異世界放浪記 %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d

ぎるど!

帰ってきた。

洞窟の目の前に帰ってきた。

辺りは暗くなり始めているな・・・

それにしても、何とも言えない不気味さだよな
何度見ても思う事ではあるが・・・

結論が変わることはない。
うん、変わらないね・・・


洞窟内部では、火を焚いているらしく少々チカチカと言うか、ユラユラと言うか・・・
なんとなぁ〜く中が伺える程度には明るいようだ。

入り口で立ち止まる。
ココに初めて来たときの最初の感想は何だったっけか・・・?




思い出せねぇ〜・・・orz

こっちの世界に来てしばらく経つが、もう慣れきってる気がするなぁ〜
もう、なんの違和感もないし人工の光が無い生活ってのも悪くはないな・・・
そりゃ、テレビや音楽とかゲームや友人が居る向こうの世界にも未練がないわけではないが、ココの方が良いかも知れない。
可愛い魔物っ娘とイチャイt(ry

・・・ん〜と・・・何だっけか・・・?

そうそう、ココではスーパーマンの様な力が発現するし誰よりも強者で居られる。
自分だけの世界のようだ・・


そういえば、最近は全く弓と矢に触れてないな・・・
こっちの世界にも弓道のような物はあるのか・・・?
でも、弓って高いんだよねぇ〜・・・
あっ!向こうの世界の常識は通じなんだっけか・・・
自然も豊富だし、高価そうな弓も安値だったり・・・?


俺は・・・俺は・・・おれは・・・・・・

アレ・・・?
なんだか・・・急に・・・眠気がぁ・・・


そのままバタンと倒れてしまった。












「お久しぶり」

不意に声を掛けられた・・・
振り返ると、いつぞやの女性が立っていた。
ゆっくりとニジリ寄ってくる・・・

コチラもすかさず後ずさる。

「アラ?どうして逃げるのかしら・・・?」
「母さんに「知らない人とは関わるな」って教えられてるからですよ。」
「それって矛盾が生じてるんじゃなぁ〜い?」
「うっせぇ〜寄るな。塩撒くぜぃ?」
「目に入ったら痛いじゃなぁ〜い?って言うよりも、やれるものならヤってみなさい。」
「・・・むぅ。」
「あら、出来ないのかしら?なら諦めなさい。貴方には何も出来やしないんだから」
「貴女は・・・何者なんですか?どうして俺に関わるんですか・・・?」
「それは貴方が美味しそうだからかしら・・・?魔物ならみんな貴方を欲しがるはずよ。」
「それはどういう・・・?」
「あぁ〜ん、もう面倒臭い。良いからあたしと交わりなさいよ!」
「まだ意味が解らないんですけどぉ〜・・・」

そこまで言うと振り向き様に猛ダッシュする。

ヤバいだろ・・・彼奴・・・なんか、イかれてるよ・・・
取り合えず、安全そうな所まで・・・・?

壁にぶつかった・・・
見えない壁。
それも、柔らかい。
寒天とかゼリーみたいなフニャフニャな奴・・・

「何だよ・・・コレ・・・?」
「逃げても無駄なのよん。あたしからは逃げられない。」
「んなこと言われて諦める奴なんざ居ねぇ〜よっ!!」

どうする・・・?
戦うべきか、逃げるべきか・・・諦めるか?

最後のだけは絶対パス!!
でも、どうする?
この状況下で出来ることと言えば・・・
あぁ・・・神よ・・・貴方は何をお考えですの?
でもまぁ、やるしかないんだよねぇ〜・・・

壁へ左手を添える。
右手で一撃。
ブルゥ〜ンと響くような感触。
諦めずにもう一発!
「あぁ〜んっ・・・」
と、後ろで身悶えてる不気味な女を放置で続ける。
今度を左手を壁から離し、ゆっくり助走を付けて右手に力を一点集中・・・
やはりダメなのか・・・?

