読切小説
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幸せの尻尾
幸せの尻尾


注;このお話は基本的にツッコミ不在です。セルフで突っ込みを入れると2倍(当社比)楽しめます。




「…喉が渇いたわ」
「…はぁ、はぁ。…そ、そうですね」
「(ムカ)ねぇ、タイラ。あたいは喉が渇いたのよ」
「…ボクもです。…ふぅ」
「………(プツン)。てめぇ、いい加減にしろよ、“ヘタイラ”っ!あたいが「喉渇いた」って言ったらあんたは「はいわかりました。ルイザ様」つって水を持ってくるのが常識だろうが!叩き潰すぞヘタイラ!」
「はひぃぃっ!す、すみませんでございますでございますルイザ様っ!!」
「3分間だけ待ってやる」
「30秒で支度します!」


「はぁ…」

なんてボクってばこんなにダメなんだろう…。
ルイザ様の手下になって6年も経つのに未だにこんなことにも気付けないなんて。
え?あ、あぁども。はじめまして。
ボクはタイラ=ドフエフスキーと言います。
セカンドネームはよく舌を噛まれるので、タイラと呼んでください。
なるべく“ヘタイラ”とは呼ばないでください。
ボクは生まれて7年で孤児になりました。
はい。あの戦争で、です。
それ以来靴磨きや物乞いをして生き延びていたのですが…。
ある時、どうしても食べるものが無くてついやっちゃったんです。
あ、強盗です。
道に落ちてた鉄の板きれを持って旅人を襲ったんです。
夜だからナイフか剣に見えるかも、って思いました。
はい、甘かったです。
相手はオークの盗賊団の元大頭のルイザ様でした。
ボクはルイザ様がバールの様な物を振り上げた段階で気絶しました。
もうすぐで天国の両親の所へ行くところでした。
それ以来僕はルイザ様の手下として手となり脚とな…れる日が来ることを目指して頑張っています。
え?あ?あぁ…ボクなんかの過去なんて知りたくもないですよね。はい。
ルイザ様は怖いけど時々優しいんです。
だから大好きです。
あ、あとこれは内緒ですけど、ルイザ様の笑顔ってとってもかわいいんですよ。
まるでぺ○ちゃんみたいで。はい。ミル○―はママの味です。
え?それはかわいいのかって?
はい。すっごくかわいいです。
道の端でたむろってるのに咥えてるのがタバコじゃなくてチュッパ○ャップスな不良ぐらいかわいいです。
え?例えがわかりにくいですか?
あわわわわ…。
ま、まぁたぶん見てもらった方がいいのです。
あ、ボクは見なくてもいいのです。ルイザ様を見てください。
え?元からボクを見る気がないですか?ですよね〜w
あ、お話戻りますね。

ボクは水を探して森の中を歩いていました。
広い森です。迷子になりそうでした。
はい。なりました。
水も見つかりませんでした。

「あわわわわわ!ピンチです!」

あ、そうだ。こう言うときは切り株を見れば方向が分かるのです。
…切り株がないです。
周りを見ても同じような景色ばかりです。
あわわわわ。
いや、待て待て。こんな事も在ろうかと切り株を切った物を持ち歩いているのです(キラン)。
……あれ?これどっちが正しい向きなんだろう…。
役に立たないのです!?こんな切り株はいらないのです。

「右見たり、左見たり、ラジバンダリー」

あ、別に好きじゃないです。
あれの残念なツッコミは元は福井○レビのローカルニュース番組でスクラッチ田中という芸名でいろいろなコーナーに出ていたのです。
あ、そうでした。今はそんな話してる場合じゃありませんでした。
どうしよう。
ボク、野宿、実は苦手なんですよね。

「………タイラくん。君はこんな所で何をやっているのかね?」

ビクビク!
あわわわわわわわわわわわわ……。
こ、この声は聞き覚えがあるのです。
ルイザ様にそっくりなのです。
いや、この背中からひしひしと伝わる殺気。間違い無くルイザ様なのです。

「ああ、天国のお父様お母様。ボクは今からそちらへ逝きます」
「祈ってる暇があったらまず返事をしろっ!」
「はひぃぃぃぃ!!ルイザさmあwせdrftgyルミこlp;@」

ガゴンッ!!

