連載小説
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アリスな国からご利用ください●
貴方はとても良い人である。


他の部署のヘルプがあれば悪態を付きながらも最後までやってくれる。



物を拾うと交番に届ける、海外の観光客も言葉は判らなくても身振り手振りで自分を捨て置いても案内する。



知人が引っ越しするなら車を運転する。


優しくて、なんでも頼れる人、それが貴方でした。


ただ見た目がどちらかと言わなくても良い方では無い、欠点と言えばそれだけだ。


手柄は他人に取られてばかりで出世も遅く、人の好さに付け込んで更に利用してくる。


それでも稀に女性を紹介されるも「良い人なんだけどねー」と言われて付き合いまでいかず終わるのがオチだった。


周りからも男女問わず、だ。


「良い奴なんだけどなー」とは言ってくれるがモテた試しは全くない。


既婚者からはいつも面倒見の良さから

「良いお父さんいつもしてますよね!」と褒められるが相手が居ないですよというのが毎回である。


評判は良い方だ、しかしそれとこれとはまた別問題である。


貴方はそれを自分の宿命と思い、いつも仕方ない仕方ないで終わらせるのだった。


・・・・・



しかし貴方はには周りには言えない、気が付かれてはいけない秘密がある。


確かに女性には興味がないわけではない、実際紹介された人でも付き合いたい人というのは居たが、結果はお察しである。


間違っても犯罪や法に触れる事は一切していない、そう貴方は小さい子が好きだった。


無防備にしゃがみ込む姿をさりげなく前を通り、脳内に焼き付ける。


もちろん凝視などはしないし、盗撮などもしない。


人の好さを付け込んで会社の友人が子供の面倒を見させたりする。


貴方は喜んで面倒を見る、表と裏の意味でも。


もし自分が不慮の事後で亡くなってもPCやスマホの中にそんなデータを残さない様に一切データで持たない様にしている。


もちろん、目の前に居ようが何であろうが一見するが全てノータッチだ。


あくまでも自分の精神の中だけの話、望みなどしたらそれは社会的破滅へと繋がる事は判っていての振舞い方である・・・


そう望みこそすれ、誰も傷つく事も傷つけることは無い。

脳内のみ自分だけの世界である、まさに紳士であり変態紳士ロリコンたる貴方であった。



・・・・・



今日もまた、貴方は他の部署からのヘルプで終電ギリギリまで仕事だった。


貴方は疲れた身体で歩きながらいい歳をとうに超えた自分で駅から歩いて一人、歩いて帰るのである。


親戚や兄弟も居るが、皆家庭持ちになった。


自分もいつかは・・・とそこで思考を止めて帰路へ。


・・・


帰り道、目の前を白いビニール袋の様な物が横切る。



・・・よく見れば、白いウサギだ。


前からトラックが来る、貴方は慌ててトラックを止め為、道路に出てジェスチャーをする。


トラックは割と近くに来たがブレーキを掛けてくれた。


中から「バカ野郎!しにてえのか!」まるで昭和の様なドライバーが出て文句を言う。


貴方はウサギを拾い抱き、すいませんちょっとうちのウサギが飛び出したもので
とドライバーへ謝罪する。


運転手は「おお!そうか、それはすまんかった!」と割とあっさりと許してくれる。


いったん引っ込んだかと思うと、また出てきてジュースをくれた。


「いやいや、俺も気を付けないとな!これお詫びだとっといてくれ!」


と手渡して、そのまままた走り去っていく。



見ないロゴだが赤い缶から有名ブランドのモノによく似ているなと思っていると。


腕のウサギは勢いよく飛び出して逃げていく。


貴方はまぁ助かったんだし良いか、と切り替えせっかく貰ったジュースを飲みながら帰る事にする。



ジュースは非常に甘かった。

余り冷えて無いからかもしれないがそれでも甘い。

だけれど飲むのを何となく止めれず、チビチビと飲み干してしまう。

缶は勿論、空き缶入れに、無粋な真似はしない。


さて!コンビニでも寄って帰るか・・・そう思う矢先。



身体は揺れ、泥酔したかの如く世界が回った。

貴方はもしかしてさっきのジュースに毒が・・・?


そう思う前に意識が反転した。



・・・・・



気が付けば貴方の周りは白い霧だらけだ。


もしかして眠りこけたのか・・・?


