余り者にも愛がある
「はあぁぅう〜〜……つ、つかれたあぁぁ〜」
荒々しい岩礁が作り出す複雑な地形の海の中、
まだ若いシー・ビショップ（といっても彼女たちは見た目年は取らないが）が
商売道具の石板を抱えながらふらふらと漂っている。
よほど疲れているのだろう、ヒレをピクリとも動かさず
このあたりの速い海流に身を任せて、ただ行くあてもなくさまよう。
「いくらなんでも多すぎだよぉ……、昨日だけで何組の儀式したんだっけ？
忙しすぎて殆ど略式でやっちゃったけど、やっぱ体に応えるなぁ。………っととと。」
と、ぼやいてるうちに目の前に岩礁が迫ってきた。
いくら疲れているとはいえ、あんなごつごつした岩の壁とごっつんこは御免だ。
尾びれで素早く進路を変えて衝突を回避する。
しかしこの海域は突き出た岩礁が無数にある…まだ気を抜けない。
過労寸前の彼女としてはしばらく動きたくないが。
「あぁ〜もぉ〜…しょ〜がない。」
結局、彼女は海の中から浮上してどこか適当な岩場に上陸して暫くそこで体を休めることにした。
本当は綺麗で波が穏やかな砂浜にでも上がって、日光浴でもしながら休みたいけど
このままだといつかうっかり岩場に激突しかねない。休憩が必要だ。
人間が泳げばまず間違いなく帰ってこれないと恐れられる急流の中を、
彼女は苦も無く泳ぎ、やがて海面から顔を出す。
どこかに休めそうな足場はないかと周囲を見回すが、あいにく
見えるのは粗く削られた岩場しかなく、とてもゆっくりできそうにない。
どうやら、ゆっくり休むには陸の方に向かうしかなさそうだ。
もっともこのあたりは崖ばっかりなのだが…
仕方なく彼女は陸のほうへ泳いでいく。
「はぁ〜あぁ…私にも愛しの旦那様がいればなぁ〜……
泳ぎ疲れても癒してもらえるし…それにこの疼きも…
んっ！や、やだぁ…思い出したら、また濡れてきちゃったぁ…」
今から大体24時間ほど前…と言うか昨日のことである。
ここ、ラファエル海のカナウスという地域で
この付近を根城にする親魔物派の海賊団vs反魔物国の大艦隊の戦いがあった。
およそ500隻以上の船を持つ反魔物国の海軍相手にわずか60隻で戦いを挑んだ海賊団。
結果は当然、海賊団の完全勝利に終わった。
反魔物国の人間たちが作った船は海賊船に比べて小さくて脆く、
沈んでしまえばなすすべもなく海の魔物たちの餌食になるだけだった。
この戦いで反魔物国は300隻以上の船を失い、海に投げ出された人数はなんと70000人を超えた。
意外にも反魔物国の艦隊は半数以上が女性で構成されていたため、
新たな夫を求めて集まったたくさんの魔物娘たち以外にも、その場で新たに
海の魔物と化す必要がある人間も大勢いた。
この様子を海の神ポセイドンが見かねたのかどうかは定かではないが、
緊急的にシー・ビショップたちを大量に派遣して、急いで儀式を行わせることにしたのだ。
この物語の主人公、シー・ビショップもまた呼び出されたうちの一人である。
海の魔物たちによる集団結婚式に東奔西走、現場はまさに数万人規模の大乱交会場！
そんな仕事が丸一日続き、気が付けば手足を動かすのも億劫なほど疲れていた上に
彼女自身仕事上の関係で運命の人を獲得することが出来なかった……
今この時もまだ略式でもいいので結婚式をあげたいカップル(またはハーレム)は
たくさん残っているのだが、まだ若い彼女は体力的に、そして精神的に限界だったので
結婚式会場の海域から抜け出してきたというわけである。
つい先ほどまでの仕事のことを思い返すと、体が疼いてたまらない。
休めるところを見つけたらちょっと自慰をして疼きを鎮めよう…
そう思いながら泳ぐ彼女の視界に、陸地の崖に『何か』が引っかかっているのが見えた。
「…？あれ、なんだろうなぁ？もしかして……人?!大変…！助けてあげなきゃっ！」
近づくにつれて『何か』は漂着している人間であることが分かった。
その人間はどうやら男性のようで、この地方にしては珍しく肌が褐色、
頭にはターバンを巻いており、着用している服も異国風のもののようだ。
上半身だけが海上に出ていて、岩場に引っかかったままぐったりして動かない。
「やっ……!?あ、あの人男の人ぉ!?しっ…しかもすごいイケメンっ!!