鈍い音と共にボクの意識は4時間の空の旅へ旅立ったのです。


(4時間後)


「……あれ?ここは誰?私はどこ?」
「ふん。やっと目が覚めたのね、ヘタイラ」
「あうう。ヘタイラ言わないでくださいよぅ」
「はぁ…。水探すだけで何で迷子になるの?…」
「さぁ。なんででしょうねぇ?」
「…その頭の中には綿でも詰まってるの?」
「あはは。馬鹿だなぁルイザ様。綿なんて入ってるわけ無いですよ」
「…………………もう一回空を飛ばせてやろうか?」
「はひぃぃぃぃぃ!!や、ヤですもう飛びたくないです!ってかなんで真顔なんですか!?やめましょうよ。せめてひきつった笑顔とかにしましょうよ。マジっぽいから。真顔だとマジっぽいからぁぁぁ!!」

ボクはズザザザザと下がり、頭を抑えて衝撃に備えました。

「……殺シテヤロウカ?(ニコリ)」
「ニギャァァァァァァァァァ!!カタカナやめてぇぇぇぇ!!」
「選ばせてやるよ。殴り殺されるか、斬り殺されるか」
「死ぬ方法だけですか!?やだやだ。どっちもやですぅぅぅ!!」
「はぁ。ほんっと。なんでこんなのを手下にしちゃったのかな…」

そう言ってルイザ様はため息をつきました。
ボクはこんな顔されるぐらいなら叩かれた方がマシだって思いました。

「じゃあ殴ってやろうか?思う存分」
「…え、エンリョシマス」




次の日の朝、ボク等は森を抜けて街に行きました。

「ほへぇぇ。森を抜けたばかりなのに海が見えるです」
「…そりゃ、港町だからね」
「港のある街なのですか。ん?町のある港?」
「……………………」
「あわわわわわ。無視しないでくださいよぅ」
「…喉が渇いた」
「…そうですね」
「………」
「あ、お水でしたっけ?はいどうぞ!ルイザ様!」

ボクは得意げに水の入ったボトルを差し出す。
これで一歩ルイザ様の手足に近づけたかな?

「…はぁ。まぁ。今日はこの辺で許してやるわ」
「わ〜い。誉められたぁ」
「調子に乗るな!」
「あいたぁっ!なななななな、なんで殴るんですかぁ!?」
「誰でも出来る事が出来たぐらいで調子に乗るな!」
「あうぅ」
「それはそうと、この水どうしたの?えらくおいしいけど」
「あぁ。それはさっき道端で商人風の男2人が売っていたのでその人達から買いました」
「………おい、ヘタイラ。財布は?」
「お財布ならちゃんと此処に…………あれ?こっちのポケットだったかな?………」
「……………」
「大変です!お財布が行方不明になりました!!」
「大変なのはてめぇの頭だよ。このボケがぁぁ!!」
「ニギャァァァァァァ!」
「パクられてんじゃん!財布パクられてんじゃん!!どうすんだよ!!今夜の宿代も入ってたのよ!?」
「まままま、待ってください。落ち着いて考えましょう。ひっひっふ〜ひっひっふ〜」
「…………」
「お金を支払った時にはちゃんとありました」
「……」
「その後ボトルを受け取って。手がふさがってしまったので、持ってくれると言うので財布をもう一人の男に預けました」
「………で?」
「あ、そう言えばその後返してもらってませんねぇ…あはは」
「…選ばせてやる。森に縛られて置き去りにされるか。海に岩括って放り込まれるか」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!どっちもイヤですよぅ!」
「ならとっとと取り返してこいやぁ!」
「はひぃぃぃぃぃぃ!!」
「………アイーダっつう宿で待っててやるから夕方までに帰っておいで」
「あれぇ?お金はどうするですか?」
「あんたとあたいをいっしょにすんな」
「はいはいぃ〜なのです」



