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第二章 支えあったり、衝突したり

 愛する妻のためならば、世界の全てを敵に回したって怖くない。

 それが、夫婦。

 愛する妻との晩御飯、残り一つのおかずをめぐって大ゲンカ。

 それも、夫婦。

 支えあったり、衝突したり……だって、生きているんですもの。


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≪ 質問 : 11
  「うち奥さんの萌えポイントはここだ!」という所を教えてください ≫

・オークを妻に持つ男性
「クルリと可愛くカールしている、短い尻尾ですね。あれを指でプルルル……と弾いてやると、うちの奥さんは『ふえぇぇぇぇ〜』と愉快な声を出してクネクネするんです」

・ワーラビットを妻に持つ男性
「聞いた所によると、異国の高級社交場にはバニーガールという接待役の女性がいるそうで。だけど、自前の耳と尻尾を持つ私の妻の可愛らしさには敵いますまい」

・バフォメットを妻に持つ男性
「サバトの活動中はキリリと引き締まった表情の妻ですが、二人きりの時は心配性のおっちょこちょいさんなんです。本当、八重歯が可愛い普通の女の子って感じですよ」

・デュラハンを妻に持つ男性
「鎧を脱いだ後の私服姿がたまりません。オンとオフのギャップと言いますか、その姿を見られるのは自分だけだという特権意識と言いますか。時々、眼鏡もかけますしね」

・アマゾネスを妻に持つ男性
「風呂上りの彼女の髪を毎晩梳いてあげているのですが、たまに『クセっ毛の女は、嫌いか?』と問いかけて来る事があるんです。その時の顔と、好きだよと答えた後の笑顔が……もう最高です」

・エルフを妻に持つ男性
「やっぱり、エルフといえばあの尖った耳ですよね。友人や知人から、『あれって固いの? 柔らかいの?』と訊かれる事がしばしばあるのですが、答えは内緒です。ふっふっふ」

・マーメイドを妻に持つ男性
「美しい月が輝く夜、岩場に腰掛けて波の音を聞いている妻は、本当に女神様のようです。……ただ、話しかけると『え? あぁ、明日の夕飯の事を考えてました』とか言うんですけどね」

・メドゥーサを妻に持つ男性
「口では何だかんだと言いつつも、しっかりと僕のそばに居てくれるところでしょうか。例えば、以前に風邪で高熱を出した時は、一晩中つきっきりで看病してくれましたから」

・アリスを妻に持つ男性
「無邪気にこちらの腕の中へ飛び込んで来た彼女が、『えへへ……大好き!』なんて言った日には、もぅ。自分の理性の糸が切れてしまわないよう、必死になりますよ」

・ブラックハーピーを妻に持つ男性
「先に入浴を済ませた後に発する、『鳥の良い出汁が出てるお風呂へどうぞ!』という体を張ったジョークですね。何回聞いても笑ってしまいますし、その後のドヤ顔も最高です」


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≪ 質問 : 12
  人に自慢できる奥様の特技や長所を教えてください ≫

・ホルスタウロスを妻に持つ男性
「うちの奥さんのお乳は、世界一です。大きさ、かたち、柔らかさ、そして味。どこから見ても、何をとっても最高です」

・ギルタブリルを妻に持つ男性
「たぶん、【ダルマさんが転んだ】をやらせたら、世界でもトップ5に入るんじゃないでしょうか。とにかく素早くて足音がしませんから。針でオニ役の人も刺せますし」

・ジャイアントアントを妻に持つ男性
「ちょっとしたドアや家具の修理から家全体のリフォームに至るまで、嫁さん一人で全て行う事が出来ます。ねじり鉢巻で作業に臨む嫁さんの格好良さったらもぅ、惚れ直す勢いです」

・アラクネを妻に持つ男性
「彼女の裁縫技術、そして服のデザインセンスの素晴らしさには、いつも感動しています。おしゃれする事の楽しさ、というものを教えてもらいました」

・ピクシーを妻に持つ男性
「もともと、フェアリーとよく似た姿かたちをしているのですが、その他の妖精型のモノマネや扮装も得意です。異国で流行しているらしい、コスプレとかいう奴ですかね?」

・マミーを妻に持つ男性
「季節の変わり目に吹く風を誰よりも早く察知します。と、言いますか、風に吹かれて喘ぎます。ご近所からは、風見鶏の百倍役に立つねと評判です」

・ゴーストを妻に持つ男性
「泥棒に入られる心配は、全く無用ですね。彼女がちょっと人魂を飛ばしたら、たいていの不審者は『ギャー!』と叫んで逃げて行きますから。幽霊屋敷呼ばわりされても、ある意味正解ですし」