それでも・・・
あと少しなんだ・・・多分。

「次の一撃にすべてを込める・・・ってか?」

自分で言って笑ってしまった・・・
何言ってんだろ、俺・・・
極限状態での余裕・・・?
死亡フラグだな・・・
さらにもう一度笑う。
それでも、最後の一撃にしたい。
そういえば、自然発火能力が付与されてたよなぁ・・・
両手を眺める・・・
ユラユラと小さな炎を右手に纏う。

「熱く・・・無い?まぁ、良いや・・・邪魔な壁は、ブッ壊すッ!!」

握りしめた右手が壁へ衝突。
パリィ〜ンっとガラスでも割れるかの様な物音と共にあの女の絶叫が聞こえた・・・







気がつけば、俯せのまま地面に倒れ伏していた・・・
涎が地面に広がっている。

「アレ・・・、夢か・・・?こんなとこで寝てたなんて・・・」

両手を大きく広げ左手には受け取った刀をしっかりと握りしめていた。
どうやら、気づかぬ内に寝てしまったようだ・・・
悪夢だったなぁ〜
なのに、アッチはムクムクと元気な様子。
何だったんだろぅ・・・?

ゆっくりと立ち上がる。
霞掛かった視界。
朝か・・・?
夜霧がまだ晴れきらない早朝。
なのに、目覚めはサッパリしている。

「さぁ〜お家に帰りましょう。」

中へ足を進める。
帰宅早々素晴らしい光景を目の当たりにしてしまった・・・
全裸のリアとルーテシア。
辺りに微量の水溜まりとか出来てる・・・
二人でヤったのか?

「あぁっ・・・あぁ・・・ダメ、ルーちゃんっ・・・イっちゃうよ。」
「スゴいね、リアちゃん。ココ・・・すんごくトロトロしてる。」

ペロリとリアの陰部を一舐めし・・・


ヤベェ・・・
想像しただけで・・・///

少々理性が飛びそうなので、洞窟を出ることにした。
散歩して、気を鎮めよう。
弓道で会得した集中力と精神力は・・・多分・・・伊達じゃない・・・はず。
林を抜けると見慣れない・・・?
嫌、少々見覚えのあるケンタウロス(?)を発見。
倒れてるのか・・・?寝てるのか・・・?
取り合えず、どうするべきか・・・

声をかける、素通り、強姦・・・

取り合えず、絶対最後のは無いな・・・うん。

「おぃ、大丈夫か・・・?」

優しく体を揺すり、声をかける。

「おい!大丈夫か・・・?こんな所で寝てると風邪惹くぞ?」

アレ?俺が言えるんか・・・?
まぁ、良いか・・・

「大丈夫そうだな・・・?倒れてたから心配したよ。」
「・・・あの・・・その・・・あり・がとぉ・・・ござい・・・」

とても消え入りそうな声で呟く。

「ははぁ、そんなに怯えなくてもいいじゃん。別に取って食う訳じゃないんだからさぁ・・・まぁ、気を付けて帰らないとダメですよ。」


そのまま立ち去る。
どっかで似たような顔を見た気がする・・・
思い出せねぇ・・・
まぁ、思い出すほどでもないってか・・・?
おっと・・・そろそろ良い時間か?
一度帰るか。
またリアに怒られるかもな・・・



案の定怒られちまった。



ーお昼 街ー
そろそろギルドで依頼でも探してみるか。
やっぱりお金が無い事には始まらない。
ギルドが経営している酒場へ入っていく。

「あの、割りの良い仕事とか無いですか?」
「ん〜見ない顔だねぇ〜新入りかい・・・?」
「はい、最近入会したんです。」
「へぇ〜八神零人君ねぇ〜年は17歳?若すぎないかい?」
「別に、お金さえ払えば誰でも良いんでしょう?」
「まぁ、そうなんだけど・・・この世界では地位が一番物を言うからねぇ〜その次に実力。」
「らしいですね。実力には自信がありますけどね!」
「へぇ〜でも最下級ランクだよね?」
「・・・まぁ、そうですが。」
「君みたいな人は沢山居るんだよねぇ〜今この場所にも10人は居る。」
「そうですか、興味ないです。」
「釣れないねぇ〜」
「必ず大成します。大切な奴が居るから・・・」
「へぇ〜面白い子だなぁ〜一人前の男みたいな顔だわぁ〜」