この番組はタイラキャスターの実況でお送りするのです。
我々取材班は今、奴らがいたあたりまで引き返してきたのです。
でももぬけの殻なのです。
くぅぅぅ。何と言う策士だったですかあいつらぁぁ。
このボクがまんまとひっかかってしまうなんてぇぇです。

……(3時間経過)

あれぇ?おかしいなぁ…この辺りにいたんですけどねぇ。

……(5時間経過)

あわわわわわ。これは流石に逃げられたと考えるしかないのです。
このボクをまんまと撒くなんて奴らタダものじゃないのです。

「どどど、どうしよう。海か森か選ばなきゃなのです。そうだっ!前に森に縛られた時は隠し持っていたナイフで難を逃れたのでした。じゃあ森にするです?あ、でも海に投げ込まれた時も服ごと脱いで浮ぶことができたのでした。あれ?でも何であのときルイザ様まで飛び込んでたんだろう?きっと足を滑らせて落ちたに違いないのです。うふふ、ルイザ様ったらドジっ子なのです。かわいいですねぇ。 あの時のルイザ様の水に濡れて透けた衣服はとてもかわいかったのです。きっとあれが水も滴るいい女効果なのです!よし!海にするです」

ボクは一応袖にロープ切断用のナイフを隠し持ってルイザ様の待ってる宿に急いだのです。

「……おいしそうなのです」
「金は取り返せたのかい?」

宿に着くとルイザ様は一階の酒場でおいしそうな料理を食べていたのです。

「……そんな事よりも、おいしそうなのです」
「……おめぇの飯ねぇから」
「……(だらぁ〜)」
「………あんたの小遣いから引いとくからね」
「やたぁ〜!やっぱりルイザ様は優しいのですっ!」
「…財布の話だよ」
「あうぅ〜。やっぱりルイザ様は厳しいのです」
「どうしても欲しけりゃ三回まわってワンっていいな」
「(くる)(くる)(きっとくる〜)ワンっ!」
「……あんたにプライドってものはないのかい?」
「プライドで飯は食えねぇよ、です」
「はぁ…。いいよ。そこにすわんな。 店主、こいつにも一番安い飯やってくれ」
「わぁ〜い!ルイザ様大好きなのですぅ♪」
「……お前実は解ってやってるだろ?」
「もちろんですっ!ボクはルイザ様の優秀な手下ですから!…で、え〜と。できれば何を分かればいいのか教えてほしいです」
「死ねばいいのに☆」
「だがことわっ! いたたたた!なななな、なんで殴るんですか!?」
「躾だよ!文句あんのか!?」
「そ、そんな教育方針、いまどき静○の教育委員会でもやっていないのです!PTAが文句言うのです!」
「じゃあ自分で考えてもっとまともになりやがれ!」
「ライオンの如き教育方針なのです!? 自分で考えた結果がこれだよ(´゚▽゚` )」
「救いようがねぇよ!」
「あれ?ってか、このお金、どうしたんですか?」
「いや、町で武道大会やってたから優勝して稼いできた」
「流石ですルイザ様!みんなが出来ないことをさらりとやってのける。そこにしびれる憧れる!」
「よ、よせやい///」
「ぶふっ!いまどき「よせやい」ってw   いたたたたたたたた!目が痛い!ななな、何で痛い事するんですか!?」
「自分の胸に手を当ててよぉく考えな」
「あ、わかった。ルイザさん怒ってはるんや。自分だけこの話始っからボクよりセリフ少ないし怒ってはるんや」
「ほんま、いっぺん死ねばええのに☆」


ふぅ〜。おいしかったのです〜。
ルイザ様の鼻はよく利くのです。
おかげでルイザ様の選ぶ店はどこもおいしくてたすかるのです〜。
でもこの宿トイレが一階しかないのです。
二階にも付いてるともっと助かるのです。

「…………だよ………のかぁ?」

ん?ルイザ様の部屋から何か聞こえるのです。
あ、僕の部屋は廊下なので問題ないのです。

「……その口二度と叩けねぇように殺してやろうか?ルイザさんよぉっ!?」

あるぇ?なんだかただならぬ雰囲気なのです!?