・ゴブリンを妻に持つ男性
「口八丁手八丁の素晴らしい商売上手です。あの技術、私には真似できません。ただ……閉店後、ものすごく悪い顔で売り上げ計算をしている姿が怖いです」

・バブルスライムを妻に持つ男性
「逃走しようとした強盗犯の背中にとびきり臭い粘液をぶつけ、その後の逮捕に大きく貢献しました。犯人曰く、『服を洗っても、体を洗っても、ずっと臭かった』そうで」

・ラージマウスを妻に持つ男性
「なんとなんと、チーズ会社の広告キャラクターに、うちの奥さんが採用されました! ポスターになって各地に張り出されていたので、目にされた方も多いのではないでしょうか?」


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≪ 質問 : 13
  では反対に、人には言えない奥様の弱点や短所を教えてください ≫

・ワーキャットを妻に持つ男性
「尻尾の付け根辺りを指でコリコリすると、それはそれは情けない顔で『んにゃあぁぁぁ』と喘いだ後、腰を抜かします。ただ、あまりしつこくやると引っ掻かれるので注意が必要です」

・ゆきおんなを妻に持つ男性
「どんな厳冬にも涼しい顔で対応する所は流石なのですが、こちらが暖房をつけると小さな声で『あ、溶けそうです……』と呟くのは、ちょっと。冗談でもヒヤっとしますよ、色んな意味で」

・ハニービーを妻に持つ男性
「【花の優劣を美しさではなく、美味しいか否か、蜜が採れるか否かで判断してしまう】という職業病を持っています。けどまぁ、こればっかりは仕方が無いですよね」

・セイレーンを妻に持つ男性
「海や歌という要素がかぶっているせいなのか、マーメイドに対して妙なライバル心を持っています。それぞれに別々の魅力があるのだから、別に構わないと思うんですけど……」

・ベルゼブブを妻に持つ男性
「家を掃除したり、お風呂に入ったり、布団を干したりすると、不機嫌になる事でしょうか。『私は、お前の匂いが好きじゃと言うておるのに……』と拗ねられて、嬉しいやら辛いやら」

・カラステングを妻に持つ男性
「普段は理性的な妻なのですが、空を飛ぶと人格が変わります。人間にも馬に乗ると豹変する奴がいますが、どうやら妻もその手のタイプであるようです」

・スライムを妻に持つ男性
「猫の集会ならぬ、【スライムの集会】に行って、なかなか帰って来ない時があります。うちの近所には、偶然にも色々なスライム種の奥さん達がいまして……一体、何を話し合っているのやら」

・リザードマンを妻に持つ男性
「剣士なのに、他人の血を見ると失神します。料理中、僕が包丁で指を切っただけでも大騒ぎになるくらいですから、相当なものですね」

・エルフを妻に持つ男性
「本当にごく稀にですが、弓矢の扱いを失敗する事があります。去年は手元が狂い、あらぬ方向へ飛んでいった矢が、マタンゴの頭頂部のキノコに直撃しました。念のために装着していた、胞子用防毒マスクのせいでしょうか」

・マタンゴを妻に持つ男性
「ある日、胞子用防毒マスクをして森に住む彼女に会いに行ったら……頭に矢が刺さっていました。『何かね、突然飛んで来たの』と言っていましたが、まったく世の中には酷い事をする人もいるものです」


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≪ 質問 : 14
  奥様が行う家事全般に対する、率直な思いをどうぞ ≫

・ゆきおんなを妻に持つ男性
「『チャーハンは、火力が命ですよ』って、溶けそうなあなたが言うセリフですか?」

・マーメイドを妻に持つ男性
「『このお魚さんは、塩焼きが一番美味しい食べ方なんです。だって、本人がそう言ってましたから』 ……え、魚って自分自身のベストな調理法を知ってるの!?」

・ユニコーンを妻に持つ男性
「世界一の良妻賢母を目指す彼女らしく、全てにおいて完璧ですね。私が感謝の気持ちを伝えると、『妻として当然のことです』と微笑むその姿もまた、完璧です!」

