連載小説
[TOP][目次]
第七十一話・Sepia
「剣士さん!剣士さん!!」
突然倒れた剣士さんを揺すっても、剣士さんは目が覚める気配がない。
あの人と戦って剣士さんも怪我をした。
もし……、このまま目が覚めなかったら…!
一瞬、嫌な想像をしてしまって、私は血の気が引いた。
二度と、剣士さんの目が覚めなかったら…。
嫌だ…!
そんなの絶対に嫌だ!
「ねぇ、剣士さん!起きて…。起きてよぉ…!また…、私を怒ってよぉ。怒っても良いから……、私のこと嫌いでも良いから、目を覚ましてよぉ!」
私は剣士さんに泣きながら縋り付いた。
その時、私は大きくて暖かい手に後ろから頭を撫でられた。
まるで剣士さんみたい乱暴で、やさしくて…。
「…大丈夫さね。死にはしないよ。」
「あ………、ダオ…。」
振り向くとそこにいたのはドラゴンのお姉さん。
一瞬、ダオラお姉さんだと思ったその人は、私のまったく知らないドラゴンだった。
傷だらけの顔でそのお姉さんは、やさしく私に笑いかけてくれる。
「あたいが……、こいつの部屋に運んでやるよ。」
「え……………、でも………。」
確かに私じゃ気絶した剣士さんを運べない。
でも見ず知らずの人に頼るのも気が引けた。
私が迷っていると、お姉さんは察してくれたみたいで、ごめんと言った。
「突然すぎたみたいだね。わりぃ、あたいの悪い癖みたいなもんだから許してくれると嬉しいよ。でも、安心して良い。あたいはお嬢ちゃんの……、いや、このぶっ倒れている馬鹿の味方さ。少しだけ……、寄り道していて遅くなってしまったけどね。だから、せめてこいつを運ぶのを手伝わせてくれないかい?」
ガチンと鉄がぶつかるような音がする。
音はお姉さんの足から聞こえてきた。
さっきまでの剣士さんの戦闘が頭の中に残っていて、とっさに私は警戒して身構えた。
ああ、これかい、とお姉さんは苦笑いをしてズボンの左の裾を上げて見せてくれた。
剣士さんの左腕みたいに無骨なデザインの足が姿を現した。
「驚かせてごめんな。こんな訳で、あたいはお嬢ちゃんたちが危ない目に遭っていたのに助けに行くことが出来なかった…。だからせめて、こいつを寝床まで運ぶのを、あたいにやらせてくれないかな?」
悪い人じゃなさそうだ。
だってすごく…、やさしそうな目をしているんだもん。

『おい、今外で何か聞こえたぞ。』
『お、おい!ロウガ、突然目を覚ましたと思えばどうした!?』

あ。
ルゥさんのお店が何だか騒がしい…。
今の声って…、学園長先生?
そっか…、先生たちも天使様を守ろうとしてくれてたんだ。
「さて、人が来てしまうし、あたいは先にこいつを運んで行くよ。」
そう言って、お姉さんは剣士さんをよっこいしょという声を出して背負った。
「え……。みんなと一緒に…。」
お姉さんは首を振った。
「…事情があってね。あたいはともかく、こいつは人様に迷惑をかけまくった身だから…、いくら誰かを守ったからって大きな顔して会っちゃいけないんだよ。」
「でも…!」
「お嬢ちゃんも大きくなったら理解出来るよ。それにこいつは例えそういう身でなかったとしても、人に誇ることはない。だから逃げるのさ。お嬢ちゃん、劇は好きかい?」
「はい、大好きです!」
「色んな劇のヒーローを思い浮かべてごらんよ。ヒーローは誇らない。やるだけやって、全部が終わったらさっさと消えるだけさ。」