「前からてめぇは気に食わなかったんだ。どうやって復讐してやろうかなぁ?」

あわわわわわ。復讐イクナイのです!紀里谷監督も作品でそう訴えてたのです!?
こ、これは助けなければなのです!手下としてぇ。

ばぁんっ!
「ま、待つのです!!」
「あぁん?」

……わぁい。オークの方々が5人ぐらいいらっしゃるのです。
勝てる気がしねぇってやつなのです。
頼りのルイザ様はベッドにぐるぐる巻きに縛られてるのです。
あうあう。縄にくびりだされたお肉がなんとも色っぽいのです。

「た、タイラ!?あ、あんたはさっさと逃げな。こいつ等はあんたのかなう相手じゃないよ」
「ヒハハハハ!なんだ?ただの腰抜けか?いいぜ。相手してくれるんならお前も一緒にヤってやるぜ?」

あわわわわ。あのオークさん目つきがヤバいのです。
ルイザ様の当社比3倍は怖そうなのです。
どーすんの俺!?(life card)
   「逃げる」  →「戦う」    「媚びる」    「身体で…」

「おめぇに用ねぇから!」(ガツン)
(ベキっ)「ニギャアァァァァァ!!」

タイラは会心の一撃を受けた。
おうおう死んでしまうとは情けない。
いや、まだ死んでないけど…。
痛いなぁ…あれ?なんか腕、変な方向に曲がってない?

「あわわわわ〜!折れてるのです!腕折れてるのです!?」
「ヒハハハハハ。こりゃ飛んだ腰抜けだね。ねぇルイザ様?あんたあたしらをほっぽり出して逃げた挙句、こんな役立たず引きずって旅をしてたのかい?」
「や、役立たずじゃないわ。これでも電池の切れた携帯ぐらいの使い道はあるのよ」

あるぇ?それ、使い道なくねぇ?

「あ、あの、もう一声…」
「回復魔法の使えないヒーラーくらいの使い道はあるのよ」

かわんねぇぇぇ!?です。

「え、えと、あの?とりあえずなんでルイザ様縛られてて、ボクが腕折られる事態になってるのか説明していただいてもよろしいですか?」

暴力で勝てないことは検証済みなのです。左腕で。
なのでボクは話し合いで解決しようと試みたのです。

「あたしらは元ルイザ盗賊団の一員だったのさ。なのに7年前のあの日、こいつがあたしらを捨てて姿を晦ましやがった。おかげであたしらがどんだけ苦労したことか…」
「で、こいつらが偶然今日の武道大会であたいの姿を見かけて宿に押し入ってきたって話だ。タイラ、あんたには関係のない話だ。さっさと消えな」

あわわわわ。完全に逆恨みなのです。
話し合いで解決は難しそうなのです。

「そういうこった、小僧!てめぇはさっさと消えろよ、それともあたしがルイザを嬲り殺す所を見物したいのかい!?」
「いやだ!ルイザ様は殺させないのです。ボクはルイザ様のものなのです!絶対に守って見せるのです!」

ボクは鈍器の様な物を振り上げたオークの前に立ちふさがりました。
完全に膝が笑ってやがるのです。

「おいおい。震えてるじゃねぇか。てめぇみたいな腰抜けに用はねぇんだよ」
「腰抜けでも好きな女の人を守るくらいは出来るのです!」

ボクは叫んでオークに向かっていく
フリをしてその隙にルイザ様を縛っている縄を隠し持っていたナイフで切ってあげました。
次の瞬間、背中に特大の一撃を受けて意識が天国へ飛び立ちました。




