誇りの果てに・・・

これは私がまだ勇者という人間の男を見たことがなく、人間に対して好意を抱くことさえ半信半疑だった頃の話だ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私はある遺跡への赴くよう任じられた。
その遺跡では武器や防具の材料として用いられる希少価値の高い鉱石が採掘出来ることから”勇者”が頻繁に出入りしているという。
その鉱石はとても美しく私たちドラゴンが好むもので何頭も幾度となく訪れたことがあるほどだった。
しかし長年の採掘によって鉱石は著しく減少し、資源の底が近いと判断されたため私たちドラゴンが保守することになった。

ゆうしゃ・・・

親や他の同胞からも聞いている。
人間の男に好意を持つ者もいると。
ひ弱な人間に好意をもつだと?
私はいろいろな奴の宝となった男を見てきた。
しかしどれも既に”所有物”と化しており、勇者としては見る影もなかった。
実際私の父親も人間だが彼は偉大だ。
なんたって私の母に勝利し私という子をもうけたのだから。
いずれにせよ
この遺跡には近いうちに勇者が来る。
じっくりと見極めてやろうではないか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ジャリッ!コッコッコ

俺は遺跡に足を踏み入れる。
この遺跡では我々勇者にとって重要な装備の素材が眠っている。
しかし近頃この遺跡にドラゴンが住み着いたらしく、何度も素材採掘のため勇者が派遣されたのだが誰1人として帰ってきた者はいない。
実際のところ俺はドラゴンがどういうものなのか知らなかった。
教団では伝説として語り継がれていたが、それによるとドラゴンは膨大な魔力を内に秘めていて魔王の交代の後も凶暴な姿を維持できるほどだとか。
つまり・・・”地上最強に最も近い存在”ということだ。
自分の剣の腕に自信がないというわけではない。
だが俺にとってそこは未知の領域。
油断は出来ない。
ドラゴン耐性は万全。剣の切れ味は抜群。
勇者は自分を奮い立たせながら遺跡の奥へと歩みを進める。

と、

「・・・・・・・・・ぃゃぁぁぁーーーー・・・」

ずいぶん遠くの方から悲鳴が聞こえた。
っ!!何があった?!
勇者は堪らず悲鳴のする方へ駆けだした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ぎぃぃやぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっっ」

目の前には悲鳴を上げる勇者。

バキッボキッメリメリメキョッ

悲鳴と同時に聞こえる骨が砕ける音。
弱い。
さらに胴にまわした腕に力を込める。

ぎゅぅぅぅぅっ

すると悲鳴はより一層大きくなり、骨の断裂音も激しくなる。
私の目前では筋肉隆々でいかにも屈強な中年勇者がベアバックされている最中だ。
なぜこのような状況になったのか
一言で言うと
隙だらけだった。
こいつは私を見つけると一度身構えるものの、女とわかってか嘲笑を顔に浮かべながらこう言った。

「貴様がドラゴンか、これはこれはとても強そうなお嬢さんだ」

ーーーーーーーーー刹那

私は一瞬でこいつの前に移動し腕を胴にまわし重たそうなその体を持ち上げた。
そして今に至っている。

「ドラゴンの誇りを傷つけた代償・・・高くつくぞっ」

ぎゅううううぅっ

今まで戦ってきた勇者の中でここまで不快な奴は初めてだ。
腹の底から黒いものが溢れてくる。
他の勇者は気絶させサキュバスとかいう下等生物の巣に放り込んでやっていた。
人間を殺す・・・というのは私に何か罪悪感を与えるからだ。
が、こいつはそうはいくまい。
粉々にしてやるっ!

バキッゴキャッメリメリナリッ

びくっ!びくっ!と勇者の身体が痙攣し始めた。
もう一息だな。
さらに力を込めようとしたその時

ーーーーーッコ・・・・ッ・・コッコッコ

こちらに何かが走ってくる音がする。
なんだ?