余計な事も考える脳が更なる問いへの答えを出す。


白い霧から自分の罪が形容化された魔物が襲ってくるとか、いやいや

先に進めば焚火があってセーブが出来るのだ、それかも


色々考えつつも、貴方は歩く。


霧が晴れていく、そこは赤い水だらけでサイレンが鳴る村でもセミが鳴き惨劇が起こる村でも無かった。



・・・・・


あったのは色の暴力、パステルカラーに満ちた世界。

カラフルな木々、デタラメな地形、飛ぶ魚に泳ぐ鳥。


貴方は流石に能天気に考える事は出来なかった、ダイスがあれば振っていただろう。


頬を抓ってみる、痛い、夢ではない。

ヘルプ時に担当者が連休で不在なのに重大なバグが見つかった時よりも汗が出る。


初めてここはどこだ・・・?焦る



右を見て、左を見るた後に右を見るとまるで光景が変わる。

悪夢か、地獄か、それとも自分がおかしくなったのか・・・


悲観しかけたがそれ以上の事は起こらず、とりあえず気を持ち直す。

ポジティブさも貴方の取り柄だ、学生の頃から下層民として生きてきた諦めの強さである。


しかし歩けども有るのは奇妙な建物や禍々しい植物、可愛らしくとも見えるオブジェクト。


ヘルシー&バイオレンスという謎のワードが口から飛び出る、なんだろうかここは・・・


・・・・・


宛ても無く進むと、道の真ん中に人が見えた。

此処に来てから初めての人だ・・・しかし倒れている。


きっと自分同様なにか合ったのかもしれない、貴方は急いで駆けつける。




倒れた人を見た以上、人の良い貴方は介抱する事にする、当然だ。

紐リボンが付いたカッターシャツと紺のプリーツスカート、黄色い帽子を被りランドセルを背負った学生の様に見えるがそれ以外には

ハツカネズミを連想させる帽子からはみ出た大きな耳、腕や足には動物の様な毛、後ろから伸びたしっぽ。


それを除けば、長い髪の美少女である。


とりあえず貴方は道の真ん中ではなく、近くの木の下へと抱きかかえて移動する。

勿論、紳士的にだ、胸や尻などを触れない様に後でセクハラなどと訴えられぬようにだ。



木の下に移動させるが彼女はただ寝ている様だ・・・

だが異様に甘い香りがする、職場で鼻につくような臭いではない。

吸えば吸うほど更に吸いたくなる様な・・・いやいや、今はスメハラというのもある、意識的に感覚を閉じる。


すると目の前の彼女はあくびをしながら起きてくれた。



貴方は起きてくれた事にホッとする、大丈夫?と声を掛ける。


自分の3分の2ほどの小さな少女はまだ眠そうである、というより目を半分だけ開きジト目でこちらを見る、口を開く。


「・・・?あら、人間さん?最近珍しいことが多いね」


人間さん?どういうことだろうか、貴方は尋ねる。


「此処は貴方が居た世界では無く不思議の国、そこへ貴方は迷い込んだという事よ」


見た目に合わず、落ち着いた声で質問に答える。


「そして此処は人間は殆ど居ない、僕たちの様な魔物娘が居る世界」


貴方は困惑する、ドッキリ?誰かの悪ふざけ?それとも自分がおかしくなった!?


「ある意味おかしくなったかもしれないな、ようこそ迷い人。僕は魔物娘のドーマウス、名前はマーチャンなので気軽にマーちゃんと呼ぶと言い」


名前を言われたら言い返すのが社会人、貴方も自分の名前を言う。


「なるほど、面白い名前だ」


貴女ほどではない、それにこの子はボクっ娘か、と脳内だけに留める。


「まぁ此処に要るも帰るも本人次第だ、僕は住処に帰るところだったし良かったらお茶でも御馳走するよ」


本当に見た目と発言のギャップが酷い、しかし断る理由もない貴方は付いていくことにする。


彼女は歩きながらこの世界を簡単に説明してくれた。


聞けば聞くほどとんでもない世界である。

魔物娘は人間を見つけ次第襲ってきたり、幼い姿に変えてしまったり、犬にされてしまったり、はたまた精神を侵される様な雨が降ったりととんでもないところだと。



「その点、君は幸運だ。比較的大人しい僕と出会うなんてついてるよ」


話を聞けば、ドーマウスは大人しく一日の大半を寝て過ごすような種族なのだとか。


しかし貴方は気がつかなかった、もう二度と自分の意志で元の世界へ戻る事が出来ない事に。


・・・・・


貴方は口を開く、あのマーチャン・・さん?


