました

バフォ「相変わらず馬鹿な発想から作品を書きあげるの」

……確かに自分は最初に思い浮かんだ１シーンや発想をベースに作品を書きますね

サキュ「で、それを書いていくと最初の１シーンがあまり強調されていなかったり魔改造されていたりするわけですね、プロットを最初のうちにちゃんと作ってないからそうなるんですよ」

……そういう時に自分は自分の語彙力や表現力の無さにげんなりしますねぇ

さて、おそらくこれが今年最後の投稿になります
自分の作品を見てくれる読者様やたくさんの作品を投稿している他の作者様にはいつも感謝しています

バフォ「よく感想欄を見て狂喜乱舞したり」

サキュ「他の作者様の作品をみてニヤニヤしたりしてますからね」

少し早いですが今年も一年お疲れ様でした
それではよいお年を