連載小説
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知を知る(後)
 クロフェルルの言葉通り、それから暫くして、また別の魔物娘がやって来た。
 例によって幼女であり、例によってサバトの長を名乗った。

「アタシ、モモニカ! よろしくね、おに〜さん!」

 モモニカ・サバトの長、モモニカが、元気一杯に挨拶する。彼女の出で立ちを見た佑は、クロフェルルの時とはまた別の驚きを味わった。
 魔物娘モモニカの見た目は、一言で言えば「ギャル」だった。外見だけでなく顔つきまで、まさにギャルそのもの――もっと言えばビ(検閲削除)――であった。
 
「よ、よろしく……」
「よろしくー!」

 小さい女の子が性軽薄な見た目をして立っている。そのアンバランスさがたまらなく卑猥でいやらしい。佑は素直にそう思った。だがそこまで考えたところでどうにか耐え、平静を装ってモモニカに尋ねた。
 
「それで、モモニカ、さん? は、何を教えてくれるんですか?」
「教えるって?」
「その、魔法とか」
「しないよー!」
「えっ」
「むずかしいことキラーイ!」

 それがモモニカの回答だった。彼女は授業を丸投げした。それでいいのか。佑は心の中でずっこけた。
 だがモモニカはそれで終わらなかった。
 
「その代わり、とっても楽しいこと教えてあげる!」
「楽しいこと?」
「うん! とっても楽しくって、とってもきもちーこと♪」

 モモニカはそう言って、授業を開始した。授業と言っても、魔法やら何やらを教えたわけではない。そもそも彼女は魔法の研究などしていない。
 その代わり、彼女は自身のサバトについて、佑に語って聞かせた。モモニカの語るサバトの内情は、もはや遊園地のそれであった。
 
「本当に遊ぶことしかしてないのか……」
「そだよー♪」

 唖然として呟く佑に、モモニカが笑って返す。無理もない。モモニカは特に何もせず、サバトの運営は専ら「お兄ちゃん」がしていると言われては、目が点になるのも已む無しであった。
 あと「遊園地」の中でセックスし放題とも言われたが、そちらは特に驚かなかった。想定の範囲内だった。
 
「じゃあそういうわけだから! おに〜さんも今度グレイリアと一緒に、アタシのサバトにおいでよ! 絶対たのしーよ!」

 そしてモモニカの話は終わるのも早かった。サバトの紹介をするだけして、最後に佑を自分のサバトに来るよう誘い、さっさと部屋から出ていった。風のように早かった。
 だが佑は不愉快とは思わなかった。むしろ彼女の溌溂さに、佑は好感すら覚えていた。
 
 
 
 
「ふむ、次はわしの番か」

 そうしてモモニカが去った後、少し間を置いて別の魔物娘が来た。
 幼女。サバトの長。前と同じ。
 見た目と雰囲気は大きく違った。見るからに魔女然とした服装であり、佇まいも大人しく利発な印象を与えた。
 
「わしはシロクトー。よろしく頼む、坊よ」

 自己紹介も淡々としている。その静かさが、佑の気持ちを引き締めさせる。背筋が伸び、肩に力がこもる。本当の授業前であるかのような錯覚すら抱いた。
 
「さて、教えられることと言ってもあまり多くはないのじゃが……まあやれるだけやるとしよう。坊、ちゃんとついて参れよ」
「はいっ」
「よろしい」

 力強く返事をする佑に、シロクトーが小さく頷く。そして彼女はそのまま粛々と授業を開始した。まさに文字通りの「授業」であった。
 
「……で、あるからして、この特性とこれらの概念を……」

 シロクトーが本を手渡し、それを開かせ、そこに書いてある内容を一から説明する。佑はそれを同じく渡された紙束に書き写し、時折質問をし、シロクトーも淡々とそれに答える。そのサイクルをひたすら繰り返す。
 本当に授業である。自分は元の世界に帰っていて、いつも通り学校に通っているのではないか。佑は本気でそう思ったりもした。
 
