ひたすら彼女を求めて
魔物娘たちの巣窟たるとある町のとある城。
その最奥。精液と雌と雄の匂いが充満した薄暗い隠し部屋にて、とある男が監禁されていた。
「う〜、そろそろ何か喋って下さいよ〜」
座して黙秘権を行使する壮年の男に懇願する一人の魔女。この一方的やりとりはもう何度も繰り返されたようで、ルチアの双眸は潤み若干の諦観が入り混じっていた。
所で、この状況は昨今の魔物事情に詳しい者であるならば直ぐに違和感に気付くだろう。
魔物娘が、たかだか一人の人間を籠絡できていない。
ロリータコンプレックスの者はもとより、元来から巨乳派を貫いてきた男でさえ狂わせる可愛らしさを知らず知らず自己主張しているあどけない相貌の幼女を蹂躙できるというのに、男もまた座したままで口を開かない。
これに困ったのは魔女であるルチアだった。
一目見て気に入ったのはいいが、意思疎通の術がなんら通じない。
一日に三回持ってくる食事にも手をつけ、舌を噛み切る素振りも見せない所から死を望んでいない事までは分かるのだが、そこからが八方ふさがりであった。
――――無論、ルチアとて男の肉欲を誘おうとしなかったわけではない。
そもそも、ルチアが最初に行った行動は媚薬をぶっかけて全裸アタックを実行することにあった。
しかし、ここで問題が発生する。
この男、勃たないのである。
「あの、聞いてますか?」
舐めた。咥えた。絶壁に擦りつけた。手で擦った。フェチズムの極みに達した偉人なのかと思い、脇コキ髪コキ、更には帽子コキという前代未聞の手管を試みた。
しかし、勃起せず。勃起不可。ノーエレクチオン。
不勃起、インポテンツ。皮がずりむけてぼろんと転がったフランクフルトさんが天高く燃えた暁には世の魔物娘達の膣を掴んで離さないであろうビックサイズは、しかし全く勃たなかった。
「ED、なんですか?」
所が、これもまたおかしい。
魔物娘達との交流によって発覚した事実であるが、魔物娘たちとの性交ではインポテンツといった症状は無効化されるのだ。
インポテンツとは機能性、器質性など精神的あるいは老化現象によって引き起こされるものであるが、魔物娘たちの発する魔力を男性が肌、鼻腔、などから吸収すると、一時的ではあるものの肉体が魔物と同質化し、性欲の向上、肉体の若返りなどといった効果が現れると実証されている。
無論、過度の魔力吸収はインキュバス化を招く事になるのだが、この点は今回関係ない。
つまり話を要約すれば、男はEDではない。
そして、絶壁故に胸関連の淫技で劣るとしても、ルチアは列記とした魔物娘なのである。
サバトではウブでナウい少女が赤面するような話を幾度も聞き、下のお世話に関しては実技が伴っていないだけで完璧であるはずだった。
その結果がこれである。自分の性技は圧倒的に下手なのだろうかとルチアが涙ぐむのも仕方がなかった。
「も〜、なんで勃起させないんですか!? ほら、パンチラパンチラ、胸チラ胸チラ!」
もはや自棄であると、いった風にスカートを上へ下へ。見ようによっては露出狂だ。
何せ、どうもルチア自身は気付いていないようであるが今日の彼女はパンツなんてチャチなものははいていなかったのだから。
ノーパンである。未だ男を受け入れたことのない恥部があらわになる。
また、胸チラといっても、チラリズムを引き起こす程にルチアの胸は脂肪をくくりつけてなんていなかった。
露出度の高い服をセレクトしてこの場に臨んでいるわけであるが、チラリズムというより丸見えであるほんのりとした赤みはくっきりはっきり丸見えである。
「やっぱり胸なんですか!? どいつもこいつもおっぱいおっぱいおっぱい! 脂肪なんてまやかしだって事がどうして分からないんですか! ちっぱいに秘められた秘密を解き明かす方がよっぽど有意義な前戯ですよ!」
