読切小説
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ある夜の出来事
               ○

  「アンタ!何やってんのよ!」

屋敷のある一室に甲高い叫び声が響く。

 「ったく、使えないわね…、この屑!」

叫んでいるのはこの屋敷の主だ。彼女は何時も怒りやすいことで有名だ。
そして、怒られているのは僕だ。
何故怒られているのかって?彼女の紅茶をティーカップに注いでる最中に誤ってお茶を零してしまったからだ。

 「…もういいわ、これを片づけて、とっとと出ていきなさい。アンタに居られると迷惑なのよ。」
 「はい、解りました。お嬢様」

僕はそう素っ気なく言うと、彼女はフンッと言って椅子にふんぞり返る。

 「今までお世話になりました。」

僕は彼女に一言別れの挨拶を告げ、屋敷を去った。

 「はぁ、やっちまったなぁ…。これからどうしようかな。家に帰ろうにも帰れないしなぁ…。」

僕の両親は僕がこの屋敷で働きだしてから間もない時に教団の人間に捕まり、殺されてしまったらしい。
僕の居た町は親魔物派の人たちが多く住んでいたため、昔から教団に目をつけられていた。
両親は恐らく、今回のような事態になるのではないかと予想していたのだ。だから僕を、反魔物派のこの街に稼がせに行かせたのだろう。その事に僕は心から感謝した。

 「…だけどこれからどうすりゃいいんだ?傭兵になるにしてもこの身体じゃ保たないだろうし、商売やるにしてもなぁ…。」

        ー夜。街のある酒場にて

 「いらっしゃい!…ってお前か。景気はどうだい?」

酒場に入るとマスターらしき男が声を掛けてきた。

 「上々、と言いたいところだけど、今は全然駄目だよ。」
 「おいおい、まさかあの屋敷をクビにでもなったのか?」
 「そのまさかだよ。こっぴどく怒鳴られて出てけって言われてね。」

苦笑しつつ席につく。すると彼はグラスに僕がいつも頼む酒を注いでくれる。

 「今日は奢りだ。好きなだけ呑め。」
 「いいのかよ。アンタだって生活厳しいはずだろ?」
 「うるせえな、そんなの気にせず飲みやがれ。」

僕が躊躇っていると、彼は無理矢理グラスを押し付けてきた。
僕はこの酒場の常連であり、彼はもう僕の友達のような関係である。

 「なら、ありがたく戴くぜ。」
 「おう、酒ぐらい景気良くグッといけよ?」

言われて、グラスを仰ぎ、一気に飲み干す。

 「かぁ〜、相変わらずいい飲みっぷりだぜ!見てるこっちがいい気分がする。」
 「おいおい、煽てても何も出ねぇぞ?」
 「馬鹿やろう。普通に褒めてるだけだっての。調子に乗るなって。」

いつも、こうやって彼と僕は夜の酒場で盛り上がる。

 「…で、どうすんだ?これからよ」
 「新しい働き口を見つけて、それで何とか切り繋いでいくよ。」
 「出来ることなら俺の酒場で働かせてやりてぇが、こっちにはそんな余裕ねぇしなぁ。もっとしっかりしていれば…」
 「勘違いすんなよ、これは僕の失態さ。自分で解決してみせるさ。じゃ、そろそろ帰るね。」
 「おう、また来いよ?」
 「あぁ、また来る。」

そう言い、僕は酒場を後にした。
今日の宿は何処にしようか明日からどうするか、何てことを考えていると後ろから声を掛けられた。
声を掛けたのは若い女性で、黒い髪に、少し日に焼けたような褐色の肌をしていて、服装は黒い、シンプルなドレスを身に纏っている。

 「お困りのようね。どうかしら私の所で住み込みで働かない?食事と給料も保証するわよ。」

今の僕にしてみれば美味しい話だった。住み込み、食事、給料…。どれも今の僕には必要不可欠なものだったからだ。
悩んでいると、そこで父の言っていた言葉が脳裏に蘇った。甘い言葉には気をつけな。必ず裏がある。

 「せっかくのお申し出ですが、僕はお断りさせていただきます。」

その言葉に彼女は、さも意外そうに目を丸くした。

 「貴方、自分が何を言ったか判ってるの?貴方はどう見たって生活に困ってる。それなのに」
 「それに、初対面なのにいきなりそんな話を振ってきたならば、普通は怪しみますよ。」

