読切小説
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雷獣の雨宿り
まず、私の自己紹介からしよう、とは言っても、何の変哲も無い、そこら辺に居るタダの武器が好きな男の冒険者だ。
ジパング地方にある、カタナと言う剣を手に入れる為に海を渡ったのが当初の目的だった。目的は達成出来て、数本は貿易ルートを通じて故郷の知人に送り、私の主たる目的は終わった。ジパングを満喫している最中だ。

故郷とは違うどこか柔らかな色合いの四季と、寒暖が激しく移り変わり、木々が儚く色を変える、このジパングの景色に興味を持ってしまったのがいけなかった。
南東の平野は冬場は乾燥し、逆に北西の平野は冬になると雪が振る。複雑な季節風や山の配置などで数年おきに住まいを転々としていた。それが楽しかったのだ。
北国は雪の処理が大変で、暖かな地域に移ろうとジパングの南西側へと向かう最中に近道をしようと山岳地帯を突っ切ろうとした。登山は辛いが、天候に恵まれれば近道も楽だし、それだけ美しい景色があるのだ。

だが、その日は雷雨だった。夏場の山もあり、気候はとにかく不安定。生暖かいそよ風に、まるで無いに等しい小雨などは珍しくない。分厚い暗雲に太陽が閉ざされて、雷光がしきりに見える。
私の通っていた山道は既に廃れたらしく、かつての小さな宿場町らしき廃墟に入った。既に何年も使われてなかった様で、雲が来て本降りになる前に屋根の応急処置をし、天候が良くなるのを待つ。その準備が出来た。
その晩だ、ボロボロになった戸にノックと共に雷光で人影が見えた。戸を開けると、立っていたのは獣耳の着物姿の妖怪だった。薄暗いランプ一つの部屋に、赤い灯火よりも蒼白く明るく透き通る肌。髪の毛までもが深い蒼で柔らかく光っていた。
一目で妖怪だと判った。しかし、目を合わせると知的な顔立ちと艶やかな唇に目を奪われ、私は目を合わせて固まった。僅かばかり首を傾げて、丁寧に手を揃えて微笑む姿に害意が無いと思った私は彼女を中に入れてしまった。
雨宿りさせて欲しいと勝手に判断し、私も一人旅に疲れていた。そんな気持ちが彼女を許し、格好の餌食になってしまったのだ。
彼女は余りにも狡猾だった。私が囲炉裏に火を灯すのを待ち、お湯につけた布で彼女の体を拭いても、まるで抵抗せずに微笑んで受け入れていた。私もそれに違和感を感じなかったのは、ジパングの妖怪達は人間と共存するのが当然だったからだ。一部を全てと思っていたのが私の失敗だが。
彼女の体を拭いたら、始めて彼女は言葉を口にした。
「アナタの体も拭かせて下さい。」と。
断る理由などなかった。誰も見る者などいやしない。私の体もくまなく拭かれた。半勃ちの肉棒までもだ。しかし彼女は、体を拭くだけで留めた。いきなり男の体を拭かせろと言えば、警戒するのは当然だからだ。全て私が完全に警戒心を解く為の演技だった。
私のススの付いた手を洗い終わり、これから朝になるまで寝ようと言うと、私は寝転がる。数秒で雨脚の強さがうるさくなり始めた頃、彼女はそっと布音を立てた。だが、私は怯えることはなかった。私自身が期待していたし、これ程大人しい妖怪ならば一晩の仲で済むだろうと。
女豹の様に私にそっと這いよって、座っていた私は優しく押し倒された。するりと着物がはだけ、豊満な乳房と、吸ってこねくり回して欲しいと言わんばかりに丸く膨れた乳首が青白く光り、一層目を奪う。
見上げた彼女の顔は一変し、舌なめずりして、荒げた息と涎が顎から滴り、知的な顔は獣へと変貌していた。彼女の口が動く。
「いいのかえ?わてと交尾すれば命に関わるぞ?」
彼女の顔は変わらず、逃がす気はないのは目に見えている。しかし私は彼女の名前を聞きたい。こみ上げてくる劣情が、彼女の名前を叫びながら射精したいと吼える。
「君の・・・名前は?」
「そんなもの聞いてどうするん?」
「始めての相手の名前くらい、知っておきたくて。」
「・・・ふふ、ふふふ、童貞の癖にいいよる・・・気に入った。死ぬより苦しく溺れるぐらい愛してやろうぞ♥」
彼女は顔を近寄せた。
「靂那(レキナ)じゃ、壊れて忘れるでないぞ?」
「うん、覚えた。美しい名前だよ。」
「むふふ、雰囲気なぞ気にしておったらこの先持たんぞ?」
レキナに手を握られると、そっと握るつもりが、痺れと共に力一杯握ってしまう。
「うっ・・・?」
「わては雷獣・靂那じゃ。知っておるか?人の体は稲妻で動いておるのじゃ。」
「い、一体?」
完全にのしかかられて彼女の体が一層光を強くした。触れ合う体の箇所が痺れてくる。
「電が流れると体は縮む。それだけでないぞ、人の感じる肌も、全て体を流れる電によるものじゃ。」
彼女が私の胸板を人差し指でなぞる。小さな細い指なのに、指の触れていない範囲まで大きな舌で舐められる様な感覚に襲われる。