少々顔をニヤつかせ受付嬢が紙をペラペラめくる。

「今の君にはこの辺がオススメなんだけどねぇ〜別に依頼が来てたりするわけ・・・?」
「どういう意味です・・・?」
「はぁ〜・・・」

やっぱり素人か・・・
と言った感じの溜息を漏らす。

「名が知れてくると自然と依頼を指名してくる人もいるんだけど、まだ居ないか・・・流石に。」
「あぁ〜なるほど。」
「君のレベルだと、この辺だよねぇ〜・・・」

そういい、依頼所を見せてくる。

ハチミツ20個の収集・・・730M
鉱石発掘の手伝い・・・980M
チラシ配りのお手伝い・・・540M



等以下似たり寄ったりな依頼だ。

「もっと儲かる仕事をください。」
「ワガママだなぁ〜」
「実力は有るんですっ!!」
「そこまで言うならさぁ〜アソコに座ってる大男でも倒してきてよ。」
「どういう意味です?」
「アイツはねぇ〜腕は立つんだけど、酒癖悪いし、女癖悪いし、依頼は適当にやるし、公共物破壊が酷いしで、依頼者側から苦情が来てたりするんだよねぇ〜」
「人としてゴミって事ですね?」
「あんまり大声じゃ言えないけどねぁ〜しかも酒代はツケで払わないし、デカい態度で居座るし・・・」
「報酬は・・・?」
「そうだなぁ〜1万M」
「2万M」
「1万M」
「2万だ・・・譲らん。」
「むぅ・・・1万5千M」
「下げても1万7千。それ以下は有り得ん。」
「別に頼むかなぁ〜・・・」
「解りましたよ・・・1万5千で手打ちにします・・・」
「ホントに良いの・・・?」
「ココで実力見せればバックが付くかも知れませんからね」

ニッコリと笑顔を返し、カウンターを離れ大男の席へ移る。

「すいません、良いですか・・・?」
「あん?なんだ小僧?」
「実は貴方宛に苦情が来てまして、依頼で貴方を排除します★」
「あぁ〜!?ガキは家に帰りな。ココはお前が来る場所じゃねぇ〜」

早速、大男の胸ぐらを両手で掴み入り口の扉へ投げ飛ばす。

「じゃ、交渉決裂。殺りますかぁ〜」
「ってぇ〜・・・クソガキ、なんてパワーだ?酔いが醒めちまったぜ・・・」
「御託は良いよ・・・」

左手で手招きし挑発する。
男も全力で拳を振りあげる。
振り降ろされた巨大な手を左手で受け止める。
左手を少々の痺れが襲い、膝はガクンと曲がる。
間一髪で耐えたが、甘く見すぎたな・・・
まぁ、良い。

「ココじゃ迷惑になるから表に出ましょうか?」
「あぁ〜?喧嘩吹っ掛けてきて負ける様は見られたくないってか?」
「"依頼"です!!」

場所を表通りへ移す。
こっから手抜きは無しで真面目にやるぞ。

「お前も武器は持ってるだろう?・・・抜け!」
「生憎と俺は拳(こいつ)しか持ってないんですよねぇ〜」

そう言い、手を見せる。
白兵戦以外で活路は見つかりそうにないな・・・
これならあの刀持ってくるべきだったか・・・?
抜けないのにな・・・

「そうか・・・なら、丸腰のガキ相手に剣を使うまでもないか」
「・・・バカが(ボソ)」
「依頼主と自分の無知を呪い、後悔するんだな」

威勢良く言い放ち顔を殴る。
インパクト時に相手の勢いに乗り左回転。
キリッとした目つきへ変わる。
グルリと周り、隙だらけの脇腹へ全力の一撃を入れる。
よろめく男へ追撃のショルダータックル。
腹部へクリーンヒットし嘔吐する。
酒臭い汚物を地面へ吐き出す。

「汚ったねぇ〜なぁ・・・」

侮蔑を込めた冷笑。
タンッと地面を蹴り跳躍。
止めの飛翔上段回し蹴りを右耳と右肩の合間の首筋へ叩き込む。
結果・・・白目を剥き倒れる男。
倒れた男の体をペタペタ触り、財布とギルドカードを探り出す。

一度ギルドの酒場へ戻る。
今更気付いたが、鼻が痛い・・・

「終わりましたよ。」
「なぁ・・・」

受付嬢はポカンとした顔でコチラを見つめている。
それだけじゃない。
周りの奴等からは敵意剥き出しの視線を感じる。
ムゥ・・・目立ちすぎたか?