・スフィンクスを妻に持つ男性
「『きょ、今日の夕飯がパンだけなのは、どうしてでしょう?』 いやいや。料理に失敗したのなら、正直にそう言いなさいって」

・アヌビスを妻に持つ男性
「色々なお小言は正直辛いのですが、彼女と暮らし始めて以来、体調を崩した事がありません。栄養管理も、体調チェックも、生活リズムの作り方も、全く非の打ち所が無いですね」

・ゴーレムを妻に持つ男性
「どうやら私の妻は、もともと家事用ゴーレムとして作られたらしく……。その動きは本当に必要なの、と問いかけたくなるような華麗なステップで、家の中を動いています」

・リャナンシーを妻に持つ男性
「冗談半分で勧めてみたら、掃除のはたきがけにハマりました。いつも持っている絵筆をはたきに換えて、楽しそうに宙を舞いながらパタパタやっています。なかなか可愛い光景ですよ」

・レッサーサキュバスを妻に持つ男性
「人間だった頃から料理上手な人なので、今でも毎晩美味しいものが食べられます。しかし、キュウリやナスは調理前にあんな事やこんな事に使用します。勘弁してください」

・稲荷を妻に持つ男性
「妻のジパング料理は、どれもこれも絶品ですよ。稲荷寿司とか、油揚げの味噌汁とか、きつねうどんとか、油揚げと野菜の炒め物とか、油揚げとキュウリの酢の物とか……」

・ナイトメアを妻に持つ男性
「何でもそつなく、きっちりとこなしてくれています。ただ、あの大きな鎌で料理をしている姿は、何度見ても驚きます。どうしてあんなので、みじん切りが出来るんだろう……?」


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≪ 質問 : 15
  結婚後、奥様を見ていて「変わったなぁ」と思った点などはありますか? ≫

・おおなめくじを妻に持つ男性
「あの超のんびり屋だった彼女が、娘をきちんと躾けてるんですよ。『コぉ〜ラぁ〜。そんな〜ことしちゃ〜、メぇ〜ですよぉ〜』ってな調子ですけど、ちゃんとお母さんしてるんです」

・ミノタウロスを妻に持つ男性
「一日の半分以上を寝て過ごしていた彼女が、色んな物事へ積極的に挑戦するようになりました。ちなみに、今は料理に凝っています。味の方も、なかなかですよ」

・アルラウネを妻に持つ男性
「僕と結婚した事で心に余裕が出来たのか、ハニービーとも上手く付き合えるようになりましたね。以前はもう、親の仇かと思うほどの嫌いっぷりでしたから」

・ギルタブリルを妻に持つ男性
「クールな彼女が、可愛いおしゃれをするようになりました。毒針つきの尻尾にピンクのリボンを結んでみたりして。その後、照れ隠しに僕を滅多刺しにさえしなければ、最高なのですが」

・ダークプリーストを妻に持つ男性
「エッチな事を少しだけ我慢できるようになりました……と感心していたら、実は『ムラムラを我慢すると、その反動でさらに気持ち良くなれるんですよ♪』という事でガッカリでした」

・サイクロプスを妻に持つ男性
「剣術道場の子供達のために、刃を潰した安全な、しかし本物の質感を持った練習刀の開発に取り組んでいます。ただただ名刀作りにのみ熱心だった嫁さんですが、これは良い変化ですね」

・シー・スライムを妻に持つ男性
「いつものほほんとしていた彼女ですが、最近では海の環境保全運動に参加しています。みなさんも海を汚すと、うちの奥さんの触手に刺されるかもしれませんよ?」

・スケルトンを妻に持つ男性
「最近、【墓場の立ち入り禁止区域の前に立っている】という、ガードマン的なアルバイトを始めました。夜の墓場で彼女の姿を見た人は、みんな悲鳴を上げて逃げ出しますから」

・コカトリスを妻に持つ男性
「うっかり僕の前でもオナラをしても、恥ずかしさで失神しなくなりました。以前はもう、『こっ、これは違うんです! 違うんですうぅっ!』て言いながら目を回してぶっ倒れてましたから」

・ダークエルフを妻に持つ男性
「露出度の低い服を着るようになりました。『だって、あなたはセーター越しの胸とか、スカート越しのお尻とかの方が好きなんでしょ?』と言われて……お、俺の好みが、見抜かれてるっ!?」


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≪ 質問 : 16
  結婚生活の中で、文化や価値観の違いを感じた事がありますか? ≫