「…いら………たいら…………タイラ!!」

ぼんやりした視界が開いたのです…。
其処には見慣れた綺麗な顔が在りました。

「…あ、ルイザ様」
「はぁ……よかった。まだ死んでないね」
「…どうやら天国から追い返されたみたいです」
「はは、あんたって奴は」

ルイザ様、涙を流してる。
綺麗だな…。

「どうして、泣いてるんですか?」
「大事な男が死にかけたって言うのに笑ってる女が何処に居るんだよ」
「ふぇ?ここにはボクしか男の人は居ないですよ?」
「ばか!あんたのことだよ…」

ああ、ボクの為に泣いてくれたんだ。嬉しいな。

「オークさんたちは?」
「あたいが伸しといたよ。かわいいあんたの腕を折って殺しかけたんだ。当然の報いだね」
「あらあら、ごしゅーしゅーさまなのです」
「驚かないのね」
「はい。ルイザ様は無敵ですから。捕まったのも、元手下のあの人たちを殴れなくて、でしょ?」
「はは。怖いねぇ」
「何がですか?」
「これで普段もちゃんとしてくれたら文句ないんだけどね」
「何言ってるんですかちゃんとしt ふひぃぃ! してません、してませんでした。ちゃんとします、精進します」
「腕は大丈夫なの?」
「あわわ、そうだった。どうしましょう、コレ」

ぷらーんとなった肘から先を見せる。

「なんだ、ただ脱臼してるだけよ。見てなさい」(ゴギぃ!)
「ニギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「これで治ったわ」

治す時の方が痛かったんですけどぉぉ!?!?
ボクはふぅふぅと肘に息を吹きかけてみました。
あうう。まだズキズキするです。

「それよりこいつらどうしよう…」
「ありゃまぁ〜。きれいに伸びちゃってますね」

部屋にはごろりとだらしなく転がされたオークさんたちが泡を吹いていました。

「はぁ、明日になったら目を覚ますわ。面倒くさいから今日は寝ましょ」
「ふへぇ?いいんですか?起きたらまた襲ってきたり?」
「それは大丈夫よ。絶対」
「なにゆえぇ〜?」

そんな事を言っていると、突然オークのお頭らしき人が目をさましちゃいました。

「ヒギャァァァ!おおおおお、起きたのです。逃げるのです」
「待てっつうにっ!」(ガツン)
「グヒャァ!ななな、なんで殴るんですか!?」
「見てなさい」

そう言ってルイザ様はがっしりとボクの襟をつかんで離しません。
あわわわ。逃げなきゃ殺されるよぉ。
オークさんは身体を起して部屋の様子をうかがいます。
あわわ、気づかないで気づかないで。
ボクがいる事に気づかないで。
じろり…とぼやけた感じのオークさんと目があってしまいました。
ヒギャァァ。

「す…」
「す?」
「すみませんでしたぁぁ!」
「ふぇ?」

起き上ったオークさんは何やら全力で謝り始めました。

「あたし、ルイザ姉様に酷い事を」
「いいよ、もう。済んだことだ」
「そんなっ!ダメです。あたし、ルイザ姉様を殺そうとしたんですよ?それにタイラ様にまで暴力を」
「……タイラ…さま?」

Do you こと?
え?なんですかこの変わり身は。
ボクの思考が完全においてけボーリングです。

「かくなるうえは死んでお詫びを!」
「やめろっつうに!」(ガイン)
「ででで、でもあたしは…」
「いいよ。あたいもオークだ自分が偉くなったら欲に負ける事もあるよ。でもあんたはあたいに負けた。だからもういいんだよ。もうあたいを殺そうとは思わないんだろ?」
「はい!ルイザ様にそんなことできません!でも、それでは…」

あわわ。しおらしくなったオークさんなんかかわいいのです。

「で、では何かお詫びをさせてください!」
「お詫び…ねぇ(日暮里(にっぽり))」

あわわわわ。ルイザ様がかつて見たことがないぐらい悪い顔になってるです!?
ここから番組を見始めた人はルイザ様がオークさんをこれからいじめようとしてる悪者だと思っちゃいそうなぐらいです。

「レンテ、脱ぎな」

脱ぎなキタコレ!