「……以上である。最後に何か質問はあるかの?」
「いえ、ありません」
「ならばよい。ではこれにて」

 やがてサイクルの終焉が訪れる。十ページくらいは進んだだろうか。最後まで粛々としていた。耳の奥から終了を告げるチャイムの音が鳴り響く。本を返却し、紙束を整え、部屋を出ていくシロクトーの背を見送る。
 
「おお、そうだ」

 と、扉を跨ぎかけたところで、シロクトーが立ち止まる。そしてシロクトーはその場で振り返り、佑に向かって淡々と言った。
 
「グレイリアとの件、応援しているぞ」
「あ――」
「では」

 それだけ言って立ち去っていく。その最後の一言だけで、佑はシロクトーに対する印象が大きく変わっていったのを自覚した。
 
 
 
 
「次は吾輩であるな」

 次に来たのも幼女。サバトの長。
 外見的特徴。露出控え目。眠たげな顔つき。
 
「吾輩はルーニャ・ルーニャである! まずはお近づきの印にこれを」
「あ、どうも」

 ルーニャ・ルーニャと名乗った魔物娘が、名乗るなり本を差し出す。佑がそれを受け取り、表紙を見ると、そこには「まじかる☆ばふぉめっと」と書かれていた。
 
「これは……」
「吾輩の書いた本である。こちらの世界では、それなりに名の知れた本であるのだぞ」
「なるほど」

 感心したように佑が呟く。それを見ながら、ルーニャが口を開く。
 
「一読してみるとよい。今日の授業はそれを使う」
「は、はい。では……」

 言われるまま、佑が渡された本を開く。最初の一ページ目から、そこに記された文章を読み進めていく。
 やがて一冊読み終える。終えた時、佑は目に涙を溜めていた。
 
「……っ、う……っ」

 彼は心から感動していた。なんていい話なんだ。語彙の乏しい彼は、ただそうとしか言えなかった。
 本当に素晴らしい。これは流行る。流行るべきだ。
 
「ど、どうだろう。面白かったか?」
「はい……とっても……」
「そうか! いや、そう言ってくれると、吾輩も嬉しいものだ」

 静かに泣く佑に、ルーニャが喜びの声を伝える。佑も目元の涙を拭い、「本当にいいお話でした」と改めて賛辞を贈る。
 
「その、うまく言えないんですけど、本当に面白くて、感動的で」
「あ、ああ、落ち着きたまえ。そこまで言われると、吾輩もこそばゆい」

 立て続けに感想を述べる佑に、ルーニャの方が圧倒される。対する佑も困惑するルーニャを見て、慌てて口を閉ざす。
 
「ああ、ごめんなさい。その、本当に良かったので、つい」
「い、いや、構わぬ。むしろ嬉しい。新たな読者を一人開拓することが出来て、吾輩はとても満足だ」

 ルーニャも慌ててフォローに回る。そのまま譲り合いになるかに見えたが、それは不毛であるとルーニャが判断し、彼女の方から話題を変えた。
 
「実はこの本は、吾輩の夢を形にしたものなのだ。妄想を形にした、と言うべきか」
「そうなんですか?」
「うむ。実は吾輩は、魔法が使えぬ」

 ルーニャのカミングアウトに、佑が思わず硬直する。サバトとは魔法の研究を主とする組織であると、以前教わっていたからだ。
 だがそこまで考えて、佑は思考を切り替えた。その彼の想いを、ルーニャが自ら言葉に出す。
 
「だが魔法が使えなくとも、魔法の研究は出来る。むしろ使えないからこそ、使える者とは違った目線から魔法を見つめることが出来る」

 魔法が使えないことは、決してハンデではない。スキルが使えないからと腐る必要はどこにもない。
 
「つまり、吾輩が教えたいのは、そういうことなのだ」
「なるほど。勉強になります」
「だから君も、グレイリアとは釣り合わないと思うのはやめるのだ。魔法が使えないのなら、また違う方向から支えてあげればいい。一つの見方にこだわらず、常に複数の方向から物を見るようにするのだ」