「あぁ〜・・・なんか不味かったですか?」

両手を小さく上げ、周りへ疑問を投げかける。
困った表情を見た男たちはスグに爆笑を始める。

ある者は「坊主スゲェ〜なぁ!」と酒を勧めてくる。
ある者は「アイツに勝っちまうなんてなぁ〜助かったよ。アイツのボス面が気に食わなかったんだ」と言い、お札をくれる。
頭をグシグシと撫でてくる人や、名前を尋ねる人・・・
どうやら、この場所ではちょっとしたヒーロー的な存在になったのかも知れない。

カウンターへ向き直し、灰皿を求める。

「キミ、タバコなんて吸うのかい?」
「いやぁ〜たまたまこんな物拾いまして・・・」

そういい、先ほど奪取したギルドカードをチラツかせる。
名前のような物が見えるが、こっちの世界の文字は読めない・・・
歳ならわかる、35と表記されている。
こっちの数字がアラビア数字で良かったとホントに思う。

「どうするの・・・?」
「さぁ〜どうしますか・・・」

そう言い、右手をパチンと鳴らし火を出す。
カードへ引火させる。
ゆっくりと焼けていく・・・

「コレでよしっと・・・流石にもう来ないでしょう?」
「来たらまた頼むよ。そう言えば、まだ名乗ってなかったね・・・?」
「え、あぁ・・・そうですね。改めまして、八神零人です。お世話になります。」
「あたしはルチアーノ。ココのみんなはマスタールチルって呼ぶね。みんな言い奴だし、情報が欲しい時はココで聞いて回ると良い。」
「そうですね・・・マスタールチル」
「まぁ、あたしがオーナーじゃないんだけどね。カウンターに居るからマスターって呼ばれるだけで・・・」
「そうだ・・・あの大男のツケっていくらなんです?」
「5万5千M!!」
「おぉ、即答・・・」

少々ビックリしたが、カードと一緒に奪った財布から金を抜き出す。
オイオイ・・・コイツ現金で20万以上持ち歩いてるよ・・・
金持ちな上に自信家だなぁ〜おいっ!!
6万M抜き取り渡す。
5千M帰ってくるのを財布ではなくポケットへねじ込む。

「報酬も払っとくね。」
「あぁ、ありがとうございます。」

出てきたのは二枚のお札だった

「2万M・・・良いんですか?」
「うん、ホンの心だよ。」
「そうですか・・・すいません。」
「?・・・なんで謝るんだい?」
「あぁ、その・・・」

そうか・・・こう言う際は"ありがとう"が基本なんだっけ?
日本人の悪い癖だ。

「このお金でみんなで飲んでください。」

お札で膨れている財布を出す。
と、言っても残額は10万Mジャストなのだが・・・
ココの酒は安いから二日分は有るだろう。

「良いのかぃ?」
「まぁ、俺からの気持ちですよ。」
「よっ、男前!」「太っ腹!!」「ありがとぉ〜!!」

と歓声が沸く。
こりゃ〜結構良い宣伝に成ったんじゃないか?
即金で楽に儲けたしな・・・

明日はリアとルーテシアの3人で買い物にでも行きたいなぁ〜・・・

そんな他愛もない妄想を抱きつつ帰っていった。

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三月になりましたね。

もう新年あけて三ヶ月。

この調子だと2012年もすぐに来そうだなぁ〜・・・気が早いか?ww


コメント返信。
>stray様

酸素濃度で人の運動神経が変わるのか解りませんが、誰得設定=俺得ですww
ってか、リザ娘へのコメ二回目ですよww
小ネタキャラが愛されるなんて・・・

11/05/22 01:50 紫炎-sien-

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