読切小説
[TOP]
変わらぬ日々の営み
朝。起床。
…きてー
「…zzz」
「ねーねー。起きてよー。もう朝だよー」
「ん…zzz」
「んー。起きないとまたおかーさんに怒られるよー?」
「…今日は休日…だから…zzz」
「じゃあ私も二度寝するー!えへへ♥」
「はい…おやすみなしあ…」
「おやすみなさい…ってちがーう!いい加減起きろこのバカ息子!休日だからってだらだらするな!それとローズちゃんもなに一緒に寝ようとしてるの!この子を甘やかしても何もいいことなんてないわよ?」
「イヤー!起きたくなーい!」
「キャー♥」


昼。食後。
「ご馳走様でした」
「ご馳走様ー。お母さん今日も美味しかったよー!」
「あら、ありがとうねローズちゃん」
「母さん皿洗っておくよ」
「あら、あんたが動くなんて珍しい。ありがとうね」
「ローズも手伝う?」
「ありがとうローズ。だけどいいよ、ローズは休んでて」
「ははぁん、なるほどね〜。普段は自分からは動かないくせに、こういう時はちゃんとかっこつけるのねー」
「う、うるさいよ…!母さんは向こうで休んでたらどう?」
「はいはい。お邪魔虫は退散します。ローズちゃんも一緒に来る?」
「ううん。私セージと残る」
「そう。わかったわ。が来て本当によかったわ。ありがとね、ローズちゃん」
「?」


おやつ時。趣味の読書。
「ねーセージ。遊んでよー」
「んー?今良いところだから、この章が読み終わるまで待ってて」
「えー、つまんなーいつまんなーい」
「あっこら!服の下に触手を入れない」
「…むー」
「絡みつくのもダメ」
「うー!!」
「…本を粘液まみれにして読めなくするのももっとダメだからな?」
「えっ!?そ、そんなことしない…よ?」
「なんだ今の間は。あと数分で読み終わるから、それまで我慢しててな?」
「絶対に?」
「おう。たくさん遊んであげるって約束するよ」
「わーい!にゅふふー、何して遊ぼうかなー。楽しみー♥」


夜。就寝。
あっ、あっ!イイわ!貴方!もっと、もっと激しくしひゃあぁぁぁ♥♥♥!!
「…母さんたち今日も激しいな。なんだかもうすぐ新しい妹に会えるってのがあながち冗談とは思えなくなってきたぞ…。うわ、なんだこの複雑な気分は…。それにしても、」
「むにゅ…」
「こんなに母さんたち声が響いてくるのに呑気に寝てやがって…ほんと魔物らしくないやつ」
「ん…」
「まあ、俺としては気が楽でいいか…こいつの可愛らしい寝顔を見られるだけで今は十分だ」
…−ジ……
「しまった、起こしたか…?」
セージ…エヘ……大好きぃ………スー…
「なんだ寝言か…フフ」


「俺もだよ、ローズ」

君とのこの変わらない日々がいつまでも続きますように。
14/02/27 22:37更新 / 玄米茶

■作者メッセージ
皆様どうもはじめまして、玄米茶といいます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
初めてクロスさんのテンタクルのイラストを見たときに思いついたものを拙いうえに短いですが、ようやく形にすることができました。
たまにツイッターで呟いているちょっとした一発ネタとは違って、こういう風に形にするのはなかなか難しく、反省点も多くて早くも挫けそうになっていますが、またいつか自分の中の図鑑世界をこの場で発表できたらいいなと思っています。

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33