 「特別」でない君なら、それが出来る。ルーニャはそう締めた。
 それを聞いた佑は強く頷いた。
 
「わかりました……!」
「それでいい。頑張るがよいぞ」

 頷く佑にルーニャが返す。これで彼女の授業は終了した。内容としては本を一冊読んだだけだったが、そこに込められた教えはとても大きなものだった。
 
 
 
 
 次は見るからに獣じみた魔物娘が来た。手足はふっくらした柔毛に覆われ、ふさふさの尻尾も生えている。頭に生えた角が、辛うじて彼女をそれまで来た面々と同じ存在であると告げていた。
 
「わぅ! わち、ロプロット! よろしくな!」

 ロプロットと名乗るその魔物娘は、手短に自己紹介を済ませた。そして何を教えてくれるのかという佑からの質問に対し、ロプロットは大きな声で答えた。
 
「ないぞ!」
「えっ」
「そんなものないぞ!」

 一蹴である。佑は開いた口が塞がらなかった。
 構うことなくロプロットが続ける。
 
「わちは、ごしゅじんとこーびできれば、それだけで幸せだぞ! わちの群れも、みんな同じだ! 大好きなオスとこーびして、喜ばないメスなんかいない!」

 断言する。佑が言葉を挟む余地も無い。
 立て続けにロプロットが言う。
 
「だからお前も、難しいこと考えなくていいんだぞ! 好きなメスと、いっぱいこーびすればいいんだぞ!」
「――っ」
「こーび、こーび! これ、オスとメスの常識! 本能だ!」

 ロプロットが力いっぱい主張する。あまりにも力強いその主張に、佑はただ頷くだけだった。
 だが一理ある。ロプロットの言葉を聞いた佑は、彼女の言葉によって自分の気持ちが落ち着いていくのを実感した。
 
「……それで、もう終わりですか?」
「なにが?」
「授業……」
「だからそんなものないぞ! お前難しく考えすぎ!」

 なお授業そのものはあっという間に終わった。ロプロットも言いたいことを言って満足したのか、それ以上引き延ばすこともせずにさっさと帰っていった。
 
「自分に素直にな!」
 
 一応、アドバイスはしてくれた。佑は最初から最後まで頷くしか出来なかったが、決して無駄ではなかった。
 ロプロットの簡潔かつ重要な教えは、佑の脳内にしっかりと刻み込まれたのだった。
 
 
 
 
 最後に来たのは、マルーネと名乗る幼女だった。見た目はいつも通りの幼女であり、顔だちも穏やかであった。
 ただ一つ、他と違う部分があった。幼い外見に似つかわしくないほどに、その乳房がたわわに実っていたのだ。
 それはもう、意識しなくても視線がそこに吸い付いてしまうほどの、暴力的なサイズの乳房だった。ある意味男の欲望を体現したかのような不釣り合いな体つきに、佑の目線も自然とそちらに向かった。
 
「そんなにおっぱいじろじろ見られたら、うち困るだよ〜。堪忍しとくれ〜」
「あ、ご、ごめんなさい」

 そこにマルーネの注意が入る。間延びした口調でやんわり指摘され、佑が慌てて目を逸らす。そのまま気まずそうに佑が立ち尽くしていると、マルーネがにこやかな表情で彼に話しかける。
 
「まあまあ、そんな怖がらんでええよぉ。うちもそんなに気にしとらんから〜」
「そ、そうですか?」
「そうだよ〜。さ、座って座って。今用意すっからねぇ」

 マルーネがのんびり言う。佑も言われるまま、椅子に座り直す。何をするのかと期待九割不安一割で待っていると、マルーネがおもむろに部屋の外に出ていった。
 
「ん?」

 何をしている? 佑が不思議に思う。その答えは数秒後、すぐに本人の方から明かしてきた。
 
「ちょっと待っとくれなぁ。お皿並べるから〜」

 マルーネが台車を押して戻ってくる。台車の上には、大小様々な皿が規則正しく並んでいた。皿の上にはそれぞれ違う料理が盛り付けられており、中にはたった今作ったばかりであるかのように湯気を立ち昇らせているものもあった。
 
