連載小説
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第二部:デュラハンからは逃げられない。2
「てめぇ、いってぇどういう魂胆だ?」
馬乗りになって扇情的な表情を見せるシルヴィアを前にしてなお冷静でいられるのは俺が既に枯れた男であることを再認識させる。
「魔力が尽きた、補充して欲しい。」
「勝手にしやがれ」
先刻まで蠱惑的な態度をとっていたかと思えば一転して真顔でこんな事を口にする、何考えていやがるのかてんで分かりやしねぇ。
まったくこれだから俺は女ってのを好きになれねぇ。
「じゃあ、お言葉に甘えて勝手にさせてもらう。」
そう言うやいなや彼女の鎧が消える、あとに残ったのは戦士らしい締りのある綺麗な身体、一部の御仁に言わせれば締まり過ぎだとお叱りを受けるかもしれないが。
「ほう、締りのあるいい身体じゃねぇか。」
「え!?あ、あ…ありがとう。」
シルヴィアは唐突に掛けられた賛辞に戸惑いながらも礼を言う、胸を腕で隠しながら。
彼女は知らない、凪の言ったいい身体の意味が男性的な視点ではなく、戦士としての視点であることを。
彼女は腕を下ろし、凪の着ている袴へ手をかける。
「あ、あれ!?これ、どうなってるの?」
袴を引っ張って下ろそうとしている彼女だが、大陸の生まれなので脱がし方が解らないのも無理は無い。
「ああもう、じれったい。」
そう言うと彼女は袴にかけた両手に力を込め、
ビリッ!
強引に破り捨てた。
「おい!なにしてくれてんでぇ、」
「お相子。」
「は!?」
意味が分からねぇ、一体なにが相子だというのか。
「凪も私の剣を壊した、だからお相子。」
「そうだった、すまん。」
凪は顔を背ける、いい年して面と向かって謝れないのがこの男の数ある悪いところの一つだ。
早く直してやらねぇとな、しかし、このあたりに鍛冶屋の知り合いはいねぇんだよな。後で、司令官にでも聞いてみるか。
「凪、こっち向いて。」
「あん!?」
振り向いた先にあったのはシルヴィアの顔。
倒れこんできた彼女に強引に口づけをされ、そのまま舌をねじ込まれる。
逃げようにも彼女の両手は俺の頭を抑えているため逃げられない。
趣など感じさせず、貪り尽くすように舌を動かす。
彼女の舌は凪の口内を犯す、一方的に犯す。
そして幾許か経った後、
「プハァ、………煙たい。」
「そりゃあ、先刻まで吸ってたからな。」
「そういう事は先に言って。でも、凪のここ、さっきより大きくなってる。」
そう言って彼女は凪の一物に触れる、扱く、彼女の手が動くたび凪の脳内に快感が響き渡る。
「こりゃあまた、随分と、上手じゃねぇか。」
「男を悦ばせる術は御義姉様から教わった。」
「へええ、そりゃあ、…結構なことで。」
彼女の手が動く、まるで意思を持った別の生き物のように凪の一物から精を搾り取ろうと躍動する。
「あれ?苦しそうだけどもしかして、もうイキかけてるの?」
「あたりめぇだ、…ったく。何年ぶりだと、…思ってやがる。」
「残念。もう少し苛めてあげようと思ってたのに。」
彼女が手を離す、押し寄せていた快楽の波が突然引いていく。
「じゃあ、最後はここで、直接中に出して。」
彼女は腰を浮かして、“それ”を魅せつけるようにして一旦停止する。
「本当にいいのか?」
「こっちのほうが効率がいい、それだけ。」
「俺が言いてぇのはそういう事じゃねぇ。好きでもねぇ男にそいつを捧げちまっていいの…っておいっ!」
彼女は腰を下ろす、
凪の言葉を遮り、
深く、そして、勢い良く、
「………バカ。」
シルヴィアは小声で呟く、
凪にも聞こえない程度の小さな声で、
この胸の内にある感情が好意でないとしたら何なのか、
軽く、薄く、鋭い刃物のような脆く、壊れやすい、彼を守ってあげたいという気持ちは、
魔力を枯渇させてまで魔法を使って接近した理由は何故か、
そのくらいは察して欲しかった。

俺は驚いた、
驚きのあまりそこからなにも言えなかった、
これで血が出ていたら俺はその場で彼女を突き放していたと思う、
彼女が俺を本当に好いているのかどうかは解らない、
ただ、情けないことに、
俺の脳裏には先刻取り落とした煙管をくれたあいつの顔が浮かんでいた。
すまねぇ、本当にすまねぇ。

シルヴィアは動く、俺の腰の上で、
強く、激しく、一滴残らず搾り取ろうと動く、
「どう?凄いでしょ、私の性技?ねえ聞いてる?もしかして、答えられないほどに感じちゃってるのかな?」
正直、危ない、一瞬でも気を抜いたら意識が飛びそうになる。
先刻から膣の締め付けが強くイキたくてもイケず、快楽と苦痛の間を行ったり来たりしている。
「もう限界かな?限界だよね?さっきから私の中で凪のがビクビクしてるから。とどめ、差してあげる。」
シルヴィアは俺の一物が抜けないギリギリまで腰を持ち上げる、
圧を緩めると同時に一気に腰を落とす、
瞬間、俺の頭に快楽の濁流が押し寄せる、
堰を切ったように俺の一物から精液が流れだす、
そのまま俺の意識は快楽の波に流されて行った。

「はあ、はあ、はあ、ふう。どう凪?気持よかった?ってあれ、飛んでる?おまけに息してない!?やばい!やり過ぎた!ねぇ凪!起きて!起きてってば!」
シルヴィアの悲痛な叫びが誰も居ない夜の森に響き渡った。
11/07/06 08:20更新 / おいちゃん
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■作者メッセージ
祝?初エロシーン。
朝っぱらから何書いてんだこいつとか思わないように、
おいちゃんは夜勤なのでこの時間帯は夜に当たります。
それではいつも通り、ご意見、ご感想、ご指導の方お待ちしております。
(言えない、何度か書き忘れていたなんて言えない)
初心忘るべからず、という奴でございますね。

リリィ「あれ?貴方初心なの?大丈夫、おねえさんがAからやさしく教えてあげるから。心配しないで、貴方は流れに身を任せていればいいのよ。」

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