「なんだいそのキティちゃんさんとかさかなくんさんみたいな、マーちゃんでいいよ」


その格好と見た目、可愛い声とフランクな発言で落ち着いたギャップに疑問を持ちつつも貴方は問い掛ける。


「ああ、そうさ。ここが僕の住処」


住処って、まるでこれは小さいが宮殿だ。


「ネズミと言えばそうだろ?君の元居た世界でもそうじゃないのかい?落花生とか濡れたせんべいとかが名物な」


何となく貴方はそれ以上はいけない、と止める。

「・・・?まぁいいや、ともかくお上がりよ」


と外見の割には中はちゃぶ台がある和室な部屋に案内される。



ごそごそと台所からお茶を出してくれた、緑茶ではなく紅茶だ。


「遠慮はいらないよ、飲みながらどうして君が此処に来たかを話そうじゃないか」


貴方は紅茶を飲む、熱すぎずでは無いがとても甘い。

口を付けたものを残すわけにもいかず、貴方は飲み干す。

しかし目の前の彼女は2杯目を入れてくれる、貴方は何故か飲まなくてはと少しずつ飲む。


「此処が不思議の国とは説明した通りだ、そして君の様な迷い人が来る理由は生きる事に疲れてしまった者、何かを望んだ者、何かに未練を残してしまった者なんかが比較的多いみたいだね」


再び紅茶を注いでくれる、それをまた飲む貴方。


「迷い、そして出会った魔物娘と出会うのはそれを解決する者、癒す者、望みを叶える者、救う者という塩梅だ」


飲みながら貴方は考える、自分は何なのだろうか。


「貴女は僕と出会い、差し出された紅茶を飲んでいる」


とても甘いが癖になりそうなほど美味いと答える。


「気が付かないかい?」


貴方は震える、もしかすると・・・毒!?