ダッダッダッダッズザァァーーーッ

そこに現れたのは容姿端正な1人の青年勇者だった。
手には剣と盾。
また、ドラゴン耐性として炎に強い防具を身につけていた。
視線がぶつかる。
私を見つめる鋭い目。
その時
私の中で例えようもない衝動が湧き起こる。
な、何だこの感じは?!
彼が・・
どうしても彼が

欲しい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺はその場の光景に一瞬戸惑った。
そこにはいかにも屈強そうな男をベアバッグしている女がいたのだ。
しかしその女の手足には緑色をした大きく鋭い爪。背からは緑色の翼。
そしてこの威圧感。
この姿はまさしく
ドラゴン。
彼女と視線がぶつかる。
彼女の鋭い目が俺を射抜き、その絹のような長い髪が俺を魅了する。
美しい。
彼女が普通の女性であればどんなに美しいことだろう。
そう思う。
しかし目の前にいるのは女の姿をした破壊神。
いくら女性でも相手はドラゴン。気は抜けない。
俺は武器を構えドラゴンを睨む。

「ふふ・・・やっと腕の立つ奴が現れたという訳か」

彼女はドラゴンとは思えないほど透き通ったガラスのように繊細な声でそう言った。
その声にも魅力を感じてしまう。
そんな思考を強引に振り払い、再び彼女の顔を見据える。
前の男との戦いからだろうか
頬が上気して見える。

「お前のような敏腕と戦えること嬉しく思うぞ」

そう言って彼女は腕で拘束していた男を自分の後方へと投げ捨てた。

ズッドォォーーーーーン

片手で投げたにも関わらず巨漢の男は数十メートル先の遺跡の壁に突っ込んだ。
想像以上の力。
しかしここで退いてはいけない。
獣の第一印象はとても重要だ。勝負の優劣を決めるほどに。
毛頭俺に退く気などないのだが。
しかしここは広い。
どうやらここは遺跡の核部分らしい。
こんな見渡しの良いところで逃げても、先程捨てられた男のようになるだけだ。
何はともあれ、ここでなら互いに周囲を気にすることなく戦うことが出来るというわけだ。
随分と派手な舞台を用意してくれたものだ。

「伝承通りの強さだな。お前がドラゴン・・・間違いないな?」

「そうだ。しかしお前達勇者は実に幸いだ。なぜならこの場所で私は本当の姿に戻ることはできないからな。」

彼女は不敵な笑みを浮かべながら答える。
本当の姿。
前魔王の時の姿のことだろう。
確かに・・・それは幸いだ。

「俺はただ戦いに来たわけではない。なぜドラゴンのような誇り高い種族が、我々下等な人間の行く手を阻むのか・・・まずそれを教えてもらいたい。」

彼女は俺の言葉を聞くと先程の不敵なものとは異なるどこか嬉しそうな微笑を浮かべる。

「やはりお前は今までのような屑ではなさそうだな。しかし礼儀として最初に名を名乗るのが筋ではないのか?」

随分と礼儀正しい地上の王者だ。

「ラルフ。ラルフ=レアリーゼ」

「ラルフか。私の名はエリシア。エリシア・D・クレイドル。」

「エリシア・・・覚えておこう。」

「先程の質問に答えよう。私たちは人間の行く手を阻んでいるつもりはない。むしろその逆ではないか?」

「我々がお前達の邪魔をしている・・・と?」

「そういうことだ。今回の件についても貴様ら人間の過剰な採掘を見かねての判断だ、悪く思うな。」

「・・・」

エリシアは少し憂いにも似た表情を浮かべたものの、次見たときのは出会ったときと変わらない表情に戻っていた。

「それでラルフ。貴様の目的は何だ?採掘か?討伐か?」

この質問に答えて良いものなのかどうか迷った。
しかし嘘をつくわけにもいかず

「・・・両方だ。」

素直に答える。

「欲張りな奴だな。」

エリシアは満足そうに言う。

「だが嫌いではないぞ?・・・それがお前の目的ならば仕方ない。こちらの準備は出来ている。」

彼女は攻撃態勢を整え、腕を左右に広げる薙の構えを取る。
俺は盾を背負い両手で剣を握り上段の構えを取った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

