読切小説
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マーシャークさんは今日も可愛い
 乗っていた船が海賊に襲われてから一ヶ月が経ちました。
 人喰い鮫がいるという海域に鎖を巻かれて投げ込まれた俺ですが、今はこうして幸せに過ごしています。

「ニンゲン、ニーンゲン♪今日も元気でエラいぞ、ふふん♪」

 ご機嫌な様子で抱きついてくるマーシャークさんは今日も可愛いです。
 ギザギザに尖った歯を見せながらニッコリ笑っています。
 太い鎖を噛み砕くような力を持つ魔物の彼女に、初めは怯えたりもしましたが、知り合ってみるとこんなにも優しい心を持った子を俺は他に知りません。
 海賊にやられた傷は、看病をしてくれた彼女のお陰で俺はすっかり元気になりました。
 けれどマーシャークさんは未だに俺の体を心配し、怪我をしないか気をつけてくれています。

「ニンゲン、今日は海を泳ぐ練習をするぞ。沈まないように私が手をぎゅーって握って、一緒に泳いであげるから大丈夫だからな」

 体はすっかり海中に適応した俺ですが、泳ぎはまだ不慣れで、マーシャークさんが教えてくれています。

「あっ! クラゲ! ニンゲンに近づいたらダメ! あっちいけ!」 

 やぁーっ! と尾びれをびゅんびゅん振って勇敢にクラゲを追い払うマーシャークさんの後ろ姿も見慣れたものですが、俺はこっそりワンコのようで可愛いなと思っています。
 本人に言っては失礼になるので、内緒です。
 ふわふわ漂う半透明のクラゲの触手には毒があり、人間の皮膚に触れれば腫れてしまうのだと知った時のマーシャークさんの驚きようは大変なもので「あんなにフワフワしたものでもニンゲンは怪我をするのか? か弱い……守らねば」と震えていました。

「ふんふん♪追っ払ったぞ! んん……頭を撫でるのか? ニンゲンは甘えたがりだなあ♥」

 ちょっと過保護なんじゃないかなあ、と思う時もあるのですが、どうやら彼女はちょっと臆病な女の子のようです。
 先日も、お世話になっているお礼に家周りの掃除をしている最中、マーシャークさんが血相を変えて抱きついてきたことがありました。
「ニンゲン! 勝手にいなくなっちゃダメだぞ! ダメなんだぞ!」
 ぴいぴいと泣いているマーシャークさんに訳を尋ねると、家の中に俺の姿がないのでとても心配したとのことでした。
 彼女は俺に関することではとても心配性になるようです。

 こんな調子ですが、束縛されていると感じたことはありません。
 俺は元々船乗りで、四六時中だれかと行動を共にすることに慣れているからかも知れませんが、どちらかというと俺の方がマーシャークさんに引っ付いているのではないかと思うこともあるのです。
 この広い海底世界で、もしも彼女が俺を置き去りにして何処かへ行ってしまったら、俺は絶望するしかありません。
 彼女は鮫で、魔物で、海の生き物なのです。
 どこまでも自由で美しい彼女がずっと俺の傍にいてくれることを願っています。

「ニンゲン……んうう♥」

 柔らかな唇を重ねてくるマーシャークさんの頬に手を当てて応えると、彼女は嬉しそうに目を細めます。
 俺はこの時が一番幸せです。
 その口に舌を潜り込ませようとすると、おずおずと唇を開いてくれます。
 マーシャークさんは行為の間中、俺が怪我をしないように、なるべく暴れないように気をつけてくれるのです。
 尖った歯列をなぞり、歯茎を舐めてあげながら尾びれの付け根を撫でると、マーシャークさんは気持ちよさそうに喉の奥から甘い声を出します。
「ひゃうん♥くすぐったい……でも気持ちいい……ニンゲンの手、好きぃ……もっと触ってぇ……♥」
 彼女の首筋から胸元まで指先で愛してあげると、彼女はすぐに発情してしまいます。
 興奮すると彼女はますます可愛くなります。

「ニンゲン……ニンゲンぅ……あむっ♥はむはむっ♥」

 金色に輝く鋭い眼差しがトロンと蕩けて、俺の首や肩を甘噛みしてきます。
 彼女の歯は鋭いけれど俺のことを傷つけることはありません。
 かわりに噛まれる度に、頭の中が真っ白になるぐらいの快感に襲われます。
 初めての時は訳が分からず、噛まれる度にイッてしまいましたが、今は彼女も加減をしてくれています。

