読切小説
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角の首飾り
「はあー、どうしたもんか」

徴兵の任期も終了し、使い道の無い金を手にして今後どうするか考えていた

「俺に向いてる仕事って言っても頭より体を使う方が得意だし、何より軍に居た時みたいに命令ばっかりされるのも嫌だしなぁ…いっそのこと旅をしてのんびり生きていってみるか」

それにしても今日は何だか賑わっている

久々に街に帰ってきたからそう感じるだけだとは思うが、見慣れた大通りに沢山の商人が店を開いていた

見たこともない品もあり、この使い道の無い金を減らすにはもってこいだった

「何か旅に役立つ物でもないかな〜」

その言葉を聞いていたのか、大きな道具箱を背負った商人らしき女性が声をかけてきた

「旅の準備ならウチにお任せください!便利な道具、沢山ありますよ」

「便利って一体どんな物だ?」

「例えば、最近手に入れたコレなんてどうでしょう?」

そういって取り出してきたのは、何の変哲もない首飾りだった

「実はこの首飾り、付けてるだけで魔物避けにもなりますし、岩をも持ち上げるほどの力が手に入る代物ですよ」

胡散臭い話だが、実際のところかなり興味がある

「ちなみに値段はどのくらいなんだ?」

「うーん…手に入れるのにも苦労しましたから、このくらいは欲しいですね」

この首飾りにその値段はないと思ったが、好奇心には勝てず、買ってしまった

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「また何処かで会いましたら、その時もまた何か買っていってくださいね〜」

結局、あの子の口車に乗せられ「旅人セット」とかいうのも買ってしまった

まあ旅をするには役立つだろう、そんな物よりも気になっているのがこの首飾りだ

「魔物避けなんて本当にあったら、旅人全員とっくに付けてるけどな。でも一度試してみるか」

もし効かなくても、なるべくリスクの少ないゴブリンを探しに森まで行くことにした
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「やっほーそこのゴブリンさーん、いい天気ですねー」

そう声をかけるとゴブリンは振り向いたが、何かに怯えた様子ですぐに逃げて行ってしまった

コレほどまでに効くとは…

「となるともうひとつの効果も気になるな」

試しに近くの木を殴ってみると驚くことに、木が半分にへし折れてしまった

「すげえ、こんな物があったなんて。あの子のところでもっと沢山買っときゃよかった…あと残るはこの旅人セットだけ、期待出来そうだし野宿でもしてみるか」

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〜オーガさん〜

「クソッタレ!一体誰だよ、俺の角を切り取りやがった奴は!
ぜってー見つけ出してとっちめてやる!
てか、さっきから男のいい匂いがプンプンするな、もしかするとそいつが犯人か?
匂いを辿ってみるか」

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日も落ち、焚き火のそばで座っていた俺は、近くに人影が見えるのに気付いた

魔物か?それならこの首飾りがあるから逃げるはずだけど…

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〜オーガさん〜

「やっと見つけたぜ、結構俺好みの男じゃねえか。作戦変更だ、一発ヤるか」

そう言って俺は奴の服を全部引っぺがした

「!?」

奴の首に俺の角で出来た首飾りがあるじゃねえか!!

「やっぱりお前が犯人か!この落とし前、キッチリつけてもらうからな!!!」

「え?何が…ちょ!ちょっと待っ(ry」

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「いやー、ヤりまくったおかげでまた角が生え揃ったぜ。ありがとよ
あと話は変わるが…その…お前に惚れた。
俺の婿になってくれねえか?
頼む!この通りだ」

「実を言うと俺もいきなりの出来事でびっくりしたけど、
アンタのことが好きになってしまったかもな。
こんな当てもない男で良いのなら喜んでアンタの男になるよ」

「よっし!それじゃあ早速俺の家まで来てくれ。互いに愛を深めようじゃないか」

「ちょ!またかよ!ていうかそんな強く引っ張らn(ry 」


                             fine


12/02/17 01:05更新 / renkun

■作者メッセージ
楽しんでよんでいただけたでしょうか?
私自身これが処女作になりますので、感想をいただければうれしいです。
頭の中ではアイデアがいっぱいあるのですが、いざ書くとなるとこれが難しい…
今回はそんなアイデアのうちの一つの装備品について書いてみました

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