読切小説
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淫乱竜姫の日常
 不思議の国の住人の朝は遅い。
 何故ならば、夜が明けるまで飽きることなく性交に明け暮れ、昼を過ぎるまで寝て過ごすことがこの国における常識であるからだった。
 それは僕ら夫婦であっても例外ではない。昇りきった太陽が、ややファンシーな色合いの陽光を僕らの住み処に投げ掛けてきた所で、僕はようやく目を覚ました。
 寝起きの僕の目に飛び込んできたのは、片手では余るほどの大きさを誇る、チョコレート・スキンの爆乳と、一切触れていないにも関わらずビンビンに勃ち上がっている、薄い桜色をした綺麗でとても卑猥な乳首だった。
 並みの男なら一目見ただけで情欲を掻き立てられ、股間にテントを張ってしまいそうな、立派なメスのシンボル。
 その持ち主は、幸せそうな表情を浮かべて寝息を立てながら、僕の頭を抱きすくめていた。
 精悍でありつつも女性らしい美しさと可憐さを兼ね備えた、まさに絶世の美女ともいうべき顔立ち。
 一糸纏わぬ、出るところは出る……というか出すぎているというか、豊満なまろみを帯びつつもしなやかな肢体は、神話に出てくる女神もかくやと言ったところ。
 そして、頭に生えている勇壮な角と、力強さを感じさせる、背中の翼と鱗に覆われた鉤爪のある両腕と尻尾。
 不思議の国固有の魔物娘、他を圧倒する強さと淫靡さをハートの女王に与えられたドラゴン……。ジャバウォック≠ニ呼ばれる彼女が、僕の伴侶であった。

 僕は顔に押し付けられる極上の柔らかさを暫しの間堪能した後、コリコリに固くなった乳首を口に含み、飴玉をなめるように舌で転がし始めた。

「んっ……♥うんん、はぁ……ぁん♥」

 彼女は眠っているにも関わらず、気持ち良さそうな声を上げて、むちむちの太ももを擦り合わせる。
 1分と経たずに彼女の秘裂からは愛液が滲み出し、濃厚な、女性特有の甘くいやらしい匂いが立ち上ってくる。
 びくんびくんっ!と腰が跳ね始めた頃には、ベッドのシーツはお漏らししたみたいにすっかりびしょびしょになってしまっていた。シーツは毎日のセックスで汚れ放題なので、代えはいくらでもあるから全く問題ないのだが。

「あっあっ……んんっ♥♥
 フフフ。我が夫、アズマよ。お前はとんだ悪戯好きのようだな?♥」

 一際大きく腰を揺らしたあと、我が最愛の妻はようやく目を覚ましてくれたようだ。いつもは凛々しい切れ長の瞳は今やとろんと快楽に蕩け切っており、妖艶な笑みを浮かべながら、彼女は僕の頭を子供にするように優しく撫で回してくれた。端から見れば鱗が擦れて痛いのではないかと思うだろうが、これが思った以上に気持ちよくて落ち着くのだ。魔物娘の不思議、というものだろう。

「おはよう、アニー……起こす時は出来る限りえっちなやり方にしてくれって言ったのは君じゃないか」
「ふむ、そうだったか?ふふっ、覚えていないなぁ」

 アニーはくすりと笑い、先程とは一転してわしわしとした撫で方に切り替えて僕とのスキンシップを楽しみ始めた。
 楽しそうな彼女を見ていると僕も幸せな気持ちになってくる。きっとこれが愛というものなのだろう、と僕は心の中でその暖かな想いを噛み締めた。故郷では……人間の社会では得られなかった、大切な気持ちだ。

「ところで、だ」

 僕がそんな感慨に耽っていると、彼女は撫でる手を止め、僕の顎をくいっと持ち上げた。アニーの宝石の様なオレンジ色の瞳が、僕を真正面から射抜く。
 何か機嫌を損ねてしまったか?彼女にいつになく真剣な表情で見つめられた僕は、まるで蛇に睨まれたカエルのように身を硬くして……

「アズマのせいで、私はすっかり出来上がってしまったぞ♥
さぁ……我が夫はどう責任を取ってくれるんだ?ん?♥」

 ―――やっぱりそうなるよなぁ……。
 次の瞬間にはだらしなく、淫らに発情したメスの顔つきになったアニーに、途方もなく深いため息を吐くのだった。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

 アニー……アーネスト・ヴォーパル2世と、アズマこと僕が出会ったのは、2年前くらいだっただろうか。不思議の国では人間界とは違う暦が用いられていることに加え、この国の主であるハートの女王が気まぐれを起こさない限り1年中過ごしやすい気候のままであるため、正確なところは分からない。
 とにかく僕はその日、剣術道場での稽古を終えた帰りだった。師匠は厳しい人で、毎日地獄のような日々を終えて心身共に消耗しきっていた僕はふらふらと家路についていたのだが……気がつけば、このヘンテコな世界に迷い込んでしまっていた。
 絵の具をぶちまけたような極彩色の空、見たこともない形をした動植物に恐怖を抱いたことも懐かしい。
 とにかくこの世界から脱け出そうとうろうろしているところで……アニーに初めて会ったのだった。

