■タイトル:『とある境内にて〜いふ&あふたー〜』 ■作者:じゃっくりー -------------------------------------本文-------------------------------------
夏の蝉時雨が喧しく聞こえるまだ日が中天に届かぬ高さの時、陽炎がすでに揺らめき始めたアスファルトの路を帽子を被って進む背の小さい人が一人。
その人、見た目140位と背が低く顔立ちが整っていて一目見ただけでは男か女か判断しづらかったが、胸が無く男物のシャツと黒のハーフパンツサイズのカーゴを着ているので男なのであろうか?

「ふぃ〜・・・暑い・・・久々とはいえ・・・おぼえているかな? 白百合のヤツ・・・」
聞こえた独り言の声は変声期が過ぎたのか分からないほどのアルトボイスだったがどうやら男であっているようだ。

「・・・何してるのかな・・・白百合は・・・」
何か感慨に耽っているその男の顔は苦笑をして視線をまだ見えぬ神社に向けていた。

「・・・ん? 和弥か?」
「・・へ? あっ!」
何気なく歩いていたらその男にとって懐かしい顔が対面で同じ歩道を歩いてくるではないか。

「やぁ、久しぶり。」
「おぅ。元気だったか?」
まだ小さい頃白百合と共に脅かしていた一群の一人でよく共に遊んでいた親友の一人だった。
その親友とは小学校の転校のときに分かれたっきりだったがすぐ和弥に気付いたあたりやはり腐れ縁とはいったもの。

「・・・お、んじゃまたな!」
「うん、また!」
その親友と立ち話にてつかの間の再会をしていたがプップー、と車道側から車のクラクションが鳴ったのでそちらに視線を移すとそこには男が運転する車に人の女性が一人と魔物の女性が一人乗っていた。種族は恐らくワーウルフのようだ。
その人達の視線はついさっきまで話していた親友に注がれていてそれに気付いた親友は左で頭を掻きながら右手で謝罪の格好をして和弥に別れを告げた。
対する和弥も名残惜しむようにして親友と別れた。

そして再び歩き出した和弥は小さい頃良く足を運んだ駄菓子屋にてアイスとジュースを買って目的地である神社に向かって棒アイスを口いっぱいに頬張りながら嬉しそうに歩を進めていった。

やがて小高い場所の頂上に紅い大きな鳥居が見えてきた。

「あ、やっとついた♪」
和弥の歩は更に加速していく。小さい頃は上りきるのでさえ息が上がっていた長めの石段も高校2年の男子の筋力をもってすればなんと言うことはなかった。
最後の段を上りきり目の前に見えた景色は小さい頃の情景を切り抜いたままのようだった。

茅葺の本殿。
色がぼやけて所々赤が剥がれている鳥居。
苔むしても尚役目を全うするべく構えて座る狛犬。

ーーー何一つ変わらない。

「・・・スゥー・・・ハァー・・・はは、変わんないなぁ・・・」
心拍数を数回の呼吸で落ち着かせて神社の様子をみた和弥は第一声にそう呟いた。

良く見ると目の前の石畳をシャッ、シャッと竹箒にて掃いている巫女服の女性が一人いた。
その身長は160位と女性としては背が普通、しかしながらそのスタイルは巫女服の上からでも分かるほどグラマラスという反則ものだった。
胸下で締めているためソコが強調された服はどこかエッチな感じがした。ただし良く図鑑で見かけるほど大きくない。
そして何より目立つもの、そう。

絹糸の様な真っ白な髪を腰まで垂らし、その腰から尻尾を一本と頭の上にピンと立ったミミ。

それが彼女の象徴であり、そのような特徴のものはこの神社周辺に昔から一人だけ。
稲荷で、幼馴染で、悪友。
和弥は今すぐにでも走り出したい気持ちを抑えて彼女の名前を呼ぶ。


「・・・白百合。」


ピクン!


