3話:スパルタ婿修行 BACK NEXT

「ん・・・朝か・・・」

眠りから覚めて外を見てみると少し明るくなっていた
二度寝したい気分だけど我慢して起き上がる

「さて・・・何をすればいいんだっけ・・・」

服を着替えながらようzy・・・アイリスにやるように言われた事を思い出してみる

まずは朝食を作ってアイリスを起こして朝食を食べたら食器を洗って片付けてそのあとは洗濯をして洗濯物を干し終わったら買出しに行って帰ってきたら昼食を作って食べ終わったらまた食器を洗って片付けてその後はアイリスの指導の下特訓とやらを長時間頑張ってやって終わったら干していた洗濯物を片付けてその次は夕食を作って食べ終わったら食器を片付けてそれが終わったらお風呂を沸かしてお風呂をあがったらアイリスをマッサージして終わったらゆっくり寝るっていうより家事全般全部押し付けられてるよねこれどういうことなの説明を要求するでもアイリスが可愛いから許すって何を長々と考えているのだ撲は

「・・・」

思い出しているうちに頭痛がしてきた・・・
あぁ・・・これが全国の主婦と主夫のやっていることなのか・・・特訓は別として

「はぁ・・・やっぱりやらなくちゃいけないのか・・・」

考える暇もなさそうだ、早くやら無いと何をされるか・・・
僕は気合を入れなおし、朝食の準備をすべく調理場へと向かった










「うむ、なかなかうまいの」
「それはよかった」

どうやらアイリスの口に合う朝食が作れたようだ
・・・少しだけ手を抜いたということは口が裂けても言えない・・・

「ふむ、手を抜いたにしてはうまく出来ておるの」
「!?み、見ていたの?」
「当たり前じゃ、ワシの目は誤魔化せんぞ?」

・・・ばれてたらばれてたで恥ずかしいな・・・次からはちゃんと作ろう・・・

「ご馳走様なのじゃ」
「お粗末さまでした」

食事が終わったので食器を片付ける・・・量が少なめだから直ぐに片付くだろう

「ひ〜ま〜な〜の〜じゃ〜」
「食後直ぐに横になるとホルスタウロスになりますよ」
「やることがないのじゃ〜」

いい年をした幼女が手足をバタバタさせている・・・
見ていて可愛いけど反応に困る

「ふぅ・・・終わった」
「よし!遊ぶのじゃ!」
「次は洗濯をしないと」
「ダメじゃ!ワシと遊ぶのじゃ!」
「アイリス・・・君がやれと言ったのを忘れたのかい?」
「むぅ・・・」

やっと静かになった・・・
さて・・・洗濯をしないと








「んー・・・はぁ〜」

洗濯物を干し終えて伸びをする
かなり溜まっていたみたいで洗うのが大変だった・・・
アイリスのほうを見てみるが・・・

「はぁ・・・アルトがかまってくれない・・・グスン・・・」

うわぁ・・・すごく落ち込んでる・・・
うーむ・・・どうやって機嫌を取ろうか・・・

「ねえアイリス?」
「どうしたのじゃ?ワシは今悲しい気持ちでいっぱいいっぱいなのじゃ・・・」
「いやね・・・一緒に買出しに行こうかなー・・・って」
「!行くのじゃ!早く準備するのじゃ!」
「って早っ!?痛い痛い引っ張らないでぇ!」