「さぁ、触るがいいぞ。」
腕を掴まれて乳房に掌を押し付けさせられる。何もしていないのに、腕が勝手に吸い付いくように揉みだした。
「あっ♥んっ♥どうじゃ?」
「柔らかい・・・」
何も意識していないのに指が乳首を弄りだす。自分にはそんな知識もないのに、知っているかの様にリズミカルに挟んだ乳首を摘み、軽く潰して転がす様に捏ね繰り回す。
「ン"んッ!!♥♥」
彼女は仰け反りながら体をビク付かせ、私の手の甲に手を重ねて離すまいと求めている。
「まさか・・・」
「ハァッ・・・♥ようやく判ったようじゃの♥」
雷獣が纏う電気が、私の体の筋肉を動かしている。彼女が私の手を動かして自分の乳房を揉ませていた。
「ふふ♥わてもずっとお主の体を拭いてる時に我慢しておったのじゃ♥食べとうて食べとうて・・・♥切なかったぞ♥」
既に彼女の膣はグショグショに濡れていた。
「わての中で・・・痺れさせてやろうぞ♥」
亀頭にあてがった瞬間、ビリビリと下半身が痺れて腰が浮くと、膣の中に滑り込む。
「ハァッ・・・!♥」
レキナは腰を落として仰け反る私の腰を床まで押し付けた。太股で腰をがっちりと挟んでくると、奥深くまで繋がって膣を締め付けてくる。
「さぁ一発目じゃ♥まずは蕩けさせてやろう♥」
キツく締められた膣を上下にまっすぐストロークし、肉棒と膣に触れ合う場所がヒダに加えて柔らかな毛に包まれる様な痺れが襲う。
強烈な射精感に襲われ、我慢しようと息を吸い込み止めようとした。その瞬間、愛液と混ざった先走りから尿道を通じて睾丸までもが痺れ、頭が真っ白になった。
「ん〜〜!!♥」
声も出せずに射精し、猫背になって彼女は膣を更に締め付ける。少しだけ腰を浮かせ、残さず精子を吸い上げる。
「あはぁ♥♥お主、最高じゃぁ・・・♥精子だけでイってもうた♥」
私は真っ白になった頭で何が起きてるのかを認識するのだけで精一杯だった。
「そら、口付けじゃ♥」
たわわな乳房が私の胸板に乗ると、温かいお腹と肩が触れあい、髪の毛が腕を撫でる。触れた傍からくすぐられるのと近い、仰け反る様な甘い痺れが全身を這い回る。
痺れに浸る暇もなく、唇が覆われた。甘い味に勝手に口を開けてしまい、なすすべなく舌を交わす。獣めいた長い舌が口の中の唾液を根こそぎ絡め取り、一度舌が戻ると唇が離れた。
「ぷはぁ♥んんっ♥美味し♥」
彼女の喉が動いた。唾液を飲んで満足げな顔をすると、再びキスしてくる。
「口を開けい♥」
頬を両手で掴まれると、お互い口を開けて唇同士で覆い合う。私の胸が縮み息を吐くと、彼女の胸が膨らみ乳房が押し付けられる。互いの息を循環させればさせるほど、耳から後頭部から背中と痺れが広がっていく。
甘い痺れが体の五感を奪って何も考えられなくなっていく。
「ふぅ♥いい顔になってきたぞ♥だが、まだまだ序の口じゃ♥」
上体を起こされると、彼女は腕を私の首に回した。私は応じる如くに痺れる腕を腰に回す。
彼女は額を合わせて来る。パリっとした小さな衝撃の後、頭の中に声が響いた。
(さぁ、ここからフルコースじゃ♥壊してやろうぞ♥)
神経の僅かな電位さえコントロールして擬似的にテレパシーまで使い、脳裏に彼女の悪戯な微笑みが映る。
乳首を合わせると弱い磁石の様に引き合い、ビリビリと快楽が頭まで届き、唇を奪われて呼吸のタイミングさえ乗っ取られ、力を入れられない自分の意思とは関係なく腕がレキナを抱きしめる。
彼女もまた嬉しそうに抱き付き、指の先までお互いが密着し、縮む体が互いを締め付け合う。抱きついたまま腰をくねらせ、膣を擦らせる度に痺れが強く、彼女の動きも深くなっていく。
声も出せずに射精し、射精感が収まり余韻になっても抱きつく力はより一層強まり、彼女の電気は止まらない。それどころか体で感じる痺れは更に細かく強くなっていく。
(どうじゃ♥まだまだ終らないぞ♥)
オデコをあわせて彼女の声が響く。虚ろな目を合わせると、また唇を奪われた。
乳首の痺れで体をビク付かせる度に膣の奥がキュンキュンと脈動する。膣の動きで彼女の思いが伝わってくる。出して欲しいと体が訴えている。
抗うことなど出来もせず、余韻の中で再び絶頂へと導かれた。最早体の触れていない足の指先や背中までもが甘い痺れに侵食されて指一本動かせない。
(よいぞ♥通じる様になってきおった♥♥どれ、本気で行くぞ♥)
彼女の声が唇を奪われたまま届く。直後に射精直後の絶頂が全身を襲い、彼女を切なく抱きしめる。
「あ"−!♥♥♥」
「・・・!?」
声も出せず驚く事しか出来ず、意図せず動く体の違和感しか認識できない。考える間もなく再び絶頂が襲う。
「イ"ッ♥あ"っ♥ん"ぅ〜〜〜♥♥♥」
彼女の声にあわせて絶頂が押し寄せてくる。何度も何度も、射精中、射精後の余韻に浸った直後の交互に、彼女のイキ声と共に。

