■タイトル:『雨の日には何かある♪』 ■作者:じゃっくりー -------------------------------------本文-------------------------------------




サァァァーーーーーーー・・・・



今日は天気予報で大雨が出ていたが・・・夜にそのとおりになった。


「・・・はぁ、傘・・・如何しよう・・・」
この溜息をついて商店の軒下でたたずんでいる男・・・『加藤 芳樹(カトウ ヨシキ)』は大変お人好し・・・親切・・・いや、【親切過ぎる】男であった。
「あっ、不動産の資料・・・・会社に忘れてしまった・・・」
・・・そして少し抜けてもいる。


なぜ傘の無い状態になっているのか?
それは数分前・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・

・・・

「えっ? お金足らなくて帰れない?・・・んん〜・・・・どうぞ・・・」
「あ、有難うございますっ! 」
まず駅前にて飲みすぎて金が無くなったというキャリアウーマンを助けて・・・・

「えっ? 酔いが回って動けない? ・・・んん〜・・・・どうぞ、肩に手を掛けて・・・」
「うぅ・・・す、すいません・・・・」
ベロベロの酔っ払いを近くのタクシー乗り場まで連れて行ってあげて・・・

「えぇっ?! 喧嘩ぁ〜!?・・・・しかたない・・・仲裁を・・・」
「あ゛ぁん? にぃちゃんも文句あんのか? #」
「お゛ぅ!! 邪魔すんなやっ」
酔っ払い同士の喧嘩に【ボロボロに為りながらも】仲裁をして・・・

そして・・・

「えっ? 傘が誰かに盗られた?・・・・じゃあ、この傘使ってください。」
「・・・いいの、おじちゃん?」
ちょっと心に【キズ】を負いながらも塾帰りだろうか・・・泣いていた娘に訳を聞いて傘をあげた。・・・・【貸し】でなく、【あげた】。

そして・・・雨が降り始め・・・

冒頭に至るわけである・・・

・・・・・・・・・

・・・・・

・・・

「はぁ・・・走るか・・・・うち、すぐソコだし・・・」
と、足を踏み出したところで・・・

「・・・ん? 電灯の下に誰かいる?」
そう・・・暗くてぼやーっとしているが・・・そこには確かに『誰かいた』・・・


・・・・『びっしょりと雨にうたれながら』・・・・

「わわっ!? ちょ、ちょっと?! 傘差さないでどうしたんですか?!」
それを確認したら慌てて近づく芳樹だが・・・

「んぅ〜? ・・・あぁ〜・・・なんか気持ちいいのでぇ〜」
「ダメじゃないですかっ・・風邪ひいてしまいますよ!?・・・しかも『女性』なのに雨に濡れていては・・・その・・・目のやり場に・・・・///」
なんとその女性は薄い着物のみ着ていた・・・きれいに着ているあたり普段着としているのだろうか・・・・彼女の胸の先端が・・・透けていた・・・・

「とっ、とにかく・・・はやく家へお帰りになったほうが・・・」
「・・・実は・・・家・・・ないんです・・」
早々の帰宅を進めるが、なんと彼女・・・家無しだった・・・

そのとき芳樹は・・・このあとの事を決定付ける『一言』を言ってしまった・・・



『そうなんですか? ・・・じゃあ・・・うち、近くなんでもし良かったら服でも乾かしていかれませんか?』



「・・ふふふ・・・・・えぇ、ご迷惑でなければ・・・」


・・・あわれなり・・・・



・・・・・・・・・

・・・・・

・・・

家に着いた芳樹は着替えもそこそこに彼女に暖かいコーヒーと大き目のタオル、乾かしたばかりの大き目の『Yシャツ』を渡した。

「ごめんね・・・他のは全部洗濯機の中なんだ・・・」
「いえ〜お構いなく〜・・・・はぁ〜♪ あったか〜い♪・・・」
ズズッとコーヒーを飲む彼女・・・・だったが・・・

「(・・・あれ? 心なしか・・・・・肌が黒くなっていってないか?)」

そう、口周りから少しずつ・・・比喩ではなくて本当に黒く【染まって】いるのである・・・

「あ、あれ? き、君・・・・人間さん?」
「はぁ〜♪・・・あっ、申し送れました〜私ぃ〜『ぬれおなご』の『怜(レイ)』・・・と、もうしますぅ〜・・・」

・・・・人じゃなかったしっ!!

「あのぅ・・・お名前・・・」
「あ。自分は加藤芳樹っていいます。・・・しかし聞いた事のない魔物ですね・・・」
ちゃんと律儀に返すのがイイ人クオリティ。

「この周辺にはぁ〜まだあまりぃ〜いらっしゃらないですからぁ〜」
「どんなのが特徴なのですか?」
「ん〜と・・・・えい♪」
と、彼女が可愛く念じると・・・

「なっ・・・フリルのエ、エプロンっ・・・・ただしぬれてるっ!?」
「あとは・・・えい♪」
「おぉっ?!・・・・ビ、ビアガール・・・ただしぬれてるっ!!」
・・・と、一通り『コスプレ☆濡れコレクション』を堪能した芳樹だった・・・

「・・・という風にぃ〜着てるものをかえられるのですぅ・・・ただし全部ぬれていますけどぉ〜」
「な、なるほど・・・」
・・・鼻を押さえて迸りを押さえ込む芳樹・・・・全然かっこつかない・・・

「ということでぇ〜お互いのことがわかったわけですしぃ〜・・・これからよろしくおねがいしますねぇ〜・・・・・あ・な・たっ♪・・・・きゃっ///」
「・・・ゑ?」
「じゃあ〜早速・・・まずは体でご奉仕いたしまぁ〜すぅ〜♪」
・・・怜は体を従来のスライムみたくして芳樹の下半身を・・・




「え、ちょ・・ちょっと待っt・・アッーーーー」




・・・・後に語る芳樹は・・・
『あれを受けたら人の女になんて絶対なびかないね♪』
・・・一体どんなプレイをしたんだっ?!


・・・・・・・・・

・・・・・

・・・


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ここはとある複合マンション。
ココでは様々な会社と住宅が軒を連ねる建物・・・その一手を任されている会社がある。
その会社は『不動産業加藤株式会社』。
不動産とは名ばかりで、実質・・・建築、レジャー、飲食、株売買と多種多様な業種をまわしているマルチビジネス会社である。
その社長『加藤芳樹』には『妻』と『10人の子供』がいる。
妻とその子供達は家事どころか『清掃業』をはじめていた。

もし興味があるならアナタも行って見るといい。
『親切な社長』と『大和撫子な妻』、そして『奥方に引けを取らぬほど美しい子供達』がアナタのことをお待ちしているだろう・・・


FIN ------------------------------------------------------------------------------