…って、今はそんなこと言ってる場合じゃない！ま、まだ生きてる…かなぁ？」
急いで近寄り、男性の状態を確認する。
意識はなかったが、幸い呼吸はしているようだった。
「よ、よかったぁ…、まだ息があるみたい……。
だけど、凄い傷……！すごく痛そう…早く回復してあげなきゃ……！
それに…こんなところにいたらいつ流されるか……わからない！」
男性は深手を負っていた。恐らく岩礁や藤壺で擦ったのだろう。
体中擦り傷や切り傷だらけ。そして何よりも左の脇腹にひときわ大きな傷があった。
このままではいずれ衰弱して死んでしまう。
意を決したシー・ビショップは疲れ切った体を奮い立たせて、
男性をより安全な場所に運ぶべく、泳ぎ始めた。
……それは昨日のこと
「提督！ここはそれがしにお任せを！」
「うむ、インスベルグよ任せたぞ。」
反魔物国艦隊の中央、司令提督の配下だった彼…インスベルグは
接舷して切り込んでこようとする海賊から上官を守るために、
三日月形の剣を抜いて一歩前に進み出た。
「おう、まずはお前が相手か！」
「かしらが出るまでもありません、俺がちょっとひねってきまさぁ。」
「よっしゃ、いってこいアルクトス！一発ガツンとやってやれ！」
アルクトスと呼ばれたスキンヘッドの海賊は斧を片手にこちらの船に乗り込む。
対するインスベルグもシャムシール(三日月形に反った片手剣)を構える。
そして戦闘が開始された。
「ぬぅんっ！！」
ブンッ
豪快に斧を振り下ろす海賊のアルクトス、それに対してインスベルグは
軽い身のこなしで回避する。一流の剣士である彼にとって
我流かつ力任せの斧の一撃を見切ることくらいわけなかった。
「無駄だ、隙がありすぎるな。」
「くそっ…こいつは厄介だ。」
「ふん、こいつは躱せまい！」
一瞬、インスベルグが分身して見えたかと思うと、猛烈な速さでアルクトスに襲いかかる。
アルクトスはこの必殺の斬撃をかわせず、身体を何箇所も切られてしまう。
「痛っ……」
「終わりだ。」
ザンッザンッザシュシュッ！
「ふん、ずいぶんとあっけなかったな。」
恐ろしい剣技でアルクトスをめった切りにし、息一つ切らさず剣を鞘にしまう。
上官や部下の兵士たちも勝負あったと確信した。
しかし…海賊の親玉は眉一つ動かさずに戦いを見つめている。
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉっ！！！」
「な、なにっ!?あれだけの攻撃を受けてまだ動けるだと！！馬鹿な！」
ブンッ ドカッ
「くはっ!?」
アルクトスは何ともなかったかのように全力で斧を振った。
そう……海賊団は全員魔物娘の妻子持ちのインキュバスである。
剣で切られた程度では致命傷には程遠く、すぐに回復してしまう！
勝利を確信し、すっかり油断していたインスベルグは
アルクトスの大ぶりの攻撃を避けることが出来ず、脇腹に大きな一撃を受ける。
大きく吹き飛ばされたインスベルグは船から放り出され、
盛大に水しぶきをあげて海面に墜落した。
彼は一瞬死を覚悟した。しかし、体はわずかに動くようだ。
このまま海に落ちてしまえば魔物の群れに襲われてしまい、
逃げることすら不可能になってしまう。
そこで彼は最後の賭けに出た。
自身が唯一使える『水と同化する魔法』
身体の自由がほとんどきかない今使ってしまえば、流れ着く先は潮の流れ任せで
下手をすれば術が切れたころには海のまん真ん中……
しかし運が良ければ陸地にたどり着けるかもしれない。
こうして彼は数少ない、海の大結婚会場に出席しなかった者の一人となった。