・ギルタブリルを妻に持つ男性
「何か嫌な事や辛い事があると、私のわき腹をブスリと針で刺してきます。何か嬉しい事があっても、やっぱり私のわき腹をブスリと針で刺してきます。ある意味、裏表の無い人なんです」

・妖狐を妻に持つ男性
「冬場、ちょっと手袋を買って来るよと告げると、ものすごい遠い目をしながら『手袋を買いに、か……』と呟きます。昔、手袋に関して何かあったんですかね?」

・ハニービーを妻に持つ男性
「ハニービーには、自分で採取した蜜を性器に塗りつけて手入れするという習慣があるのですが……以前、うっかり痒み成分がある花の蜜を塗ってしまったようで、すんごい悶絶してました」

・ゾンビを妻に持つ男性
「いつもボロボロの服では可哀想だと思い、新品の服を着せてあげました。しかし、『……何か、違うんだなぁ』と言って、すぐにいつもの服装に戻ってしまいました。何のこだわり?」

・ゴーストを妻に持つ男性
「妄想は、嫁さんのライフワーク(死んでるけど)みたいなものですが、その内容が少々ハードすぎる時があって……俺、自分の肛門の操は死守したいんだけどなぁ」

・ダークエンジェルを妻に持つ男性
「去年の夏、『海水浴へ行きましょう! 胸と股間だけを焼く、【逆日焼け】に挑戦したいから!』というおねだりをされました。一瞬興味が湧きましたが、グッとこらえて却下しました」

・つぼまじんを妻に持つ男性
「基本的に内気で静かなタイプの嫁ですが、最近はスキュラに激しく興味津々です。嫁曰く、『あの頭に乗せてる壷……好みのタイプです』なのだそうで」

・ローパーを妻に持つ男性
「最近発見した事なのですが、触手を指でツンと押すと、彼女がそれぞれドレミファ……の音階に応じた喘ぎ声を出すんです。おもしろがってやり過ぎたら、触手でビンタされましたけど」

・ホルスタウロスを妻に持つ男性
「……あのね、イチゴをたくさん食べてもイチゴ牛乳は出て来ないし、コーヒーをたくさん飲んでもコーヒー牛乳は出てこないんだ。君のお乳は、さすがにそこまで万能じゃないと思うよ?」

・ガーゴイルを妻に持つ男性
「たまたまタイミングが悪かったんでしょうけどね……【クシャミをする寸前の顔】で石像に戻っているのを見た時は、心の底からどうしようと思いました」


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≪ 質問 : 17
  夫婦喧嘩に関する思い出を教えてください ≫

・スフィンクスを妻に持つ男性
「彼女からの【問いかけ】に六問連続正解をしたら、何故か逆ギレをされまして。『少しは空気を読みなさいよ!』とか怒られて、そこから結構な口喧嘩になってしまいました」

・マンドラゴラを妻に持つ男性
「引き抜かれた時の彼女の悲鳴をしつこく真似していたら、思い切りビンタされました。明らかに自分の方が悪いので、その後は平謝りでした」

・アントアラクネを妻に持つ男性
「食っちゃ寝、食っちゃ寝を繰り返していた彼女を叱りつけたら、『結婚すりゃこっちのモンよ』とか言われまして。実家に帰らせていただきます……と宣言しました。もちろん、僕が」

・スキュラを妻に持つ男性
「ジパング地方の食べ物である【タコヤキ】を口にした事がバレた時は、盛大に怒られましたね。『デリカシーの欠片も無いわね!』とか言われて、わりと長い間もめました」

・リザードマンを妻に持つ男性
「練習試合の最中、試しに剣を捨ててタックル→押さえ込み→キスという流れで技を繰り出したら、二ヶ月ほど口を利いてくれなくなりました。色んな意味で許せなかったみたいです」

・ゴブリンを妻に持つ男性
「どうもうちの奥さんは、自分の胸にコンプレックスがあるようで……。巨乳関連の話題は、全面的に禁句です。うっかりその手の話をすると、そりゃもう大変な事に」

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「以前、『今日から俺の事を「ダーリン」と呼んでくれ』と言ったら、ゴミを見るような冷たい視線を投げかけられました。さらに『男のロマンなんだよ』と言ったら、蹴り倒されました」

・稲荷を妻に持つ男性
「【稲荷寿司と握り寿司、どちらが美味いか論争】が勃発した時は、ちょっと大変でしたね。最終的には彼女の妖術で押さえ込まれた挙句、七日七晩稲荷寿司を食わされましたが」