思わず声を震わせて泣き叫ぶ。双眸から筋となって流れる涙。ロリ依存の激しい方々を迷わずベッドに直行させる幼女の幼女ゆえに醸し出せる幼女オーラ溢れる姿にも、男は微動だにしなかった。腐ってやがる。
その場にぺたりと座りこんで、どれほどの時間が流れただろうか。
自分の魅力には決定的に何かが欠けているのだろうかとルチアが深刻に考え始めた時分に、この隠し部屋の入り口たる老朽の激しい仕掛け壁から声がかかった。
誰かが、ここに入ろうとしているようである。
「どうしたのかしら」
その声には聞き覚えがあったので、ルチアはこれ天の再来と大声で叫んだ。
「サリアおばちゃん!」
瞬間、仕掛け扉がこの世から消滅した。既に隠し部屋と外界とを隔てる仕切りは存在しない。
次元干渉魔法でも使ったのだろうか。
「おばちゃん?」
「おねえさん!」
まちがっちゃったごめんなさい、といった風にこつんと己の頭に拳をぶつけてみせるが、ルチアは微塵たりとも反省していない。胸がでかい奴は全員敵だからだ。
宿敵たるサキュバスは何事かを思案しているように思えたが、やがて諦めたように息を吐いた。見よ、絶壁の勝利だ。
「……こいつ、まだ何も喋らないのね」
「知っているんですかおっぱい?」
「は?」
「いえ、何でもありません」
どうにも、サリアおっぱいは男の事を知っているらしかった。やはりおっぱいか。
所が、サリアの表情はさえない。
「……で、勃起した?」
「え、と……?」
サリアのあまりにも的を射た発言に、思わず首を傾げるルチア。
思い出すのも忌々しいといった表情を隠そうともせずにサリアは口を開いた。
「……こいつ、元は私が捕まえたのよ。でも、教団の人間ってわけでもないのよね」
そういえば、とルチアは思い出す。
監禁されている男の世話係の前任が居た事を。まさか、その前任が知人であったとは。
「全裸で戦場の中にいてね、しかも仁王立ちしてたのよ。あまりにも不気味だから教団の連中も私の仲間たちも無視してたんだけど……その時、丁度おなか減ってたのよね」
「それで、攫ったんですか?」
そこで一度首肯するサリア。ぷるんぷるんと揺れる乳。実ってやがる。
しかし、熟した体を持て余した未亡人のように、サリアの表情は曇ったままだった。
「攫ったんだけど……」
結局、そこでサリアは口を閉ざしてしまい、ルチアも特に追求しようとは思わなかった。
実の所、サリアを持ってしても男を勃起させる事は出来なかったのである。
あらゆる手、サキュバスにのみ伝わる秘奥六百六十六手をもってしても勃起させる事が出来なった事実はお肌の曲がり角と共にサリアに衝撃を与え、最近までジェットセクロスストリームアタックなる――戦場にて隊列を作る男たちの一人を踏み台にした後結局は全員美味しく頂く云々――奥義を用いて男漁りに性を出していたのだ。
最近の彼女の趣味は、縛られて身動きの出来ない恋人の目前で見ず知らずの男たちに凌辱されるという似非NTRプレイである。
悔し涙を流す夫の顔に興奮するらしい。変態である。
「もしかしたら、こいつ、魔法でも使っているのかもしれないわね」
「そんな、いや、だけど」
魔女であるから分かる。
いや、サキュバスである彼女だって理解している筈だとルチアは言外に伝えたかった。
男は魔力なんてもっていない。ただの一般人、ただの男、ただの人間である。ビックサイズおちんちんを持っている事を除いて。
そもそも、例え彼女たちをも気付けないほどの熟達した魔法使いであっても、わざわざ己の肉棒を勃起させないようにするなんておかしすぎる。
自分で考えて吐き気がした。馬鹿な。己の肉棒を封印するなんて頭がおかしいんじゃないか。
マゾヒストでもそこまではやらない。女になりたいならやりまくってアルフを目指す筈だ。