周囲は静まりかえり相手の呼吸が聞こえるのみとなった。

二人の呼吸が同調していく・・・

同調して・・・同調して・・・・

重なった

ーーーー瞬間。

両者が同時に地面を蹴る!
互いの間合いが一気に詰まりどちらの攻撃も当たる間合いに入った
先に動いたのはエリシア
左右に広げていた腕を振り抜き、大きく鋭い爪が目前を薙ぐ
ラルフはそれを読み素早くエリシアの背後に剣を振り下ろす
剣はエリシアの背を両断するとおもわれた
ーーーーーーが、エリシアは素早く身を翻す。
するとその回転により尾が撓りラルフの側部に直撃。

「がはぁっ」

そのまま地面に叩き付けられる。しかしすぐに態勢を立て直し自分を叩き付けた尾に突進、剣を振り下ろす。
剣の軌道と尾の軌道により尾の先が両断される。

「くっ」

ここで両者一旦間合いを取る。

「はぁ、はぁ、流石私の見込んだだけのことはある。実におもしろい。」

彼女は息を切らしながらも笑みを浮かべる余裕があるようだ。
対してラルフは先程地面に叩き付けられた事もあり意識が朦朧としている。

「ふぅ、ふぅ、そいつはどうも。」

辛うじて笑みを浮かべるラルフ。
両者は他愛もない言葉を交わした後再びぶつかりあう

「がああぁぁぁっ!!」

エリシアが炎をラルフ目がけて放射
彼はそれに素早く反応し背負っていた盾を構えブレスを遮断
そのまま盾で炎を押しながらエリシア目がけて突進。
しかし正面から突っ込んだのが不味かった。

「ーーーーーー!!」

「ふふふ・・・捕まえたぞ。」

いつの間にかラルフの胴に手が回され持ち上げられていた。

「いい声で泣いてくれ・・・ふんっ!」

腕に力が込められる。

グギャッ!バキバキッビキッ・・・メキキキッ

「あがぁ・・・がはっぁっぁぁ」

ラルフの体が潰されていく。
鎧、ガントレット、腰巻きにヒビが入り始める。

「ふふふ、ぁあ・・・んふふふ」

ぐぐぐぅぅぅぎゅぅぅぅっっ

エリシアはお構いなしに力を入れ続ける。
自身の破壊欲を満たすために。

この時彼女は見落としていた。
相手が兜を装備していること
そして自分がすっかり陶酔してしまっていることを。

「だりゃああああぁぁ」

ラルフはあらん限りの力でエリシアに頭突きをかました。

ゴスンッ!

「あぐっ・・・!」

「ぅおりゃっ!!」

彼はひるんだ隙を見逃さず、手の拘束から脱すると手短にある彼女の右角を切り落とした。

「くっ!・・・ふふふ・・・いい動きだ。もっと私を楽しませろ」

余裕の表情を見せるエリシア。
苦悶の表情を見せるラルフ。
二人は更に攻撃を繰り出す速度を上げ、ここから先は常人が目で追えないほどの激しい戦いが繰り広げられた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれからどれくらい切り結んだだろう。
教団での過酷な訓練を受け続けたからこそ今こうして立っていることが出来るが、それがなければ今頃地に伏していたことだろう。
何度も傷つき、何度も傷つけた。
そんな生死を賭けた戦いの中で俺はエリシアにどんどん魅了されていった。
彼女の戦う姿。俺へと向けられる熱いまなざし。彼女の全て。
相手が人間であろうとなかろうとそれは問題ではなかった。
俺は彼女を愛おしいと感じてしまっている。
今まで見てきた女性の中で一番美しいと。