・ナイトメアを妻に持つ男性
「彼女に足蹴にされる夢を見せられたのですが、自分にとってそれは割りとご褒美的な、快感を呼ぶものでして。えぇ。性癖的な意味で。どん引きされた上に、泣かれてしまって大変でしたね」

・ラージマウスを妻に持つ男性
「カビが生えまくった謎の物体を捨てたら、実はそれが彼女とって置きの高級チーズで……。夫婦喧嘩になる以前に、『あんまりだよぉ! 酷いよぉ!』と泣き喚く彼女を慰めるのに必死でした」


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≪ 質問 : 18
  奥さんを本気で怒らせてしまった事がありますか? ≫

・ケサランパサランを妻に持つ男性
「いつも浮かべている満面の笑顔がサッと消え、驚くほど低い声で『おい、ちょっとそこに座れ』と……こ、これ以上は恐ろしくて思い出せません。勘弁してください」

・アントアラクネを妻に持つ男性
「大ゲンカの後、『もう頭に来た! アンタの為になんて、何もしてあげない!』と言ってストライキに入りました。けど、普段から何もしていないような人なので、特に困りませんでした」

・河童を妻に持つ男性
「キュウリって、あんまり栄養価が高くないらしいね……という僕の何気ない一言が、尻子玉の危機を生み出しました。いやぁ、あれ程までに怒った妻は、初めて見ましたよ」

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「ねぇ、ケンタウロスってトイレとかはどうするの? ……私が意識を取り戻したのは、その問いかけから十七時間後の事でした」

・エルフを妻に持つ男性
「荒縄で木に括りつけられ、頭にリンゴを乗せられ、姿が見えないほどの遠くからそれを弓矢で狙撃される……という罰を受けました。一瞬、死んだ母方の祖父母の姿が見えました」

・妖狐を妻に持つ男性
「ご馳走を食べる姿を、目の前で延々と見せつけられました。その間僕は、彼女の妖術で金縛り状態です。高級ウナギや霜降り牛肉の匂いだけを、ず〜っと嗅がされ続けるんですよ……」

・ジョロウグモを妻に持つ男性
「家内の糸でグルグル巻きにされた後、デビルバクの群れに顔と足を舐められ続けるという凄惨な罰を受けた事が……。さらに家内は、それを見ながら悠然とお酒を呑んでいたという……」

・リャナンシーを妻に持つ男性
「何をどうしても絶対に落ちない妖精種秘伝のインクで、おでこに卑猥な文字と絵を描かれました。しかも僕、それに気付かずに街へ買出しに出ちゃって……うぅぅ」

・アリスを妻に持つ男性
「自警団員のもとへ駆け寄って行って、涙ながらに『あのお兄ちゃんが、ハァハァ言いながら私を見るの』って言うことはないんじゃないかなぁ……」

・エンジェルを妻に持つ男性
「彼女の頭上に輝く天使の輪を後ろから掴んだら、超高速の裏拳が飛んで来て失神しました。目覚めた後、何事も無かったかのように接されて、さらに恐怖倍増でした」


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≪ 質問 : 19
  夫婦喧嘩後の仲直り方法を教えてください ≫

・レッサーサキュバスを妻に持つ男性
「外れた障子と夫婦の仲は、どちらもハメればすぐ治る。……いかんな。発想と言葉の使い方が、だんだん彼女のリズムに近づいていってるぞ」

・ケンタウロスを妻に持つ男性
「不必要な小細工を嫌う人なので、膝を突き合わせ、腹を割ってとことん話し合う他ないですね。実際、それが一番確実かつ有意義な事だと、僕も思ってますし」

・ナイトメアを妻に持つ男性
「夢の中で大激論、ですね。普段は大人しい家内も、夢の中では本音爆発ですから。ただ……この方法は、【寝ているのに睡眠不足になる】という厄介な苦しさも伴うのですが」

・メドゥーサを妻に持つ男性
「まず彼女よりも先に、彼女の頭の蛇を味方につけること! 彼女が眠りについた後、小声で『僕も反省してるから、協力しておくれ』と頭を下げてます。実は彼ら、話せばわかる蛇なんですよ」

・ゆきおんなを妻に持つ男性
「街のお菓子屋さんでちょっと高級な氷菓子を買い込み、ごめんねの一言と共に手渡しています。仲直りの後に食べる氷菓子は、甘みも冷たさも最高です」

