読切小説
[TOP]
堕落の夏
 私の名前は、種山(たねやま)善蔵(ぜんぞう)。最近薄毛が気になり始めた、肥満体型の四十代独身。取り柄といえば、この年齢になっても衰えない性欲と、それに比例するように大きな肉棒ぐらいの中年男だ。
 夏。ふと気が向いて、地元の浜辺へと立ち寄った私は、一人の美女と出会った。
 肩のあたりで切りそろえられた、手入れの行き届いた綺麗な銀色の髪と、深海のような深い青色の瞳をした彼女は、清楚な雰囲気の整った顔つきと、その雰囲気に反比例するかのように起伏の激しい肉感的な肢体に、シンプルな黒いビキニを身に着けている。
 あまりにも魅力的な女性の姿に見惚れていると、彼女もこちらに気付いて、近づいてきた。

「はじめまして」
「あ、ええ……はじめまして」

 にっこりと朗らかな笑顔で挨拶をしてくる彼女に、こちらも愛想笑いを返す。
 もしかして、じっと見ていたことに何か言われるのか、と身構えるが、幸いにも、彼女はにこにこと笑ったままだった。

「近く、この辺りに引っ越してくる予定の、パトリシアと申します。パティとお呼びください」
「ああ……種山善蔵といいます」

 仕事中ならここで名刺を手渡すんだけど、と少しズレたことを頭の隅で考えながら、彼女を見る。

「ところで、種山様」
「はい」

 私が返事をすると、パティは、挨拶をしてきた朗らかな笑顔のまま、すっとこちらへの距離を詰めて言った。 
 
「ずっと、私のおっぱいを見ていますよね?」
「う、ぉ……!?」

 体をこちらに押し当てるようにしながら、海パンの上から股間に手を添えてきた。パティのビキニ姿を見ただけで、半勃ちになっていた私の肉棒は、ただゆっくりと撫でられただけで一気にガチガチの臨戦態勢になってしまう。

「まあ、大きい……」
「くう……!」

 完全に勃起している肉棒の先端、その反り返っている部分を、カリカリと指でくすぐられる。しばらく抜いていなかったから、それだけでもう出そうだった。
 思わず見返すと、パティは手を止めることもなくこちらを見上げながら、さらに密着してくる。
 押し付けられた胸の柔らかさと大きさに、元々切れそうになっていた理性の糸が、ついにぶつりと切れて、私は衝動のままパティの尻を掴んだ。

「ああんっ」
「先に触ってきたのは、そっちですからね……?」

 肉がみっちりと詰まったヒップを、痕が残りそうなほどに強く掴みながら揉む。

「んん、積極的な方ですね……なら、私も、遠慮なく……」
「ふぉあ……!」

 パティが海パンの中に手を入れ、直接肉棒に触れて、上下にしごいてきた。

「ああ、なんて太さと、硬さと、熱さ……たまりません……!」
「見た目は清楚そうなのに、なんてスケベな……!」

 パティの手つきに、もう遠慮する必要はない、むしろ無粋、と開き直ることにした私は、空いていた片手で彼女の胸を揉む。

「大きいですなあ……!」
「ああ、いい……」

 尻も胸も、たっぷりとその豊満な感触を堪能しながら責め立てる。パティの肉棒をしごく手も、どんどん激しく熱のこもったものになっていった。

「くう、お、あ、お……!」
「ん、でちゃいそう、なんですか……?」
「ええ、しばらく抜かずに溜めていたので……」
「ふふ、そうなんですか。なら……」

 パティが手を止めた。ついこちらも手を止めてしまうと、そのまま彼女はその場に跪いて、私の履いている海パンに手をかける。
 そして、そのまま一気に引き下ろした。ぶるん、と勢いよく跳ねあがった雄々しい肉棒と金玉が外気に晒され、パティが恍惚とした表情を浮かべた。

「なんて、逞しい……!」
「ありがとうございます。実はちょっとした自慢でしてね……」

 私の猛々しく勃起している肉棒を見つめ、舌なめずりをし、口の端からよだれを垂らしている今のパティには、最初に見たときに感じた清楚な雰囲気はもうなく、代わりに淫らな雌の顔をしている。