「こっちがお野菜で、こっちが汁物で」
「え、えっ?」
「ああ、それとこれも。こっちも美味しいだよ〜」

 慣れた手つきでマルーネが料理の盛られた皿を並べていく。状況が理解できない。佑が混乱する間にも、マルーネはどんどん作業を進めていく。

「はい。これで全部だぁ」
「全部って」
「うちんとこで採れた野菜を使った、うち特製のお料理だぁよ。さ、食べとくれ〜」
「あっ、え?」

 思考停止する。これはいったいどういう状況なのだろうか。佑は全く飲み込めなかった。
 隣を見ると、横に立ったマルーネが微笑みながらこちらを見つめてくる。何がしたいのだろうこの人は。まさかもう授業が始まっているのだろうか。
 
「これはいったい……」
「見ての通り、お料理だぁ。にぃさんに食べてほしくて、うちが作ってきたんだよ」
「俺に?」
「うん」
「どうして?」
「どうしてって、ここはそういう集まりだって聞いたからだよぉ」

 怪訝な佑にマルーネが答える。そのままのペースでマルーネが続ける。
 
「にぃさんを元気づけてくれって、バフォ様から言われてなぁ。で、うちには何が出来るかって考えて、こうなっただよ〜」
「……ああ」

 そこでようやく理解する。多分この人、バフォ様からの要請を間違えて解釈している。
 いや、もしかしたら本当に、バフォ様はこの人に対してはそういう風に言ったのかもしれない。のんびり話すマルーネの横で、佑がそんなことを考える。
 
「お口にあえばいいんだどな〜」

 だがそんな思案も、マルーネの次の言葉で霧消する。事情はどうあれ、ここにあるのは全てこの人が自分のために作ってくれたものだ。無駄には出来ない。

「それじゃあ、いただいてもいいですか?」
「んだぁ! どうぞいっぱい食べとくれぇ!」

 思いきって佑が尋ねると、マルーネが満面の笑みでそう答える。それが彼の背を後押しし、佑はマルーネのフルコースを思う存分堪能した。
 警戒心は皆無だった。彼は完全に、マルーネの優しさにほだされていた。それを柔軟と取るか軟弱と取るかは、人それぞれである。
 
「にぃさん、いい食べっぷりだなぁ〜。作ったかいがあったってもんだよぉ」

 マルーネのお褒めの言葉が飛んで来る。どんな形であれ、褒められて悪い気はしない。佑の食べるスピードがさらに速さを増す。
 
「お味の方はどうかなぁ?」
「最高です」
「よかったぁ! お口に合わないんじゃないかって心配してたんだよぉ!」

 途中、マルーネが質問を投げる。食べるのに夢中になっていた佑は短く返したが、それを聞いたマルーネは心から安堵した表情を見せる。それだけで、彼女の優しさと暖かさが手に取るように伝わってくる。
 素敵な人だ。料理を食べながら、佑はしみじみそう思った。そしてその間にも、彼はどんどん料理を食べ進めていく。
 そしてついに終わりがやって来る。
 
「……ごちそうさまでした!」

 顔の前で両手を合わせ、佑が感謝を込めて言葉を放つ。本当に、心からこの台詞を言うのは生まれて初めてだ。それくらいマルーネの料理は美味だった。
 
「全部食べてくれて、本当にありがとうなぁ。うちも嬉しいだよ〜」

 手を合わせる佑の横で、マルーネがにこやかに告げる。彼女の言う通り、佑の前に並べられた皿は全て空になっていた。
 結局佑は、出された全てを完食したのだった。
 
 
 