一気に明るくなったアイリスはとんでもない速さで仕度をすると猛烈な勢いで僕の腕を掴み引っ張っていった
先行きがすごく不安だ・・・やれやれ・・・











「いろいろな店があるんだね」
「なんじゃ、ここにくるのは初めてなのかの?」
「聞いたことはあるけど実際に来るのは初めてだよ」

親魔物側の首都[ヨルムンガルド]
行商人をしているけど今まで一度も立ち寄ったことが無い街だ

「すごい・・・おもわず衝動買いしてしまいそう・・・」
「あまりキョロキョロするでない、恥ずかしいではないか・・・ん?」

僕に注意をしつつ何かを見つけたらしい

「おぉ、ルイスではないか」
「あら?アイリスちゃんじゃない、元気にしてた?」

なにやら親しげに話している二人
ルイスと呼ばれたほうの魔物は露出の多いドレスのような服を着ているほかに、尖った耳と九本の太い尻尾が生えていた

「あいも変わらずふさふさしておるのう」
「アイリスちゃんも相変わらず小さくて可愛いわね」

・・・話している邪魔をするのも酷な気がするし、二人が話している間に必要なものを買ってこようかな
そう思いつつ、僕は人ごみの中へと溶け込んでいった

「そういえば最近になって婿候補を手に入れたのじゃよ」
「あらいいわね、それでその婿候補は何処にいるのかしら?」
「む?さっきまでそこにおったのじゃが・・・うむぅ?」









やっと買い終わった・・・結構重い
多分アイリス怒っているだろうなぁ・・・
お、いたいた

「それにしても最近の若い男は口ばかり達者で修行が足りん者ばかりでつまらんのじゃ」
「特に教団の騎士団はめっきり弱くなっちゃったわね、前は少し苦戦する程度の実力があったけど」

あら?まだ話している最中ですか
仕方ない、待っている間アイスでも食べていよう

「そういえば魔女達は元気にしているかしら?」
「うむ、毎日頑張って修行をしておるぞ」

スプーンでアイスをすくって口の中へ運ぶ
ひんやりと冷たく、口の中で溶けて甘みが広がっていく

「それにしても尻尾が九本もあると大変じゃないかの?」
「確かに大変ね、周りの人たちがね」

一口、また一口とアイスを食べていく
外で食べるアイスというのもなかなかいいものだ

「それにしてもアルトは何処へ行ったのか・・・」
「そのアルトって言う子はどんな感じの子なの?」
「うーむ・・・わかりやすい特徴を言うと白いポニーテールじゃ」
「その子かどうかは知らないけどさっきからアイリスの後ろにいるわよ?白いポニテの子」
「ふぇ?」

次のアイスを取り出してまた食べ始める
美味い、美味すぎる

「アルト・・・そこで何をしておるのじゃ?」
「え?話している最中に邪魔をするのも悪い気がしたのでアイスを食べてました」
「戻ってきたならちゃんと言わんか!あとワシにもアイスをよこすのじゃ!」
「あらあら、仲がいいわねぇ」
「のんきなことを言ってないで助けてください!」










「「ご馳走様(なのじゃ)」」
「お粗末さまでした」

あの後、ルイスさんも一緒に来て昼食を食べることになった
・・・今度はまじめに作りましたよ?

「アイリスちゃんこんなにいい子を見つけれるなんてうらやましいわ」
「ワシのことを守ろうともしてくれた上に見たことのない魔法を使えるのみたいでな、ついついお持ち帰りしてしまったのじゃ」

食器を片付けているとそんな声が聞こえてくる
僕ってそんなにいい子なのだろうか?

「午後からは特訓をするのじゃが・・・ルイスも見ていくかの?」
「素敵な提案ね、見させてもらおうかしら」
「片付け終わりましたよ」
「うむ、ならば特訓じゃ、庭に行くぞ」

三人そろって庭へと出る
そういえば特訓って何をやるんだろう?









「うむ、皆そろったようじゃな」
「「「はーい」」」

アイリスの前に並ぶ三人の幼女
みんな可愛いけどアイリスの部下だから相応に強いのだろうか・・・

「よし、三人でアルトと戦うのじゃ」
「「「わかりましたー」」」
「え!?」

三対一だって!?ありえない!何かの間違いじゃないのか!?