「では、失礼しますね」
「うぉ……!」

 ビキニを外し、白い肌と大きな乳房を披露するパティ。肉棒を谷間に挟み込み、上下にしごき始めた。

「ああ、熱い、大きい……私のおっぱいから、頭が飛び出しています……」
「うあ、やばい……!」

 肉棒を挟んでいるその構図だけでも視覚的な興奮がずば抜けているのに、さらに上下にしごく奉仕の手つきが絶妙で、あまりの快感に身震いしてしまう。

「では、んっ」
「お、ぉぉぉぉぉっ!」

 そして、さらにまさかのパイフェラ。パイズリしながら先端を咥えられ、しごかれながらしゃぶられて、腰が抜けそうになった。

「ん、お、お、おお……!」
「出そうになったら、いつでも出していただいて大丈夫ですから……」

 パティの舌が、まるで生き物のように口内で蠢き、肉棒の先端を刺激してくる。
 絶え間なく与えられる快感に、元々限界が近かったのもあって、私はすぐに射精してしまった。

「くあ……!」
「んん……!」

 肉棒から大量に放たれた精液が、パティの口に収まりきらずに溢れ、こぼれて谷間を塗りつぶしていく。
 私が荒くなってしまった息を整えている間に、パティは口内に残っていた精液をすべて飲み込んでいた。

「ん、なんて濃厚な……量も、すごい……」

 先ほどよりも、恍惚とした表情を浮かべるパティ。
 そして、いまだに硬さを誇ったままの肉棒を見て、わずかに目を瞠っていた。

「まあ、こんなに出したのに、まったく衰えることなく硬いままなんて……!」
「パティみたいな美人にパイフェラまでされて、萎える男なんていないよ……」
「んふふ、ありがとうございます……」

 目を爛々と輝かせているパティ。その姿に、私は生唾を呑み込む。

「では、今度は……」

 立ち上がり、私の手をとって、パティは自分の股間を触らせる。そこはすでにびしょびしょに愛液があふれて濡れていた。

「こちらに、くださいませんか……?」
「もちろん、喜んで……!」

 返事をして、くちゅり、と指を曲げた。準備万端の秘所へと指を三本割り入れ、中をかき回す。

「あ、ああ、あ……!」

 かき回されて、絶頂したパティが脱力し、私のほうへと倒れ込んできた。
 受け止めてその場に倒れ込むと、パティの脚を開かせて、秘所に自分の肉棒を押し当てる。

「私が上、ですか……?」
「不満なら、のしかかりますが……?」
「いいえ。どうぞ、あなた様の思うままに……」
「それ、では……!」

 遠慮なく、滾る肉棒を、濡れそぼった彼女の最奥へと一気に挿入した。

「ああ、あ、太いです、こんな……!」
「くあ、これは……、動き、ます……!」
「はい、動いてください……!」

 パティの内側が、肉棒を適度に締め付けてくる。衝動のまま突き上げると、胸が弾み、高い嬌声があがる。

「ああ、あん、はぁ……!」
「うおお……!」

 突き上げるたび、とてつもない快楽を感じ、興奮が昂っていく。弾むパティの胸を鷲掴みし、揉みしだき、ひたすらに腰を振った。

「ああ、あ、イク、イッてしまいます……!」
「私も、もう出ます……!」

 絶頂が近づき、蠢く彼女の内側があまりにも気持ちよすぎて、腰の動きも、射精も、止められそうにない。
 パティの手足がこちらの背中に回され、がっちりと固定された。

「あ、あああああ……!」
「く、おぉぉ……!」

 射精し、パティの子宮へと精液を注いでいく。絶頂の余韻で、彼女の内側が蠢き、肉棒を締め付け、精液を搾り取られていく。
 しばらく射精の余韻に浸った後、肉棒をゆっくりと抜き取っていく。精液も一緒に掻きだされ、雄の臭いが広がった。

「ああ、もったいない……」

 外に掻き捨てられた精液を見て、パティがそうぼやく。
 そしてじっと私と、まだ勃起したままの肉棒を見つめると、体を動かし、見せつけるように脚を開いた。

「今度は、正面からお願いできませんか?」
「喜んで……!」

 そう答えて、衝動のまま覆いかぶさろうとすると、パティが、あ、と間の抜けた声を出す。

「そうだ、種山様。水着も、変えますね。好みはありますか?」
「え。……そのビキニもいいんですが、スリングショット水着も直球にスケベで好みですね」

 欲望のままにそう答えた。着替えてきてくれるのか、と期待に胸が躍るが、その間はお預けか、とすぐ肩を落とし、パティを見た。
 すると、先ほどまで黒いビキニだったはずの彼女の水着が、黒いスリングショット水着になっていた。思わず目を擦って見ても、スリングショット水着のままだ。