「にん、げん……。逞しい人間……人間だ!お前から持て余した濃ゆい精を感じるぞ!!
 決めた!お前は今、この瞬間から我が夫だっ!!!」

 そこからはもう訳が分からなかった。
 まずその場で彼女に押し倒され、69の体勢で無理矢理精を搾られ1回。
 次に彼女の住み処にお持ち帰りされ、入り口でパイズリフェラをされて1回。
 さらにベッドの上に場所を移し正常位でもう1回。
 まるで天国のような人外の快感に包まれ、僕は彼女に溜めに溜めた精子を放つことしか出来なかった。

「やはり私の目に狂いはなかった……こんな濃厚な精を感じたのは生まれて初めてだ♥もう離さないからな……っ♥」

 行為の後、そう言ってその艶かしい身体で僕をぎゅっと抱き締めてきた彼女の温かさは、今でも覚えている。
 童貞だった僕にとって、余りにも激しすぎる初体験。僕はただ、彼女の性技にたじたじになるだけだった……。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

「うんうん、アズマ。性技も料理も腕を上げたな!」
「ありがとう、アニー。素直に受け取っておくよ」

 あの後2回ほど愛し合った僕たちは、遅めの昼食を摂っていた。彼女とのまぐわいは何度やっても変わらぬ快感と充足感をもたらしてくれる。
 僕もアニーも相手に如何に気持ち良くなってもらうかを常に考えているから、毎回新鮮な気分でセックスを楽しめている。不思議の国に来てからというもの、本当に素敵な日々を過ごしている。これもアニーの、不思議の国のお陰かもしれない。
 ―――でも、たまに不安になる。僕はアニーに相応しい男なのだろうか、と。

「む、アズマよ。何やら浮かない顔をしているな……。
 やっ、やっぱりアナルセックスはちょっと変態すぎただろうか!!?」

 アニーが僕の顔を覗き込みながら心配そうな声を上げる。いやいやいや、アニーのお尻はとっても気持ちようございましたとも。

「そ、そうじゃないんだ。ただ……」
「ただ?」
「うーんと……ジャバウォックの夫婦は、常に他のカップルより淫らであるべきなんだろ?」
「うむ、そうだ!それこそが我らが誇りであるからな」

 アニーは胸を張って堂々とそう答える。今はさすがに服を着ているが、へそまで深い切り込みの入った露出過多な衣装でそう胸を突き出されると大変なことになる。いやもうなってる。薄いピンクの輪っかが布地からはみ出してしまっていた。
 そんな彼女の姿を見て一瞬肉欲に任せて押し倒してしまおうかとも思ったが、僕はなんとか踏み止まることが出来た。話を続けよう。

「僕はアニーに相応しい男なのかなぁって、時々考えてしまうんだ……」
「なっ……」

 そう、僕みたいな軟弱な男が、果たして誰よりも淫らなカップルの片割れが務まっているのだろうか?と疑問に思うときがあるのだ。
 アニーは間違いなくこの不思議の国の中でも1、2を争う魅力的で蠱惑的なメスに違いない。
 だが僕はどうか?
 ジパングの田舎生まれの、平凡な僕が彼女のパートナーとして相応しいのだろうか?
 アニーの誇りに傷を付ける存在なのでは?
 そんな下らない考えが自分を支配することは、これまで何回もあった。でも、アニーから離れたくなくて、その不安をずっと心のなかに押し込んでいたのだった。
 僕の告白を聞いたアニーは、怒りのためか、ふるふると拳を震わせてこちらを睨み付けている。それはそうだ。パートナーがこんな悩みを抱えていたようじゃ、最も淫らなカップルになんて……。

「直れ……」
「えっ?」
「そこに直れ、アズマ!!こんなにいっぱい愛し合ってきて相応しいも相応しくないもあるものか!!
 分からないなら身体に直接教えてやるからなっ」
「えっちょっ……!」

 怒りで目尻に涙を溜めながら、アニーは僕のズボンをまさに神速というべき速度で下ろし、既に勃起していた僕の肉棒を一心不乱に舐め上げ始めた。

「くっ、アニー……!」
「れろっ♥んれぇ……お前がさっきからわたひのおっぱいをみへっ、れるぅ、んちゅっ♥ここをこんなにいきり立たせてるの……ばればれなんだぞ!」

 少しざらついた舌が僕の弱いところを的確に責め立て、思わず腰が引けてしまうが、彼女の両腕でしっかり腰をホールドされてしまい、僕は為す術なく快楽を享受することしかできない。

