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ジパングにおける特異なモンスター生息の考察
1.はじめに
 この論文は、ジパングにおけるモンスターの生態の特異性について説いたものである。この内容は、推論・仮説を多く含むことに注意されたい。
 ジパングは多くの人々に知られるように、独特の文化・風習を持っている。ごく最近まで謎とされていた部分が多かったが、ジパングの鎖国解消に伴い多くの謎が解明されてきた。しかしながらモンスターについての研究は、危険が伴うため研究が不完全である。ここでは、数少ないジパングの文献を集めた結果から推測される、ジパングのモンスターの特異性の原因について論じていこうと思う。
 また、この論文はジパングへの調査出発直前に書いたものであり、自らへの情報をまとめたものである。少ない時間で書き上げたため荒が目立つことを許していただきたい。

2.ジパングの環境におけるモンスターの特殊進化説
 生物は、その環境によって、生存により有利な形へと進化することが証明されている。ここから考察するに、特異性の強いモンスターは、ジパングの環境に合わせた進化を遂げたものではないだろうか。
 この論を有力とするものは、『カラステング』の存在である。文献によると、カラステングは羽で飛行するだけでなく、木々を飛び回ることや地上を走る事も得意であるらしい。周知のとおり、ジパングは開発が進んでおらず、山や木々が手付かずで残っている。また、ジパングは島国であり、土地も非常に狭いため、長距離を飛行する必要性が少ない。そのために、カラステングは他のハーピー種と比べ、比較的人間に近い構造を得たのではないか。
 しかし、この説は最も有望視されていない説であり、今後この説を持ちいる可能性が極めて少ないことを頭に入れてもらいたい。

3.ジパング原住民の宗教観におけるモンスター化説
 この仮説が、現在最も有力視されている仮設である。しかしながら、現地調査が不十分な仮説であるため信憑性は高くないことも念頭においてほしい。
 ジパング原住民の宗教観は、モンスターの生態以上にユニークである。ジパング原住民(以下、ジパング人)は「全ての物に神が宿る(yaoyorozu)」という考えを持っている。つまり、神が複数どころか無限にいると考えているのだ。人間の信仰の力は非常に大きく、ダークプーリストにより堕落した神の力が増してきているのも信仰の力によるものだ。ジパング人はこの信仰の力により、図らずもモンスターを作り上げてしまったのではないか、というものだ。
 これを証明するものは、複数存在する。まず、ウルフ系モンスターとされる稲荷や妖狐は神格化され、一部では神殿を持ち崇拝されているというのだ。これにより新たな力を得たウルフ系のモンスターが稲荷もしくは妖狐となったのではないだろうか。また、天狗も同様に崇拝の対象とされる場合もあるらしい。崇拝により力を増しているためか、天狗は「神通力」という特殊な力を使い、なおかつハーピー種の中では上位種である。
 その他多くの証明が上がっているが、現地調査が不十分であり、確定には至っていない。

4.現地調査における課題
 ・ジパングの環境および自然を調査し、モンスターの生態と比較する
 ・崇拝の実態を現地民から調査する。また、現地に残る文献から調査する。
 ・モンスターの生態を間接あるいは直接しらべ、場合によっては接触を試みる。



以上、私自身がこの調査を終え、無事に論文の続きを書いていることを願う マルス=ハンスター
10/05/30 04:12更新 / マルス=ハンスター

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