夢を見た。


　洞窟。
　そう、僕は今洞窟にいる。


　足音が、遠くから響いてくる。
　どうやらこちらに向かっているようだ。


　なにやら古めかしい服を着て、古めかしい懐中電灯を持った男達がゾロゾロとやってきた。


　その男達は、何かを恐れているようだった。しきりに自分達が歩いてきた方向を振り返り、震えている。


　僕には気づかないようで、そのまま足早に歩き去っていった。


　チャリン、と地面に何かが落ちる。
　男達は気が付かない。


　僕はそれに近づく。
　暗くてよく見えない。だから僕はポケットからケータイを取り出し、カメラのライトを点ける。


　これまた古い型の鍵だ。


　僕はそれに手を伸ばしそれを拾う。


　その瞬間、どこからか少女が現れ、僕の横を通り過ぎて男達と同じ方向に走り去っていった。
　一瞬、彼女の顔がライトに照らし出される。


　それは──────


「くぅぅぅ────」
「すー──────」
「………………………」
　目が覚める。
　僕の左手にアリステラが。
　右手にはデクシアが。
　それぞれ抱きついていた。
「………………」
「くぅぅぅぅ───」　「すー───────」
　手に少女の柔らかい感触が伝わる。
　右手には、服越しではあるがぷにぷにと柔らかい感触。
　左手には素肌のスベスベとした感触。
「はぁ、少しは僕のことを考えてくれよ」
　結構辛いぞ。
　少しだけ指を動かし、身体を撫でてやると。
「んんっ♥」　　　　　　　　　　　「んぁ♥」
　気持ちよさそうにさらに強く抱きついてきた。
「……………」
　僕はもう一回目を閉じてみる───


「…………………」
「…………………」
　また僕は洞窟の中にいた。
　でも今度は全く状況が違った。
「えぇと、おにー、さん？」
　目の前には僕のことを「おにーさん」と呼ぶアリステラ。
　何か大きなものを引きずっているようだ。
「アリステラ、なんでこんな所にいるんだ？」
　思わず聞いてしまう。
　よく考えると夢だから何が起こっても仕方ないのだが。
「？　アリステラ？それよりも、なんでおにーさんがそこにいるの？」

「あたしが今運ぼうとしてるのに」

「え───」
　彼女が手に持っているもの。
　それはよく見ると──あの時の僕だった。
　そう、あの肝試しの時の───




「なぁ二人とも」
「なぁに？」　　　　　　　　「なんですか？」
　風呂場。
　僕はお湯につかりながら身体を洗う彼女達の背中見つめている。
　そこで僕は意を決して問いを投げかける。
「魔物娘とセックスして魔法が使えるようになるってことあるのか？」
「んー……デクシアちゃん、どう思う？」
「多分、あると思います。セックスって魔力の交わりでもありますから、わたし達の魔力に触発されて眠っていた才能が開花するってことは十分にありえます」
「ふぅん………」
　ずっと前、智慧には『お前には才能がない』とか言われたんだが………それは間違いだったというわけか。
「どうしたのおにーちゃん？なんか使いたい魔法でもあるの♥？それならさぁ、もっと沢山濃厚なエッチを───」
「いや、もう使えるようになったんだ」
　チッ、と大きな舌打ちが聞こえる。
　残念だったな、アリステラ。
　「何の魔法が使えるようになったんですか？」
「はっきりとはわからないんだけれども……サイコメトリー系の魔法かな？」
　昨夜見た幾つかのイメージ。恐らくそれが原因なのだろう。
「へぇ、じゃあ智慧ちゃんと同じ魔法じゃん」
「あいつほどコントロールは出来ないみたいだけどな」
　今はサイコメトリーを使える気配はない。どうやら昨夜のは暴発だったらしいな。
　智慧は結構自由に使えているようだ、時間場所を問わず。
　でも脇の匂いを嗅ぐとかいう制限があったよな………
　いや、さすがにあれは冗談だよな。ただアリステラの匂いを嗅ぎたかっただけだろ。
「まぁ、きっかけは掴んだんだし、これから努力すれば何とかなるだろ」
「努力、ねぇ」　　　　　　　「努力、ですか」
　む、なんだその何か言いたげな顔は。すごい嫌な予感がするんだが。
「ねぇ、おにーちゃん？」
　　　　　　「もっと楽な方法があるんだよ？」
「一応聞いておこう───言っておくが、使わんかもしれんからな！そこを心に留めておいてくれ！」
　念のため保険をかけておくが───
「たくさんセックスして♥」
　　「わたし達の魔力に交わればいいんです♥」
　じりじりと二人は距離を詰めてくる。
　抵抗は無駄みたいだ。

