■タイトル:海牛物語 ■作者:袋に湿布マン -------------------------------------本文-------------------------------------  青く広がる世界は、自分が今、見ている場所から流れ出ているようだった。
 それは、村でも有名な崖の下の空洞からみる景色の事で、雨水が溜まって出来た水溜まりによって、川と海とが交わる場所から眺めているに等しかったのだ。
 もしもこの世から争い事がなくなれば、なんてついつい考えてしまう。
 だいたいそんな時、いつも彼女はやって来る。
 小さな川から浮き上がってくるようにして、いつも隠した目元から虚空を見ながら、何を考えているのか分からない彼女が。
 彼女というのは、最近、この辺りに現れる魔物の事だ。
 髪も肌も半透明で、綺麗な海の色に染まった肌は柔らかく、揉もうとすればそこに、身体に生えた口があったかのように沈みこみ、危うく呑み込まれるのではないか、と思わせるほどだった。
 そんな彼女は、どこか不思議な人間の娘のそれと変わりなく、掴み所がない。
 しかし、彼女はここ二日間、自分を感知するセンサーでもあるのか、意識がハッキリとしたような表情をして迫ってくるようになったのだ。
 今まではただの話し相手になってもらうか、本能に流されて襲ってくる彼女に任せているかのどちらかだったが、急に愛されるようになって、鮮明な自我が彼女に芽生えたようだった。
 今日の彼女の行動をここから語らせてもらうが、立っていた自分を水中に引きずり込むかのごとく、強引に引っ張って座らし、ビチャビチャになったズボンを無理矢理脱がすとパンツを横にずらして、自分のちんちんを外気にあてさせた。
 そして、彼女は全身が口のようで、どこからでもシゴけるのだが、あえて口で前戯を行い、喉の奥までを犯して欲しいのかのように、むしゃぶりついて、喉で締め付けながら、射精寸前まで離さず続けるのだ。
 自分は舌で舐めて欲しかったのだが、フェラチオも悪くはないため、ただ流された。
 彼女はフェラチオを終えると、今度はドレスのようなヒレの端を持ち、それを広げらながら股を開き、元々肌から出ているヌメヌメと愛液が混じりあい、ヌラヌラといやらしく水へと、糸を引かせながら垂らしていた。
 ここも彼女が率先して動くのだが、彼女のポリシーか、自分が突き上げなければ始まらないらしく、いつまでもちんぽの上に愛液を垂らしながら、まだかまだかと待つのだ。
 自分は彼女の口元の表情が変わらないように注意しながら焦らし、ゆっくりと奥まで挿入した。
 すると、腰を浮かして挿入していた自分の苦労も知らず、夢中になって腰を振り始め、毎回、乱暴に打ち付けられる身体の痛みを堪えながら勃起させ、彼女の事を考えてじっ、とする。
 たまにキスを求めてくる時には、普段騎乗位の姿勢でするため、身体を起こしながらキスをして、倒れこみながら舌を吸いあったりするのだ。
 今日は興に乗ったのか、いつもより激しく、腰を動かしたくてしょうがないくらい、今までにない快感が胃から競り上がってくるようだった。
 どうやら一回目の射精の瞬間が来たようだ。
 彼女はそれに気づいていようがいまいが、腰を振るスピードを変えず、ただ搾り尽くすくらいの快楽を貪るだけだから、あとは繰り返しである。
 し終わった後、彼女から自分に言いたいことがあるらしく、モジモジと恥ずかしそうにしながら、耳元で囁いた。
 自分は耳を疑った。
 「えっ?……子ども?」 ------------------------------------------------------------------------------