読切小説
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蜥蜴と仲直り
『ダァアァァッ!』

『はぁぁぁぁぁあっ!』


剣と剣がぶつかり合う。


ギィィィンッ⁉

ガリガリガリ…

『右、左、月影ッ!』


ギンッ! ガンッ! ギィィィンッ⁉


『うっ、ぐぅッ! まっ…』

彼は、彼女の攻撃を受けきれずに、『参った』と告げようとした瞬間…



ゴンっ!


メシぃぃぃ…


『いだぁぁぁあっ!』

俺は、彼女の剣を受けきれずに肩口に模擬刀がめり込んだ。


『当たり前だっ! 馬鹿者っ! せっかく技を言っているのに、意味がないではないかッ!』


『阿保かっ‼ お前の斬撃を受けきれるかッ!』

俺は、肩口を摩りながら、涙目になりながら彼女につげる。

『何を言うっ‼ そんなんだから、レナードは認められないんだっ!』

『知るかっ‼ そんなんて言うなっ!エリナ。 こっちだってマジでやってるんだ』

訓練場に、響き渡る男女の声…


1人は人間の男、もう1人はリザードマンの女。


『あー、始まった始まった。』

口論を見ている者達は、ヤレヤレと言った感じでため息を吐く。

『そんなんだから、私に勝って結婚できないんだッ!』

『お前に勝てる奴がこの街に居ないだけだろ。わざわざ、鍛えに来やがって…』

レナードとエリナは、この街に知らぬ者が居ないほど武闘派である。

エリナはこの街最強と呼ばれる剣士であり、それに次ぐ実力者がレナードである。

しかし、レナードは女にはめっぽう弱かった。

しかも、レナードはエリナに惚れていたので、いつも本気で勝負しない。


周りの人もそんなレナードを知っているからこそ、何も言わなかった。

『いつになったら、本気にやるんだッ!』

『いつも本気だって…』

『嘘だ…いつもそう言って、誤魔化すんだ』


いつもの口論のやり取りがあると思っていたが…

『そんなに私が嫌いか? レナード…』

涙を浮かべながら、エリナはレナードに告げる。

『いや、嫌いじゃ…』


レナードは、いつものエリナの様子じゃないことを察し、焦りをみせる。

『嘘だッ! なら、いつになったら私を倒してくれるんだっ‼ この馬鹿ぁぁっ…』


『いや、だから…本気でやれないって…』

レナードは、心底困った顔をしてエリナをなだめる。

『なら、良い…私はこの街から出ていく。』

エリナは、とうとう涙を流しながらレナードに告げる。

『エッ…エリナ、冗談だろ?』

『冗談ではない。もう2年だ…私がお前と本気で戦って結婚したいと告白したのは…もう我慢ならない。私は、他の男を探しに行く。』

エリナは、訓練場から去ろうとした時…

レナードが、その前に立ちはだかる。

『なんのつもりだ…レナード』

『悪かった。エリナ…行かないでくれ』

『嫌だ…今日と言う今日は我慢ならない。本気で戦ってくれないレナードなんて嫌いだッ!』

『グァアアッ!』

嫌いだ…嫌いだ…嫌いだ…嫌いだ…嫌いだ……

エリナの一言がレナードに突き刺さる。

その一言を聞いて、レナードはフラフラになりながらエリナに告げた。

『分かった。エリナ…本気の勝負をしよう。怪我しても怒るなよ。』

レナードは、このままエリナを行かせたくないので、初めて勝負を受けた。

『本気か! レナード、絶対だぞッ!』

『あぁ、俺の全力で、勝負しよう。』

エリナは、レナードの言葉に尻尾をパタパタ振って目を輝かせている。


『審判を誰かして欲しいッ! 誰か〜』


訓練場の訓練中の兵士に告げると、1人寄って来た。


『任しときな、レナード。男を見せなよ』

エリナの親友のサラマンダーのリセが、審判を申し出てくれた。

『用意は良いか?』

『嗚呼、いいよ。リセ』

『審判を頼む、リセ』

レナードとエリナが体勢を取ったのを確認すると、いきなり手をクロスさせて高らかに告げた。

『始めッ!』



ギィィィンッ⁉

キィン、ガンッ!


『さぁ、レナードの本気を見してよっ‼』

ギィィィンッ⁉

『……....』


ギィィィンッ⁉ ガィィンッ!


最初はエリナの攻めが冴えていたが、少しずつレナードの剣が守りから攻めの剣に変わっていった。


レナードは、やはり強い。

私なんか目じゃない事は知っている。

でも、いつも私より弱いふりをして、いつも私と訓練してくれた。


ギィィィンッ⁉

一回打ち合う度に、心が躍る。彼はこんなにも強くて優しい。

私がドンドン押されている。

キィン、キィン、ギィィィンッ⁉



彼の優しさだ。

一瞬でも早く私を倒そうとしてくれる。

私の腕が痺れて上がらなくなってきて、周りの音も聞こえない。

あっ、避けれない。

そう思ってた時には、私の肩口に剣がめり込んでいた。


メシぃぃ…

『勝者、レナードッ!』

その言葉の後に、ワアァアァァッと周りから観衆が声があがる。

訓練場には、いつのまにか、沢山の人が来ていた。


『エリナ、大丈夫か?』

『う、うわぁぁぁぁんッ! レナードッ!レナードッ!レナードッ!』

『うおっ‼ 痛かったか?』

レナードは、今までにないくらい焦った顔をしている。

『結婚しよう。レナードッ! 今すぐにッ!』

『はぁ、分かったよ。惚れた弱みだ。エリナ、俺と結婚しよう。』


この後、2人は訓練場で結婚式をあげましたとさ。


めでたし、めでたし。












13/06/26 00:17更新 / INB

■作者メッセージ
使い方が分からない事があって、失敗しまくってしまった。

文が消えるし、大丈夫かな…

今回は…

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