―――――――――――――――――――――――


『おかあさん、きょうね。きょうね。』
『あはは、そうかい。今日はそんなことがあったのかい?』
夢を見た。
帰らぬ日のささやかな幸せ。
ああ……、懐かしい…。
故郷の山。
向かう側に落ちる夕日。
母さんの暖かな背中に背負われて、俺たちは家路に着く。
『えへへ。おかあさんのせなかってあたたか〜い♪』
『そうかい?自分の背中は自分じゃわからないもんなぁ。』
まだ友達も大勢いた。
同じくらいの年頃の友達が母さんの周りでぐるぐる楽しそうに回っている。
魔物は珍しくない。
そんな土地だったけど、考えてみれば母さんみたいなドラゴンはいなかったな。
そんな母さんが珍しくて、近隣の子供が母さんと遊びたがっていた。
思い返せば、子供好きな人だった。
母さんの話によれば、俺が生まれてすぐくらいに起こった戦争で両親が死んで、瓦礫と灰だけになってしまった村の中に一人、生まれたばかりの俺が力の限り泣いていたらしい。
たまたまその滅んだ村の様子を見に来た母さんが俺を見付け、そのまま拾われて俺は母さんの子供になった。
だからなのか、母さんは子供を拒まない。
いつもやさしく接してくれた。
『ウェールズ、あんたはあたいとは血が繋がっていない。でもね、あんたはあたいとの絆は繋がっているんだよ。どんなに遠くにいても、例えどちらかがこんな息が詰まりそうな時代の犠牲になったとしても、あんたが生きている限り、あたいが生きている限り永遠に絆は途切れやしないんだよ。』
『きずな?』
『そうさ、あたいだけじゃない。あんたが歩く道で出会うすべての人があんたの絆だ。いつかわかるよ。自分だけの力なんて高が知れているのさ。でもそのあんたもあたいもたくさんの絆を食って力を付けていくのさ。だから、ゆっくり大きくおなりよ。いつかあんたにあたいのすべてを伝えていくのが、あたいのたった一つの夢なんだからさ。』
少し大きくなってから、母さんに教えられた。
今はちっぽけでしかない俺も、その絆や魂がある限り強く生きていけるんだ。
…ごめん、母さん。
俺、忘れていた。
母さんがやられて、俺は左腕を失って、思い出まで失っていた。
強くなった気でいた。
名のあるやつを斬って、復讐に身をやつして、強くなった気でいたんだ。
だからたった一撃の技も耐え切れなかった。
そこに本物の輝きがあったなら、持ち堪えられた。
そして本物の輝きがあったのなら、俺を励まそうとしていた少女の目を真っ直ぐに見れたはず。
初めて、自分の命を感じた。
初めて、俺は誰かのために戦った。
悪い気はしない。
母さん、ガーベラに感謝します。
あの子のおかげで、俺は這い上がって来れました。
あの子の目が、絶対に負けてはいけないという力になりました。
憎しみは消えません。
それでも、復讐という道から外れても良いですか……。

「復讐なんてくだらないよ。あたいが望んでいるのは、あんたがあんただけの道をお天道様に真っ直ぐ顔を向けて歩いていってくれることだけさ。」

ああ………、暖かいなぁ…。
懐かしい匂いがする……。
いつ以来だろうか。
こんなにも安らいで眠りに落ちるのは…。










あれからとても大変でした。
お店から飛び出した学園長先生とアスティア先生が、顔を青く腫らした私と天使様を狙ったあの人の死体を見付けて驚いたり、そんな私を迎えに来たお姉ちゃんに勝手に危ないことに首を突っ込んだことで怒られて、お姉ちゃんに泣きながら抱き締められたり…。
お姉ちゃんに抱き締められて、私も怖かったことから抜け出せて、泣き出しちゃったり。
学園長先生はお姉ちゃんに土下座で謝っていました。
私が勝手に天使様を守ろうとしていたんだけど、自分の配慮が足りずに私を危険な目に合わせてすまないと謝ってて、そんな学園長先生にお姉ちゃんは逆に慌てていました。
学園長先生たちと別れた後、私はお姉ちゃんにキッチリお説教されました。
青痣だらけだったから、ゲンコツやビンタはされなかったけど、お説教中はずっと正座をさせられて足が痺れました。
長い長いお説教が終わると、お姉ちゃんは私を強く抱き締めて…。
やさしい声で、涙声で、私の心に届くように耳元で言いました。
「ガーベラ…、お願いだ。もう危ないことに手を出さなくてくれ。お前が誰かを守りたいという思いを抱いてくれたのは嬉しいけど、これ以上私も何かを失うのは嫌なんだよ。お前は私の宝物だ。だから…、何かあったら…、今度は私の力も頼ってくれよ…。」
「ごめんなさい…、お姉ちゃん…。」
嬉しかった。
心から私のために怒ってくれる人がいるのが嬉しかった。
私に家族はいない。
お世話になっている人。
それだけだと思っていたのに、お姉ちゃんは私を宝物だと言ってくれました。
私は一人じゃなかった。
お姉ちゃんにやさしく抱き締められて、私は涙が止まりませんでした。
初めて……、心から思います。
ありがとう。