「・・・和弥・・か?」


俯き気味で顔がわからなかったが呼ばれてフッと上を向いた瞬間、和弥は心臓をつかまれた。
幼き頃の白百合の顔はそのままなのに線がはっきりして、少し釣り目になっていた。
その白百合からはもう少女の気配は消えうせて代わりに大人の色香を纏っていた。

「・・・うん、ただいま。」
「・・・うむ、おかえり。茶でも飲んでいくか?」
和弥はアレ? 、っと思った。コチラとしてはもっと感動してくれるのかなと思っていたのに実際はまるで参拝客の一人と接しているような態度だった。

「・・・えっと・・・」
「ナニを突っ立っているんだ? 早くコッチに来い。」
と言ってくるりと振り向き彼女の家である本殿にスタスタと歩いていく白百合だが尻尾がリズミカルに左右に揺れているところを見ると・・・まんざらでもない様子で。

仕方なく和弥も白百合の後に続いていく。
身長の差が20もあるので並んであるくと親子にも見えなくなかったのは余談。

そして二人は白百合が持ってきた茶にて本殿の階段に腰掛けて今までの事を赤裸々に語り合う。和弥にとって白百合は心許せる数少ない相手であった。

「学校はたのしいか? ちゃんと彼女はつくったか?」
「か、彼女なんて作らないよ!?・・・うーん・・・学校は楽しいけど・・・今進路に迷っている。」
和弥の口から彼女がいないことを知った白百合の口元は何か嬉しそうだった。

「まぁ、家庭事情が落ち着いてこれからはココの隣町にすむことになったんだ。」
「なら毎日来い。話し相手がいなくてつまらないんだ。」
「えぇっ!?」
「なんだ? 贄の分際で私に意見か? ん?」
そんな会話の中、白百合は顔をズイーッと和弥に寄せていくその目は眉尻を下げ如何にも不満そうであった。
唯でさえ会ってからずっとドキドキしていた和弥にとってコレはたまらず一気に気が動転して必死になって離れようとして終いには立ち上がって鳥居に向かい駆け出そうとする始末であった。

しかし。

「おっと・・・こんな美人を放って・・・何処へ行くのだ? 我が贄よ・・・」
「ひゃぅっ!?」
白百合がソレを許すはずも無く和弥はなんと白百合に後ろから抱きつれてしまった。
そして耳元で甘言を囁くようにして和弥に語りそのまま和弥の耳をハムッ、と咥えてしまった。
その甘い衝撃に和弥はさながら女みたいな声を上げてしまった。

「む? 女みたいな声など出して・・・ハムハムッ」
「あぅっ♪ ひゃん♪」
なおも執拗に耳を甘噛みしてくる白百合にとうとう耐え切れなくなった和弥は全身が脱力してしまいその場にペタンと座り込んでしまった。

「ふふ、暫くは立てそうにないな・・・よいしょ・・・」
「あひゅ・・・な、なにする・・・んだ・・・」
全身に力が入らずクテッ、となった和弥を白百合は小脇に抱えるようにして持ちそのまま本殿の奥に行ってしまう。
そして本殿の扉は固く閉じられた。


・・・・・・・・

・・・・・

・・・


「よいしょ。」
「うひゃっ!?」
ドサッ、と和弥が無造作に下ろされたとこはどうやら白百合の寝室のようだった。
和弥がクテッとした状態からあたりを見回そうと四つんばいの状態になって観察していると後ろからシュルシュルと衣擦れの音が聞こえてきた。
まさかと思い和弥はゆっくりと恐る恐る後ろを振り返ると?

「ふふ、昔からお前はこういう術とかにひっかかるな。」
ちょうど脱ぎ終わった白百合が最後の一枚をパサリと床に落とした瞬間だった。
和弥は恥ずかしさの余り顔を両手で塞ごうとするもその両手をガシッと途中で掴み取られ無理やり広げられた。
そしてドンドン近づいてくる綺麗な顔立ちの白百合の顔は少し上気していた。

「ふふ、十数年前はお前が怯えて興が冷めてしまい途中でやめたが・・・もうガマンできない。お前を食うぞ? ・・・十数年分の利子つきで・・・な・・・アムッ♪」
「あ、あ、・・・アムゥッ!?」
その瑞々しい唇から、恐ろしい言葉が放たれたはずの唇が和弥の唇を奪うのは刹那であった。
和弥は目に涙を溜めているものの実際はあまりの気持ちよさに耐えるのが精一杯であった。
そんな和弥の状況なんて知らぬと白百合は舌を深く絡ませてお互いの体液を啜りあった。
それと同時に少しずつ、でも素早く和弥の服を脱がしにかかった。