だが結局彼を待つ運命はあまり変わらなかったのかもしれない。
「うんしょ…うんしょ……」
ズザザザザザザザザ
「も、もうだめぇ……これ以上泳げないよぉ…」
男性を抱えて激流を泳ぎ切り、ようやく波が穏やかで綺麗な砂浜にたどり着く。
精も根も尽き果てたシービショップは最後の力を振り絞って安全な場所まで引き揚げると、
その場でばたんきゅーしてしまう。だが、彼女は何とかやり遂げた。見事！
「……って、ばたんきゅしてる場合じゃないっ！この人の傷の手当てをしなきゃっ！
服はボロボロだし…体中傷だらけ……、こうなったら一度全部脱がせて
傷の手当てを…………、……、…手当…を……」
彼女は傷の手当てをすべくいそいそと男性が来ている服を脱がした。
服自体はもうボロボロになっていて、留め具がほとんど壊れていたので
脱がすのには大して苦労しなかったが……
問題は脱がした後だ。
「あ……ぁ…、すごい……っ！ずっと密着したままだったから
反応しちゃったの…かなぁ？これが…この人の………ごくっ！」
全部脱がすわけだから、当然シンボルともご対面するわけである。
疲労の極限にある魔物は例外なく魔力補給の必要性を感じて
性欲が高まるわけで、彼女にとっては二・三日食べていない空腹の状態で
目の前に高級料理が置かれている状態に等しい。
「ど……どうしよぉ、見てるだけで…きゅんきゅんしちゃうよぉ……。
あぁ、でもだめだめっ！傷の手当てが先っ！」
目の前の誘惑にぎりぎりで打ち勝った彼女は、
自分の魔力も残り少ないにもかかわらず惜しむことなく、
全身に治癒の魔法をかける。特に重傷な左わき腹には念入りに。
治癒の魔法をかけた場所から傷がみるみる消えていく。
数分もすると、あれだけボロボロだった身体はすっかり傷一つない
綺麗な肉体へと再生を遂げたのだった。
「はふぅ…これで大丈夫。後は目を覚ましてくれればいいんだけど……（ちらっ）」
一仕事終えて彼女はふと、もう一度彼の股間に目をやった。
回復魔法もとどのつまり相手に魔力を流し込むものなので、
彼の一物は先ほどよりもより剛直に見えるような気がする。
「み……見るだけなら…いいよね？」
いや、一体誰に許可を求めて…？
しかもこういった場合大抵見るだけじゃやめないに決まっている。
「さわる…そう、ちょっと触るくらいだったら何も問題ない…かもっ！」
かもって…（汗）
恐る恐る人差し指で裏筋をなぞる。だが、これがいけなかったのか
男性のモノはその刺激だけでビクンと反応してしまう。
「……きもち、いいのかなぁ？も、もっと触ってあげたら喜ぶのかなぁ…♪」
この後、彼女の行為はどんどんエスカレートしていった……
……
「んっ……くっ…、ここは――――っ!!」
「…ほぇ？あ…ぁっ！め、目が覚めたのね！」
助け出されてからどれくらい時間が経っただろうか？
意識を失った男性はようやく目を開けた。
ところが、目を開けてすぐ視界に入ったのは見知らぬ女性の顔だった。
しかもその女性がまた反則的なまでに美しく、思わず言葉に詰まってしまう。
「あ……あの、もしかして…僕を助けてくれたとか……？」
「う、うんっ！どういたしましてっ！…じゃなかったっ！
わたし、シズナっていいます！不束者ですけどよろしくお願いしますぅっ！」
「え…えっと……」
面白いことに、お互いテンパってしまっていて
会話が妙なことになってしまっている。
特にシー・ビショップ…シズナの方がテンパっているのには理由があり…
「あー…僕の名前はインスベルグっていうんだけど。」
「インスベルグくんねっ！長いですけど素敵な名前…♪」