―――――――――――――――――――――――


旅支度を終え、ウェールズは人知れずフラン軒の裏口から音を立てないように出て行く。
深夜2時。
繁華街も一部の店を除いて、明日の英気を養うために静かな眠りに就いていた。
彼が目覚めたのは僅か数時間前、慌しく閉店前のフラン軒の人々が働いていた頃だった。
枕元には元通りに修理された義手と洗濯されて綺麗に畳まれた自前の服。
そして、コップに活けられた名前の知らない小さな花が一輪。
下手くそな字で『ありがとう、剣士さん』という手紙が添えられていた。
ウェールズはフッ、と笑った。
自分らしくもない、そう思いながらも悪い気はしていなかった。
それからしばらく、ウェールズは自室で寝た振りをして過ごしていた。
時々アケミが様子を見に来ていたが、彼はその気配を感じつつ、そうやって時間を潰した。
そして人々が眠りに就き、あたりが静かになった頃。
枕元の義手を装着し、その動き具合を確認すると、彼はアケミが洗濯し、破れた箇所を繕ってくれたであろう服を身に付ける。
石鹸の香りとやさしい陽の匂い。
今まで気にしたこともなかったウェールズであったが、人並みの幸せを少しだけ噛み締める。
ふとアケミのかけてくれたネックレスが目に入った。
アルスタイトの斬撃にも関わらず、胸の傷付近のチェーンが僅かな傷が付いたものの、その形は原形を保ったままだった。
「……さすが、元の所有者が所有者だけに。」
そう呟くと彼はネックレスを外し、小さな机の上に置く。
アケミの言う程、彼はお守りの効果を実感出来た訳ではなかったのだが、それでも彼をガーベラと引き合わせてくれたのかもしれないと思い、彼は丁寧にネックレスを置き、感謝を一言述べたメモを残し、部屋を後にした。
髪にガーベラの活けてくれた花を挿して、彼は裏口のドアを開ける。
「こんばんは、こんな時間にどこへ行くんですか。」
狭い路地裏にもたれるようにして、微笑んだアケミが部屋に置いたはずのネックレスを指で回しながら、ウェールズを待っていたのであった。


