連載小説
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もっとたくさん甘えてね
 何度も交わり愛し合ったことで、フリッツはいつの間にかかなり空腹状態になっていて、料理を目の前にするとその美味しそうな匂いと見た目に圧倒されて、すぐに釘付けになった。

 が、彼はすぐにフォークとナイフを持って、料理にむしゃぶりつくことは許されなかった。
 なぜなら、エレオノーラ姉妹が相変わらず彼を両側からはさんで、腕を豊かな胸ではさみ、手のひらを無理やり下着の中に入れて、ねとねとに濡れた秘所しか触れないように太ももで固定しているからだ。

「お……お姉さん、なんで……? また、エッチなこと、するの? 早くご飯食べようよ…………冷めちゃうよ?」
「ふふっ、そうね♥ でも、フリッツ君がいけないのよ。私たちなんかより、お料理の方にぞっこんになるなんて♥」
「今夜はぁ、ずっとずっと……私たちしか見ちゃダメ♥ だからぁ、代わりに私たちが、フリッツ君の手になって、食べさせてアゲル♥」

 なんとエレオノーラ姉妹は、空腹であるとはいえ、豪華な料理に見とれてしまったことに嫉妬しているようだった。
 人に対してならまだしも、生物ですらないもの相手に嫉妬すると言われ、フリッツは困惑するほかなかった。

 その代わり、セシリアとマノンがスプーンやフォークで料理を一口大に整え、甲斐甲斐しくフリッツの口に運んで行った。

「はいフリッツ君、あ〜んして♥ どう、おいしい?」
「ステーキは焼きたてで熱いから、お姉さんがふーふーするね♥ ふーっ♥ ふーっ♥」
「そ、そんなっ……僕、自分で食べられるよっ! そんなに子供扱いしないでよぉ!」
「ダ〜メっ♥ 今夜は、フリッツ君には甘えん坊さんになってもらうんだから♥」
「甘えることは悪いことじゃないんだよ♥ 子供のままでもいいんだよ♥ 私たちは全部受け入れてあげるから、ね♥」

 フリッツの抵抗むなしく、彼は手を全く動かせないまま、セシリアとマノンに料理をポンポンと口に放り込まれる。

「は〜い、フリッツ君〜♥ こっち向いて〜…………んっ♥ ちゅううっ♥ んふっ♥ れろっ♥」
「それじゃあ私も、口の中にねりこんであげる♥ はふっ♥ ちゅっ♥ ちゅぱぱっ♥」
「はうっ♥ は、はひゅぅっ♥ んくっ♥」

 そして時には口移しで――――濃厚な口づけをしながら料理を味わった。

 不思議なことに、身体の大部分がエレオノーラ姉妹の柔肌やすべすべした鱗の感触で気持ちよくなっているのに、口に運ばれる料理の味もはっきりと美味しいと感じていた。
 普通なら、脳の処理がどちらかに偏ってどちらかがわからなくなりそうなのに、まるですべての快楽を楽しめるように、脳が覚醒したかのようだった。

(このお料理……今まで食べた中でも最高の味だ……。ステーキは分厚いのにすごく柔らかくて、味もすごい濃厚で……今まで食べてきたのがサンダルの底のようだ。それに、このテリーヌは優しい海の香りに包まれるような味がする。どれもこれも、食べているだけでとても幸せ…………)

 初めは半ば無理やり食べさせられているかのような状態だったのに、しばらくするとフリッツはすっかり虜になってしまい、セシリアとマノンが運んでくるのを抵抗なく受け入れ始めた。
 それに加えて「両親以外に甘えてはいけない」という倫理感も徐々に薄れ始めてきていて、途中からはもはや親にすら見せないような蕩けた表情になっていたのだった。

「セシリアお姉さん……次はサラダが食べたいな♥」
「いいよ、フリッツ君♥ はい、あ〜ん♥」
「あ、あ〜ん♥ んっ……おいひ♥ マノンお姉さん、サイダー飲みたいな♥」
「ちゃんとおねだり出来てえらいわ♥ じゃあ口移ししてあげるっ♥」

