■タイトル:『跪け、しなくても与えてやる』 ■作者:じゃっくりー -------------------------------------本文-------------------------------------


「はぁ〜……あのクソッたれファラオの野郎がっ!」
日中、まだ日が中天こえない頃。
ガンガン日が射す猛暑の砂漠。
ズルリズルリと自慢の体をくねらせて、ゆっくり進む女性が一人。
……否、魔物娘が一人。
暴言を吐き、悪態をつくかのように時折砂の山へと下半身の蛇体を打ち付ける。

「なんなのよ! 人の事を云百年も封印して……今さら開封とかっ!!」
白砂の地面に対照的な黒い鱗。
背中から見たシルエットはまるで……大きな大きな毒蛇である。
コブラを思い浮かべるような幅の広いエラ(?)とも見える部分の上、ティアラのような髪飾りには赤く光る玉が二つ。
……否、体中の至る所に赤く怪しく光る玉があるのだ。
また魔物娘、というだけあり上半身へと視線を向ければまさに妖艶な美女である。
肌は紫色という人外らしい肌の色で赤く長く伸びる爪、腰を振り続ける為にできた芸術的なくびれ、縦に割れた腹筋。
不機嫌な表情の目はやはり白くなく黒く、琥珀色の瞳の中にある瞳孔は縦に狭く裂け、ラミア種やエルフ種などと同じ尖った耳が時折ピクンと跳ねる。
……よほどご機嫌ナナメらしい。

「あまりにも長い間封印されて記憶が曖昧だし、何か気持ち悪い気分だわ……」
はぁ、と溜息を幾度となくつく彼女は腕を交えて組んで、また溜息を吐いては組みほぐし……何度も何度も。
爪が食い込むほどに腕を握っては離す。

「ぐぅぅ、憎きファラオの顔が思い出せないッッ!」
そのたびに豊満なバストの頂、乳首に装飾された銀細工の鈴が鳴る。
リリーン、ズリズリ、リリーン、ズリズリ…‥。

「うぅ、私自身が雄だったか雌だったかすら……あぁ、気持ち悪い……でも覚えているわ、私を封印した時に使っていたあの錫杖……あれだけは!!」
頬にあたる風。
彼女の黒から緋色へと変わるグラデーションのかかる1メートル以上もあるストレートのロングヘアーがさらりと流され、砂が舞う。
しかし一寸も反応を示さない彼女。
……それどころではない、と言うことである。

「まぁ何れにしても……確りとオトシマエをつけて貰わなくっちゃ、ね? ふふふっ……」
葡萄の実を思わせるほどの瑞々しい藤紫の唇が歪に曲がる。
そして進行が止まった。

「もぅ片っ端からファラオを堕としてやるわ……あら?」
彼女の鋭い眼光の先には、果たして大きな砂漠のど真ん中にあった。
……詳しく言うなれば巨大なオアシスと化したピラミッド、である。

「こんな所にこんなに大きな都市が……ふふふっ♪ さぞかし名のあるファラオのようね」
そして再び彼女は進む。
先ほどよりも早く。
風のように。



しかし、彼女はこの街にとって招かれざる客人である。



あっと言う間に彼女は土壁の大門へと到達したわけだが、すでに発見されていたらしく物々しい装備の男や魔物が彼女を待ち構えていたのだ。

「待つにゃ!」
「おい止まれっ!!」
「おぃ! 誰かファラオ様に報告だっ!!」
街の入り口、防砂の為に設けられた入場門から出てくる出てくる人、人、人!
門番として普段不真面目なスフィンクスですら真面目な顔して威嚇する。
また一人、また一人……増え続ける人数はとうとう20人を超えてしまった。

「あら? 随分手厚い歓迎なのね?」
「お引き取り願うにゃ」
「何故? 私はちょっとファラオに挨拶をしたいだけなのよ?」
黒い瞳の主はニンマリと頬を緩ませる。
対峙しているファラオ勢にとってはあまり宜しくない笑顔である。

「アンタらアポピスがファラオに近づくとろくなことが無いんでな!」
「あら心外ね? 私は皆して気持ちよくなれるようにしているだけなのに」
「それが余計なんだッッ!」
街の平和を守る為か、普段内政をメインにするアヌビスも現れ彼女に対して凄まじい剣幕で威嚇を始めた。
逆毛を立てる尻尾をブンブン不規則に揺らし、錫杖をアポピスめがけて突きたてるその様子は大変勇ましい。
普通の人がそんな彼女と対峙してしまえば尻もちついて後ずさるだろうが、アポピスの彼女はと言うと?

