白檀は誇らしく
鮫革の靴は穴が空き泥が入り込み、破れた軍服に蚊が血を吸おうと群がってくる。
それでも水田信一郎一等兵は正気を保っていた。
いや、保たされていたのかもしれない。
迫りくる敵軍、マラリアの恐怖、見つからない友軍…
「お国のためによっこら…せっと…」
とはいえ水もなくなり食料もなくなり、まだ青く小さなバナナにすら大喜びせねばならない環境。流石に限界である。
「何とか…うっ…ゴホ!ゴホ!」
こんな森林の奥地なのに魔物娘一人いやしない。
柳田師団長はあれほど男日照りの森林で婿を探す魔物に注意しろとおっしゃっていたのに。
「ダメだ…意識…が…」
8日後、
甘い花の香り、グツグツという鍋の音で信一郎は目が覚めた。
「あ!気が付いたんですね!見つけた時はもうだめかと思ってましたから…本当によかった…」
自分と同い年ぐらいだろうか、手と頭を花で飾った女性がお碗を手に駆け寄る。
「多分マラリアですね…さぁこれを飲んで…」
意識が戻り中、言われるがままに飲み込むと甘みのある花の香りが彼を癒した。
「熱もだいぶ下がったみたい。よかった…」
「あの…ありがとう。」
「いえ、当然のことですから。」
地獄に放り込まれていた信一郎が再び台所に向かう彼女の後姿にドキリとしてしまったのは言うまでもない。
「でも何で俺を助けてくれたんだ?君たちの平和を脅かしてる日本軍だぜ?」
「もともと軍隊に正義も悪もない、そう思ってるんです。それに怨むのならあなたをここに送り込んだ人です。」
「なるほどね。随分ハッキリ言うね。」
「あなたこそ、私たちのことを気にかけられる人ですからね。優しい人にきまってます。」
彼女はトロール族で、名前はシルティ。
その彼女の看病もあって信一郎はみるみる回復した。
そしてせめてもの恩返しと、他の村民とともに農作業にいそしんでいた時であった。ふとした、アマゾネスの少女の言葉がきっかけだった。
「お前、男なのによく働く。お前、偉い。」
「まあね、男なのにってのは引っかかるけど、じっともしてられないから。」
「フフフ…所でシンイチロー。私、こんなうわさ聞いた。」
「ん?なんだい?」
「ニホン軍すぐそこに来てる。皆からウシとかウマ買いあさってる。お前どうする?戻るのか?」
「んー…戻りたくはねえわな。でも見つかったら引きずり戻されるだろうな…」
「そうか。お前居なくなったら皆困る。悲しむ。シルティ特に悲しむ。」
「シルティが?あの子は優しいだけで俺に惚れちゃあいないよ。」
「むー?じゃ、お前どうなんだ?」
「おいおい、あんな子に惚れるなってのが無茶ってもんだぞ。」
「だったら自分にショージキになれ。それ一番。」
「言うのは簡単だがねぇ…」
「気にすることない。今日はこんな日和。きっと決められる。」
「言ってることがよくわからないけど…まぁ、頑張るよ。」
作業を終えた信一郎はいつものようにシルティの料理に舌鼓を打つ。
それでも、いつかはこの生活にも終わりが来る。
友軍が来る前に、この村にも戦禍が降り注ぐかもしれない。
「皆あなたが来てから人手が増えて喜んでくれてますよ。」
「そう言ってくれると嬉しいけど、仲間が戦ってるのに俺だけこんな良い思いをするわけにはいかないよ。」
「もう…ちょっとくらい自分勝手になってくださいな。」
「わかったわかった…むぐっ!?」
「あむっ…ちゅぶっ!…ぷはっ!」
突然口を犯され、わけがわからない。いつもよりも強い花の香りが鼻腔を突く。
「あなたみたいな人…れろっ…死んでいいわけ…あっ…ないんですぅ…」
するすると脱げた服からは豊満な胸があらわになる。
健康的な日によく焼けた肌が煽情的だ。