 心の底では自分がとんでもなく恥ずかしいことをしていると、フリッツはわかっている。
 けれども、もはや自分の欲望に歯止めがかからないこともわかっていた。

 机に並んだ高級料理は、たっぷり時間をかけて半分以上が3人の胃の中に納まっていた。
 昼間食べた軽食ですら、フリッツを完全に発情させ、初めての射精で100ml単位の精液を連続で出させるほどの効果があったのだから、これだけ精の付くものをお腹いっぱいになるまで食べてしまったら、どうなるかは容易に想像がつくというもの。

 フリッツの男性器は、この部屋に入った時の元気を取り戻すどころか、以前にもまして固く大きく反り返り、少し触れただけでも射精してしまいそうだった。
 エレオノーラ姉妹も、下半身がかなり疼くのか、太ももをフリッツの手のひらにこすりつけるようにもじもじして、蜜壷から濃厚な汁をダラダラと垂れ流した。




 長く幸せな夕食を終えると、フリッツは再び裸になったまま、たった一人でベッドに腰掛けていた。
 エレオノーラ姉妹は「少し着替えてくるから待っててね♥」と彼に言い聞かせて、別室に行ってしまった。

「う…………うぅ、どうしよう……。一人がこんなに心細いなんて……」

 セシリアとマノンが着替えに行ったのはつい30秒ほど前だったが、フリッツはもうすでに今まで感じたことのない寂しさに襲われていた。
 思えば、両親が新しい店舗を探しに行っている間に一人で観光していたのは、両親に対する甘え癖を自分なりに何とかしようと考えたからだが、今ではむしろ完全に逆効果になってしまっているようだ。
 それに、つい半日前までは性の知識は殆どなかったのに、いまでは下腹部に生えてる自身に、全ての感覚を持っていかれているかのように性欲の熱に翻弄されていた。

(お姉さんたちは、絶対に触っちゃダメって言ってた………。今少しでも手で触ったら、気持ちよくなって射精しちゃうって…………でも、なんだかもう)

 当然フリッツは自慰の知識もなければしたこともないが、今ここで屹立にちょっとした刺激――――それこそ吐息一つかかるだけでも、破裂してしまいそうだった。
 出来ることなら今すぐにでもスッキリしたいところだが、フリッツは真面目な子供なので、姉妹の言いつけを固く守っていた。

(うぅ……いったい僕はどうなっちゃったの!? こ、こんな……えっちなことばっかり考えるようになって……)

 たった数分待つだけなのに、フリッツにはまるで悠久の時のように感じた。
 心を鎮めようと目を閉じても、思い浮かぶのはセシリアとマノンの優しくて美しい顔、脳まで溶かされるような艶やかで綺麗な声、ミルクのような甘い匂い、マシュマロのような柔らかい乳房の感触、そして………

「セシリアお姉さん……マノンお姉さんっ! はやく……はやくかえってきてぇっ」

 もうあと数分、いや十数秒このままだったら、頭がおしかしくなってしまう。
 フリッツの必死の願いが実を結んだのか、彼がそうつぶやいてすぐに、リビングの扉が開いて、エレオノーラ姉妹が戻ってきた。

「あぁん、お待たせフリッツ君♥」
「寂しくなかった? もう大丈夫だからね♥」

「あっ! おねぇさ…………ん?」

 扉が開いた直後、フリッツは待ってましたとばかりに立ち上がったが……………戻ってきたエレオノーラ姉妹の格好を見た瞬間、彼の身体は雷が走ったかのような衝撃を受けて、その場に立ち止まってしまった。
20/06/05 12:07更新 / ヘルミナ
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■作者メッセージ
〜返信コーナー〜

>デビルバグ「部屋がいつから、
>ベルゼブブ「安全だと錯覚していた?」

>キキーモラ「そうですよね、油断し過ぎでは(キラッ
>ショゴス「この部屋を除いて全て掃除いたしました。(チャキッ

>デビ・ベル「アイエエエ! メイド!? メイドナンデ!?

>デーモンおかん「これも燃えないゴミに出しといてー
>アントアラクネ(お腹出して熟睡中

くノ一「イヤーッ! 暗殺者のエントリーだ!」
デュラハン「ま、どこにいようと、私のラブセンサーからは逃れられないわけで♥」

安全地帯どこだよ…………

>あー あの魔物娘か ショゴ・・

???「勘のいいご主人様は大好きです♥」

>なんと言うか背景の描写が丁寧でいいですよね(子供部屋おじさん達から目そらし

硬い文章で読みづらいとはよく言われますが、褒められたのは久しぶりです!
ありがとうございました!


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