「あらあら、かっこいいワンちゃんね♪」
どこ吹く風である。

「ぐぬぬっ! 引かないのならば力ずくでお帰り願うが、よろしいかなっ!」
「あらあら怖い怖い。ならば……『麻痺せよ』」
「なっ!?」
撃退せん、と彼女目掛けて走り出したファラオ勢に対しての一言。
たった一言彼女が発しただけだというのに、彼女に顔を向けていた面々は力なく地面にへと突っ伏してしまったではないか。

「か、体が、ッッ!?」
「カプッ……ふふ、ちょっとした魔法は使えるのよ? では……堕ちなさいな♪」
「わ、わふぅ!? キャィィン!?!?」
「ニャァァァァ!?!?」
顔を伏せてしまった敵に対して彼女はゆっくり這いずり、時折魔物娘だけ体を持ち上げては首元に何かをしていく。
そして手放し、這いずり、また別の魔物娘へ。
マミー、スフィンクス、マミー、マミー、スフィンクス……手当たり次第に、漏れなくアヌビスを残して全員何かをされたのだ。
そして舌なめずりをして見下ろすアポピスの目の前には先ほどまで威勢よく啖呵を切っていたアヌビスが周りと同じように突っ伏していた。
彼女は上体をゆっくりと傾け、乳首についた鈴をリンとならしてアヌビスの耳元にて何事かを囁き、彼女はアヌビスの両肩を鷲掴んで無理やり起こしあげた。
目の焦点がはっきりしないアヌビスを見てまた不気味にニンマリ黒い笑みを浮かべ、彼女はゆっくりと口を開ける。

徐々にその紫の唇から覗く白く鋭い毒牙がアヌビスの汗をふくんでしっとりした褐色へと近づいて、毒牙の先から滅紫(けしむらさき)の液がポタリポタリ……その液をアヌビスにへと差し入れた。

その途端、アヌビスは全身をビクリビクリと痙攣させ、股間からは大量の愛液が噴き出したのだ。
しかしその現象はアヌビスだけではなく、今までアポピスの彼女が通った魔物娘全員に同じ症状が出ていたのだ。

「さぁ、愛しの彼にたっぷり愛してもらいなさい♪」
「は、はいぃ♪ アポピスさまぁ♪」
「麻痺はあと数秒で解除されるわ。ふふっ、たっぷり愛し合いなさいな♪」
今まで抱えていたアヌビスをそっと地に下ろした瞬間にアヌビスは弓から放たれた矢のように動き、近くに横たわっていた男性を仰向けにしてそのまま上へとまたがり行為を始めてしまった。
また一人、また一人。
その喘ぎ声はどんどん大きくなっていくのだが、アポピスの彼女はそんなこと知らぬと悠然と門の下を潜ってまんまと街へと侵入したのだ。

「さて、ファラオはどこかしら?」
優雅に這いずりながら、時折魔物娘に対して毒牙を突きたてながら、ながらながらのままに彼女は街を闊歩する。
しかも態態ファラオがいるであろう中心へと向かわずに街の外周からまるで蛇が蜷局を巻くようにグルリグルリとゆっくり進む。
少しずつ範囲を狭め、街中の嬌声を大きくさせ、漂う淫臭を濃くさせながら。



「やっと着いたわ」



一番大きな建物、ピラミッドに着くころには街で交わっていない魔物は一人もいなかった。
ピラミッドを守っていたであろう二人のリザードマンも今では共にいた男に壁ハメされている始末である。

「何をしに来た、蛇っ!」
「あら、随分と立派なファラオちゃんだこと」
勿論ここまで公にしていれば出てこないはずがなく、ピラミッドの奥から優雅な立ち振る舞いでやってきた。
そう、治世者であるファラオが。

「……あら?」
「な、なんだ?」
煌びやかな服飾で日の下に出てきたファラオ。
しかしアポピスの彼女はファラオの手に持っている錫杖を見て怪訝な表情へとなってしまうが、どうしたのだろうか?

「アナタ、まさか…永い眠りになる前に蛇に噛まれそうにならなかった?」
「っ!? な、何故それを知っている?!」
「じゃあ……!!」
なんとアポピスの目の前にいるファラオは彼女が探していた憎むべき王であった!!
一度目を見開いて驚き、すぐさま怒りの感情を露わにした彼女。
ファラオが意味も分からず不思議な顔をして戸惑っているその時、彼女は動いた。

「っ!」
「一番最初に、一番最初にまさか本命にあたるとは……覚悟してね、ファラオちゃんっ!!」
蛇体のバネをうまく使って瞬く間に接触した彼女は迎撃体制の整っていないファラオにすかさず巻き付く。
足先から腰まで確りまかれ、身動き一つできなくなったファラオは憎々しげに背後にいるアポピスへと睨みを利かせるが彼女はそれ以上に睨み付けていた。

「くっ、離っ……んぷっ!?」
「ん、ぷぁ……嫌よ。よくも私を長い間封印してくれたわね? たっぷり舐ってゆっくり堕としてあげる♪」
「なっ、よ、よs……んぶぁっ!」
ファラオが何か言いかけたところにアポピスは素早く自分の唇をもって塞ぎ、ついでにファラオの中へと淫毒をたっぷりと流し込んだようだ。
口を離してみれば互いの口をつなぐ紫と銀の橋。
しかし流石ファラオという魔物だけあって門前で戦ったアヌビスのように即発情というわけではなかった。
……しかしそれでも弱弱しい言動をみれば少なからず効いてはいるようで。