「…どこへ行くも何も、前から決めていたことだ。」
町を出る、俺はアケミにそう伝えた。
「この町を戦争に巻き込んで、あなたはあなたの復讐を遂げるはずじゃなかったんですか?」
意地悪そうな顔でアケミが笑う。
全部わかっていると言いたげな顔。
「…夢を見た。俺にとっての最初の風景、俺にとって強いとは何かを思い出した。この町を俺の復讐の道具にしようとしたのは謝る。最早…、何もかもが虚しくなった。あの男のように……、教会は俺たちを迫害したことを罪とも思っておらぬ。そんなやつらに本気になって…、俺だけが必死になって憎しみに身を滅ぼすのが馬鹿らしくなったのさ。」
「丸腰で、あの荒野を越えるつもり?」
思わず腰に手をやる。
剣は砕かれ、持っているのは精々ナイフくらい。
それでも俺はアケミに答えた。
「剣はなくとも、我が心に牙はある。だが、我が喰らうのは教会の唱える正義だ。教会の引き起こす悲しい鎖だ。俺は龍の子、なればこそ…。戦う理由は復讐であってはならない。」
俺は両手を大きく広げた。
「戦う理由はこの手の届く限り、我を求むる者を守るためでなければならぬ。俺は…、その武でさえまだ道半ば…。いや、まだ始まりの場所に立ったに過ぎぬ。故に俺は行く。むしろ、この町にとって俺は邪魔者でしかないからな。」
「邪魔では…、ありませんでしたよ。少なくとも私と、あの子は。」
アケミの視線を追うように顔を向けると、路地の向こうから小さな尻尾のある影が佇んでいた。
大事そうに何かを抱きかかえたガーベラがそこにいた。
「何故…、こんな時間に…!?」
「私が呼んでおいたの。あなたのことだから、みんなが寝静まった頃を狙って出て行くかもしれないから、もしも挨拶がしたかったらおいでなさいって。」
「……ばれていたのか。」
アケミは指で回していたネックレスを見る。
「これをくれた友人もタヌキ寝入りが得意だった人でしたからね。生きていた時と死後まもなくは元帥なんてやっていましたけど、やっていたのは新しい世界を作るために、あなたと変わりないことをやっていましたよ。だから、私はあなたを放っておけなかった。はぁ………、私も歳を取っちゃいましたね。」
タタッ、とガーベラが俺に駆け寄り、力一杯抱き付いてきた。
アケミは今の話は内緒ですよ、という顔で、人差し指を口元に立ててウィンクをした。
「……行っちゃうの?」
消え入りそうな声でガーベラは訊ねる。
俺は一言そうだ、とだけ短く答えると、ガーベラはきゅっと力を込める。
右腕で彼女の頭を撫でる。
「…剣士さん、行かないで…。ずっとこの町に…。」
「剣士、ではない。」
「え………。」
俺はガーベラの視線まで膝を突いて顔を向き合わせた。
涙でぐしゃぐしゃに濡れた顔を拭く。
「俺はウェールズ=ドライグ。誇り高き龍の子だ。」
「ウェールズ……、ドライグ…。」
「そうだ。この名を刻め、ガーベラ。俺は生涯、この命尽きるまでお前の名を、ガーベラという名の少女をこの胸に刻む。」
ガーベラが俺の首に腕を回して、抱き付いた。
その抱き付いた背中を軽く叩いてやる。
「けん……、ドライグさん…。私、強くなる。大きくなって、強くなって、ドライグさんに会いに行く…!お姉ちゃんみたいに、アスティア先生みたいに強くなってドライグさんにまた会えても、恥ずかしくない剣士になるよ…。」
「ガーベラ、それは無理だ。お前が大きくなる頃には戦争も終わる。俺たち剣士は剣を捨てねばならない時代が来るだろう…。いや、そんな時代であってほしい。お前は剣士になれない。俺が望むのは…、お前が剣を取らなくても良い時代に、笑って生きていけることなんだから。」
しゃくり上げて泣くガーベラが泣き止むまであやし続けた。
どれだけ泣き続けただろう。
ゆっくりとガーベラが離れる。
そして手に持った袋包みを俺に突き出した。
「……これ、預かったの。ドライグさんにって。」
「俺に?」
アケミか、と問うとアケミは首を振る。
包みを開けると、中から剣の柄が顔を覗かせた。
剣の餞別か。
誰だかわからぬが、随分と粋な餞別だ……な…?
「ガーベラ!この剣を…、お前に渡した人は……!!」
湾曲した刀身。
俺の抜刀術に完全にマッチした剣は、重さ、長さ、重心、共にすべてが俺の手に馴染んだ。
それに鉄ではない材質。
鱗や甲殻で作られた鞘。
すべてが懐かしい感触。
母さん!
この町にいたのですか!!
「教えてくれ、その人は今どこに…!」
「……これをね、渡してくれたお姉さん。もうこの町にはいないよ。次の仕事場が待っているんだって言ってたんだ。でも、ドライグさんに伝言を預かっているの。」
「俺に…、伝言…。」
「『恐れないで。立ち止まらないで。いつかまたどこかで会えるから。』って言ってたの。それだけ言えば、きっと今のドライグさんならわかってくれるって言ってた。」
間違いなく、母さんだ。
…そうだな、まだ会う訳にはいかないな。
あなたに会うのに、俺はまだ不足。
いつか、また巡り会える。
俺が剣を取る限り。
あなたが生きていて、俺がどこかで生きていれば、その絆は途切れないのだから。
「ありがとう、ガーベラ。」
俺は立ち上がる。
「俺は行く。お前の勇気の欠片を胸に俺は戦い続ける。それ以外の方法など知らぬ故、俺は愚者の如く行く。」
「…私がもし剣士になって、強くなったら。その時は会いに行っても良いですか?」
不安そうな目でガーベラは訊ねた。
俺が彼女に述べた希望を聞いて尚、その目に諦めはない。
この目に…、俺は負けたんだな。
「…ああ、強くなれ。俺たち人間の一生などお前たちの種族から見たら蜉蝣の時間だ。だから俺たちは細く尖がった木にしかなれない。だが、お前たちは違う。ゆっくりと悠久の時を経て、如何なる嵐にも負けずに、大地に根を張る大樹の如く強くなれ。もしもこの空の下で巡り会えたら、その時はこの町での思い出話に花を咲かせよう。お前がくれた、この花のように。」