彼女はずっと変わらない表情のまま、半目なジト目で答える。


「そんなものは入れてないさ、おかわりはいるかい?」


差し出される、止めようとしても自然とカップを差し出してしまう。


どう見ても小柄で可愛い美少女が段々と恐ろしくなってきた。


「怖がらなくていいさ、何も頭から食べたりなんかしない」


少しだけ安堵する貴方、気が付けばまた紅茶を飲む。


「その紅茶が甘いのは僕の魔力が籠ったものだからさ、僕が触れる事でそうなるのさ」

「そして飲める人間は誰でもいいという訳では無い、相性や特性、性癖が関係してる様だね」


相性?特性?性癖?一体何を、貴方は何故か冷汗が出る。


「君は僕の紅茶を喜んで飲んでいる、それがどういう事か」


二コリと笑う彼女に貴方は心拍数が上がる。


「あと君が此処に来たのは・・・恐らく望む者じゃないかな?」


脳内でアラートが鳴り響く、立ち上がる事は出来るはずだが貴方は動かなかった。


「何となく判ってるんじゃないかな?君は僕の様な娘と結ばれたいと思っていないかい?」


貴方は口を開くが言葉が出なかった、否定しなければならないのに。



「そう、でも君の居た世界ではそれは叶わない。すれば恐らく罪になる」

「君は実に良い人で外ヅラも良い人なんだろうな、望みを自制心や常識、倫理観で隠してたんじゃないかい?」

「そして叶わない夢を腐らせる日々を過ごしている・・・」



口の中が渇く、癒す為に紅茶を再び口に含む。



幼い学生服の教師がまるで教鞭を振るっているような光景が更に続く。



「そしてその望みが此処へ迷い来る事になった」

「此処ではその望みを腐らせる事は逆に罪になる」

「その罪を償えるのは望みを叶える事のみだ」



貴方は震える、それは・・・それをすれば自分の望みは叶う、しかし・・・


「此処は不思議の国さ、君が気にするものは無い・・・」


顔が近づいてくる、貴方の鍵がひとつ、またひとつと解除されていく。


「さあ、罪を償うか、罪を犯したままにするか」


貴方はそれでもと、今まで守ってきた鍵をひとつ残しで耐える。


目の前の彼女はまだか・・・と言わんばかりに小さくため息を付く。


「仕方ない、これは使いたくなかったが・・・最後の鍵を解く魔法の言葉だ」


貴方は驚愕する、此処まで来てまさか何か魔法めいた事をするのかと。


「出来ない事も無いが・・・必要無い、たった一言いうだけだからな・・・」



貴方に近づき、耳元でそっと呟く。



「僕は28歳だ、さぁ君の心配するものは何も無くなった」


貴方の堅牢な鍵は無くなってしまった。


「さぁ・・・こっちの部屋さ」


貴方は導かれるまま、付いて行ってしまうのだった。




・・・
・・





布団の敷いてある寝室。



「湯に入った方が良いか・・・いや、君が望むのはそれじゃないな」


彼女は布団の上に立つ。


「まだ襲ってはいけないよ、さぁ・・・よく見たまえ」


彼女は長めのスカートをたくし上げる、


柔らかな毛に包まれた足から、白い太ももが現れる、更に上がり、白く飾り気の無い綿の下着が見える。


貴方が長年見た望んだものがあった、そして彼女が近寄る、嗅げと言わんばかりだ。


僅かに黄色いそれはアンモニア臭のツンとした臭いとそれ以上に甘い香りが貴方の鼻孔を埋める。

暫く嗅いでいると彼女は下着を脱ぎ、それをまるでマスクの様に顔に掛けられる。


更に臭いが増す。

「大丈夫・・・全て君が望んだ事さ」


此処が天国なのか地獄なのか、それすらも判らなくなってくる。



彼女はカッターを脱ぐ、キャミソール姿になる。


「まだまださ、そして此処が苦しそうだな」



彼女は立ってる貴方に腰を落とし、テントが張っている貴方のスラックスと下着を脱がす。そそり立つものが現れてしまう。


彼女の小さな口が貴方のモノを咥えてしゃぶる、両手は頭を掴む様にさせまるで無理矢理させているような感覚になる。


貴方はもう思考を止め、欲望のまま突き進む。


限界は早く、彼女の喉の奥へ・・・


一度抜けば治まるものは治まらなかった。



彼女はキャミソールを脱ぐ、スカートだけを身に着けている。

貴方は彼女を寝かせ、あまり無い胸に触れる。


指3本で掴める胸をもてあそぶ、乳首も吸いながらだ。


ひとしきりその胸で遊ぶと彼女が口を開く。

「僕の胸で、喜ぶなんてモノ好きだねえ」


若干艶っぽい声が聞こえる。



貴方はそのまま下へ移動し、スカートをめくる。

奥ゆかしい1本筋だ、局部の毛は全く無い。

尿道口から少し愛液が出た膣口に沿って、時に広げ、中や外を丁寧に舐めていく。


貴方の思考はもう無い。



彼女は眼をつぶり、眠ったような状態だった。

反り立つものを彼女へと挿入する。



入口で止まるが導かれる様に少しずつ入っていく。

薄い肉膜を割く様に、けれども貴方のモノをしっかりと咥え込んでいく。


僅かに血が出ている、貴方は構わず性交を続ける。


もはや倫理も常識も剥がれ、原初の炎が身を焦がす。


短い声と声が細かく出る以外はお互いの性器が擦れ合う音だけが部屋に漂う。


今まで抑えていたものが次々に溢れだしていく。

しかもこんな自分よりも遥かに小さな女性に・・・


繰り返し前から・・・後ろから・・・のし掛かり・・・上から下から・・・全てやりたかったことを彼女にぶつけていく。


その全ての間に何度も射精していた、今までにないほどの量が彼女の小さな膣内に注ぎ込まれ、溢れ出てくるまもなく次を注ぎ込んでいく。


二人でそうするのがまるで決まっていたかのように体勢を変え、繰り返し繰り返し。


お互いが力尽きるまでに一晩が掛かった・・・



・・・
・・


貴方は賢者モードである、よく考えなくても頭にあるのはやってしまった・・・の罪悪感である。


しかしよくよく思い出せば彼女は成人してるのだ、なんら問題はな(「あぁ、言い忘れていた。魔物化したのはさっき申告した数値にマイナス20した時さ」


へ?計算をする、簡単に。


「この姿になったのは8年前、つまり実質ゼロだむぐくる」


貴方は理解してはいけない言葉を口で塞ぐのであった・・・

「ぷはっ、兎も角貴方も僕も共に素晴らしいものを手に入れたんだ・・・こっ、これからよろしく頼むよ」


澄ました顔が初めてテレた顔、貴方はこの宝物を抱き締めた。
18/10/14 22:33更新 / ひいらぎさん@
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■作者メッセージ
ネズミは害獣とも富をもたらすものとも言われてるね。

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