「どうしたレンテ、詫びを入れたいんでしょ?はやく脱ぎなさい」
「で、でも。タイラさまもいらっしゃいますし…」
「タイラ、あんたもみたいよね?レンテの裸」

ギトギトギトギト。
うわぁ…。何かとてつもない威圧感がキラーパスと共に飛んできてるんですけど。

「で、でも、レンテ(?)さんも嫌がってますし…」
「み・た・い・わ・よ・ね・?」
「はい、とても見たいです。レンテさんの裸を見るのが数時間前からの夢でした」
「ほらレンテ、さっさと脱げ。そしてベッドの上でオナれ」
「そうだぞ、はやk…ってエェエ!?」

オナれって言ったよこの人!?

「ちょ、それはいくらなんでも」
「あぁん?(ギロチン)」
「ふひぃ!!」

天国の母様、ボクは今、「目で殺され」ました!

「いいんだよ。レンテがやりてぇっつってんだからさぁ。なぁ?レンテ」
「はい。あたしのぶくぶく太ったイヤらしい身体をルイザ様とタイラ様に見てもらいたいです」
「ほら(にこり)」

なんだろうこの感覚。
どこか懐かしい、中学校の昼休みの旧校舎の女子トイレみたいな感覚は。

「みてください」

うわぁ。
今目の前で行われている光景は一体何だろう。
レンテさんが恥じらいにまみれた表情でぎこちなくオナニーしてる。
しかもこっちに足を広げて膣内まで見える様に指で広げちゃってるよ。
助けて父さん、このままじゃボク、悪い子になっちゃうよ。

『息子よ。男ならむしろここでダイブするぐらいの勇気を見せろ』

って、お父様!?

『あの戦争がなければ、俺は野球チームを子供だけで作るつもりだった』

あんたってやつぁぁぁ!!?

『もう、あなたったら、毎晩(いつも)激しいんだから』

オカンもノんなやっ!?
はい、正直言いますと、ボクも先ほどからマイサンがマグナムな事になっています。

『ちがう!マグナムではなく ディヴゥァアイディンッグドゥラァイヴァァアア! だ』

光になぁぁる!?
ってか、初登場やからってオトンもオカンも調子乗りすぎちゃいますか?
あわわ。そんな現実逃避してる間にレンテさんが光になりそうになってるです!

「ひぁ、あぁん…ゃ…あ、だめぁ…」
「イク時はちゃんと「イきます」って言わないとだめよ。言えなかったらもっと酷い事するわよ」

ルイザ様、鬼!?

「ゃ……ぁぁああああああああっ!…ひうっ!れんて、イひまふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

ビクンビクン。ぐてぇ〜。

「うふふふふ↑ふふふふ。やっぱりレンテのオナニー、たまらないわぁ(ハァハァ)」

あわわ。いつの間にかレンテさんのオナニー見ながらルイザ様の股間も大洪水になってる。
ボクはこの後予想されるであろう被害を未然に防ぐべく、部屋を後にしたのでした…。

「って、できない!?」

部屋のドアがさっきの騒動で歪んで開かなくなってるです。
コレはまさしくピンチなのです!

「ねぇ、タイラぁ♪ お姉さんといいことしない?」

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
耳元でコテコテのセリフが来たのです!

「るるる、ルイザ様!?ちょちょちょちょっと待ちましょうよ!」
「もう待てないわ」
「もう脱いでるっ!?」

振り向くと目の前には上気した頬に潤んだ瞳、そして握られた手は熱い粘液に無理やり導かれちゃってます。

「ちょ、落ち着きましょうよ。ルイザ様何か変ですよぉ?」
「変じゃないわぁ。ぁ…あたいたち、オークは、自分が絶対的優位に立っちゃうと、ぁん。つい、ヤっちゃうの」
「なにをっすかぁぁ!?」
「い・ろ・い・ろ・♪」

バタン!