「でも…それでもあなたが日本のために死ぬというなら…少しで、少しでいいから私に思い出をください。あなたを記憶に留めさせてください。」
彼女の眼には光るものがあった。
「あなたのこと…一生忘れたくないから…!」
「シルティ…俺もお前のことが好きだよ。一晩くらい…自分勝手に成ってもいいよな…」
「信一郎さん…!」
大きな手はきつく、きつく、今夜だけははなすまいと抱きしめた。
「うふぅ…信一郎さん…大好きぃ…」
絡みつく腕の任せるままに二人は倒れ込んだ。
そうだ。今夜限りなんだ。誰も文句は言うまいに。
「もっと…ずっと…一緒に居たい…」
「わたしだって…」
日の光をたっぷり浴びた彼女の花は、彼女の心を代弁するかのようにより強い香りを醸した。
より強い性欲が信一郎に降りかかる。
「俺…童貞でさ…」
「私だって、初めてですから…」
少し不安そうな表情にまた少しドキッとさせられる。
「い、挿れるぞ…?」
「はい…ああ…うっ!」
「い、痛い…か?」
「大丈夫…それより…うれしくって…」
「ん…くぅ…」
「ああ…あ!…んんぅ…」
「腰…動かすぞ?」
「はい…お願いしますぅ…」
ゆっくりと、撫でるように動く。
お互い初めてということもあってか、すでにかなりに達している。
「んん!んぅぅ!…ああん!…はあぁ…❤」
紅い花の香りは一層強くなり、信一郎の腰もどんどん速く。
そして何度も何度もピストン運動を続けた。
「あん!…ああ!だめぇ…イクぅ❤」
「ごめん…もう…出そうだ…シルティ…中に出すぞ!」
「お願い!あなたの…子種ぇ…ちょうだぃ…!」
「あつつ…腰が痛ぇ…」
腰の痛みで目が覚めた信一郎。彼女はまだ幸せそうに眠っている。
「うへへ…信一郎さぁん…」
「…ちょっと散歩してこようかな。」
この村の朝はそんなに早くはない。
まだ寝静まった村を一人あてもなくふらついた。
皆で育てている作物、美しい花や蝶。子供たちの遊ぶ広場…
それらを見ている度に信一郎は憤った。
この戦争のお題目が大東亜共栄ならば、それは嘘だ。
この自然を、平和を、笑顔を壊そうとしているのだから。
「あれ…この花…」
妙に安らぐ香り…そうだ。彼女にも生えている花だ。
木に絡みつくように咲く紅い花にふと目が止まる。
「信一郎さ〜ん!」
「あ、シルティ。」
「はぁ…はぁ…いきなり居なくなっちゃうからびっくりしましたよもう…あら?その花…」
「ああ。これ、君の頭の…」
「ええ、これ白檀て言うんですよ。私の一番好きな花。赤く綺麗で、それでいていい香りで…」
「あはは。正に君そのものだな。」
「この花、半寄生植物なんですよ?」
「お?そうなのかい?」
「はい。でもこの花のように私もあなたに寄り添っていたい。」
「…」
そして…
「シンイチロー!」
「おう!どうした?」
「ソンチョー呼んでる!グンジンさん…来たって…」
「そうか…うん!分かった!今行く!」
「私も…ご一緒していいですか?」
「ああ…」
軍服の男は村長と話していた。佐藤幸徳師団長だ。どうやら資材の補給をしたいらしい。信一郎がやってきて、話題が移る。
毅然とした態度で信一郎の方を向いた。
「貴様は帝国陸軍人か?所属と階級を名乗れ!」
「は!私は柳田師団所属!水田信一郎一等兵であります!」
「ふむ…ではいくつか貴様に質問をする!簡潔に述べよ!」
「は!お願いします!」
「第一に!この村の状況を述べよ!戦術的に活用可能か!」
「この村は実り多く男女なくみな一生懸命に働き、子供はよく遊び、老人たちは安く暮らしております!よって!戦禍に巻き込むには惜しく、活用不可能であります!」
「ほお…では第二に!その娘は?」