「それじゃあ」
「お手柔らかに」
「お願いしますね」
「特訓という名の虐めだろうこれ」
「よし、始め!なのじゃ」

アイリスの合図と共に三人の魔女は呪文を唱え始める
どんな魔法が飛んでくるのか・・・

「我ら三人の祈りを聞き」
「我らの前に立ちふさがる者達に」
「裁きの雷を降らせ!」
「「「サンダーフレア!」」」

彼女達が唱え終わると同時に空が曇り始める
そして雨が降り、強風が巻き起こる

「さて・・・アルトはこの状況をどうするかの?」
「どんな手を使うのか楽しみね」

強い風と雨に阻まれて狙いを定めれない・・・
ショットを撃とうにも風に流されて当たらない

「むぅ・・・あまり強力なのは使えないし・・・どうしたものか・・・」

どうしようか考えていると遠くの方で雷が落ちたようだ
雷は少しずつ此方へと近づいてくる

「不味い・・・どうにかしないと・・・とりあえずにgギャース!」

逃げようとした途端、雷が直撃し僕はその場へと倒れた

「あれ・・・」
「もしかして・・・」
「強すぎた・・・?」
「アルト!しっかりするのじゃ!」

みんなが心配そうに駆け寄ってくる
体がピクリとも動いてくれないので大丈夫なことを伝えられない

「あら?この子・・・」
「む?どうしたのじゃ?」
「体は痺れて動かせないみたいだけど・・・さっきの雷を吸収したみたいよ?」
「なんと!?」

そんなにすごいことなのだろうか?
でもどうしよう、これだと夕食が作れそうにないな・・・

「雷を吸収できるのなら火も試してみるのじゃ!」
「あ、でも吸収できる属性以外h」
「フレイボム!」

巨大な炎の塊が僕めがけて飛んでくる
体が動くようになったら絶対に仕返し・・・を・・・
強力な炎と爆風に吹き飛ばされ、僕の意識も吹き飛ばされてしまった










「本当にすまないのじゃ」
「・・・」

アイリスがベッドに座っている僕に土下座をしていた
あの後、僕は3時間ほど気を失っていたらしく夕食に間に合わなかった
しかもあのときに降った雨のせいで洗濯物を洗いなおすことになってしまった

「何でも言うことを聞くから許して欲しいのじゃ・・・」
「何でも・・・ですか・・・」
「あれ?もしかしてワシ、大変なことを行ってしまったのじゃろうか・・・」
「フフフ・・・もう少し言葉は慎重に使わないといけませんよ?」

アイリスは少し怯えたような表情で此方を見ている
・・・少し期待しているようにも見えるのは気のせいだろう

「三つお願いがあるんですがいいですか?」
「う、うむ」
「一つ、特訓はもう少し難易度の低いものにしてください」
「わかったのじゃ」
「二つ、少しは家事を手伝ってください、一人では辛いです」
「うむぅ・・・わかったのじゃ」
「三つ目は・・・」
「み、三つ目は・・・」

重い空気が流れる・・・
何を言われるかわからないアイリスは不安そうな表情をしている

「今夜は一緒に寝てもらいましょうか」
「!?・・・わ、わかったのじゃ」

頬を赤くしつつあっさりと要求を受け入れるアイリス

「それじゃあもう遅いですし寝ましょうか」
「うむ、お手柔らかにの」

不適な言葉を言いベッドに入ってくるアイリス
僕は静かに部屋の明かりを消した・・・










「すぅ・・・すぅ・・・」
「・・・」

アルトの口から気持ちよさそうな寝息が聞こえる
少し期待して何時襲われるのか期待しておったというのにこやつは・・・

「・・・酷い生き殺しなのじゃ・・・」
「すぅ・・・すぅ・・・・」

小さな少女の呟きは少年の寝息と共に暗い夜の闇に吸い込まれていった
10/07/08 16:13 up
戦闘風景を美味くかけない!そして回を増すごとに厨二になっていく設定集!

そんなこんなで第3話です
今回は第三の主要人物である妖弧のルイスさん初登場回です
次回更新前に設定集の大規模改変を行う・・・かもです

7/8追記:大型改変の予定でしたがページ数が無駄に増えてしまうのでなしになりました
白い黒猫
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