つい、男を宙に浮かしてみる。
アナルが開発されているようには思えない。
「何考えているのかしらね」
「お兄ちゃんになってほしいのに〜!」
地団太を踏むルチア。
上手く物事が行かず思わず幼女らしい行動を起こしてしまうその姿を視姦するのはとても趣深い。
しばらく苛立ちを露わにしていたが、そこではっとした。
おっぱいのせいでせっかくの隠し部屋シチュが崩れてしまっている。
今まで薄暗かった部屋には日が差しており、これではお兄ちゃんと行う筈だった攻守逆転プレイがいかんせん思うように進まなくなってしまう。
「サリアおねえさんが壊しちゃうから……」
「まあ、私はおねえちゃんだからね。先ほどの発言はなかった事にしてあげるわ。そうねえ、とりあえずジャイアントアントの連中を呼びましょうか。せっかくだからドワーフの連中に装飾品でも作ってもらおうかしら」
「そんな煌びやかなものがあったら、せっかくのシチュエーションが……」
ルチアが反対意見を述べようとしたその時である。
男が、吠えた。
「ドワーフウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」
「はあ?」
サリアは思わず素っ頓狂な声を上げ。ルチアに至っては機能停止。
そこからは男の一人口上オナニーショーだった。
「ド、ドドドドドドド、ドワーフたんハァハァ! か、かわいいおドワーフたんウエヘヘヘヘヘヘヘ。正に幼女! 正にロリ! 彼女達以上にロリなど存在せず! いや、そもそもロリ=ドワーフの公式がなりたつ事は世界的な事実であり、この論述に関してはバフォメットだろうが魔女だろうがゴブリンだろうが何者でも反論する事はできない! つまり、他の者たちはロリなどではない! ロリータの称号をほしいままにしてよいのはドワーフ様のみなのだ。ああ、あの幼い体を持ち上げて体中をペロペロしたい! 嫌がるその幼い顔に舌を這わせて、その足に! その腕に! その首に! その髪の毛に! ペロペロしたいいいいいいいいいいい! これは我が息子も同調してくれた考え方だ! 愛だ! 愛ゆえに俺は彼女たちに操を立て! 其れはわがジョニーにも伝わった! ああこれは感動的だ! 我がジョニーは彼女の肉壺を求めているのだ! ただそれのみを! タッチ、プリーズ、ロリータ! 故にわれは反論しよう! 違うのだ! 彼女たち以外の一見幼女的恰好をしている魔物娘たちは幼女などではない! 少女だ! 少女なのだ! 胸が少ないだけの女に俺が欲情すると思っているのか!」
あまりにも大きなシャウトは大気を震わし世界を震わし、城にいた魔物娘たちが何事かと集まってくる。サボリだろうか、いくつか結合したままのカップルもいる。
その中には、たまたま町から城に装飾品を下ろしに来ていたドワーフも混じっていた。
「何だい何だいこの騒ぎは!」
そして、その可憐で麗しい声に気付かぬ男ではない。
「ド、ドドドドド」
「ど?」
「ドワーフウウウウウウウウウウウウウウ! ここであったが百年目! さあしよう! レッツ結合! セックス! 交尾! 我と愛を育もう! さあさあ!」
「ちょ、あんた一体何を……? ひゃあ、い、いきなり舐めるなあ! こ、こら足なんて舐められても……! ってデカ! デカ! デカマラー!」
そうして、男はドワーフを担いで愛を育みに行った。
後に残ったのは、構わず続きをし始めた野次馬カップル達と、それにあてられて愛液をダダ漏れにし始めた者たち、そして未だ思考停止しているルチアのみだった。
「……ってあああああ!? 待ってください! その認識は絶対に間違ってます!」
所でサリアはというと、愛しの恋人のアナルに張り型を突っ込んだままだった事を思い出し、既に帰路についていた。