シルティは怯え、信一郎の後ろに隠れていたが、今一度開き治り、佐藤閣下の前へと出た。
「はい!この娘はシルティといい、トロール族の娘であり、私の命の恩人であります!絵に描いたようなよい娘で…出来るものならば最期まで添い遂げあいたいと存じます!」
「うむッ!では最後に!貴様はこの戦いをどう感じているか!統括せよッ!!」
「は!非常に馬鹿げており!憤っております!連合軍に、疫病に、何より牟田口閣下によって指図され、命を奪われた仲間が沢山居ることが悔しいですッ!!もしも…もしも私のそんな権利があるのならば…この先何年でも…百年でも千年でもこのシルティと共に仲間の分も生きて…生き抜きたいと存じておりますッ!!!」
「その言葉に偽りはないなッ!!」
「誓ってございません!!」
「そうか…ふふ…フハハハ!!」
「あの…閣下殿?」
「ハハハ!!牟田口め、どうやら私の勝ちのようだな!ようし…水田一等兵、貴様に吾輩からの命令を下す!」
「何なりと!」
「よいか水田よ。この村の守備を貴様に命じる!この村の女子供…いや、作物、家畜、花…それら一切をこの馬鹿げた戦いのヒノコから守れ!!そして…その娘と結婚し、仲良く、幸せに暮らせ!よいな!作戦失敗の場合には極刑が下ると知れ!!」
「佐藤閣下…ありがとうございます!!命に代えても守ります!」
「ううっ…ありがとう…ございます…!」
シルティも、信一郎も堪え切れない涙をこらえながら跪いた。
「ははは。もうよい。顔を挙げよ。村長!婚礼の準備だ!吾輩が仲人として取り持とうぞ!!」
二人の婚礼は村を挙げて盛大に行われた。
ただただ皆で二人に幸せと平和が続くことを願って。
70年後…
「ふいー…ここが日本か…それじゃ、蒸し暑さでお花が枯れない程度にお祖父ちゃんのルーツめぐりと行きますか。」
一人のトロールが関西空港に降り立った。
それでも水田信一郎一等兵は正気を保っていた。
いや、保たされていたのかもしれない。
迫りくる敵軍、マラリアの恐怖、見つからない友軍…
「お国のためによっこら…せっと…」
とはいえ水もなくなり食料もなくなり、まだ青く小さなバナナにすら大喜びせねばならない環境。流石に限界である。
「何とか…うっ…ゴホ!ゴホ!」
こんな森林の奥地なのに魔物娘一人いやしない。
柳田師団長はあれほど男日照りの森林で婿を探す魔物に注意しろとおっしゃっていたのに。
「ダメだ…意識…が…」
8日後、
甘い花の香り、グツグツという鍋の音で信一郎は目が覚めた。
「あ!気が付いたんですね!見つけた時はもうだめかと思ってましたから…本当によかった…」
自分と同い年ぐらいだろうか、手と頭を花で飾った女性がお碗を手に駆け寄る。
「多分マラリアですね…さぁこれを飲んで…」
意識が戻り中、言われるがままに飲み込むと甘みのある花の香りが彼を癒した。
「熱もだいぶ下がったみたい。よかった…」
「あの…ありがとう。」
「いえ、当然のことですから。」
地獄に放り込まれていた信一郎が再び台所に向かう彼女の後姿にドキリとしてしまったのは言うまでもない。
「でも何で俺を助けてくれたんだ?君たちの平和を脅かしてる日本軍だぜ?」
「もともと軍隊に正義も悪もない、そう思ってるんです。それに怨むのならあなたをここに送り込んだ人です。」
「なるほどね。随分ハッキリ言うね。」
「あなたこそ、私たちのことを気にかけられる人ですからね。優しい人にきまってます。」
彼女はトロール族で、名前はシルティ。
その彼女の看病もあって信一郎はみるみる回復した。
そしてせめてもの恩返しと、他の村民とともに農作業にいそしんでいた時であった。ふとした、アマゾネスの少女の言葉がきっかけだった。
