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余談

 番を得た私には一つ、妙に得心した事がある。
    私、最初から寂しかったんだな。
 両親は私の事よりもお互いの事を愛するのに忙しかった。そして一人立ちした後は、それこそずっと一人ぼっちだった。
 其れを隠す為に、私は殊勝にも気丈に振舞って自分を偽っていた。
 寂しいって叫べなかったし、助けてとも言えなかった。
 まるで、ダーリンが語ってくれた様な身の上を、私は持っていたのだった。
 だから、私は、ずっと自分の傍に居てくれるオスを探していたんだろうな。自分を理解してくれる人。口下手な私でも愛してくれる人を。
    それが、ダーリンだった♥
 それは、とても素敵な事なのだ。


 今では森に一軒家を建てて、ダーリンに誉められた料理の腕で小さなレストランを営んでいる。勿論、ダーリンと一日中一緒に居られる様にする為だ。
 客の入りはそこそこ。森の魔物達は本来旦那様の精があれば生きていけるから、其れ程食事と言う物は重要ではない。けれど、其れでも訪れてくれた者は皆、満足気な表情で店を去って行く。
 昼下がり。客足も途絶えた頃。ダーリンがキッチンに足を運んで来る。
「今ので最後のお客さんだよ」
 口下手な私は接客に向いていない。代わりに愛想の塊であるダーリンに接客を任せている。
「うん♥ 今日も御苦労さま♥ ダーリン♥」
 この時間帯に客が来る事なんて滅多にない。
 そう、二人っきりになれるのだ♥
 透かさず私は、甲殻を下げて自分の柔らかい部分を露出させる。その際、エプロンは外さないでおく♥
「二人っきりだね、ダーリン♥」
「そうだね」
 自然に唇を重ねる。お互い考える事は一緒だと思うと、私達は愛しあっているんだなぁと実感出来る。
 矢張り、愛は偉大だ。私とダーリンを結び付けているのは愛に他ならないし、二人の愛の前には他の男なんて下らない。私達を駆り立てる物の本質こそ愛なんだとすんなり信じられていた。
「君は二人きりの時、喋り方が変わるね。どうして?」
 私の首筋に鼻先を埋め、唇を滑らせる彼が尋ねる。
「だって♥ ダーリンに可愛がって欲しいもん♥」
「そんな事しなくたって、可愛いのに。僕は一目惚れしたんだよ?」
 可愛い……♥ そう言われるだけで、私は舞い上がってしまうのを感じていた。
 その隙を付いて、彼は私をキッチン台に抑え付けた。本当は私の力があれば彼の力にも負けないけれど、メスの本能として私に抵抗なんて最初から出来る訳がない♥
「エプロン姿だけでも素敵なのに、僕に媚び媚びだなんて。可愛過ぎて、卑怯だよそんなのは……♥」
 ダーリンはいやらしい笑みを浮かべて、ズボンをずり下げる。
 其処には立派に反り上がるおチンポが、私に向かって首を伸ばしていたのだった。
「あ……♥」
「するよ……」
「うん……キテ……♥」
 私、これからキッチンでダーリンに美味しく頂かれるんだ……♥ そう考えるだけで、アソコからおもらししたみたいにメス汁が湧き出て来る。昔の私だったら、はしたなくて死ぬ事を選ぶ位の事だろうけれど。
 ダーリンはその愛蜜に目を付けて、エプロンの裾を持ち上げてまじまじとおまんこを観察し始めた。見られているだけでもう止められなくなってしまっている其処の様子に、何事か頷くダーリン。
「下着も穿かずに今まで仕事してたんだ」
「だって、私は今まで森の中で暮らしていたし、必要無かったから……今度から、穿くようにしようか?」
「ううん。君が慣れないんならいいよ。それに、君が何も穿かずに仕事していると思うと、これからの僕の仕事にも張りが出るよ」
「もう♥ ……ねぇ、早くシよっ?」
「そうだね♥」
 彼は舌を伸ばし、私のおまんこを舐め始めた。トロトロに蕩けたその部分に、彼の愛おしい舌が這い摺り回る。
「ああ♥ ん……ふぁ……っ♥」
「君の手料理も美味しいけど、君の此処から溢れ出す蜜も格別だよ。じゅるるる♥」
「は、恥ずかしい事言っちゃヤダよ……♥」
 彼のおチンポを咥えるのも好きだけど、彼におまんこを吸って貰うのも堪らなく好きだった。行為の初めは何時もどちらかがどちらかの奉仕をする事から始まるのが決まりだった。
「あっ♥ ん〜〜〜っ♥♥」
 頭が真っ白になる。太股で彼の頭を締め付けて、顔面シャワーを浴びせ掛けた。
「可愛いよ……」
 彼はイったばかりの私のおまんこを押し広げて、中まで丁寧に舐め洗ってくれる。
「ダーリン、優しい……♥」
 一頻り掃除してくれた後、いよいよ本番だ。彼のおチンポの先が私のおまんこの入口に軽くキスする。
「いくよ」
「……うん♥」