「はぁ、はぁ、んぐ・・・はぁ」

「ふぅ、ふぅ、ふっ・・・ふぅ」

互いの荒くなった息だけがこの空間に響く。
俺はもう余力がほとんど残っていない。
おそらく次の一撃が最後になるだろう。
彼女もそれを感じ取ったのか次の一撃に全力をかけてくるようだ。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ」

俺はうなり声と共に剣の刃を片手でなぞる。
するとなぞった部分が光り出し、たちまち光の剣へと変貌を遂げた。

「んんっがはっああああああああっ」

それと同時に彼女も力を込める
彼女の両手は紅蓮を纏い、赤い大きな爪が形作られる。
この一撃でどちらかが死ぬかもしれない。
だが全力でなければ彼女は許しはしないだろうし、何より俺が死ぬかもしれない。
絶対に死なない!そして死なせはしない!

「「やああああぁぁぁっ」」

二人の全てがぶつかる
空間が白く染まり・・・炸裂した

・・・・・・・・・

・・・・・



い、生きてるのか?
身体は動かない。
首だけで周囲を見回す。
すぐ隣にエリシアがいた。

「ラルフ・・・生きてるか?」

「ああ・・・なんとか」

声が出るとは我ながら逞しいと思う。
手に何か大きなものが覆い被さっている。
これは・・・エリシアの手か・・・大きいな。

「ラルフ。私はお前が欲しい。欲しくて、欲しくて堪らなかった・・・」

初めて見る。エリシアの恥ずかしそうな顔。
その表情に俺は多少の安堵感を覚え

「俺もだ。俺も・・・お前が欲しい。」

そう言った。

「そう・・・か・・・」

彼女は嬉しそうに笑顔を浮かべた。

「ラルフ。私の巣に来い。」

唐突な言葉に思えるが魔物である彼女にとってこの流れはごく自然な流れ。
先程から俺に向けられる”欲しい”という言葉。
彼女の中の本能が叫んでいるのだ。
俺を手に入れようと。

「残念ながら身体が動かないんだ。」

「なら、私が連れて行ってやる。だから今は寝ろ。」

俺はエリシアの手に促され目を閉じた。
俺の意識が途絶えたのはその直後だった。

・・・・・・・・・・

・・・・・・・

・・・・・

・・・

・・

温かい。
そして初めて嗅ぐ臭い。
とても落ち着く・・・ハーブだろうか。
俺はゆっくりと目を開ける。
洞窟だろうか。岩肌が見えるが植物が敷き詰められていてとても温かい。
装備品は脱がされたようだ。
・・・そうか、エリシアの巣か。
ようやく理解した。あの遺跡での死闘の末引き分けに終わった戦いは俺から体力を根こそぎ奪っていった。
それで連れてきてもらったわけだ。ここに。
体力はすっかり回復していた。
俺はその事を確認するとゆっくりと起きあがった。

「目が覚めたか」

そこには戦ったときとまるで変わらない彼女の姿があった。

「腹が減っただろう。これを食え。精が付く」

彼女はスープを差し出してきた。
中には肉がふんだんに使われており彼女の食生活が窺えた。

「ああ、ありがとう」

俺はそれを受け取り口に含む。
力が更にみなぎるのを感じた。
俺は一杯飲み干すと何度もそれをおかわりした。

・・・・・・・

食事を済ませた頃

「ラルフ。お前が気絶する前に私が言ったこと覚えているか?」

少し顔を赤らめながら、それでいて真っ直ぐ俺を見つめる彼女の気丈さを俺は素直に美しいと思った。

「お前が欲しい。」

「そうだ。私は人間の男に好意を抱くなどあり得ない、そんな風に思っていた。だが実際私と同等の力を持つお前に会ったとき、私はお前が欲しくて堪らなくなった。これが愛おしい気持ちというのか分からない。だがこの気持ち・・・もう抑えることが出来ない・・・」