「お前、男なのによく働く。お前、偉い。」
「まあね、男なのにってのは引っかかるけど、じっともしてられないから。」
「フフフ…所でシンイチロー。私、こんなうわさ聞いた。」
「ん?なんだい?」
「ニホン軍すぐそこに来てる。皆からウシとかウマ買いあさってる。お前どうする?戻るのか?」
「んー…戻りたくはねえわな。でも見つかったら引きずり戻されるだろうな…」
「そうか。お前居なくなったら皆困る。悲しむ。シルティ特に悲しむ。」
「シルティが?あの子は優しいだけで俺に惚れちゃあいないよ。」
「むー?じゃ、お前どうなんだ?」
「おいおい、あんな子に惚れるなってのが無茶ってもんだぞ。」
「だったら自分にショージキになれ。それ一番。」
「言うのは簡単だがねぇ…」
「気にすることない。今日はこんな日和。きっと決められる。」
「言ってることがよくわからないけど…まぁ、頑張るよ。」
作業を終えた信一郎はいつものようにシルティの料理に舌鼓を打つ。
それでも、いつかはこの生活にも終わりが来る。
友軍が来る前に、この村にも戦禍が降り注ぐかもしれない。
「皆あなたが来てから人手が増えて喜んでくれてますよ。」
「そう言ってくれると嬉しいけど、仲間が戦ってるのに俺だけこんな良い思いをするわけにはいかないよ。」
「もう…ちょっとくらい自分勝手になってくださいな。」
「わかったわかった…むぐっ!?」
「あむっ…ちゅぶっ!…ぷはっ!」
突然口を犯され、わけがわからない。いつもよりも強い花の香りが鼻腔を突く。
「あなたみたいな人…れろっ…死んでいいわけ…あっ…ないんですぅ…」
するすると脱げた服からは豊満な胸があらわになる。
健康的な日によく焼けた肌が煽情的だ。
「でも…それでもあなたが日本のために死ぬというなら…少しで、少しでいいから私に思い出をください。あなたを記憶に留めさせてください。」
彼女の眼には光るものがあった。
「あなたのこと…一生忘れたくないから…!」
「シルティ…俺もお前のことが好きだよ。一晩くらい…自分勝手に成ってもいいよな…」
「信一郎さん…!」
大きな手はきつく、きつく、今夜だけははなすまいと抱きしめた。
「うふぅ…信一郎さん…大好きぃ…」
絡みつく腕の任せるままに二人は倒れ込んだ。
そうだ。今夜限りなんだ。誰も文句は言うまいに。
「もっと…ずっと…一緒に居たい…」
「わたしだって…」
日の光をたっぷり浴びた彼女の花は、彼女の心を代弁するかのようにより強い香りを醸した。
より強い性欲が信一郎に降りかかる。
「俺…童貞でさ…」
「私だって、初めてですから…」
少し不安そうな表情にまた少しドキッとさせられる。
「い、挿れるぞ…?」
「はい…ああ…うっ!」
「い、痛い…か?」
「大丈夫…それより…うれしくって…」
「ん…くぅ…」
「ああ…あ!…んんぅ…」
「腰…動かすぞ?」
「はい…お願いしますぅ…」
ゆっくりと、撫でるように動く。
お互い初めてということもあってか、すでにかなりに達している。
「んん!んぅぅ!…ああん!…はあぁ…❤」
紅い花の香りは一層強くなり、信一郎の腰もどんどん速く。
そして何度も何度もピストン運動を続けた。
「あん!…ああ!だめぇ…イクぅ❤」
「ごめん…もう…出そうだ…シルティ…中に出すぞ!」
「お願い!あなたの…子種ぇ…ちょうだぃ…!」
「あつつ…腰が痛ぇ…」
腰の痛みで目が覚めた信一郎。彼女はまだ幸せそうに眠っている。
「うへへ…信一郎さぁん…」
「…ちょっと散歩してこようかな。」
この村の朝はそんなに早くはない。
まだ寝静まった村を一人あてもなくふらついた。
皆で育てている作物、美しい花や蝶。子供たちの遊ぶ広場…