「ニンゲン……好きだぞ、ニンゲン♥」

 俺もだよ、と答えながら彼女の鼻頭にキスをすると、マーシャークさんの体がビクンと跳ねました。

「ああんっ♥嬉しい……ニンゲン大好きぃ!」

 マーシャークさんは全身を使って俺にしがみついてきます。
 下半身は鱗で覆われていて、ヒレのある彼女の体は密着すると驚くほど滑らかです。
 それでいて不意にザラザラとした鱗の部分を擦り付けられるので気が抜けません。
 彼女の鱗に愛撫されると、痺れるような快感に襲われるからです。

「んーっちゅぱぁ……れろぉ……んああああっ♥」

 キスを繰り返しながら、ちょうど股の部分にあるくぼみに指を差し入れると、マーシャークさんが一際大きな声で鳴きました。
 ドロドロに熱いおまんこが俺の指を咥えこんできゅうっと締め付けてきます。

「んあぁっ♥あぁんっ! そこっ、ダメッ! 私の中、掻き回されてるうううっ!♥♥」
 慣らすように中を拡げて抜き差しすると、マーシャークさんは悶絶して口からは絶えず喘ぎ声が漏らし続けました。
「ふぁああっ、ゆびじゃやだあっ、いれて♥ニンゲンのおちんぽ、ほしいぃ♥」
 俺の首筋にしがみついてマーシャークさんが切なげにおねだりをします。
 指だけで甘イキをしているのか、中がビクビクと震えているのが伝わってきました。俺も我慢の限界です。
 熱り立った剛直を取り出し、マーシャークさんの腰を掴むと一気に貫きました。

「んあああっ!! きたああっ! ニンゲンのちんぽきたあああ!!! ニンゲンのちんぽおおおおっ!!」

 待ち望んだ刺激に、マーシャークさんは歓喜の声をあげました。
「ニンゲンちんぽしゅごいっ! 硬くてぶっとくて、私の中でドクンドクン脈打ってるうぅ♥♥」
 マーシャークさんのおまんこの中はとても熱くヌルついていました。
 俺のペニスに絡みつくように、無数の肉ヒダが吸い付いてきて離そうとしません。
「はひっ、ひぐぅううっ、んんんんんん〜っ♥♥」
 奥まで押し込むと亀頭が子宮口を押し上げて、マーシャークさんの体が激しく痙攣しました。
「あうううっ! あはあっ、いきなりおくまできたぁ♥んふっ、ふーっ♥」
 マーシャークさんは体を震わせながら、俺に必死に抱き着いてきます。
 どうやら、まだ入れただけなのにイッてしまったようです。
「ニンゲンのおちんぽ、しゅごくて、イクの止まらないぃ♥イク、またイクぅうう♥♥」
 マーシャークさんは絶頂が収まらないようで、何度も膣内を収縮させて俺のものを締め付けてきています。
「ニンゲン好き♥♥好き好き♥だいすきい♥♥♥」
 全身で絡みくようにして体を密着させながらマーシャークさんが俺を求めてきます。
 夢中で腰を打ち付けながら俺も自分が鮫になっていくような気がしました。
 ニンゲンではなくなって、一匹の雄鮫として、この雌を自分のものにしたい。
 そんな俺の思いを見透かすように、彼女は笑みを浮かべました。

「あなたのせーし、ちょうだい♥」

 小さいけれどはっきりした声。
 俺は彼女のリクエストに応えるために、激しくピストン運動を始めます。
 マーシャークさんは俺の動きに合わせて、自らも腰を振って応えてくれます」

「〜〜〜〜っっ!!??♥♥♥♥」

 そして、一番深いところで精を解き放つと同時に、マーシャークさんも何度目かわからないオーガズムに達しました。
「ああっ! でてるぅ……にんげんのざーめんいっぱいでてりゅう……♥」
 最後の一滴まで絞り出すように、マーシャークさんは小刻みに体を震わせています。
 やがて長い射精が終わると、あたりの海水が俺の精と彼女の魔力が混じって赤く染まっていきました。

 沢山交わった後は、食事をしたり一緒に寝床で休んだりします。
 今日は一緒にごろごろすることになり、ベッドの上でマーシャークさんはうっとり目を細めながら気持ちよさそうにしていました。

「ずうっと、ずぅ〜〜っと私のそばにいるんだぞ♥」

 そう言って彼女は幸せそうに笑います。
 こういう毎日が永遠に続くのなら、俺は海に沈められてよかったなあ、と思いました。
22/08/24 13:00更新 / くろこま

■作者メッセージ
A.二人はどうしてお互いを名前で呼び合わないんですか?
Q.書き手の性癖だからです。(オレ、カタコト、スキ)

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