その最奥。精液と雌と雄の匂いが充満した薄暗い隠し部屋にて、とある男が監禁されていた。
「う〜、そろそろ何か喋って下さいよ〜」
座して黙秘権を行使する壮年の男に懇願する一人の魔女。この一方的やりとりはもう何度も繰り返されたようで、ルチアの双眸は潤み若干の諦観が入り混じっていた。
所で、この状況は昨今の魔物事情に詳しい者であるならば直ぐに違和感に気付くだろう。
魔物娘が、たかだか一人の人間を籠絡できていない。
ロリータコンプレックスの者はもとより、元来から巨乳派を貫いてきた男でさえ狂わせる可愛らしさを知らず知らず自己主張しているあどけない相貌の幼女を蹂躙できるというのに、男もまた座したままで口を開かない。
これに困ったのは魔女であるルチアだった。
一目見て気に入ったのはいいが、意思疎通の術がなんら通じない。
一日に三回持ってくる食事にも手をつけ、舌を噛み切る素振りも見せない所から死を望んでいない事までは分かるのだが、そこからが八方ふさがりであった。
――――無論、ルチアとて男の肉欲を誘おうとしなかったわけではない。
そもそも、ルチアが最初に行った行動は媚薬をぶっかけて全裸アタックを実行することにあった。
しかし、ここで問題が発生する。
この男、勃たないのである。
「あの、聞いてますか?」
舐めた。咥えた。絶壁に擦りつけた。手で擦った。フェチズムの極みに達した偉人なのかと思い、脇コキ髪コキ、更には帽子コキという前代未聞の手管を試みた。
しかし、勃起せず。勃起不可。ノーエレクチオン。
不勃起、インポテンツ。皮がずりむけてぼろんと転がったフランクフルトさんが天高く燃えた暁には世の魔物娘達の膣を掴んで離さないであろうビックサイズは、しかし全く勃たなかった。
「ED、なんですか?」
所が、これもまたおかしい。
魔物娘達との交流によって発覚した事実であるが、魔物娘たちとの性交ではインポテンツといった症状は無効化されるのだ。
インポテンツとは機能性、器質性など精神的あるいは老化現象によって引き起こされるものであるが、魔物娘たちの発する魔力を男性が肌、鼻腔、などから吸収すると、一時的ではあるものの肉体が魔物と同質化し、性欲の向上、肉体の若返りなどといった効果が現れると実証されている。
無論、過度の魔力吸収はインキュバス化を招く事になるのだが、この点は今回関係ない。
つまり話を要約すれば、男はEDではない。
そして、絶壁故に胸関連の淫技で劣るとしても、ルチアは列記とした魔物娘なのである。
サバトではウブでナウい少女が赤面するような話を幾度も聞き、下のお世話に関しては実技が伴っていないだけで完璧であるはずだった。
その結果がこれである。自分の性技は圧倒的に下手なのだろうかとルチアが涙ぐむのも仕方がなかった。
「も〜、なんで勃起させないんですか!? ほら、パンチラパンチラ、胸チラ胸チラ!」
もはや自棄であると、いった風にスカートを上へ下へ。見ようによっては露出狂だ。
何せ、どうもルチア自身は気付いていないようであるが今日の彼女はパンツなんてチャチなものははいていなかったのだから。
ノーパンである。未だ男を受け入れたことのない恥部があらわになる。
また、胸チラといっても、チラリズムを引き起こす程にルチアの胸は脂肪をくくりつけてなんていなかった。
露出度の高い服をセレクトしてこの場に臨んでいるわけであるが、チラリズムというより丸見えであるほんのりとした赤みはくっきりはっきり丸見えである。
「やっぱり胸なんですか!? どいつもこいつもおっぱいおっぱいおっぱい! 脂肪なんてまやかしだって事がどうして分からないんですか! ちっぱいに秘められた秘密を解き明かす方がよっぽど有意義な前戯ですよ!」