「ちゅっ♥じゅるるっ♥♥んへぇ……♥今に限らず、お前は私を見るとすぐちんぽを勃起させてくえる……私が求めれば快くえっちしてくれうし、ちゅうっ♥♥♥最近はそうでなくたってぇ……ぢゅぢゅぅ♥お前から誘ってくれるようになっはり、変わったプレイもしてくれるようになっへ……嬉しかったんだぞ?♥お前は立派な私の夫だ……んちゅるっ♥♥」
「うあっ……アニー、それやば……!」

 咥え、舐め上げながらアニーは喋るものだから、声の振動と熱い吐息で快感がどんどん膨れ上がっていく!

「んぶっ♥んうっ♥れろっ……ちゅるるっ、ずずっ♥
 アズマ、アズマ……。だからそんな寂しいことを言わないでくれ……」

 アニーのいつになくしおらしい言葉に、身体の芯から愛おしさが溢れて止まらない。それは射精欲となって、ぞくぞくと背筋を駆け上って僕の脳みそを快楽でぐちゃぐちゃにしてしまう。

「アニー、ごめん……もうっ、いわないっ……」
「ちゅちゅっ……ほんとに?」
「うん、僕が間違ってた……自信が無いのはどうしようもないけど、いつか……いつの日か、自分でも文句の付け所のない夫になってみせるから!」
「……!うむ!それでこそ我が最愛の夫、アズマだ!
 それでは、そろそろ仕上げと参ろうか……♥」

 アニーは深く、深く息を吸い込むと……桃色に染まったブレスを僕の肉棒に優しく吹きかけた。ジャバウォックのブレスは浴びたものの情欲を焦がす発情のブレス。それが射精直前の敏感ちんぽに、ゆっくりと染み込ませるように、包み込むように浴びせたらどうなるか。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ♥♥♥♥♥♥」
 ビュルルルルッ♥ブビュルッ♥ビュビュビュゥ♥

 僕は自分の肉棒と玉が弾けるような、燃えるような感覚に、声にならない声を上げながら絶頂した。
 まるでゼリーのような粘度の精液が尿道を押し広げつつ放出され、アニーと部屋を白く染め上げる。
 射精は1度の波では終わらず、2度、3度と快感が下腹部を襲う度に僕は腰を前に突きだし、びゅるびゅると壊れた蛇口のように白濁を吐き出し続ける!
 それをただ見ているだけのアニーではなく、彼女は亀頭に吸い付くとごくっ、ごくっと喉を鳴らしながら美味しそうに特濃精液を飲み込んでいった。

 あらかた精液を出し尽くすと、足に力が入らなくなった僕はドサリと尻餅を付いてしまった。今はただただ気持ちいい……。

「あぁん♥れろっ……あんな濃いの出すなんて……私も思わずイッてしまったぞ……♥♥」

 アニーは身体に付いた精液を指ですくって舐めとりながら、自らの股ぐらをもう片方の手でぐちゅぐちゅと弄っている。僕がイッた時には既に弄っていたのか、彼女の足元には愛液と潮が混ざった水溜まりが出来ており、それは今も彼女の蜜壺からぷしゅぷしゅと噴き出している液体により広がりつつあった。

「私のおまんこ♥んんぅ♥完全に発情してしまったぞ♥♥クリもこんなに勃起して……はぁ♥ほら、こんなにぐちゅぐちゅだ♥♥♥♥」

 くぱぁ、と割れ目を左右に引っ張り見せつけてくるアニー。充血して真っ赤になり、膣口がくぽくぽとひとりでに開いたり閉じたりしている様は僕のちんぽに新たな活力を与えるのに充分過ぎるほどの威力だった。

「今日も1日……たっぷり愛し合おう♥旦那様♥」

 そう愉しげに、悦楽に染まった淫らな竜姫を見て、僕はいつも以上に搾り取られることを覚悟しながらも、さらに怒張に血を巡らせるのだった。

                      (終)


アニー/アーネスト・ヴォーパル2世
└魔物娘ジャバウォック=B
 アーネストという名前は本来男の名前だが、ヴォーパル家は「男との完全な合一の末に最高の快楽がある」という考えを持っており、そのためヴォーパルの名を継ぐ者には必ず男性名が付けられる。
 アズマの事を誰よりも愛しており、ジャバウォック達の間でもその仲睦まじさは度々噂になっている。

アズマ
└人間。ジャバウォックと不思議の国の淫気に充てられ、完全に不思議の国の住人と化している。
 一般社会ではもはや狂気に染まっているように見えるが、生来の思慮深さや優しさは変わっておらず、アニーの事は心の底から愛している。
18/05/17 19:27更新 / ねこかん

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