「あぐぅ!」
「うふふ。あら、意外と大きいのね」
「大きいって何がぁぁ!?」
「これよ、コレ♪」

まぐなぁ〜む!!
ボクのマグナムがマグナムダイナマイツ!?
しかもがっしりとルイザ様につかまっちゃってます。

「いただきまぁ〜す♪」
「らめぇぇぇぇぇぇ!」

ぱくん。
うわぁ。ボクのおちんちんが生温かいルイザ様のお口にぱっくんされちゃいました。

「じゅりゅり…じゅじゅ…ぺちゃぺちゃ」
「い、ひゃわ…あ…ふぅ…」

だ、だめですぅ。
気持ち良くてとろけちゃいそうです。
ぴちゃぴちゃって水音が余計にイヤらしいのです。
しかもルイザ様は甘いものでも舐めるみたいにボクのオチンチンをしゃぶってるのです。

「だめ、だめですよぉ〜。そんなにされるとボク、ボクぅ」

あ、シャキーン!
おっきくなっちゃった!

「っ!!? こやつ、できる!?」

あわわ〜ルイザ様に余計に火がついちゃったよぅ。

「もう我慢できないわ。タイラ」
「はひぃ?」
「…いただきます」

ニギャァァァァ!
ボクの上にルイザ様がまたがってきたのです。
馬の気持ちがもうすぐで理解できそうなのです。
くぱぁあ。
ルイザ様が自分のおまんこを指で開きます。
……ってかルイザ様、パイパンだったんですね。
むっちりとした果肉が開いて糸を引いてます。
何と言うことでしょう。
エイリアン3の産卵シーンを思い出します。
あ、ムードないですね。自分。
あの、グロテスクで、とっても綺麗です。
ピンク色のお花が開いて蜜が垂れてきます。
そこはかとなく甘い匂いがしてボクも欲しくなってしまいます。

「ルイザさまぁ…」
「かわいいよ。タイラ」

そして、ゆっくりとボクのおちんちんがルイザさまのおまんこに飲み込まれていきます。

「うふぁ…」

ルイザ様の中は柔らかくてプリッとしたお肉でいっぱいで、グニグニとボクを優しくキツく締め付けてきます。
ボクはそれだけで腰が浮きそうになりました。

「動くよ?」
「ヒハァァァァァ!」

ルイザ様の腰の動きに合わせて、ボクの腰まで持ち上げられそうでした。
それなのに中はねっとりとからみついて、柔らかくやわらかく、ボクを刺激してきます。

「タイラ…きもちいい?」
「はい、はひぃぃ…」

ボクは腰抜けでした。それはもう見事に。
ルイザ様の動きが速くなるにつれて、ゾクゾクとした刺激は熱い熱に変わっていきます。
ボクはもう、おちんちんの感覚がなくなってしまいました。
それなのにただ、気持ちいという感触がボクを支配するのです。
ボクはたまらずルイザ様の腰に手を回しました。

「ゥヒャンっ!?」

その瞬間、ルイザ様から可愛らしい声が上がります。
ボクはゆっくりと離脱しそうになった意識が膣の収縮で呼び戻されます。
気が付けばボクはルイザ様の尻尾をつかんでいました。
ふだんから気になってるくるくるした可愛らしい尻尾です。
ボクの前をルイザ様が歩く度、ぷりぷり揺れるお尻とぴくぴく動くくるりん尻尾が気になっていたのですが、触るとルイザ様はものすごく怒るので普段は触らないようにしていました。
そしてその理由が今わかりました。

「ルイザ様の尻尾って、もしかして敏感なんですか?」
「……コクン」

恥ずかしそうに頬が紅くなって、こくりとうなづくルイザ様。
たまらんたい!おいどん、たまらんたい!
ボクはそこから、腕をのばしてルイザ様のむちむちとしたイヤらしい身体を撫でてあげました。
その途中も尻尾をニギニギして、時折先っぽをクリっとつねってあげます。