そう言って剣士さん、ウェールズ=ドライグは去っていきました。
あれから10年、私はまだまだ強くありません。
そもそも強さとは何かという迷路に嵌って出られそうにありません。
でも、その迷路が怖いとは思いません。
あの日、ドライグさんにもらった言葉を胸に刻んでいるから。
私の左腕にドライグさんの義手に似せた手甲が輝いているから。
挫けそうになるたびに、この左腕とあの日のことを思い出す。
まだまだ追い付けない背中だけど、
いつかあの人にまた出会える日を夢見ている。
この剣で誰かを守っていけるように。
これで、良いんですよね?
ドライグさん!





―――――――――――――――――――――――


フラン軒の厨房に明かりが灯る。
ガーベラちゃんも帰って、ウェールズもいなくなって…。
少しだけ寂しくなった私は、お酒の瓶を出した。
おつまみもないけど、良いかな?
「さ、あなたもおいでなさいな。」
厨房に入ってくる影。
彼の母親、カンヘルがすまなそうにやってきた。
「悪いね、色々と押し付けて。」
「…良いんですか?一目会って、再会を喜ぶのも良かったと思うんですけど。」
「良いんだ。あの子は自分の道を見付けた。あの子を守るのはあたいの打った剣だけで今は十分。いつか…、きっと出会える。その時に、あたいは刀鍛冶としてあの子を支えられる女になりたいんだよ。今は、あの子よりもあたいの方が未熟。それじゃ、惨めじゃないか…。幸いこの町には、サイプロクスや色んな鍛冶屋が鉱石目当てに集まっているから、修行にはもってこいだしさ。」
まったく…。
ダオラも、カンヘルも、かつての戦友と言える古い知り合いのドラゴンたちも、どうしてドラゴンという種族はこんなにも自分に厳しい人たちばかりなんだろう。
私はグラスにお酒を2つ注いだ。
「ああ、ありがとうな。」
「では、良い女二人。乾杯しましょうか。」
チン、とグラスの綺麗な音が静まり返った厨房に響く。
青年の旅立ちに。
少女の自立に。
そして強き母に。
乾杯。





11/01/26 06:50更新 / 宿利京祐
戻る 次へ

■作者メッセージ
更新が遅くなりました。
相変わらず腰と腸炎で苦しんでいる宿利です。
今回はウェールズ完結編。
如何でしたでしょうか?
皆様の心の中で、
ウェールズが英雄の一人になってくれたら良いなと思う次第であります^^。
では次回ですが……。
ちょっとおまけです。
お楽しみにー。

では最後なりましたが、
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33