「そう…かな？それはいいんだけど、なんかこう…さっきから
下半身がすごいむずむずするんだけど？」
「えっ…と、それは…ね♪」
「………っうわぁあぁっ!?」
インスベルグが視線を自分の下半身の方にやると、またしても驚愕した。
目の前にいるシズナの下半身には足がなく人魚の様になっていて、
おまけに自分の一物が彼女の恥丘に擦りつけられているではないか。
しかもよく見れば自分は一糸まとわぬ姿であおむけになっていて、
その上にシズナが胸や陰部と言ったところを丸出しにしている。
つまりは逆レイプである。
グチュグチュと音を立てるたびにお互いの大事な部分が擦れ合い、
果てしない快感が全身にくまなく伝わってくるようだ。
（やばい……っ！まさか助けてもらった相手がよりによって魔物だったとは）
「…その、マーメイドさん？」
「私はマーメイドじゃありませんっ！シー・ビショップですっ！」
「うをっ…それはすまなかった。シー・ビショップさん…」
「名前はシズナですっ!!」
「し、シズナさん…」
「なぁに♪」
「な、なんでこんなことしてるんだい？」
「こんなことって？」
「いや…なんていうか、その…」
焦るインスベルグは、なんとなく右手を動かしたところ
その右手の手のひらが偶然にも彼女の頬に触れる。
それが思いもよらぬ引き金になった。
「そっかぁ、キスしてほしいのねっ！喜んでいただきますっ！」
「ち、ちがっ…そうじゃな、むふうっ!?」
「んっ…ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅっ………んんぅ、はふっ……♪」
シズナにとって初めてのキス。
しかし初めてとは思えない凄まじい舌遣いで、
容赦なくインスベルグの口の中を蹂躙する。
ロマンティックさの欠片もないと言われそうだが、
我慢の限界に達しているシズナにとってそんなことを考えている余裕はない。
「ちゅぽっ…♪あぁ…甘ぁい、ステキぃ……♪
もう、キスまでしちゃったんだから……いいよねっ？
わたし…初めてだけど、いっぱい頑張るから…」
「いや…ちょっと待った、少し落ち着かないか…」
「ごめんなさいっ！わたしもう我慢できないのっ！」
ググッ…ズッ！ミチミチッ！
シズナは、インスベルグのモノを握ると、自分の膣にあてがい
加減を調節することなく一気に腰を沈める。
内臓を引き裂くような生々しい音を立てながらも、
しっかりと奥まで挿入してしまった。
（くっ……な、なんだこれ…!?今まで経験してきたのとまるで桁違いだっ！
ヤバイ………こいつはあまり長く持ちそうにないっ！）
今までインスベルグは何回か人間の女性を抱いたことはあったが、
シズナの膣内は同じものとは思えなかった。
これが人と魔物の違いなのか、はたまた結合相性がいいのかは分からないが…
だがインスベルグよりも余裕がなかったのはむしろシズナの方。
「あはぁ……は、入っちゃった♪全然痛く…ないっ？
や…うそっ♪こんなのって……、ふぁあっ！な、なにかきちゃうぅっ！
やっ!?い…イっちゃうぅっ！ふあああぁぁぁぁぁぁっ♪」
「う…うわぁっ!?」
入れてほんの数秒で、初めて経験した快感に耐えられなかったシズナは
早くも絶頂に達してしまったようだ。
そして絶頂によって彼女の膣はより一層インスベルグのモノを締め付ける。
インスベルグにとってはたまったものではない。
「ご、ごめん…私だけ気持ちよくなっちゃってっ……。
君のこともいっぱい気持ちよくしてあげるからぁ………許して、ね♪」
「無理…しなくていいから、お手柔らかに…」
「うん♪動くよ…インスベルグ君、ふぁっ…あっ、んんっ…♪」
