読切小説
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リリム様の旦那様は勇者様
『ねぇねぇあなた勇者でしょう!』

『確かに俺は勇者だが…』

『ふふ、嬉しいわ!魔界のすみにあるこんな小さなお城に
勇者様が遊びに来てくれるなんて‼』

『遊びに来た訳ではない。迷い込んでしまっただけだ。』

『あら、案外まぬけなのね。』

『うるさい!』

『そんな事より、私あなたにお話があるの』

『なんだ、世界を半分くれるとかいうやつか?』

『いえ、半分なんてケチなことは言わないわ。全部あげる』

『お前にそんな権限があるのか⁈』

『あっでも、あげるのは世界じゃないわ』

『じゃあなんだ?』

『私の全てを、あなたにあげるわ!』『いらん』

『っ、早!もう少しは考えてよ‼』

『 大体お前は、なんて種族だ』

『ふふ、じゃあ、なんだとおもう?』

『淫乱女』

『否定はしないわ』

『しないんだ…』

『ヒントはねぇ、サキュバスかな』

『サキュバスじゃないのか』

『正解はリリムというの』

『知らんな』

『だって魔王の娘ですもの』

『なに⁈』

『ビックリした?』

『当たり前だ!』

『ところで、勇者様』

『なんだ』

『魔物は好きですか?』

『…好きではない』

『じゃあ人間は?』

『嫌いじゃない』

『じゃあ自分は?』

『なんとも思わない』

『じゃあ…私は?』『嫌いだ』

『だから早いよ!』

『俺は勇者だぞ!ふざけるな!』

『いいじゃない、それに魔物のこと嫌いじゃないみたいだし』

『だまれ』

『えーじゃあ家族は好き?』

『ああ好きだ』

『友達は?』

『好きだな』

『動物は?』

『好きだ』

『私は?』

『好…っておい』

『あん、おしい』

『…大体魔物は自分かってすぎる』

『私に愛されたくてこんな所まできたんじゃないの⁈』

『くっ、この頭の中お花畑やろう…』

『お花畑なんて可愛いじゃない☆』

『話が噛み合わん』

『私はあなたに私の旦那様になってほしいだけよ』

『出会ったばかりだぞ…』

『最初の出会ったときのトキメキが大切なの』

『別に俺はトキメキなんて無かったが』

『どんな女性が好みなの?』

『おい無視するな!』

『ねぇ教えてよぉ』

『…俺の話をしっかり聞いてくれる女性だ』

『まさしく私じゃない‼』

『わかった、これからは馬鹿と呼んでやる。おい馬鹿』

『なぁに、あ、な、た☆』

『やめてくれ』

『そういえば名前を教えてなかったわね。私の名前は 『どうでもいい』

『だから早いよ!』

『俺とお前は敵同士だ。名前なんてどうでもいい』

『違うわ。夫婦よ!』

『もう帰る』

『ごめんなさい!せめてツッコミをちょいだい‼』

『お前と話していると疲れるんだよ!じゃあな‼』

『あっ、でも逃げられないわよ』

『えっ、ちょっ、この扉開けろ!』

『ふふふ、あなたに男と女の愛し方を教えてあげる☆』

『おい、やめろ!ちょっああああぁぁぁぁぁぁ……










あれから一ヶ月俺は幸せです。












11/12/31 15:21更新 / レベル1

■作者メッセージ
こんなくだらないものに付き合ってくださって
ありがとうございます♪───O(≧∇≦)O────♪

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