連載小説
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迷惑行為禁止
 
〜何事もほどほどに〜
 

最近じわじわと暑くなってきたせいかシャツが肌にべっとりと張り付く日が増え始めた。寒いのはあまり気にしないけど暑いのだけはどうしても我慢出来ない。いっその事・・上司を生贄に魔王を召喚し夏だけを破壊してもらうしか。

「いい根性してるな。誰が誰を生贄にして夏を破壊してもらうってか?」

「へ?いやだなぁ、そんな事微塵も思ってませんよー」

「何を考えてたか知らんが妄想がだだ漏れ・・・だっ!!

「いっだぁぁぁーーーーー!!!」

いっでーー・・本気で頭の天辺殴りやがった。絶対に生贄にしてや

「わかったわかった、生贄でも人身御供でも何にでもしてやるからそこで歯食いしばれよ?」

身の程知らずですみませんでした。この軽やかなジャンピング土下座でお許しください上司様。

「本当にお前は暑いのダメなんだな」

「毎日冬になって欲しいぐらいです」

はぁ〜、じわじわ来る暑さって毎年好きになれんわー。一ヶ月ぐらいで終わってくんないかねー。そうだ、やっぱり目の前の上司を生贄にして

「その妄想はもういいからアイスコーヒーでも飲んで頭冷してこい」

まじでかったりぃー。飲みにいくのも面倒くせー。いっその事、水中で毎日過ごしてー。

「それじゃあお姉さんと今から一緒に行きましょうか♪」

「違うわよー、今のはアタシに言ってくれたのよねー♥」

え、ちょ・・違うの、今のは言葉のあやで・・

「失礼しましたーーーーー!!」

あっぶねー、口に出す癖なんとかしないとなー。はぁ〜・・結局自販機まで走ってきてしまったな。喉乾いたし飲むか。

「・・・ん、んっ・・ん・・」

すっきりしたー・・って、そんなわけあるか。飲んだから余計に汗が噴き出してきたわ。あーシャツが張り付いて気持ち悪ぃ。さっさと帰って風呂入ろ。



「って事で定時上がりしまっすー」

「はいはいお疲れ」

冷たい反応だなー、やっぱ生贄にして夏を壊してもらおうか。

「今からお前の家に独身の娘を100人ほど送り届けてやろうか、ん?」

「お先に失礼しまっすーー!」

軽い冗談だっつうの。いくらなんでも本気でしようなんて考えないし。そんな事したら奥さんアヌビスだから社会的に呪い殺されるの確定するわ。

「しかし、湿気が鬱陶しいな。そんなに気温高くないはずなのに暑く感じて気持ち悪い」

そうだ、今日は帰ってから金玉に行って水風呂に入ってこよ。多少はましになるだろ。はー、くそあち。




「いらっしゃーい」

「200円っすねー」

相変わらず此処の値段は良心的だわー。値段安いわ、番台のお姉さんは艶っぽいし色々と捗りそうなおっぱいしてるし最高すぎるわ。尻なんてこれでもかと言うほどにプリンプリンしてて柔らかそう。あれは絶対安産型だな。

「・・・・ん〜、てぃっ」

「あだぁっ!?」

「変な事言ってないで早く入りなさい」

ひぃ〜〜・・・いってぇぇぇ。デコの皮がちょっと凹んだぞ。マ、マッテ!入りますからその手はヤメテ!もう一発受けたら陥没しちゃいます!



「うひぃ〜・・・怖かった」

冷や汗掻いて余計に汗臭くなって気持ち悪くなってきた。早く水風呂に浸かって涼しもう。

-カラララララ・・・-


「っふぅー!早速水風呂に!」

「兄ちゃんちょい待ちや、まずは体洗うのが先やろ」

「汗臭くて洗う余裕なんて無い!水風呂直行だ!」

ひゃっふー!癒しの泉に飛びこむぜ。



「・・・あ〜ぁ、飛び込んじゃったわ。俺は何も知らんし見てないからな」



はあー・・つめてぇ。やっぱ夏と言えば水風呂だろ。冷たさで汗が引いていくこの感覚が好きだわ。あーすっとした。さ、体洗うか。

「・・・ん?」

今一瞬だけ水に引っ張られたような気がしたんだけど?気のせいか。なんだか少し滑り気があるような。

「ま、どーでもいっかー」

ふひひひひ〜♪汗臭いのさっぱり消え去ってるぜ。さっさと体洗ってもう一回水風呂にレッツゴー!うららああ!洗え洗え!癒しの泉が俺を待ってんのよ!


「なぁ兄ちゃん・・、今日はもう水風呂入らないほうが身の為だぞ。このままだと帰りは」

「さっきのおっちゃんじゃん。んで、何で入ってはいけないんだ?そうか、俺に入らせないようにして自分だけで独占する気だな」

「・・はぁ」

そうはさせん!一気に洗い終わってサウナに入ってから水風呂直行!そりゃダッシュだああああ!



「若さっていいなあ・・あれは無謀というのかもしれんが」



俺が嫌いなのは天然の暑さだけだからサウナ程度なんともないぜ。ふぅぅ〜・・これぐらい汗出したら暫くは余裕だろ。んじゃ、水風呂いっただきー!

「ヒャッハー!どこぞの悪党スタイルで水に浸かるぜ、これ最高!」

(…マナーは大切よ?)
 
「ぁん?今どこから聞こえてきたんだ?」

(態度を改めないと・・・こうよ?)

ヒッ!?体が動かない!ぬ、抜けない!腕が全く上がらない!?体が・・体が少しずつ水に締め付けられていくぅ!ひ・・はぅ・・・あぁ。

(ちょ!ちょっとヤダァ!漏らすほど怖がらせるつもりなんて無かったのに!ごめんね!ごめんなさいね・・)

・・へ、水から顔が・・・。

「ごめんなさい・・・貴方を怖がらせるつもりじゃなかったの。ほんの少しだけでもマナーを守ってもらおうと・・」

クイーンスライムだったのかぁ〜・・・、安心したらまた漏れそう。っていうか漏れた。

「はわわわわぁぁぁ〜〜!?どうしてまた漏らすのですか!ああ・・私の中に貴方の精が入り込んでしまってます・・これはもう責任取っていただくしかないですね」

「責任でも何でも取るからもう少しだけ水に浸からせてくれ〜・・気持ちええ〜」

「・・・!?んふふふ〜♪ええ、いつまでも私の中に浸かっていいのですよ。それでは二人っきりでゆっくりと寛ぎ合いましょう」

-カラララララ・・・・-

え、水ごと何処に行こうとするの?ちょっと待って!脱衣所を抜けて何処行くの!?俺の服!俺の服がそこにあるんだってば!マッテマッテマッテ!俺裸!

「それでは女将さん、近い内に新しい子を紹介しますね」

「はいはい、それじゃあ結婚式には呼んでちょうだいよ?」

ありゃ?俺ってこのままお持ち帰りされちゃうのか?ま、いいか。夏は涼しく冬は暖かそうだし。



『でも・・せめて服だけは持って帰ってくれないか。露出プレイは趣味じゃないんで』




17/12/31 23:02更新 / ぷいぷい
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のんべんだらり

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