そう言うと彼女は一呼吸入れて

「・・・なぁ・・・私の全てをやろう。だからお前の全てをくれないか?」

彼女は上目遣いで俺を見つめる。
まるで甘えるかのようなその瞳。
俺はこの時悟った。
あぁ。俺たちは既に会ったときから
両思いだったんだ。と

「俺もそう言おうと思っていた。俺の全てをやる、だからお前の全てをくれ。」

この時俺の中にはとても大きな充実感で満たされていた。
これから起こるであろう至福の時を含めて。

部屋に衣擦れの音が響く。
二人とも一糸纏わぬ姿で寄り添う。

「今日からお前は私のものだな。覚悟しろよ、私は激しいぞ?」

そういうと彼女は苦悶の表情を浮かべ始めた。

「はぁぅ・・・ん・・あぁっ・・ん」

みるみるうちに手足が人間の手足に変わっていき、角と尾は引っ込み、翼は折りたたまれ完全な人間の女へと姿を変えた。

「はぁ、はぁ・・・魔力を最大限に抑えることでこの姿を維持出来るんだ」

そう言いながら彼女はこちらに更に近づき顔を寄せる。

「始めるぞ?・・・んむっ・・ちゅっ、はむ・・んあ・・・ちゅ」

俺の唇をついばんできた。
もう我慢できないと言わんばかりに激しい口づけ。
俺の前で平静を装うのがやっとだったのだろう
俺の唇を完全にふさぐと、彼女の長い舌が俺の口内に進入し躍動する。

「んんっ、くちゅくちゃ・・・こぽっ、きゅっ・・じゅっ」

舌は俺の歯一つ一つを舐め取り、甘美な彼女の唾液を送ってくる。
室内を支配する水鳴りの音と口に伝わる快感から俺の生殖器は痛いほどに大きくなっていた。
しかしそんなことお構いなしに彼女はディープを続ける。
最初俺の頭をつかんでいた手が首を伝って俺の胸板ので止まり、ゆっくりと俺を押し倒す。
体は床に押しつけられ逃げ場を失うと、彼女は追い打ちをかけるように舌の動きを激化させる。
俺の胸板に押しつけられていたのはいつの間にか手から彼女の良く発育した胸が押し当てられていた。

「ぐじゅ、ん・・・ぎゅじゅ、ぐちゅっ・・れろっ」

既に口以外の神経は麻痺していた。
だが彼女は犯し続ける。自分の気が済むまで。
どれくらいの時間が経っただろう。

ピタッ

突然彼女のの動きが止まる。
俺の口から舌が抜かれ、透明な糸が曳く。
彼女は自分の下腹に何かが当たっているのに気付きそちらに視線を向ける。
そこにはラルフの自己主張した生殖器が彼女の下腹を刺していた。
荒い息をしながらエリシアは悪戯な笑みを浮かべる。