程なくして脱がし終えた白百合は口だけでは足らなくなったのか和弥の両頬をガシッと押さえ込みより深く淫らに舌と体液と更に全身を密着し体に絡ませてきた。

「・・・アムッ・・チュルルッ・・・っぷぁ♪ ふふ、どうした? ここは? 随分と元気にはねているじゃないか?」
「・・・プァッ・・・い、いわな・・・いで・・・っ」
「ふふ、どれ・・・ファムッ♪」
「あ゛ぁっ?! ぁぁっ! し、白百合っ、だ、だめっ! で、でちゃうよっ!」
唇を離し銀の橋がツツーッ、と互いの唇をつないでいたのがぷつっと切れる。
先ほどまでの情熱的なキスに痛いくらいに勃起した逸物は、密着していた白百合が面白いものを見るようで大切なものを慈しむような目でもある視線を向けられて更に固くなった。
白百合はそのモノを握ったかと思うとなんという早業であろうかソレを口いっぱいに頬張ってさもおいしそうに目を細めてソレを嘗め尽くす。

まだ彼女がいない=童貞である和弥にとってこれは非常に大きな快楽である。
そんな彼がもつ道理は無く、白百合はその瞬間をつぶさに感じ取り彼の滾りを白百合の口内の最奥にて受け止めた。

「んんぅっ?! んん♪・・・ングッ・・ジュルルルル・・・・」
「あぅ♪ ひゃぅ♪ん、んんんんんっ♪」
彼はあまりの気持ちよさに再び勃起しそのまま第二波を白百合の喉にたたきつけた。
それには少し驚いた白百合。
やがてできるだけ刺激を与えないようにして掃除をした彼女は少し不機嫌になりながらスクッと立ち上がり座ったままの和弥の口に少しばかり濡れた自分の下半身を押し付けた。

「勝手に二回もイって・・・誰がお前の、贄の主か確りと教えないとな・・・舐めろ。」
そう言うと白百合は両手で和弥の頭をギューッと自分の秘所に押し付ける。
和弥は先の大放出で呆けていたが白百合の言葉にちょっとした怒気が混ざっていることを感じ取り嫌々いわず素直に舐めていく。

「んぁ♪ んくっ♪ い、いいぞ♪ そ、そうだ、そこを・・・はぅん♪ もっと強く吸えっ♪」
そこには白百合の腰にまで手を回しより密着しようとする和弥とガクガクする膝で必死に耐えようとする為に掴んでいたはずの手を下へ押し付けるように和弥の頭を押さえつける白百合がいた。
その表情たるや和弥の愛撫がよほど的確につぼを得ているのかもうすでに眉尻は情けないくらいに下がり口は開き舌がダラリと涎と共に垂れ下がっていた。

「も、もういい♪ そ、そこまでにして・・・♪」
さらに声にも力なくそのまま白百合は「あぅ♪」と一言だけ呟くと全身と尻尾をピーンと張らせてイってしまった。
ヘナヘナと自分の上に座り込む形で、騎上位になって白百合は意識をもどして和弥の顔を両手で押さえて目と目を合わせる。

「・・・うまいじゃないか。んん? さて・・・では本番だ。」
「ちょ、ちょっとまってくれよ白百合っ。」
少し涙目になってはいるが勝ち誇ったような表情の白百合。いったばかりで敏感なはずの白百合がすぐ入れようとするのであわててソレを止めようとする和弥だった。

「待つ? 待つだと? ・・・和弥。お前のせいで私はまだ尾が少ないんだぞ? わかるか? 今日のこの日をどれだけ待ったと思っている! この尻尾のせいでどれだけ同属たちから恥をかいたかわかるかっ?!」
「え、えっと・・」
クワッ、と威嚇するかのように激情のまま半ば八つ当たりのように言う白百合にたじたじな和弥。そしてすぐさま怒りの篭った八重歯むき出しの表情から一変して何かの期待に満ちた熱を帯び、艶めかしい表情で和弥の逸物を静かに己の秘所へ導いていく。

「ふふふ・・・さぁて、楽しみだ♪ 楽しみだ♪・・・・・・・・・んぁぁぁぁっ♪」
「うぁっ! き、きついっ・・・!」
一気にストンと落とされた腰からは少量の血が出ているのだが二人ともソレに気付いていない。
白百合は蕩けきった表情にハァハァと激しく息を漏らし、嬌声を発しながら今まで溜め込んでいた思いの丈をぶつけるように激しく上下し、和弥はあまりの快楽に歯を食いしばって耐えている。
だがそんな様子を見た白百合は腰の動作を止めて前に倒れこむようにして和弥に覆いかぶさり口の中を蹂躙し始めた。
それに伴い再び腰の動きを続行し今度は動きにグラインドもまぜてきた。

「ハァン・・・アムッ!?」
「ンクッ♪・・・チュルル♪・・・・ンンンーーー♪・・・ンフ♪」
これには溜まらず和弥は本日3回目となる爆発を白百合の中に放った。
白百合はその爆発を嬉々として受け入れていた。
キスしている口から和弥が啜りきれなかった白百合の体液がツツー、と和弥の頬を伝って下の布団を更に湿らせていた。