 
「お疲れ様。全部終わったようじゃのう」

 マルーネが台車を押して去った後、少しして再びバフォ様がやってきた。彼女を見た佑は、今日はこれで終わりかと直感した。
 
「で、どうじゃった? ためになったか?」
「それはもう」

 興味津々に語りかけるバフォ様に、佑が素直に答える。
 
「とても助かりました」
 
 皆個性的だったが、悪人ではない。彼女達の教えは、全て佑の中に息づいている。
 心地良い疲労感が体を包む。大変だったが、実に有意義な時間だった。こちらの方からお礼を言いたいくらいだ。
 
「皆さんとてもいい人で、とても参考になりました」
「そうかそうか。そう言ってくれると、儂も皆を呼んだ甲斐があるというものよ」

 佑の言葉を受け、バフォ様も嬉しそうに言葉を返す。佑はそんな彼女につられるようにして微笑み、それから話題を変えるようにバフォ様に質問した。
 
「それと、一個質問してもいいですか?」
「構わんぞ。どうかしたか?」
「その、今日来た方たちって、全員かなり地位の高い方ですよね」

 初顔合わせの際の自己紹介を思い出しながら、佑が尋ねる。彼の記憶通り、バフォ様の後から来た面々は、皆それぞれのサバトの長だと名乗っていた。
 
「うむ。皆、サバトの長だ。どれもド級の大物じゃ」

 バフォ様もそれを肯定する。裏付けが取れた事で、佑の疑念がさらに深まる。
 一つのチームのリーダーが、直々に自分に会いに来た。
 自分は勇者でもなんでもないのに。
 
「俺、普通の人間なのに。どうしてあんなに凄い人達が一斉に来たのかなって、不思議に思いまして……」

 それが聞きたいことだった。そしてその佑の問いかけに、バフォ様は素早く答えた。
 
「簡単なことよ。皆、そなたとグレイリアの仲を応援しているからじゃ」
「それだけの理由で?」
「十分な理由じゃ。愛の成就は、儂らにとっては何より優先すべき重要事項。他者の悦びは儂の悦び、というやつじゃ」

 自慢そうにバフォ様が言い放つ。佑はなおも反論しようとしたが、その言葉が喉まで上がってきたところで思いとどまる。
 ここは自分の元いた世界とは違う。魔物娘は人間とは異なる価値観で動いている。佑はこの期に及んで、それを忘れかけてしまっていた。
 愛のためならなんでも実行する。トンデモ理論すぎてどうにも馴染めない。佑は視線を逸らし、懊悩を誤魔化すように頭を掻いた。
 
「まあそういうことじゃ。だからそなたは、なんにも気にする必要は無い。むしろもっと素直に、自分に正直になるのじゃ」

 そこにバフォ様の言葉が飛んで来る。
 悪魔が純朴な人間を唆すが如く、バフォメットの甘い言葉が佑の脳髄に響いていく。
 
「隠す必要はない。ここでは破廉恥は悪徳ではない。自分より小さい女の子に欲情するのは、ぜーんぜん悪いことではない」

 ああ、悪魔だ。目の前に悪魔が立っている。
 そしてその悪魔の言葉に、自分は今まさにほだされようとしている。
 堕落の味の、なんと甘美なことか。
 
「勇気を出せ。告白するのじゃ。グレイリアはそなたが好き。そなたもグレイリアが好き。躊躇う必要がどこにある」
 
 天秤の秤は、とっくに傾ききっていた。
 
「頑張れ! 男気みせろ! ファイトじゃーっ!」

 バフォ様が喝を入れる。その熱い叫びに呼応するように、佑がゆっくりと頷く。
 覚悟は決まった。あとは実行だ。




 こうして魔王軍サバトのリーダーは、また一人、人間を愛の沼へと沈めたのだった。
19/09/23 10:58更新 / 黒尻尾
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