　
「ていうかこのまま魔力の混交なんて続けてたらさ、僕が人間やめちゃうんじゃないの？」
「インキュバス化は免れないでしょうね」
「でもインキュバス化しても今まで通り生活できますから、安心してください」
　ん………そこは仕方ないか。
　覚悟はしていたし。
「じゃあ、背中洗うね♥」
　アリステラはボディソープを手の上に垂らし、自分の身体に塗りたくった。
「え、何やってんの？」
「まぁまぁ、じっとしててよ。気持ちよくしてあげるからさ♥」
　彼女は、適度に泡立ったその身体を椅子に座っている僕の背中に───
「っ！」
　ぴとり、と彼女の感触が背中に広がる。つるつるでぷにぷに、まるでゆで卵のようである。
「うにうに〜」
「ちょっ、アリステラっ」
「えいっ」
「うっ！」
　さらには耳たぶを舐めてくるというコンボ。気持ちよくないはずがない！
「ちろっ♥ちゅくっ♥ちゅぱっ♥」
「おにーさんのおちんちん………すごく固くなってます。痛くないですか？」
「ぐっ、ぅ」
　頷いてはいけない。頷いたらきっと奉仕してくれてしまうのだろう。
　僕の気が狂うまで！
　でもまぁ───
　　　　　　　　　　　　　　　　「はむっ♥」
　頷かなくても結果は変わらないんですけどもねっ！
　デクシアは僕の足元に跪き、チンポを軽く咥える。
　しかも念願のパイズリ付きで。
「て、デクシア」
「いいなぁ……おっぱいあって。あたしもパイズリしてみたいなぁ」
「ぴちっ♥ちゅっ♥ろぉれふか♥？きもひいいれふか♥？」
　漫画みたく完全に包めてはいないが、その中途半端さが、なんというか、萌える。
　一生懸命、チンポをまだ未成熟のおっぱいで揉みほぐすその姿を見ると『頑張っているんだなー』と庇護欲を掻き立てられる。
「あたしも負けないよー……ちゅぴ♥ちゅっ♥くちゅり♥」
　舐める範囲が、耳たぶからどんどん広がっていく。まるで動物の毛繕いのように、僕の身体を綺麗にするように丁寧に唾液を載せて舐める。
　身体を擦り付ける動きもねっとりと蠱惑的なものになっていく。
　　　　　　　「ぶちゅっ♥れろっ♥はむっ♥」
　一方デクシアは、元々洗ったばかりで水分の載った身体に唾液というローションが加わり、おっぱいとチンポを更なるハイスピードで擦り合わせていた。
「あっ、あっ」
　何だよこれ……前からも後ろからもぷにぷにぷにぷに、ぺろぺろぺろぺろと……
　天国か。
「ちゅぱっ♥うっ♥ちゅ♥れろ♥ふーっ♥ちゅっ♥あっ♥ちゅーーっ♥──んっ♥ぢゅっ♥ぷちゅ♥んちゅっ♥んむっ♥」
　二人の淫らな水音と喘ぎが混ざり合って風呂場に響く。それが僕の男としての本能をガンガンと揺らし、鼓舞してくる。
「で、デクシア…………」
「れほぉなんれふね♥いっはいらひてくらはいね♥」
　ちゅーーーー………
　一際強く、デクシアはチンポを吸い上げる。
「ぐぁっ！」