「っぷぁ! ・・あぁ、これ・・これなのぉ♪・・・もっと・・・もっと和弥のちょうだ〜い♪」
「っぷぁ! ・・・ま、まってまだいったばかりで・・・はぅあっ!?」
流石に3回も精を出すと萎えてくるのが男だが、白百合は処女だったとは思えぬ膣の締め付けを行い再び和弥を勃起させた。

「うふふ〜♪ わたしに♪ 出していいのは♪ 和弥っ♪ だけだもんっ♪ だかりゃ♪ もっと、もっと〜♪」
尚も腰を振る白百合はとうとう本音が出たようで、ギュッと和弥に抱きついてソレをささやいた。

「・・・白百合・・・よいしょっと。」
「きゅぅぅん♪ 奥、奥にあたってりゅ〜っ♪」
それを耳元で囁かれた張本人はみるみる力が漲ってきて騎上位かの状態から白百合共々横に転がって和弥が上の正常位に移行して更につながりを深くした。
勿論腰の動きは止めない。

さらに締め付けが増す中を耐えながらうまい具合に白百合の体をずらし後背位にうつり更にもっとも深いところを抉るようにして突く和弥。
白百合も感じているようだが如何せん魔物と人とではスタミナが違うためこのままでは和弥のほうが再び放ってしまうだろう。

と、和弥が思っていたところになにやら目の前を左右に行ったりきたりするものが?

「ハァハァ・・・エイッ♪」
「きゃふぅぅぅん♪ らめぇぇ♪ しっぽぉぉ♪ しっぽはらめぇぇぇぇ♪」
キュンキュン締まっていたナカが尻尾を握ったことで更に締まり痛いぐらいに締め付けていた。
和弥も出そうだったが今の和弥の思わぬ攻撃で一気に絶頂近辺まで引き上げられた白百合。

「い、いくよっ! しらゆりっっ!!」
「き、きてぇぇ♪ いちばんおくぅ♪ しきゅうのおくちにぃぃ♪ ・・・・・・・・キャウゥゥゥゥン♪」

やがて2人はとうとう果てた。
そしてソレと同時に気絶してしまった。

外ではもうヒグラシですら泣き止み、静かに月の光が降り注ぐだけであった。


・・・・・・・・

・・・・・

・・・

「・・ねぇ白百合?」
「な、なんだ? 贄よ・・・」
気絶した後ほぼ同時に白百合は顔を紅くしてそっぽを向いてしまった。
そんな白百合に和弥は優しく問いかける。

「僕は・・・小さい頃から君しか見ていなかったよ? でも白百合は僕のこと贄としか思っていなかった?」
「ち、違うっ!! 和弥っ、わ、私も・・・小さい頃から好きだった・・でも和弥・・・ずっと子供の頃からもててたんだよ? ・・・それで急に引っ越していっちゃって・・・もしかしたら他の子に盗られちゃうんじゃないかって・・・今日会うまでどれだけ心配したのか・・・」
「じゃあ贄って言い方は・・・」
「・・・そういったほうが・・・和弥が近くにいる気がして・・・」
背中越しでも分かるくらい肌を紅くして耳をペタリと垂らしてモジモジする様は普段の白百合からは考えられなかった。

ギュッ

「・・・・ははっ、結構心配かけたんだね。ごめんね?」
「・・・ううん、いいよ。・・・嬉しい♪」
そっと近づいて後ろから抱きついた和弥の柔らかい抱擁を白百合は前に回された腕を強く抱くことで気持ちを返した。

そんな中、和弥は「・・・うん、決めた。」と呟くと白百合にこういった。

「白百合、僕さ『神道』の道に進路を進めるよ。」
「・・・え、そ、それって・・・」
「少しでも長く白百合と一緒にいるために・・・ね♪」
その言葉を聞いた白百合は嬉しさの余り振り向いて和弥に抱きついて尻尾を大きく振って声を上げて泣いたそうな。










数年後・・・


「ん? ・・・おぉ! 和弥と白百合からか?!・・・・何々?」
かつての悪友や親友たちの元に2人の写真が載った葉書が届けられた。

その手紙には簡単にこう記されていた。



『僕達、結婚しました。』




ーーーーー和弥、白百合。末永くお幸せに♪ーーーーー


【完】 ------------------------------------------------------------------------------