・アヌビスを妻に持つ男性
「【今回の衝突に関する所見、および今後の円満な夫婦生活の構築と自己反省のレポート】の提出を求められます。不出来だと、つき返されて一から書き直しです……」

・ミミックを妻に持つ男性
「箱の前で正座です。ず〜っと、正座です。そして奥さんも、実は同じように箱の中でず〜っと正座してるらしいです。傍目には、意味不明な様子に見えるんだろうなぁ」

・ワーラビットを妻に持つ男性
「嫁さんが寝ている間に、ベッドの上をニンジンだらけにしておきます。起床後、『まったくもぅ! こんなので誤魔化されないっスよ!』と怒りつつも、嫁さんの頬はにやけまくりです」

・セイレーンを妻に持つ男性
「妻の歌を聴く。ただ、それだけです。たとえその曲数が三桁に迫ろうとも、歌声が『ボエ〜』としか聴こえなくなって来ても、ただひたすらに。ただただ、ひたすらに」

・サキュバスを妻に持つ男性
「【枕元に『優しくしてください』という手紙を添え、全裸で彼女のベッドに待機】です。これ以外の方法など、有り得ましょうか。いいえ、有り得はしないのです」


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≪ 質問 : 20
  円満な夫婦生活を送る上で、日々心がけている事を教えてください ≫

・オークを妻に持つ男性
「【何でも半分こにする習慣】をつけること、ですかね。美味しいもの、楽しいもの、素敵なもの……その他なんでも、良いものと出会った時は、必ずそれを二人で分かち合うようにしています」

・アマゾネスを妻に持つ男性
「例えば狩りの前日には、打ち身や切り傷の薬を用意しておく。宴会には好物を作り、万が一の二日酔いにも慌てないよう、しっかりと薬草を煎じておく。それが、アマゾネスの夫ですから」

・マーメイドを妻に持つ男性
「暖かい季節は潜水用のアイテムを身につけて、妻と一緒に潜ります。自由にのびのびと泳ぐ妻の姿を見ると、あぁ何て美しいんだろう、何て幸せなんだろうと、涙が出そうになりますね」

・ユニコーンを妻に持つ男性
「夜は絶対、彼女に恥をかかせないこと……でしょうか。普段は貞淑な彼女が、頬を赤らめながら大胆な営みを要求して来ても、了承のキスと共に全てを受け入れるよう心がけています」

・クイーンスライムを妻に持つ男性
「奥さんに対する感謝と愛情を、召し使いの面々に対してもきちんと向けること。見た目や行動、役割は違っていても、元をたどれば奥さんそのものですから。偉そうになんて振舞えません」

・ダークエンジェルを妻に持つ男性
「月に一度だけ、【旦那さんをとことん自由にイジれちゃう日】を設けています。もう、その日の前夜から彼女のテンションが高いこと高いこと……」

・アルラウネを妻に持つ男性
「週末はスッポリと家内の花弁に包まれ、抱き合ったり、愛し合ったり、話し合ったりして過ごします。この幸せな四十八時間だけは、何があっても譲れません」

・ラミアを妻に持つ男性
「彼女の脱皮時期が近づいて来ると、私は細心の注意を払って体調を整えます。そして、彼女からの求めに全力で応えます。それが、ラミアの夫たる者の責務だと考えておりますので」

・アヌビスを妻に持つ男性
「毎月、奥さんに【夫成績表】をつけてもらっています。僕は、それを見て自身の至らない所を反省したり、欄外に書かれた奥さんからの可愛いメッセージに和んだりするのが楽しみなんです」

・ゴーストを妻に持つ男性
「毎週木曜日は、【奥様の妄想叶えまショー】の日です。主演、脚本、監督、全て奥様の、奥様による、奥様のための、あんな事やこんな事をする妄想結実、大願成就の一日なのです!」

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「『人格の不一致』とか、『価値観の相違』とか言うけどさ……あれって、変じゃない?

 だって、最初から別々の人間なんだよ?
 そんなもの一致しなくて当たり前だし、違ってて当然でしょ?

 説明しづらい出会いって奴は確かにあると思うけど、
 説明できない別れって奴は、あんまりないと思うんだけどなぁ」

……ってな事を言っている人がいました。
なるほど、確かにその通りのような気がします。
けれども同時に、そんな不条理、不合理なのが人間なのさ、とも思います。

さてさて、人と魔物の夫婦の場合は……一体全体、どんな感じなんでしょうね。

10/03/15 08:19 蓮華

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