一度絶頂に達したものの、主導権はまだシズナが握っている。
インスベルグの上に覆いかぶさるように腰を動かし、
咀嚼するように味わいながら自らの膣内に刷り込ませる。
少しでも動くごとに二人とも尋常ではない快感に溺れていく。
「あんっ…やだぁ、またきちゃうっ♪なんで…わたしだけっ…」
「くっ…！また一段と締め付けが…っ！」
どうもシズナの体は魔物の中でもかなり敏感な方らしく、
まだ少ししかたっていないにもかかわらず二度目の絶頂を迎えた。
（か、可愛いな…この子。っていうかエロすぎる…。）
こうなってしまってはインスベルグも完全にシズナの虜。
先ほどまで乗り気ではなかったのに、今では自分からも
下から突き上げるように腰を使う。
手と手をがっちりと握り合い、何度も唇を重ねる。
傍から見ればもう恋人同士にしか見えないだろう。
「これっ♪これすごぉいぃっ♪すごおぉぉいよっ！インスベルグ君っ！
ふあっ…あん！あん、あっ…あふぅっ♪はぁあんっ！」
「ぼ……僕も、もう限界だっ！だから……」
「いいよっ！出してっ…、わたしの中に…溜まってるせーえきっ！
一滴残らず出しちゃってっ♪………っ！……っ♪…ぃいっ♪」
ドピュッ！びゅくっ！びゅーっ！びゅうううぅぅぅっ！
とうとうインスベルグもエクスタシーの頂点に達し、
長い開錠生活で溜まりに貯まって濃縮されたエキスを
シズナの子宮に思いっきり注ぎ込んだ。
「―――――――っう！」
「んああああぁぁぁぁぁぁっ♪んあっ♪んああぁっ♪」
インスベルグが放った大量の精液は、シズナの最奥に叩きつけるようにほとばしり、
蜜壺の中を一気に満たしてゆく。魔力が枯渇寸前だったシズナの身体が
みるみる潤いを取り戻していくようだった。
「あっ…あへっ♪あふうぅ……♪」
（なんてかわいい顔をするんだ………）
二人は再び密着するように抱き合い、深い口付を交わす。
「シズナ…ありがとう。とても気持ちよかった。」
「うんっ♪これからもよろしくね…旦那様♪」
「………え？旦那様って？」
「だってぇ♪私たち今結婚したばかりじゃない…ね、旦那様♪」
「えーっ」
インスベルグはまたしても混乱してしまう。
見知らぬ男を無理やり逆レイプしておいて、そのまま結婚とは…
一体全体魔物の思考回路はどうなっているのかと。
だが、もう彼は深く考えることをやめた。
殺伐とした戦場を駆け巡り、板一枚下は地獄と言われる船の上で苦難に耐え…
死と隣り合わせに生きた今までを否定したくはない。
しかし、こんな幸せを知ってしまった今では、
もう元の歩みに戻ることはできないだろう。
常識がどうたらなんて考えても仕方ない。
「でも僕なんかでいいのか？」
「旦那様がいいのっ！旦那様じゃなきゃ嫌っ！」
「ははは…もうお手上げだよ……。」
「うふふ…あ、そうだ！これだけは言っておかなくちゃっ！」
「え、何を？」
と、シズナは何かを言いたそうにインスベルグの耳元に口を寄せた。
「好きです…結婚してください♪」
「………っ」
インスベルグは無言で彼女の唇にキスをした。
言葉で返答するのも野暮だと思ったのだろう。
なかなか粋な返し方をする者である。
が、しかし…
「あ！もしかしてまだ足りないっ!?わかったわ！
旦那様のハートを射止めるためなら10回でも100回でもっ！
好きなだけ中出ししちゃっていいんだからっ！」
「うわぁっ、ちょっと!?」
出来たばかりの妻は、どうも強引なようだ。
だが…それはそれで退屈しないかな、とも思ったインスベルグであった。
おしまい♪
13/09/17 23:22更新 / バーソロミュ