思わず声を震わせて泣き叫ぶ。双眸から筋となって流れる涙。ロリ依存の激しい方々を迷わずベッドに直行させる幼女の幼女ゆえに醸し出せる幼女オーラ溢れる姿にも、男は微動だにしなかった。腐ってやがる。
その場にぺたりと座りこんで、どれほどの時間が流れただろうか。
自分の魅力には決定的に何かが欠けているのだろうかとルチアが深刻に考え始めた時分に、この隠し部屋の入り口たる老朽の激しい仕掛け壁から声がかかった。
誰かが、ここに入ろうとしているようである。
「どうしたのかしら」
その声には聞き覚えがあったので、ルチアはこれ天の再来と大声で叫んだ。
「サリアおばちゃん!」
瞬間、仕掛け扉がこの世から消滅した。既に隠し部屋と外界とを隔てる仕切りは存在しない。
次元干渉魔法でも使ったのだろうか。
「おばちゃん?」
「おねえさん!」
まちがっちゃったごめんなさい、といった風にこつんと己の頭に拳をぶつけてみせるが、ルチアは微塵たりとも反省していない。胸がでかい奴は全員敵だからだ。
宿敵たるサキュバスは何事かを思案しているように思えたが、やがて諦めたように息を吐いた。見よ、絶壁の勝利だ。
「……こいつ、まだ何も喋らないのね」
「知っているんですかおっぱい?」
「は?」
「いえ、何でもありません」
どうにも、サリアおっぱいは男の事を知っているらしかった。やはりおっぱいか。
所が、サリアの表情はさえない。
「……で、勃起した?」
「え、と……?」
サリアのあまりにも的を射た発言に、思わず首を傾げるルチア。
思い出すのも忌々しいといった表情を隠そうともせずにサリアは口を開いた。
「……こいつ、元は私が捕まえたのよ。でも、教団の人間ってわけでもないのよね」
そういえば、とルチアは思い出す。
監禁されている男の世話係の前任が居た事を。まさか、その前任が知人であったとは。
「全裸で戦場の中にいてね、しかも仁王立ちしてたのよ。あまりにも不気味だから教団の連中も私の仲間たちも無視してたんだけど……その時、丁度おなか減ってたのよね」
「それで、攫ったんですか?」
そこで一度首肯するサリア。ぷるんぷるんと揺れる乳。実ってやがる。
しかし、熟した体を持て余した未亡人のように、サリアの表情は曇ったままだった。
「攫ったんだけど……」
結局、そこでサリアは口を閉ざしてしまい、ルチアも特に追求しようとは思わなかった。
実の所、サリアを持ってしても男を勃起させる事は出来なかったのである。
あらゆる手、サキュバスにのみ伝わる秘奥六百六十六手をもってしても勃起させる事が出来なった事実はお肌の曲がり角と共にサリアに衝撃を与え、最近までジェットセクロスストリームアタックなる――戦場にて隊列を作る男たちの一人を踏み台にした後結局は全員美味しく頂く云々――奥義を用いて男漁りに性を出していたのだ。
最近の彼女の趣味は、縛られて身動きの出来ない恋人の目前で見ず知らずの男たちに凌辱されるという似非NTRプレイである。
悔し涙を流す夫の顔に興奮するらしい。変態である。
「もしかしたら、こいつ、魔法でも使っているのかもしれないわね」
「そんな、いや、だけど」
魔女であるから分かる。
いや、サキュバスである彼女だって理解している筈だとルチアは言外に伝えたかった。
男は魔力なんてもっていない。ただの一般人、ただの男、ただの人間である。ビックサイズおちんちんを持っている事を除いて。
そもそも、例え彼女たちをも気付けないほどの熟達した魔法使いであっても、わざわざ己の肉棒を勃起させないようにするなんておかしすぎる。
自分で考えて吐き気がした。馬鹿な。己の肉棒を封印するなんて頭がおかしいんじゃないか。
マゾヒストでもそこまではやらない。女になりたいならやりまくってアルフを目指す筈だ。
つい、男を宙に浮かしてみる。
