読切小説
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モコモコさんと穏やかな午後
「ん〜、ええ天気やぁ。こんな日は眠ぅなるわぁ…。
 あ、眠ぅなるのはいつもやった。ほんなら、もう寝よか…」
「ちょぉ、羊のおねえちゃ〜ん!」
「あら、クマの子や…クマって、やっぱり子供もお肉食べはるんやろか…?
 いややぁ、私まだ食べられたないわぁ…。」
「大丈夫。うちはおねえちゃんの事食べたりせえへんよ。」
「なんや、よかったわぁ…
 でも、子供一人でこんな町から遠いところに来たらあきまへん。
 それとも、あなた迷子なん?」
「ううん。うち、町のサバトでお給仕やってん。結構、いっぱい生きとるよ。」
「せやったんか、年下扱いして、えらいすんまへん。」
「ええよぉ。うちらは、年下なんがお仕事みたいなもんやし。」

 あははは…

「ところで、あなた何しに来たん?」
「ん〜…何やったっけ?忘れてしもた。」
「ふふふ…大丈夫よ。
 私、いま暇やねん。思い出すまで、いくらでもいてええよ。」
「おおきに。
 …あ。ところで、おねえちゃんの名前って何?」
「私?私は、レミーっていいます。」
「うちはベリー。よろしゅうね。」
「はいはい、よろしゅう。
 …そういえば、ベリーちゃんも私とおんなじ方言つこうてるけど、
 何で使うようになったん?」
「うちのおとうちゃんが、ジパングの人やねん。
 ずーっと聞かされとったら、おかあちゃんと一緒にうつってしもた。」
「なんや、私と一緒やな。
 …なんか、自分とおんなじ生い立ちの人が見つかるなんて、嬉しいわぁ♪」
「…あれ?そういえばレミーって、どっかで聞いたなぁ…
 レミーはんのおとうちゃんの事、もっと聞かせてくれへん?」
「ええよ。おとんはジパングの商人さんの末っ子で、
 末っ子じゃどうせお店も継げへんゆうて、この大陸に来たらしいんよ。」
「わぁ、ほんまにうちとそっくりや。
 うちん所のおとうちゃんも商人さんの三男坊で、店が継げへんからこの大陸に来たんよ。
 …でも、うちのおとうちゃんってちょっと甲斐性無しやから、
 店が継げへんのはそのせいかも知れへんけどな。」
「ふふ。ここまでおんなじ生い立ちの人に会えるなんて不思議やなぁ。
 ベリーちゃんのおとんの名前って、何て言うん?」
「清太郎いうねん。」
「あれ?確か、私の叔父さんの名前もそんなんやったなぁ…」
「へぇ〜…。」
「おとんが言うには、めっちゃ甲斐性無しなお人だったらしいんよ。
 あ、ちなみに私のおとんは清介て言うんよ。」
「そか…。ここまで来たら、多分間違いないやろうけど…
 レミーはんのおとうちゃんのいたお店の名前って知ってます?」
「薬屋の『大鶴屋』って言うらしいんよ。」
「やっぱり!レミーはんとうちはイトコ同士や!まさかこんなとこで会えるやなんて…」
「あれ、ほんまに!?うわぁ、凄いわぁ…」

 ぎゅっ!

「うち、感動やぁ〜♪」
「ああ、あかんよ。そないに抱きついたら…」
「あぁ〜、めっちゃあったかいわぁ…ん〜。だんだん眠ぅ…」
「ほら、やっぱり!私に抱きついたら、眠うなってしまうんよ…」
「あ…いま、用事思い出したわ…」
「ほら、寝とる場合やないやないの…」
「たまのお休みやし、ゆっくりお昼寝したいって思ってたんや。そんで、
 あったかくて寝られそうな所を見つけたと思ったら、レミーはんがいたんやった。」
「そか。ほんなら、このままお昼寝しよか?」
「そうさせてもらうわ…。ふぁ〜…おやすみなさい…」
「はいはい、お休みな。それじゃ、私も…」


 Zzzz……

 
11/01/22 08:01更新 / K助

■作者メッセージ
 「疾風商人と地を駆ける店」から、ベリーさんがまさかのゲスト出演!!
…って言ってる場合じゃねえ!本編を書け!
お久しぶりです。誰も待ってないけれど、K助です。
未だ試験直前でクソ忙しいのですが、
NEW魔物さんの登場で元気になれました。もふもふです。たまりません。
あと、ちょっとワーシープさんとグリズリーさんを会話させるくらいの時間が取れたので…
…しかし、短いし、またエセ関西弁です。すいません。関西弁けっこう大好きです。
俺、単位取れたら、今度こそ本編書き倒すんだ…。(←典型的死亡フラグ。)

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