僕は彼女の言葉を遮り、そう断言した。
そして

 「今度、別な人に声を掛けるんだったら気をつけるんですね。」

と追い打ちを掛けた。そして僕は振り返り、また歩きだした。
彼女は「はぁ」と溜息を吐き、持っていたバッグから、黒い棒のような物を出し、僕の後頭部を殴った。

 「ぁがっ!?ぐっ…」

鈍い痛みが後頭部を襲う。そしてどんどん目の前が暗くなっていく…。

ドサ…

               ●

 「勧誘は失敗に終わってしまいましたか…。」

物陰から彼女より若干若い女性が現れた。

 「えぇ、ルミア。残念なことにね。この人、馬車に運んでくれる?」
 「はい、解りました。」 

ルミアと呼ばれた女性は、頭を殴られ、気絶している彼を引きずりながら、馬車に載せた。

 「さて、そろそろ帰りましょうか。教団の連中に見つかると厄介だからね」
 「では、さっさと退散しましょうか」

そう言うと、ルミアは御者台に昇り、馬を走らせた。

                ○

 「ん…、ここは?ぅぐ…!」

俺が目覚めたのは、石造りの、まるで牢屋のような部屋だった。
僕は服をはぎ取られ、そこに布を一枚被せただけの、あられもない姿にさせられていた。
そして、後頭部の痛みが、俺の意識を完全に覚まさせた。

チャリ…

という金属音が聞こえた。まさかと思って見てみると俺は首輪を付けられ、鎖で繋がれていたのだ。

 「くそっ、外れねぇ…!」

当たり前だが鎖は硬い金属だ。とても人間の力では引きちぎれない。しばらくすると、鉄の扉の向こうから、コツンという、足音が近づいてくる。扉の前で足音が止み、ガチャンという音とともに扉が開かれる。そこにいたのは、夜に、酒場の近くで会ったあの女性が居た。

 「やっぱりアンタか。」
 「えぇ、そうよ。さっきは手荒なことをしてごめんなさいね。ああでもしなければ貴方はついてきてくれなかったでしょう?」
 「だから誘拐したって訳か。高慢な奴め。」

そう言うと彼女はわざとらしく悲しい表情を作った。

 「ひどいわ、女性にそんな口を利くなんて…。これはちょっとお仕置きが必要かしら。」
 「そんなものを受ける義理は無い、さっさと鎖を解け。」

僕は彼女に構わず、鎖を外すように言ったが、当然、それを受け入れるはずが無く。

 「奴隷はご主人様にそんな口の利きかたをしてはいけませんのよ。」

そう言うと、彼女は、壁に掛かっていた紐状の皮で出来た鞭を手に取った。それを床に垂らし。妖しく微笑む。心なしか彼女の眼が紅く光っているようにも見える。

 「口の利きかたを知らない駄目な奴隷は、コレで調教してあげるわ。」

ビシッ

 「ぅぐっ…!」

言うが早いか、彼女は躊躇うことなくソレを僕の胸に打ちつけてきた。打たれた所に赤く線ができる。

 「うふふ、痛そうね。私が癒してあげる…。」

彼女はツカツカと僕の所に歩み寄り、胸に吐息がかかるまで近寄り、赤い線をなぞるようにゆっくりと舐めあげる。上から下へ。下から上へ。
舐められる度に痛みを感じていたはずの赤い線からはジワジワと快感が発生し始めてきた。

 「ぅあ、ぁあああ…。」

声を抑えようとしても抑えられない。
それほどの快感が僕を襲う。

 「ふふっ、気持ちよかった?貴方は知ってるかしら。ダークエルフの魔力は痛みをすべて快感に変えることができるのよ。さっきは魔力無しでやったから痛かったけど。魔力を込めて打ったらどうなるのかしらねぇ…。うふふ。」
 「ぅあああ…。」

彼女は更に鞭で僕の腕、太腿、腹を何度も何度も叩きつけてくる。
そのたびに止めどない快感が全身を駈け巡り、そして一カ所に集まり、僕のアソコはムクムクと膨れ上がってゆく。