それらを見ている度に信一郎は憤った。
この戦争のお題目が大東亜共栄ならば、それは嘘だ。
この自然を、平和を、笑顔を壊そうとしているのだから。
「あれ…この花…」
妙に安らぐ香り…そうだ。彼女にも生えている花だ。
木に絡みつくように咲く紅い花にふと目が止まる。
「信一郎さ〜ん!」
「あ、シルティ。」
「はぁ…はぁ…いきなり居なくなっちゃうからびっくりしましたよもう…あら?その花…」
「ああ。これ、君の頭の…」
「ええ、これ白檀て言うんですよ。私の一番好きな花。赤く綺麗で、それでいていい香りで…」
「あはは。正に君そのものだな。」
「この花、半寄生植物なんですよ?」
「お?そうなのかい?」
「はい。でもこの花のように私もあなたに寄り添っていたい。」
「…」
そして…
「シンイチロー!」
「おう!どうした?」
「ソンチョー呼んでる!グンジンさん…来たって…」
「そうか…うん!分かった!今行く!」
「私も…ご一緒していいですか?」
「ああ…」
軍服の男は村長と話していた。佐藤幸徳師団長だ。どうやら資材の補給をしたいらしい。信一郎がやってきて、話題が移る。
毅然とした態度で信一郎の方を向いた。
「貴様は帝国陸軍人か?所属と階級を名乗れ!」
「は!私は柳田師団所属!水田信一郎一等兵であります!」
「ふむ…ではいくつか貴様に質問をする!簡潔に述べよ!」
「は!お願いします!」
「第一に!この村の状況を述べよ!戦術的に活用可能か!」
「この村は実り多く男女なくみな一生懸命に働き、子供はよく遊び、老人たちは安く暮らしております!よって!戦禍に巻き込むには惜しく、活用不可能であります!」
「ほお…では第二に!その娘は?」
シルティは怯え、信一郎の後ろに隠れていたが、今一度開き治り、佐藤閣下の前へと出た。
「はい!この娘はシルティといい、トロール族の娘であり、私の命の恩人であります!絵に描いたようなよい娘で…出来るものならば最期まで添い遂げあいたいと存じます!」
「うむッ!では最後に!貴様はこの戦いをどう感じているか!統括せよッ!!」
「は!非常に馬鹿げており!憤っております!連合軍に、疫病に、何より牟田口閣下によって指図され、命を奪われた仲間が沢山居ることが悔しいですッ!!もしも…もしも私のそんな権利があるのならば…この先何年でも…百年でも千年でもこのシルティと共に仲間の分も生きて…生き抜きたいと存じておりますッ!!!」
「その言葉に偽りはないなッ!!」
「誓ってございません!!」
「そうか…ふふ…フハハハ!!」
「あの…閣下殿?」
「ハハハ!!牟田口め、どうやら私の勝ちのようだな!ようし…水田一等兵、貴様に吾輩からの命令を下す!」
「何なりと!」
「よいか水田よ。この村の守備を貴様に命じる!この村の女子供…いや、作物、家畜、花…それら一切をこの馬鹿げた戦いのヒノコから守れ!!そして…その娘と結婚し、仲良く、幸せに暮らせ!よいな!作戦失敗の場合には極刑が下ると知れ!!」
「佐藤閣下…ありがとうございます!!命に代えても守ります!」
「ううっ…ありがとう…ございます…!」
シルティも、信一郎も堪え切れない涙をこらえながら跪いた。
「ははは。もうよい。顔を挙げよ。村長!婚礼の準備だ!吾輩が仲人として取り持とうぞ!!」
二人の婚礼は村を挙げて盛大に行われた。
ただただ皆で二人に幸せと平和が続くことを願って。
70年後…
「ふいー…ここが日本か…それじゃ、蒸し暑さでお花が枯れない程度にお祖父ちゃんのルーツめぐりと行きますか。」
一人のトロールが関西空港に降り立った。
15/08/08 23:01更新 / レッズ周作