「はぁ・・・はぁ・・・随分早い登場だな。」

そう言って彼女はラルフの生殖器の先を指ではじく。
それだけで逝ってしまいそうなほど”それ”は硬くなっていた。

「ふふふ・・・だがまだお預けだ。まだ私の準備が出来ていない」

そう言うと自分の秘所を触った。

「ラルフ。女の乳を揉んだことがあるか?」

「い、いや」

突然の質問に戸惑うラルフ。

「私が教えよう」

エリシアはラルフの手を取り自分の胸に押し当てた。
ラルフの手から溢れんばかりのその胸は、見た目と同様に柔らかくとても温かかった。

「まず乳房を手の中心に合わせ下から持ち上げるように手を動かせ、そして時折乳全体を揉むんだ。いいな?」

ラルフは指示通り行う。

「ん、・・・はぁ・・・んん、はぁっ」

喘ぎ始めるエリシア。
その声に更に生殖器を強張らせるラルフ。

「ん、つ、次は・・・ぁん・・乳房の、んん・・・先端を擦るように撫でろ、ふぁっ」

彼はもちろん指示通りにする。

「んぁっ・・・んっんっ・・・んぁ・・は、はぁん・・・ん」

喘ぎ声が更に増す。
加速するラルフの手。増大するエリシアの精。
それもまた長い時間続いた。
どのくらいした頃だろうか。

「・・・はぁ、はぁ、も、もういいぞ。」

エリシアの声を聞きラルフは手を放す。

「は、初めてにしては上出来だ・・・はぁ」

再び自分の秘所を触り「クチェッ」という淫靡な水音がしたことを確認すると、エリシアは艶やかな息を漏らし満たされた表情になる。

「次はこれだな。」

彼女の目の前には今にも弾けそうなぐらい膨張しているラルフの生殖器がある。

「待たせたな。だが挿した途端逝かれても面白くないな。」

エリシアは少し悩んだ末

「最初に口ですることにしよう。」

フェラ宣言をし、彼の膨張した生殖器をいきなり根元までくわえ込む。

「はむ・・・んふぅ、ん、んぅ」

彼女の生温かい吐息がラルフの下腹に当たり彼に更なる心地良さを与える。
生殖器の含まれた口内では舌が鈴口を執拗に刺激し亀頭腺に沿って舌を這わせることで生殖器の包皮をキレイに剥いた。
彼女は前に来る長い髪に手を添えながら顔を上下に動かし生殖器を刺激する。
この間も舌は器用に動き続け、鈴口だけでなく亀頭からサオに至るまでを刺激し続ける。

「ん、むふぅ、ん、ん、んぁ、んちゅ」

いやらしい音が当たりを包み込む。

「むぐっ、ふ、ふっ、ふまっ、んっ、ちゅぱっ、ちゅる」

時々口を離し、濡れたそれを啜りくわえ直す。
手は睾丸の入っている袋をかき混ぜ、時折指で彼の中心腺をなぞる。
初めてとは思えないテクニック。これが本能の成し得る技なのだろうか。

「あっ・・・ああっ・・・エ、エリシアっ」

エリシアは彼の声を聞きおおよそ察しがついた。
舐める前から随分膨張していたのだ。そろそろ一度目が来てもおかしくない。
そう思い彼女が刺激から吸飲に移行する。

「ちゅ、んぐ・・・くちゅ、ん・・・ちゅっ」

それからまもなく

「あ、あぁ・・・・・・・・っ」

じゅぶ、ぎゅっ、しゅっ、ぐちゅっ

一度目が始まった。
エリシアの口内に彼の甘い蜜が流れ込んでくる。
彼女は吸飲しながらも刺激を与えるのをやめず、彼の出したもの全てを飲み干していく。
彼はビクビクと痙攣し始める。
どうやら一度目が終わったようだ。
それを見てから彼女は生殖器から口を離す。
快感の絶頂に達した彼は今だ余韻に浸っているようだ。
目が虚ろで呼吸が激しい。
すると彼女はそんな彼を見て抑えようのない衝動にかられた。

「ラ・・・ラルフ・・・」

彼女の声に何とか返答しようとする。

「ど、どうした」

「わ、私はもう・・・我慢・・・出来ないっ」

ーーーーーー途端

エリシアは先程射精したばかりの力ない彼の生殖器を握り、ものすごい勢いでそれをしごき始める。

「あっ・・・あっ、くっ」

ラルフは堪らずうめき声を上げる。
すると彼の生殖器は瞬く間に硬くなり蘇生した。
それを見るや彼女はその先端を自分の秘所にあてがい一気に腰を

下ろした。

「ーーーーーーーーっ!!」

エリシアに声にならないほどの激痛が走る。
出血し、あまりの痛さに嗚咽を漏らしそうなほどに。
しかし今彼女を支配しているのは”本能”という名の魔物の中に住む魔物。
決して抗うことの出来ない自分の中の絶対的存在。
苦痛に顔を歪ませながらも上体をラルフに預け腰を振り続けるエリシア。
ラルフは目の前で喘ぐ彼女を見、又強く押し当てられている豊満な胸を見てさらに”それ”を硬くする。
エリシアは徐々に痛みを感じなくなり、快感だけが体内を駆け抜ける。