・・・それが何時間続いたか判らない。考えることも出来なくなり、感じすぎて意識すらなくなっていた。

いつの間にか眠っている夢の中でもレキナが私を犯していた。何度も愛していると叫びながら、抱き合う心臓の音が不思議と聞こえる。



・・・・・・
・・・・・
・・・・


「・・・ハァ・・・ハァ・・・」
目が覚めると朝だった。レキナは自分の上にのしかかったまま、頬にキスする形で満足げな顔で寝ている。
酸欠の様に頭がボーっとする。彼女の電気は寝ている間は出ていないみたいだ。
「んふ・・・♥」
「うぁっ・・・!」
彼女が体の上で寝返りをすると、未だに体の痺れがする。乳首が擦れただけで射精しそうなぐらいに全身まで響く。
彼女の体をどかそうと腕を動かすだけで、触れ合う乳首や柔肌の感触で絶頂しそうになる。これでは動けないし、2〜3回イったらもうレキナを下ろす力も気力もなくなる。
痺れが治まるまで、しばらく休もうと再び眠りに付いた。

また夢の中で犯され続けて、目を覚ます。夕方になっていて、レキナが頬を舌で舐めていた。
「おー!起きたか!♥」
彼女は偉い偉いと私の頭を撫でた。
「どうじゃ?♥わての心臓マッサージは?夢見心地だったであろう?♥」
「う・・・」
彼女の体を見て、声を聞くだけで、脳裏に焼きついた彼女の劣情が溢れ出てくる。彼女の乳房に吸い付きたい、中に注いで抱き合いながらイかされたい。声に出せない程の劣情で肉棒がまた反り立つ。
「ふふ♥いい顔じゃ♥さぁ、もう一晩抱いてやろうぞ♥♥」
再びのしかかられ、口付けを交わす。
(お主の頭も心臓もわての思いのままじゃ♥何百回イっても死なせてやらんぞ♥)
それからまた意識を失い続けては彼女と抱き合い続けた。
テレパシーの夢の中でも、現実でも愛し合い続け、やがて私も磁力を帯びた鉄の様にレキナから離れられなくなったのだ。
15/11/07 03:52更新 / 鳥のヅョン

■作者メッセージ
新参一発目。2時間ぐらいで書いた雷獣様で王道の雨宿りシチュの一発ネタ。

シナプスの活動電位単位で電気を操れるとしたらって思いついて書いた。
テクノブレイクして心臓が止まろうが電流で心臓を動かせられるんじゃね?って発想が元。

とはいえ活動電位は超が付くほどの微弱だから、高レベルの電気制御能力を持たないといけないわけで、雷獣としてはレベルが高くならないと無理だと思う。
なのでのじゃ系口調で大分年季があるってのが靂那様。
長く生きてるので獲物を確実に捕まえられる様にある程度我慢や演技を覚えてる。勿論逃げ出しそうになったら電光石火でとっ捕まえて逆レイプだけど、本人が和姦好きで性根が優しいので自分なりの工夫だったり。
名前の由来はそのまま青天の霹靂。

雷属性は科学生物学的に最強な気がしてきたとか書いてて思った。物理学的に一番やりたい放題できる。

あらすじ概要を入れたほうがいいみたいなアドバイスを頂いたのでざっくり入れてみました。
他にもビビっとくるようなキャラが見つかれば読み切り系で書くかも。魔物図鑑の存在を知ったのも最近の新参なので、網羅できてないです。

拘束された上でラブラブに攻められるのが好きです。ぎゅって縛られて魔物娘に抱きつかれておっぱい押し付けられたのを優しく乳首を吸って答えてあげたい。
今回は雷獣という特筆上、授乳を入れられなかったから残念だけど、必殺技の呼吸交換キスは個人的に流行って欲しい。

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