アナルが開発されているようには思えない。
「何考えているのかしらね」
「お兄ちゃんになってほしいのに〜!」
地団太を踏むルチア。
上手く物事が行かず思わず幼女らしい行動を起こしてしまうその姿を視姦するのはとても趣深い。
しばらく苛立ちを露わにしていたが、そこではっとした。
おっぱいのせいでせっかくの隠し部屋シチュが崩れてしまっている。
今まで薄暗かった部屋には日が差しており、これではお兄ちゃんと行う筈だった攻守逆転プレイがいかんせん思うように進まなくなってしまう。
「サリアおねえさんが壊しちゃうから……」
「まあ、私はおねえちゃんだからね。先ほどの発言はなかった事にしてあげるわ。そうねえ、とりあえずジャイアントアントの連中を呼びましょうか。せっかくだからドワーフの連中に装飾品でも作ってもらおうかしら」
「そんな煌びやかなものがあったら、せっかくのシチュエーションが……」
ルチアが反対意見を述べようとしたその時である。
男が、吠えた。
「ドワーフウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!」
「はあ?」
サリアは思わず素っ頓狂な声を上げ。ルチアに至っては機能停止。
そこからは男の一人口上オナニーショーだった。
「ド、ドドドドドドド、ドワーフたんハァハァ! か、かわいいおドワーフたんウエヘヘヘヘヘヘヘ。正に幼女! 正にロリ! 彼女達以上にロリなど存在せず! いや、そもそもロリ=ドワーフの公式がなりたつ事は世界的な事実であり、この論述に関してはバフォメットだろうが魔女だろうがゴブリンだろうが何者でも反論する事はできない! つまり、他の者たちはロリなどではない! ロリータの称号をほしいままにしてよいのはドワーフ様のみなのだ。ああ、あの幼い体を持ち上げて体中をペロペロしたい! 嫌がるその幼い顔に舌を這わせて、その足に! その腕に! その首に! その髪の毛に! ペロペロしたいいいいいいいいいいい! これは我が息子も同調してくれた考え方だ! 愛だ! 愛ゆえに俺は彼女たちに操を立て! 其れはわがジョニーにも伝わった! ああこれは感動的だ! 我がジョニーは彼女の肉壺を求めているのだ! ただそれのみを! タッチ、プリーズ、ロリータ! 故にわれは反論しよう! 違うのだ! 彼女たち以外の一見幼女的恰好をしている魔物娘たちは幼女などではない! 少女だ! 少女なのだ! 胸が少ないだけの女に俺が欲情すると思っているのか!」
あまりにも大きなシャウトは大気を震わし世界を震わし、城にいた魔物娘たちが何事かと集まってくる。サボリだろうか、いくつか結合したままのカップルもいる。
その中には、たまたま町から城に装飾品を下ろしに来ていたドワーフも混じっていた。
「何だい何だいこの騒ぎは!」
そして、その可憐で麗しい声に気付かぬ男ではない。
「ド、ドドドドド」
「ど?」
「ドワーフウウウウウウウウウウウウウウ! ここであったが百年目! さあしよう! レッツ結合! セックス! 交尾! 我と愛を育もう! さあさあ!」
「ちょ、あんた一体何を……? ひゃあ、い、いきなり舐めるなあ! こ、こら足なんて舐められても……! ってデカ! デカ! デカマラー!」
そうして、男はドワーフを担いで愛を育みに行った。
後に残ったのは、構わず続きをし始めた野次馬カップル達と、それにあてられて愛液をダダ漏れにし始めた者たち、そして未だ思考停止しているルチアのみだった。
「……ってあああああ!? 待ってください! その認識は絶対に間違ってます!」
所でサリアはというと、愛しの恋人のアナルに張り型を突っ込んだままだった事を思い出し、既に帰路についていた。
12/01/02 01:52更新 / UT