    ズプゥッ♥

 来たぁ♥ 一気に、子宮まで♥ ダーリンのおチンポと私の子宮がディープキスしてしまっている♥
 ダーリンはそのまま、一心不乱に腰を振り始めた。私はキッチンテーブルに腰を抑え付けられていたので、もどかしかったけれど、彼の雄々しい突き込みに脳が溶かされていく。
「はぁ♥ はぁ♥ はぁん♥」
 もうイってしまいそうだ。彼の形にフィットした私の膣内は、彼のおチンポで一番感じてしまう様になってしまっていた。もう、後は彼と一緒に達したい想いで一杯だった。
 彼は彼で、彼好みの物となった私のおまんこで早々と昇り詰めている最中だった。その必死な表情を見て居れば判る。
「ダーリン♥ 濃いので孕ませていいよ♥ 私、ダーリンの子供なら何人だって欲しいんだから♥」
「ああ、判った。その代わり、ちゃんと孕む準備は出来ているかい?」
「バッチリ♥」
 足を彼の身体に絡み付かせ、もっと奥へと押し込む。
「出して♥ 子宮も赤ちゃん作る準備で下がって来てるでしょ♥ おチンポの先で判るよね♥ この先で赤ちゃんが出来るんだよ♥ 此処にたっぷり出したら、出来ちゃうんだよ♥」
「う……僕、もう……!」
「うん♥ 私も……♥」

    ビュルルルルゥ、ビュクッ、ビュクッ♥♥♥

 一発で、お腹が一杯になる程の量。彼のおチンポは日に日に逞しさを増して行く。子宮も飲み干せずに、幾らかは逆流して噴出し、キッチンの床を汚してしまっていた。
 それでも、彼の射精はまだ終わっていない。私の身体をぎゅっと抱き締めて、頻りに「孕め、孕め」と囁いて来る♥
    これじゃあ、完璧に身体が孕む状態になっちゃうじゃない♥
 私は恍惚とした意識の中、お腹の奥に何かが宿る感触を憶えた。不思議な感覚だが、その時、自分が孕んだのだという確信が生まれたのだ。
「あ……♥ んん……♥」
 自然にキスが落ちて来る。それだけで、色んな事が伝わって来た。意地悪してごめん、愛してる。
 私は彼の頭を掴み、自分からキスし返した。
「……もう一回、しよっか♥ 今度は私が上で……♥」
「うん……♥」

    チリン、チリン

 そんな時、店の入り口から呼び鈴が鳴る。どうやらこの時間に珍しく客が来たようだ。
 私達は顔を見合わせ、ウィンクし合った。
    続きは夜に。
 私達は昼夜問わず季節問わず曜日を問わずに交わり続けた。子を孕むのも時間の問題だっただろう。
 けれど、やっぱり最初の娘を孕んだのはあの瞬間だったと思う。

 私達はそうして   愛の結晶をこの世に産み落としたのだ。





――――――――――





    大きくなった娘が繁殖期を迎えたのは喜ばしい事だ。
 しかし! 幾ら何でも私のダーリンに迫るのだけは許し難い! しかも説教した後にもう一度迫ろうとした。全く、我が娘ながらなんて図々しい。
 最近ではダーリンと二人きりの時間がない。ダーリンに思い切り甘えられないのがストレスになって来ているし、ダーリンだって娘に構って私に甘えて来ない気がする。
 そんな不満を抱いている時に、繁殖期の話題が出たので、私は娘に言ってやったのだ。

    そうだ、娘よ。貴様も一人立ちしてみたらどうだ。

 まぁ、私とダーリンの時間を作る為というのも本音だが、正直このまま家に居ては本当のパートナーとは巡り合えないだろう。幸い、この娘は私と母から伝わった才能が全て揃っているから、一人で生きていく事に何ら遜色はないだろう。
 娘は、私の言伝通り家を出た。これで、またダーリンと二人きりの生活が始まる♥
「大丈夫かな。道に落ちてる物食べたりしないかな」
 頻りに娘の行く末を案じていたダーリンだったが、あの子は私とそっくりだと、彼が常日頃から言っている事を思い出させてやるとすとんと安心した様だった。
「寂しがり屋な所もね」
 なんぞと付け足すまでの余裕。
 私は彼の胸に頭を預ける。
 鏡の向こうで彼に抱き締められている私は、幾らか微笑んでいる様に見えた。


―――――


「ダーリン」
「うん?」
「……あの子が良い人を見付けて来る前に、妹作ろっか♥」
「えっ? わ、わぁ!?」

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【メモ-その他】
“ダーリン”

darling、もしくはdarlin'という最愛の人への呼びかけで、ほぼ「あなた」という意味。
なのでダーリンという名前の人を最愛の人の目の前で呼ぶのは凄く抵抗が生まれるんじゃないかな。なんでもないです。

12/09/26 09:00 Vutur

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