「んぷぁ! アナタに命令されると遣り辛いからね、こうしてずぅ〜っと口をふさいであげるわ♪」
「や、やらっ……んぶぅ!」
怯え始めるファラオを見てはドス黒い笑みに染まっていくアポピス。
更にもう一巻きしたアポピスは完全にファラオの腕も封じて、顔をファラオの口に固定し、ファラオの自己主張する胸の薄い服を爪先でビリッと破いた。
途端にたゆんと揺れるそれに好色の目になった彼女は「これ、いじったらどうなるのかな?」と目でファラオに語り、ファラオも真意に気付いて「い、いや! だ、だめっ!」涙まで流して拒絶の意を示した。
しかし止めないのが憎しみ満天の彼女である。
長い爪でファラオの乳首をちょんと触れては揺らし、摘まんで捻り、クリクリと転がし、そして弾く。
何かしらのアクションをすればするほどファラオは激しく痙攣し、アポピスの尻尾と尻尾の愛だから大量の粘ついた液が漏れだす。
乳首だけを弄っていたアポピスだが、今度はファラオの乳房を鷲掴んで人差し指と親指だけで乳首を弄りだした。
ファラオに横を向かせて、自分は背後からおっぱいを弄り、そしてファラオに栓をする。
ぎゅぅっと摘まんで外側へ引き伸ばし、かと思えば内側に寄せて互いの肉を潰すようにせめぎ合わせ、そのまま乳房ごと乳首が左右反対の市になってしまうほど大きくひねった。
やはりこの愛撫にもファラオはアポピスの期待以上に体を反応させて彼女の嗜虐感をどんどん高めていく。
しかしずっと胸だけ弄っていては面白味が無い。
そう思った彼女は上手に蛇の体を動かしてファラオを大股開きにさてしまうと、そっと股上を覆っている水浸しの布へと手を掛けた。

「っ!? っ!?!?」
「あむぅ、レロッ♪」
淫毒に染まりかけてうつろだった瞳がソコを撫でられてまた光を戻すと彼女に再び恐怖の目で見つめてきた。
彼女にとってそれは何よりも心地よい視線であった。
布の上からジュクッジュクッと爪で軽く擦り、ついで布をずらせば……物欲しそうに口を開けて涎を垂らす下のファラオがそこにはいた。
彼女は酷く黒い笑顔を浮かべると尻尾の先だけファラオの眼前に持っていき「これから何をするか…わかるわよね?」と意味ありげに視線をファラオへ投げた。
驚愕に染まったファラオは次に拒絶の意味を込めて激しく首を横に振ろうとするも、胸弄りを止めたアポピスの両手にホールドされてそれはままならない。
そのまま尻尾はファラオの体を伝って徐々に降下し始める。

顎、首、鎖骨、左乳房、左乳首、右乳首、右乳房、谷間、鳩尾、臍、左太もも、右太もも、陰核、左大陰唇、右大陰唇、菊門……そして……

ツプリッ

「〜〜っ!!」
「んふっ♪」
アポピスの尾先はズブズブとファラオの中へと沈んでいく。
すでに出来上がった膣は何の抵抗もなくアポピスの尾先を子宮口まで通し、男根と体が錯覚してか激しく蠕動しだした。
彼女もまたそれが気持ちよく、蠕動するファラオのナカに合わせて自分のチンコを上下に出し入れ始めれば、ついでに顔のホールドを解いた両手で再びファラオの胸を攻める。
ファラオにとってその快楽は堪ったものではなく、一突きするたびに潮をビュクッビュクッと激しく吹いている様はまさに壊れた蛇口である。
……もっとも、口づけの間中に毒を延々流し込まれればどんな魔物娘でもそうなってしまうだろうが。
彼女事態もどんどん気分が高まり自身の胸にあるニプレスを外しファラオの背中で磨り出し、ファラオの尻を使って自分の股間を慰め始めた。
……まさに全身を使って相手を犯している。

「んぱぁ! ほらっ、んくっ、イッちゃいなさい♪ ガプッ♪」
「あくぅぅん♪ んぁぁ♪ ひぃあぁ♪」
膣の締め付けが痛いくらいになりファラオの絶頂が近いことを悟った彼女は止めの攻めに出た。
両手で両乳首をぎゅっと潰れる程握って引き伸ばし、尻尾のストロークを今までより深くし子宮口に先端をねじ込み、最後の仕上げとしてファラオの珠の汗浮かべる首筋へともっとも多くの淫毒を流し込む。
……人間の女性がこんな事をされたら魔物化どころか廃人確定のコースである。
される側のファラオは可笑しな声を上げ、股間から手桶を逆さまにしたくらい大量の愛液、本気汁、尿と様々な体液が石畳の床へとこぼれ出した。
そしてそのままくたり、と体が脱力し動かなくなったのだ。

「ふ、ぅぅ……まだ私イッてないのよね……」
「ぁぅ、ぅぁ……♪」
「もうちょっと付きあってよ、ファラオちゃん♪」
力ないファラオを抱き寄せキスした彼女はそのままピラミッドの内部、ファラオの寝室目指して急ぎ気味で這いだし……



ファラオ共々闇の中へと消えて行った……



【完】 ------------------------------------------------------------------------------