　びゅくびゅくっ！

「んふーっ♥んふーっ♥────こくっ♥ちゅっ♥ごくっ♥───」
「ふふふ───どう？デクシアちゃん♥おいしい♥？」
「ごくん♥───はぁ♥おにーさんのおちんぽミルク……すごく濃くて苦くて飲み込みにくいけど……♥病み付きになっちゃう味です♥いつかお腹たぷんたぷんになるまで飲んでみたいです♥」
　うっとりと恍惚の表情で僕の精子の評価を下すデクシア。
　最初は大人しい子だと思っていたけども……最近は僕に慣れたのか本性を現しつつある。
　魔性のロリビッチ。特にアリステラとのセックスはヤバかった。
　あれを僕にやることはないよな……本当にやめて欲しい。
「ねぇー、あたしも欲しいー」
「えぇ……でも僕の体力も」
　この後のことを考えると、体力が足りなくなってしまうだろう。ただでさえ暑くて熱い風呂場で滅茶苦茶ヒートアップしているのである。いつも以上に削られている。
「わかってるよ、だから♥」
　二人は、その可愛らしい顔に似合わない淫猥な笑みを浮かべ、浴槽の縁に手を付きこちらに性器を見せつけてくる。
「ナカにたーっぷりお願いね♥おにーちゃん♥」
「ナカにお願いしますね♥コノメおにーさん♥」


「じゃあ、お先いただきまーす♥」
　　　　　　　　　　「仕方ないですね………」
　流れ的にアリステラの番だろう。
　ということで、僕は彼女の腰をつかんで少し持ち上げる。
　そうでもしないと挿入できない、そんな小さな身体をこれから犯すのだ。
「ぁ、あ〜〜っ♥ぐりぐりってキてるぅぅっ♥コノメのオチンポ♥」
　それも、かなり激しく。
　そうしないと彼女達は満足しないのだ。
「あう♥あ♥あっ♥この体勢♥すき♥奥までたっぷり犯されてるよぉぉ♥」
　大きく腰を振ると嬉しそうに喘ぐアリステラ。壊れそうなほどに大きく歓喜の叫びをあげる。
　そう、壊れそうなほど。
「はぁっ♥はぁっ♥おにーちゃん♥おにーちゃん♥遠慮なんてしなくていいんだよ♥もっと激しく♥オナホみたくじゅぽじゅぽぱんぱんしていいんだよ♥」
「────」
　どうやら、彼女は僕の心中を察しているらしい。
「優しくしなくていいんだよ♥あたしが何も言わなくても、乱暴にしちゃっていいんだよ♥その方があたし、好きだから♥」
「………後で泣いても知らんからなっ！」
「ぃぎぅっ♥あﾞ♥その♥調子っ♥もっと♥ぐちゃぐちゃにぃっ♥突き回してぇぇぇっ♥！」
　濡れた肌同士のぶつかる音が、更に大きくなる。
「ひぐぅぅっ♥ぁっ♥きもちいぃぃ♥しあわせっ♥おなかのおくすごくしあわせだよぉぉぉっ♥！」
　その言葉に嘘はない、と証明するかのようにさっきの倍ほどの愛液がだらだらと流れ出してくる。
「うみたいぃ♥コノメおにーちゃんのあかちゃんうみたい♥はらませるくらいたくさんせーえきだしてぇぇ♥！」
　そんな暑い愛液に包まれ、僕のチンポは達する───

