私の名はフォトン＝レイカー。女勇者だ。

さて諸君、早速で悪いが小難しい前置きはやめておこう。

だいたい「女勇者」だとか「魔物化」だとかそういうワードがある時点でだいたいの話の流れは把握できているだろうからな。

だいたい諸君らの想像通り、

�@女勇者が教団から魔物討伐の命が下る。この時点で死亡フラグなんだけどな。

�A討伐に赴くも返り討ちに合う。フラグ以前に早速死んでるんだけどな。

�B快楽を植え付けられて魔物化される。←今ここ

見事なテンプレートである！！

つーか相手がリリムってわかってるのに女子5人パーティーでどうしろと！？
並みの勇者じゃどうあがいても勝てん事ぐらいわかってるだろうに。

裏でどんな権力争いしているのか知らんがあまりにもあんまりじゃないすか？

「つーかさー。おかしいだろ、勝てないとかオール女子とかそれ以前に。」

「だよねぇ」

双子のリリムは口々に言う。

見た目は15辺りの女の子。魔物は寿命が長いので外見通りの年齢であることはわりと稀なのだが。
ガサツな方が姉のアドレーヌでおっとりな方が妹のクリスチーヌ。

「お前ジョブは？」

「勇者だ」

「お前は？」

「僧侶です」

「僧侶よ」

「僧侶だ」

「僧侶やで」

「五人揃って!!魔物討伐隊!!!!!」

「待て待て待て待て待て待て!!!!!おかしいだろ!!!!!
なんで魔法で防御力上げたり味方を回復するしか能のない地味な僧侶が4人なんだよ!!
メンバー編成おかしいッ!!!!!」

「いや上司の命令だし。」

「お前の上司最低だな。同情するぜ。しかーし！テメェらが襲ってきたいじょう容赦はせん！！全員魔物化してやるぜ！テンプレ通りにな――！！！
ただしクリスちゃん！！てめーはダメだ!！！！」

「えー！なんでなんでー？」

「チョイスがおかしい―――ッ!!!!!
この前なんて国に裏切られた女騎士の相談に乗った時なんて無難にサキュバスとか騎士繋がりでデュラハンにしときゃいいのになんでクラーケンにするかな――！！？？」

「あの後『侵略、侵略ゥ!!』とか言ってノリノリで仕返ししに行ったよねー☆
超ウケるwwwwwwwww」

「イカ娘じゃねんだよ!!」

「でもアドちゃんだって人のこと言えるのかなぁ？」

「ど、どういうことだよ？」

「この前女勇者に襲われた時フェアリーにしちゃったじゃない。
しかも魔王城下町のペットショップで売り飛ばしたよね？398円で!
てゆうかこのssサイトでフェアリー化した勇者なんて初めて見たよ!!」

「えー、しょーがないじゃん。今月小遣いピンチだんたんだしさ☆」

「まさに外道！！」

………やっべー、チョイスにセンスが無いのとチョイスに悪意があるの

最悪だ！このままでは全員ゲイザーだのサンドウォームだの変な魔物にされてしまう！
なんとかして人形魔物に路線変更させなくては!!
サキュバスとかヴァンパイア辺りが無難か！

っておいィィィィィィィィ!!!!!
早速ダーツで魔物化チョイスしちゃってるよ！
そんな選び方すんなよォォォォォォォォ!!!!!

あ〜味方の防御上げたり回復しかできん地味な僧侶がゲイザーになっちゃってますから―！！！

っておいィィィィィィィィ!!!!!
ダーツで選ぶなァァァァァ!!!!!

あ〜味方の防御上げたり回復しかできん地味な僧侶がゲイザーになっちゃってますから――――！！！

うわ！！！僧侶�Aがケサランパサランにされてる！！！ケサランパサランにされてるシスターなんて初めて見たよ!!

まずい！まずいまずい！このままでは私も訳のわからん魔物にされてしまう！
なんとかして回避しなくては!!

「はーい!!!!!自分で選ぶ権利はありますか！？」

「「ありま―――す☆」」

「あるんだ！？よしやった!!!!!!ドラゴンになって空を飛んでみたいぃ―――ッ!!!!!」

「却☆下☆」

「却下しやがった!!!!!」