 「あらあら、もうこんなにしてしまったの?堪え性のない奴隷ねぇ…。いいわ、イってしまいなさい。」

ピシッ、ピシッ、ピシッと下腹部、右足の付け根の内側と左足の付け根の内側を鞭で叩かれ、僕は彼女に屈服した証を僕のアソコから吐き出した。

びゅるびゅるっとどろどろとした精液をまき散らし、今の僕は荒い息を上げて横たわるしか出来なかった。

 「うふふ、随分と早漏ね。それほど気持ちよかったの?私はとんだ変態さんを拾ったらしいわね。」

彼女は嗜虐的な笑みを浮かべこちらを見つめている。
対する僕は全身が痺れるような疼きが走り、身悶えしている。

 「あら?まだ貴方のソコは元気なのね。」

言われて視線を落とすと、そこには未だに反り上がったアソコがビクビクと震えている。

 「嬉しいわぁ…。こんなに悦んでくれているなんて…。」
 「ち、違っ…、これはっ…!」
 「これは何なの?言ってご覧なさい?」

恥ずかしいことに、僕はこんな仕打ちを受けているにも関わらず、快楽を感じ始めてしまっている。

 「あぁ、そうそう。私の自己紹介がまだだったわね。私はアイリス・コーンフィールドっていうのよ。貴方のお名前は?」

彼女は突然僕を虐めるのを止め、話題を無理矢理変えてきた。

 「だ、誰が教えるかっ!」
 「良いの?そんな事言って。じゃあ仕方ないわね、この鞭を魔力無しで貴方を叩き続けてあげるわ。」
 「わ、分かった!教える!教えるからそれだけは止めてください…!僕はコウっていいます!」

先程、あの鞭の痛さを身に受けた僕は、最早逆らえるはずがなかった。

 「コウ、ね。良い名前だわ。じゃあこれから貴方は私の事はご主人様と呼びなさい。そうすれば痛いことはしないから。」
 「…はい、ご主人様。」

その言葉を聞き、彼女は恍惚とした笑みを浮かべた。

 「あらあら?どうしたのかしら?そんなにモジモジしちゃって。」

僕のアソコはさっきからお預けを喰らって、欲望のダムが決壊しかかっていた。

 「はぁ、しょうがないおチンチンだこと。いいわ。すぐにイかせてあげる。」

彼女は履いていた靴と靴下を脱ぎ去り後ろで手をつき、上半身だけを起こしている状態の僕のアソコを素足で踏みつけてくる。彼女の足は適度に柔らかく、そして温かい。
竿を擦られ根本から先端に向けて擦り、時折先端の敏感な部分を足の指でキュッと握る。

 「う、ああ、これ…、やばい…!」
 「ふふ、まだまだこれからよ。」

すると彼女は、僕の前に座り、僕と同じように後ろで手をつき、自由になったもう一本の足で竿と先端を刺激する。

 「も、もう駄目…。」
 「ふふ、イきなさい。いっぱい漏らしてしまいなさい。」

二度目の射精。二発目にも関わらず勢いは収まらない。そのまま溜まりに溜まっていた精を吐き出す。
それでもなお僕のアソコは勃ち続けたままだ。

 「凄いわ。そうね…、おいで、もっと気持ちよくしてあげるから」

彼女はずっと萎えない僕のアソコを見て、何かを考えた後、僕の鎖を外し、僕を誘った。
もっと気持ちよくなれる。その言葉に頭よりも早く身体が反応し、彼女の元へと四つん這いで向かう。

 「ねぇ、私のココ、挿れたい?」

彼女は自分の割れ目を二本の指で開き、訊いてくる。
僕が首を縦に振ると、僕を引き寄せ、一気に挿入した。
膣内は粘液でヌルヌルと滑り、肉壁は熱い。
挿入した瞬間、強烈な射精感がこみ上げて来た、それを必死で抑えている時、彼女の両手が僕の尻肉を揉みあろうことか菊口を指で円を描くように刺激してくる。
そうしているうちに、キュッと締まっていた菊口がヒクヒクと痙攣し始めてきた。

 「うふふ、お尻、感じちゃってるのね。」
 「…っ!」

図星を言い当てられ恥ずかしい思いがこみ上げる。

 「やっぱり、貴方の羞恥に染まった顔は素敵よ…。」

酔いしれるようにそんなことを言ってくる。
菊口を這っていた指がだんだんと中心に向かっていき、遂に、ツプリと入っていった。
異物を挿入される感覚に逃れようと腰を前に動かすと彼女の秘部に僕のアソコが深々と挿入され、あわてて腰を引くと今度は菊口に指が…、これの繰り返しだ。

 「あんっ、随分と積極的になってきたじゃない。」

行為が進むにつれ膣内はキツく締め付けてくる。そして僕のお尻では指が出たり入ったりする、挿入感と排泄感のとめどない快感が僕を襲う。

 「ご主人様ぁ、僕、もう駄目ですっ、イきそうです…!」
 「私もよ、一緒にイきましょう?」

お互いの動きが激しくなっていき、ついに二人は絶頂を迎えた。

 「はぁ、はぁ…」
 「気持ちよかったでしょう?」
 「はいぃ、ご主人様ぁ。」
 「これからもよろしくね、私の可愛い奴隷君。」

12/08/30 01:15更新 / 花林糖

■作者メッセージ
これが私の初の作品です。何分初めてなものであまり上手く書けた自信がありません。

それでもここまで読んで頂いた方がいるならばとても嬉しいです。

ご意見、ご感想などが御座いましたら、どうぞご遠慮なく…

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