「え、え、どういう……!?」
「……もう、種山様」

 戸惑っていると、いつの間にか立ち上がっていたパティが顔を寄せてきて、耳元で囁いた。

「そんなこと、後でいいでしょう。今は、ただ、お互いに愛し合いましょう……?」

 その蠱惑的な声に、私の胸の中に浮かんでいた戸惑いは一瞬で消えた。その代わり、眼前の雌を抱きたいという衝動と欲望が満ちる。
 ギラギラとした目つきで見ると、その反応にパティは満足したのか、自分の手を使って、脚をさきほどよりも大きく開き、言った。

「どうぞ、衝動のまま、ケダモノのように、私を犯してください……」

 言われるがまま、パティに襲い掛かる。
 一気に最奥まで肉棒を挿入し、開いた脚を片手で抱きかかえるように押さえつけ、もう片手で巨乳を掴み揉みしだいた。

「ああん、ああ、もっと、もっと……!」
「う、おおぉぉぉ!」

 理性や良識といったものが消し飛び、パティの言った”ケダモノ”のように、ひたすら彼女の肢体を犯す。
 自らの最も奥深いところから湧き上がった熱い衝動を、精液として放った。



「……つまり、貴女は、人間じゃないんですか?」
「ん、はい。私は、ダークプリースト、と呼ばれる魔物娘なのです、あんっ」

 X字ビキニ、と呼ばれる水着を着たパティをバックで突き上げながら、私は彼女の話を聞いていた。
 曰く、自分は人間でなく、魔物娘と呼ばれる存在で、その中のダークプリースト、という種族だとか。
魔物娘は人間に友好的な存在で、人間の男性を夫とし、一途に愛して生涯を捧げることや、魔物娘と交わっているとインキュバスという存在に変化することなど。
 ちなみに、水着はパティが魔力で操って、元々着ていた衣服を変化させているらしい、と聞いた。

「つまり、私は貴女のお眼鏡に叶ったわけですか」
「はい」

 後ろから突きあげるたび、パティの胸が振り子のように揺れる。衝動的に鷲掴み、弄ぶ。

「……確かにもう何時間もしているはずなのに、誰も来ませんしねぇ……」
「実は、結界を張っていました」

 そう言って、どうやらいつの間にか、私の妻となったらしいパティという女性は笑った。
 その笑顔を見て、私は色々と考えることをやめる。

「……これから、私はどうなるんですか?」
「存分に交わった後、魔界の万魔殿に行って、永遠に私と交わっていただきます」

 永遠にパティと交わり続ける、と聞かされても、私に不安や戸惑いはなく、むしろ歓喜に溢れていた。
 ダークプリースト。「堕落した神」の教えを広げ、人間を堕落させる聖職者。彼女に惹かれることが堕落というなら、私はとっくに堕ちていたようだ。

「それは、楽しみですねぇ……」
「ふ、ふふ。何よりです」

 パティが妖しい笑みを浮かべる。それに対して、私も笑い返した後、ふと、思い出したことがあった。

「パティ。万魔殿に行く前に、済ましたい用事があるんですが、いいですか?」
「はい、なんでしょう?」

 こうやって話しながらも、私たちは交わり続けたままだ。なんとも、堕落した者たちらしい姿だ。

「万魔殿に、何人か誘いたい人がいるんです」
「ああ……、ふふ、わかりました。……楽しみですね、旦那様」
「ええ。……ああ、そうだ、パティ」

 もう一つ、思い出したことがあった。

「愛しています」
「私も、愛しています」
22/08/14 07:47更新 / フォロン・ジクシー

■作者メッセージ
予定していた小説の執筆が思うように進まず、七月中に投稿できない危険性がでてきたので、気分転換も兼ねて衝動のまま書き切ったお話です。
ひたすらセックスしてるだけ。

以下、ざっくりキャラ紹介
:::
種山善蔵
最近薄毛が気になり始めた、肥満体型の四十代。独身。見た目も能力も、平々凡々を絵に描いたような中年男。
取り柄は中年になっても衰えない強い性欲と巨根絶倫。自分の性欲の強さを重々承知しており、普段は禁欲的に振舞っているつもり。が、開き直ると全面的に押し出す性豪。
ただ無理強いとかは大っ嫌いなので、するときは相手の了解をきちんととる。今回は向こうからガンガン手を出してきたのでさっさと開き直った。


パトリシア
ダークプリースト。パティ。
布教活動の下見として浜辺にきていたが、そこで溜め込んでいそうな善蔵と出会い、誘惑してそのままセックスしまくった。
165cm、92/60/89のGカップ。魔力の扱いに長けていて、服装を自在に変化させられる。着ていた黒ビキニも、元々は礼服を変化させたもの。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33