　びゅるるるっ！びゅくっ！どくっ！どぷっ！

「ぁ♥ぁ♥ぁ♥おなかのナカ♥たぷんっ♥って♥」
　絶頂したアリステラは思いっきり仰け反って痙攣する。
「はぁ♥はぁ♥おにーちゃん♥次、デクシアちゃんにもお願いね♥」
「おにーさん………わたしにもおちんちんくださいぃ♥」
　アリステラからチンポを引き抜き、隣のデクシアに挿入する。
　その直前に、彼女は僕に振り返り言う。
「あの、おにーさん♥さっきアリスちゃんが言ってたこと、わたしにもよろしくお願いしますね♥」
　まぁ、そう言うだろうな。
「わかったよ」
　そう言って僕は彼女の首筋にキスをした。
「ふぎっ♥しゅごいぃっ♥いきなりおくまでっ♥キてますぅぅぅっっ♥」
　一突きする度に、宙ぶらりんの胸がぷるんと揺れる。それがたまらなくエロくて興奮してしまう。
「あうﾞっ♥い、今のおにーさん♥どーぶつみたいで♥すごく激しいですぅっ♥きゃんっ♥」
　興奮だけでなく暑さも相まって、僕の身体の動きがすべてヒートアップし、暴走しまっているように感じる。
　頭もふらふらで、自分が今何をしているかわからない。
　でも。
「やぁぁんっ♥いいです……いいですよぉ♥わたしを孕ませたいのなら、いつでも言ってください♥」
　気持ちいい。僕も彼女もそう感じているのだけは確かに理解していた。
「ねぇ、デクシアちゃん───はむっ♥」
　　　　　　　　　　　　　「んんんむっ♥！」
　二人夢中で交わっていると、いつの間にかアリステラが浴槽に入っていて、デクシアと向かい合っていた。
　そして、中出しした精液を舌に乗せ口づけをした。
「んちゅ♥ちゅう♥ちゅるる♥んっ♥れくひあひゃん♥」
　　　　　「んんんんっ♥んんんんんんんっ♥」
　ただでさえ、息が荒くなるほどの快楽を受け止めているのに加えてのキスである。
　息苦しそうにもがき、それでも、イき続ける。
　　　　「んんんんっ♥！ありふひゃんっ♥！」
「ちゅっ♥じゅる♥れろっ♥れくひあひゃん♥れくひあひゃんっ♥」
「んんっ♥いっひゃうぅぅぅぅぅぅぅっ♥♥！！」
　びくん、と全身が痙攣、それと同時に彼女の膣も、ぎゅっと僕のチンポを締め上げる。

　どぴゅっ！どぴゅ〜〜っ！

「んんんんんんん〜〜──────っっ♥♥！」
　くぐもった叫び。それでも甘くとろけている声だとわかる。
「ぷちゅ───はーーっ♥はーーっ♥はーーっ♥し、しんじゃうぅぅ───♥」
　息も絶え絶えな状態でへたり込んでしまった。
　しかし、それはこちらも同じ事だった。
「───あれ？」
　二戦連続 in 風呂場。
　さすがに保たなかったか。
　興奮から冷めて痛みが浮かび上がってきた僕の頭は。
　機能を停止する。
　そういえば、魔法のためという目的はどこかへすっ飛んでしまっていたな。
　と、ブラックアウトする頭の中で思った。







　夢なのかどうかはわからない。
　気絶した僕は夜、目を覚ました───ようだ。
　ガンガンする頭を携え、身体を起こしてみると、アリステラとデクシアが目に入った。
　窓の外を見上げている。どうやら星を眺めているようだ。
「………ごめんなさいだね、ちょっと調子乗りすぎたかも」
　　　「うん、ごめんなさい、おにーさん……」
　気にすんなよ、僕の方が調子に乗ってたから。
　と、言おうとしても何故か声が出なかった。
　　　　　　　「…………ねぇ、アリスちゃん」
「なぁに？デクシアちゃん」

「『あの事』、おにーさんに言わなくてもいいのかな？」

「……………」
「あの、ね、わたしね、このままこの事を内緒にしてたらね、おにーさんを利用していることになるんじゃないかなって思うの」
　『あの事』？いったい何のことだろうか。
「……………」
「わかってるよ。わたし達、おにーさんの事大好きだから利用しているなんてことは絶対にないと思うんだけれども──おにーさんからしたらそう思えちゃうんじゃないかって」
「……………多分、コノメはそんなに小さい人じゃないと思うよ」
　　「だったら、言うべきなんじゃないかな？」
「いいや、言わなくていいよ。このままでいいんじゃないかな？今が一番幸せなんだから、それでいいじゃん」
　アリステラは笑顔を見せる。
　無理をしている、ぎこちない笑顔だった。
　　　　　　　　　　　　　　「…………うん」
　デクシアも、無理にそれを呑み込んだ。




　彼女達に何をしてあげられるのだろうか。
　僕はそれを知るための方法を。
　もう持っているのかもしれない。