「あんっ、んんっ、あ、あ、ふぇぁ、ぅん、ぁん」

あまりの快感に我を忘れそうになる。
だが、そんなことをしてはラルフをこれ以上感じることが出来なくなってしまう。
それだけは、あん、絶対に、んぐっ・・・避けなければ・・・んんっ。

「ラ、ラルフ、あっ、ひんっ・・・ラルフっ」

エリシアは更なる快感を得ようとラルフにディープを求める。
彼はそれに応え彼女の口内を舌で犯す。

「ん、ん、んっんん、んんーーーっ、んっ」

彼の口内に響くエリシアの喘ぎ声と共に腰に来るしっかりとした重み。
そのあまりの激しさにラルフは二度目の絶頂を迎えようとしていた。
膣が締まり搾取の態勢を取る。
そして
二度目が始まった。

ぎゅるるっ、ぎゅん、じゅるん、じゅくっ、じゅ

再度痙攣するラルフ。
エリシアの膣に大量の”彼”が流れ込んでくる。
止めどなく、溢れんばかりに、海の波のように。
その感覚が彼女に更なる快感を与える。

「ああぁ!ーーーーーーーーっ!!」

そして彼女も彼の後を追うように絶頂に達した。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

「はぁ・・・んく・・・はぁぁ・・」

両者とも口を離し今まで制限されていた分まで呼吸を繰り返す。

「とても心地いい・・・。ラルフ私の中はどうだ?」

「あぁ・・・気持ちいいよ。」

荒い呼吸の中、振り絞るような会話が続く。

「そうか・・・なぁラルフ。もっと私を満たしてはくれないか?」

「もちろんだ。」

エリシアはラルフの言葉に破顔し、再び腰を振り始める。

・・・・・・

・・・



七度目の射精と同時に彼は気絶してしまった。
だがドラゴンの本能はここでの打ち切りを良しとしなかった。
実際人間よりも強靱な肉体を持つ私たちについてこれる人間なんてそうそういないだろう。
そう思いながら私は彼の上で腰を振り始めた。
再び新たな快感が押し寄せる。
病みつきになりそうだな。
そんな事を思いながらも、気絶しても尚私の期待に応えようと硬くなる生殖器を見て彼がどこまでも頼もしく、どこまでも愛おしく感じられた。

「流石私の見込んだ男だ。夜の技術は私の方が一枚上手だったが、期待に応え続けるお前の精神には負けた。結局私たちはどこまで行っても引き分けなのだな。ラルフ」

私の大切なパートナー。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これが私の初夜の出来事。
結局あの後私は更に彼から五回搾り取った。
いや、正確には私の精が尽きるまでこの強靱な肉体と本能は止めるのを許さなかった。
そしてそんな夜は今でも続いている。
他の種族では男の精を枯渇させない薬を用いる奴もいるらしいが、私はそんな下等生物の薬を使おうとは思わない。
それはドラゴンの誇り。
いつか彼の精がなくなるときが来るのだろう。
だがわたしは構わない。
精がなくとも私はこの習慣を続けていくつもりだ。
そうこれは


夫婦としての誇りなのだから。



fin



10/07/30 14:36 パっちゃん


今作は図鑑に載っていた内容を読み取り”互角の強さ”という特例な設定にしてみました。
宝になるわけでもなく。媚びられる訳でもなく。
あくまでドラゴンの気丈さに焦点を合わせて作ってみました。
[エロ魔物娘図鑑・SS投稿所]
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33