連載小説
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甘美な死への誘惑
後悔という闇に彼女はいた。
もしあの時自分がしっかりしていたらこんな苦しい思いはしなかったはず。
そうあの日・あの時・あの瞬間、乃木奈々後悔していた。



●月●×日〜午前8時15分駅前〜

乃木奈々はその日はやや貧血気味だった原因は二つ。
一つは睡眠不足、もう一つは朝食を食べずに登校しているということ。

(うぅぅ・・・ね・・眠い、やっぱり夜通しで本は読むんじゃなかった・・・早く電車・・・に乗って・・・)

うとうと、うとうと、していると今でも横断歩道に出てしまいそうで危ない状態だった。

すると信号が青になり、やっと青になったと思い歩き出す乃木奈々、だが彼女は気付かなかった。

〜トラックが近づいてくるのを〜

「バカ!轢かれるぞ!!」

「・・・え?」

時すでに遅しトラックは乃木奈々に一直線に近づいて轢かれそうになる。

「間に合えぇぇぇ」

乃木奈々がトラックと衝突する5秒から6秒の差で彼女はトラックに轢かれずに済んだ・・・しかし一人の高校生男子、青野響の命を引き換えに。



「・・・奈々ご飯、ここに置いておくからちゃんと食べてね」

事故があった日から乃木奈々はやつれ始めていた。
何故なら外に行けばあの時のように車に轢かれるかもしれない恐怖心。
学校に行けば人殺しと呼ばれるからである。

「・・・青野君・・・」

事故があった後病院に搬送されたが数分で帰らぬ人となってしまい遺族は悲しんでいたが自分を責めなかった。
そして葬式の時に始めて見た響の顔は不思議と無事でよかったっと言ってる風にも見えた。

「・・・私どうしたらいいの・・・」

心は苦しみ自分に出来る事は何か考えるが生きる事しか思い浮かばない乃木奈々。
それとも自分も死ぬべきなのかとも思った。

「ねぇ・・・青野君・・・私、苦しい・・・苦しいょ」

布団を包まって震え自問自答する乃木奈々。


(だったら君も・・・こっちに来るかい?)

不意に脳に声が響き辺りを見渡す、しかし一人しかいない部屋に誰かいるはずがなく、直ぐに幻聴だとわかるが。

(ちょっと、幻聴じゃあないよ?乃木奈々さん)

今度はハッキリ聞こえ電気を付け部屋を明るくする、しかし部屋にはやはり自分一人しかいなかった。

「だ・・・誰・・・」

怖くなり声を出し脳に聞こえる正体を探す。

(怖がらなくていいよ、私は怪しい者じゃない・・・)

「あ、怪しい物じゃないなら姿を現して!」

(それは無理なんです私は今声を出し貴方と会話するぐらいしかできません)

「じゃあ話しかけないで!私を一人にしてよ!」

苛立ちを隠せないくらい怒鳴ると。

「奈々どうしたの?」

親が部屋の扉をノックしてくる、よっぽど声が大きかったんだと実感する。

「な・・・何でもない・・・何でもないから」

「でもなんか叫んでたでしょう?」

「いいから一人にしてよ!!」

「・・・わかったわ、何かあったら部屋から出るのよ?」

ため息交じりで自室に戻ったと思いまた布団の中に入る。

(大丈夫かい?)

「うるさい・・・私に構わないでよ」

(そうだけど・・・君は青野響君に会いたくないのかな?)

「!?あ・・・青野君の事知ってるの?」

(うんまぁね・・・でも私との面識はないけどね・・・どう会いたい?)

それはまるで悪魔の誘惑・・・。
甘美であり、心を揺らす・・・。

「・・・あ・・・会いたい」

ゆっくりと言いながらも言葉ははっきりしていた。

(・・・じゃあ契約成立だね)

「け・・・契約?」

(うん・・・大丈夫痛みは一瞬だから)

そういうと次の瞬間何かが身体から抜けた感覚がした。

「な・・・なにが・・・あれ・・・私・・・がいる・・・」

おかしな感覚だった自分はここにいるのにまるで魂が抜けたようにも見えた。

「どうだい魂を抜かれた気分は?」

「た・・・魂を抜かれた・・・気分?」

その言葉の意味がわからなかったがすぐその意味がわかった。

「ま・・・まさか」

「そう、君は死んだんだよ」

「いや・・・いやぁぁぁぁ」

叫び、自分の体に戻ろうとするが身体が上へ上へ昇っていく。

「安心したまえ君は毒薬を飲んで死んだ事になるから、それに青野君に会えるんだし・・・」

「そんな・・・お母さん!!お父さーーーーん!!」

翌日部屋に入った母親が部屋に入るとベッドから落ちてあった毒薬入りの瓶と遺体となった娘の姿だった・・・。
12/04/03 04:20更新 / さわ
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■作者メッセージ
エロなしパート2ぃぃぃぃぃぃです

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