連載小説
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1日目
おはよう。

いや、こんにちは。

どちらだろうか。

太陽が昇っているから昼間だとは思う。

しかし、朝日か否かはわからない。

とりあえず今、わたしがどのような状況に置かれているのか確認しよう。

・ ・ ・ ・ ・ ・

わたしは草原にいた。

草花があり、緑豊かな草原だ。

しかし、生き物らしい生き物はわたし独りしかいない。

がーんだな。

少し寂しくなり、うなだれると足元に箱のようなものがあることに気が付く。

おそらく箱だ。何が入っているかはわからないが。

ご丁寧に箱の周りには松明らしきものが立ててある。

すごい目立つ。

とりあえず開けてみる。

ギィ・・・。と鈍い音を立てて箱は開いた。

その中には丸太・・・いや、原木と言った方がよいだろうか?そのようなものが入っている。

あと、木で出来た採掘用であろうつるはしに伐採用であろう斧。

そして数本の松明と数個の加工された木材。

最初から採掘伐採に必要な道具が入っているということは、これはわたしにやれと言うことなのだろうか?

そんなことを考えていた所、ふと疑問に思う。

誰がこの箱を置いていったのだろうか?

……。

考えてもわからないのでとりあえずありがたく頂戴しておくことにした。

野ざらしで置かれていたのだ。取っても誰も文句は言うまい。

道具を手に入れたのでとりあえず木を切りに行こうと思う。

幸い、近くに木が多く生えている森林がある。

一先ずそこに行くことにしよう。

・ ・ ・ ・ ・ ・

カーン。カーン。カーン。

森林にそんな音が響く。

わたしは伐採に精を出している。

カーン。カーン。カーン。

木が切れた。

この世界は興味深いことでいっぱいだ。

重力というものは存在しないのだろうか?

この世界は一体なんなのか?

こんなばかばかしい疑問を持つ原因の一つは、木をいくつか切っていて驚きの現象が起きたのだ。

なんと、木が落ちても倒れてもこないのだ。

一番下の根元を切っても、木はそこに固定されているかのごとく落ちても倒れてもこないのだ。

しかし、切られた部分はまるでブロックのような四角いものになり、拾えるようになる。

そして、その小さなブロックのようなものを地面に置くと一瞬のうちに巨大化して、元の原木として置けるのだ。

自分でも何を言っているのかまるで分らないが、ありのままに今起こったことを話している。

ちなみに小さくなった原木ブロック(たった今命名した)はポケットの中に入っている。

これもまた不思議なことだがなんと小さくなったブロックはまるで重さを感じないのだ。

不思議なことが絶えないが、便利なことに変わりはないので小さくなったブロックやツールはすべてポケットの中に入っている。

そんなことを考えながら木を切るのを休もうとしたら、あたりはもう薄暗くなっている。

森から出て空を見上げると茜色に染まっている。

もう夕方なのだろう。

さて帰ろう。と考えた所で重大なことに気が付く。

家がない。

さすがに風よけもない、雨ざらしの野ざらしで寝るわけにもいかない。

疲れた体を起き上がらせると不意にお腹が鳴った。

そういえば木を切ることに夢中になって何も食べてないことに気が付く。

しかし、今持っている食料と言えば木を切っている途中に上から落ちてきたリンゴが3個。

全て食べてしまってはこの先いろいろと不安なので一つだけ齧って作業に取り掛かる。

まずは原木を切って加工して木材にする。

その木材を組んで並べて加工して作業台にする。

また、木材を細かく切って棒状にする。

そして作業台で叩いて組んで加工して。

じゃーん。スコップの完成である。

木でできているので耐久性に少々不安が残るが、地面を少し均す分には十分だろう。

地面を少し掘り下げて、そこに木材を並べて床にする。

次に木材で壁と屋根をを作る。

そして作業台で作っておいた木のドアを取り付けたら。

じゃじゃーん。真四角の掘立小屋の完成。

そうだ。

見た目がなんとなく豆腐のように見えるからこの建築様式を・・・

豆腐ハウス。

と名付けよう。

うん、我ながらいい出来だ。

今日はいろいろとあって疲れたので汚れも汗も構わず床に寝転がる。

今日一日でいろいろなことがありすぎた。

そして、疑問に思うこともいくつか出てきた。

自分のことや世界のことを全く覚えていないくせに物を作るための知識は覚えている。

重力。という言葉やその意味。

木がなぜ浮いたりすることを不思議に思うのか。

疑問に思う。それは知識があるからだ。

……。

あぁ、もう。

今日は疲れた。頭がぐるぐる回るが結論にはたどり着かない。

今日はもう寝てしまおう。そうしよう。

明日は・・・。

そうだ、家具とか作りたいな。

石を取りに行こうかな。

ぐぅぐぅ。

・ ・ ・ ・ ・ ・

この日は【わたし】が早々に眠ってしまって幸運だったのか悪運だったのか。

【わたし】は知らずに済んだ。

いや、知れなかった。

家の外で目を光らせている【魔物】がいることに気が付くのはいつになるのだろうか。
13/07/14 23:27更新 / サガク
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■作者メッセージ
初投稿です。よろしくおねがいします。
今回は導入編なのでえっちなしです。
設定を話しただけでおわりです。

某なんちゃらクラフトを魔物娘でやりたかったんです。
なのでなんちゃらクラフトにはない設定とか魔物が出てきますが、「そういうもんなんだー」くらいの気持ちで見てください。

次回からえろえろに出来たらいいな。

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