「あひゃうぃっ!」

ルイザ様の腰が跳ねあがします。
ルイザ様の膣内がキュンキュンします。

「かわいい。かわいいです。ルイザ様」

ボクは夢中になってルイザ様を攻め続けます。
ルイザ様のぽっちゃりした肌は汗ばんで掌に吸いつくようにもっちりしています。
そして、その中でも一際柔らかい、おっぱいにたどり着きました。

「あひゃん、だめ、だめよタイラぁ」

ルイザ様は胸も敏感でした。
ボクはその淵をなぞるように触ったり、もちをこねる様に揉みしだいたりしてみます。
その度その度ルイザ様は普段は出さない女の子らしい声を上げて答えてくれます。
かわいい。かわいいよルイザ様。
もっとかわいがりたい。もっと触っていたい。
でも、効いているのはボクも同じです。
さっきからルイザ様が感じる旅に腰が跳ねて膣が締め付けて。
ボクのオチンチンは今にも破裂しそうです。

「ルイザ様、大好きです。愛しています」
「あらいもぉ、あらいもあいひへるぅぅっ!」

ボクは最後に一気に腰を打ちつけ、尻尾と乳首を同時に強くつねりました。

「アヒャァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!…ぁ…っぁ」

ビクンビクビクビクビク!
ルイザ様の膣内が猛烈に収縮して、とうとう僕もおちんちんを搾り取られてしまいました。

「はぁ…はぁ…」
「…はぁ、るいざ…さまぁ…」

ボク達は汗びっしょりのまま抱き合いました。
ルイザ様の柔らかい身体はボクらの身体の隙間全部を埋めるように吸いついてきます。
このまま…。
このままくっついてしまいたい。
そう思いました。





「本当にいいのですか?ルイザ様」

レンテさんはまだ気にしているようでした。

「ああ。あたいはもう賊稼業に身を置くつもりはないのさ。ルイザ盗賊団はもうとっくの昔に無くなってるんだ」
「…ありがとうございます……」
「レンテ、まだあたいが居ないとだめなのかい?」
「はい…ルイザ姉様がいないと、あたし…」
「はぁ…。レンテ、愛してるよ。達者でやりな」

レンテさんたちは残念そうに去っていきました。

「よかったんですか?ルイザ様」
「いいんだよ。あの子は人一倍甘えん坊だから…」
「ルイザ様の調教の所為なんじゃ…」
「あぁん?」
「はひぃぃ!!生きててすみませんでした!」
「はぁ…そんな事はいいから、行くよ。タイラ様」
「ふへぇ?」
「え?あ、ちち、違う!今のはあたいじゃない!」
「(ニマァ)うふふ。ルイザ様に負けを認めさせる事が出来た様ですね。ボクってば、罪な男ですね」
「黙れ、ヘタイラ!あんたがあたいの急所(しっぽ)を突いた所為だ!詫びて謝罪して死ね!」
「エェェェエエエ!?何もそこまで!?」
「うるさい、死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
「バールの様な物を振り上げないでぇぇぇぇぇ!!!」


ボクの話はこれでおしまいです。
この後は、諸国を旅した後、ボクがお店を開くのですが、その辺は面白くないですよ。
え?「つまらん!お前の話はつまらん!」?…しょぼん。
えあ?ルイザ様ですか?
ルイザ様は今でも元気ですよ。
ほら今も、庭でボク等の子に無理やり武術教えてますし。
はい。今年で4歳になります。
母親に似て強気でかわいい子です。
あの尻尾なんてそっくりだと思いません?
09/11/08 19:06更新 / ひつじ

■作者メッセージ
はい。
きっと2人は幸せに暮らすんでしょうね。
この10年のち、タイラ君は娘と妻の二人から暴力を受けることになるのですが、それはまた次のお話。
ちなみに娘には超絶なデレ期がっ!?

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まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33