職人気質の彼女は一見すると不愛想に見えるが、物静かなだけで割とお茶目で冗談も言うんだ。

最近のお気に入りは「私、一つのものにしか目がいかないの」らしい。

―お得意様の女騎士




彼女たちは掟や風習を重んじ、代替わり以降も旧代と変わらない生活を好む。

だからこそ彼女たちは気づかない。

本来自由を守るための掟や風習が、彼女たちを縛り付ける鎖となっていることを。

―社会学者の研究日誌　「エルフ　自由と掟」




彼女たちは自由を尊び、代替わり後の社会に適応した生活を過ごす。

だが彼女たちは気づいていない。

主人と奴隷という鎖が、本来自由な彼女たちの社会関係を縛り付けていることを。

―社会学者の研究日誌　「ダークエルフ　無自覚の鎖」




妖精ひらひらふわふわ踊る。

人もつられてひらひら踊る。

みんな仲良く踊り続けて、

みんな仲良く消えてった。

―童謡「妖精の踊り」




女帝、女王、傾国の美女。

この国の全てを支配しうる彼女の最近の悩みは、

しっぽの抜け毛が服についちゃうことだそうな。

―とある国の噂話




構わないで。触らないで。いまそういう気分じゃないの。

…どうして遠くに行っちゃうの？！

寂しいからそばにいてよ！！

―ワーキャットの痴話喧嘩




この触手ですか？あはは…、以前冒険者としてダンジョンに行ったときにちょっと寄生されちゃいまして。
頭がぼーっとするわ、仲間を襲うわ、もう滅茶苦茶でした。

でも悪いことだけじゃなくて、こうして給仕の仕事するときは、使える腕が増えてとっても便利なんです！
粘液だって自分でコントロールできますしね。

なにかに触れるたびにちょっと気持ちよくなっちゃうのが玉に瑕ではありますけど…。

―ギルド酒場　ローパーのウェイトレスの話




容姿は幼いですが、性格まで完全に幼いわけではありません！

魔術の研究やサバトの活動に日々勤しんでいるんですよ！

今日の活動はですね…、あーっ！？

バフォメット様！！ここに置いてあった私のキャンディポット、全部食べちゃったんですか！！えーん！！！

―とあるサバトの案内にて




主の魔法は、まあ、よい「見世物」だったよ。

―魔術決闘の一幕




最近とある殿方に気に入られてまして。初めは私もそんな悪い気分ではなかったんです。

でも最近、その方がとある陶芸家という話を聞きまして、残念だけど、納得というか…。

通りであたしのお皿のこと、とってもほめてくれるなあって…。くすん。

―とある河童の愚痴




昼は淑女、夜は娼婦。

まさに彼女はそんな男の理想を表したかのような女性です。

でも、ほんとはこっちに気を使って無理してるんじゃないかって気になって、彼女に聞いてみたんです。

そしたら「ああ、旦那様がそんなに私のことを想ってくださるなんて、私、とてもうれしゅうございます」ってより一層ご奉仕されるようになったんですよね。

…ええ、昼も、夜も、ね。

―すこしだけやつれた男の話