家の嫁さんについてA
夫1「おお、こっちこっちだ!」
夫2「はい!今行きます」
イラツシャイマセ!ゴチュウモンハナンデショウカ?
夫2「コーヒーをお願いします」
カシコマリマシタ。マスター、オーダーハイリマス。コーヒー1ツデス。
夫2「それで話って何ですか?」
夫1「ああ。実はな、その・・・効果的なダイエット方法って知ってるか?」
夫2「ダイエットですか?・・・・あ〜、やっぱりアレですか?」
夫1「・・・・ああ、そうなんだよ。妻がさ、おいしい料理が出来ましたって言いながらさ、テーブルに並べてくるんだよ」
夫2「判りますよ。オレもそうでしたから。あの頃は本当に辛かったから」
夫1「本当にな、こんな体になってからつくづく実感したよ。アレは一つの所謂メシテロだよ。毎日毎日家に帰るとさ、妻がさ、満面の笑みで出迎えてくれるんだ。それでさ、手を引かれてさ、部屋に入るとさ、テーブルの上にさ、所狭しと沢山の料理が並べられているんだよ」
夫2「新婚の家で新妻が料理を用意して愛しの夫を待っているんですからね。そんな風にされていたら、たとえ疲れ果てていても直ぐに笑顔になってアマエマクルに決まってるんだよな。抱き着いてその胸に頬ずりしまくるに決まってるよな」
夫1「そういや、お前んとこも家と同じホルスタウロスだったよな。あの山脈に挟まれて揉みしだき、思うさま埋もれていたいと世の男性が必ず一度は思うよな・・・ま、一部例外は居るみたいだけどな」
夫2「本当にな。あの大山脈に魅力を感じないなんて如何かしてるよ、人生の全てを損しているとしか思えないよな」
オマタセシマシタ!コーヒーデス、ドウゾ!!!(ガチャン!)
夫1「な、何だ?あの店員は・・・無愛想どころか乱暴だな」
夫2「ほっとけよ。所詮胸も小さいし、背も低いお子様なことでしかアピールできないからヤいてるんだよ。そっとしておいてやれ」
ウワ~~~ン!!!!ニイサマ~~~~~!!!!!!(バン!ダダダダ!)
夫1「あれ?出ていっちゃったよ。店員なのに」
夫2「大丈夫なのかな?この店の店員あのバフォメット一人だけなのにな?」
夫1「ま、大丈夫なんだろ。それよりもこっちの方が問題なんだよ!そのおかげでさ、こうなっちゃったんだよ。見てくれよ、この身体をよ!!!」
夫2「ほう、見事に腹が出ているな。それも立派な三段腹には成っていないが、完璧な太鼓腹だな。叩いたらいい音がしそうだな」
夫1「・・・叩かなくていいよ。別の意味でいい音が出たから。それでさ、直ぐに効果の出るダイエット方法があるか知らないか?出来れば薬とか使わずに、それこそ2,3日でこの腹が目立たなくなる方法とかさ」
夫2「ムチャ言うなよ!食事を制限したり、そのメニューを考えたり、身体を動かす運動メニューを組んでとか、長期的に取り組まないと無理に決まってるだろ。最低でも半年は取り組まないといけないぞ」
夫1「そこをなんとかさ!頼むよ!!!家の嫁さんの笑顔を思うとさ、とてもじゃないけど言えないんだよ」
夫2「そうだよな、愛情のたっぷり篭った料理の食べ過ぎで腹が出てきてるなんて言えないもんな・・・・」
夫1「そうなんだよ。最近医者にも言われているんだよ。『太り過ぎで体重が不味いです、血糖値も正常値の5倍出ています。他にも色々と不味い値が出ていますので、このままですと体質改善のために強制入院してもらいますよ』って言われてるんだ」
夫2「しかしな、こればっかりはな」
ダツタラワタシタチガナントカシマショウカ?
夫1・2「「ん?」」
横から聞こえてきた声に二人が顔を向けると腕組みをして仁王立ちしている店のエプロンを身に着けた男性達が横に立っていた。額には青筋を浮かべ、こめかみを弾くつかせ、顔を赤くしており、その背中には怒りの焔を背負い体中から正しく『俺達は怒っているんだぞ!』オーラを身に纏っていた。
その姿に二人は慌てて逃げ出そうとして周りを見て固まってしまった。
とんがり帽子に黒い服を着た魔女達が店の中のいたる所に陣取っていた。皆怒りに怒りまくっており、中には目を血走らせている魔女や、火球を何十個も浮かべている魔女もいた。
因みにバフォメットは自分の兄様に泣きついて抱っ子しながらヨシヨシと頭を撫でながらあやされていた。
チョウドイイバショガアリマスヨ。パンデモニウムナラサイテキデスヨ
ワタシタチマジョガセキニンヲモツテオノゾミドオリヤセサセテアゲマスネ
夫1・2「アハハハ・・・お手柔らかにお願いします」
こうして二人は無事痩せました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー痩せる方法(規則正しい生活を心がけて)
夫3「お〜い、ここ!ここ!」
夫1「お、待たせたな。ちょっとゴタゴタしててな」
夫2「知ってるって、それも聞きたくて呼んだんだよ。とりあえず座れ」
夫4「すみません、注文をおねがいします」(手を挙げる)
ハイ、ゴチュウモンヲウカガイマス。
夫4「君達はコーヒーでいいかい?」
夫1・2・3「勿論ブラックで」
夫4「僕もコーヒーだけど、塩を一緒にお願いします」
ハイ?エ~トコーヒー4ツニオシオデスネ?カシコマリマシタ!マスター、オネガイシマス。
夫1「さて!それじゃ〜、反省会を含めて皆の成果を確認しようか。先ずは言い出しっぺのオレからでいいかな?」
夫2・3・4「どうぞ!どうぞ!」
夫1「・・・・お約束しろよ!ホントにもう!判ってないな!オマエらは!」
夫4「あ、じゃあ僕から始めますね」
夫1「・・・・本当に判ってないな」
夫3「いいじゃないか、トップバッター頼むぞ」
夫4「はい、では始めますね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫4「はい、紅茶とクッキーです。少し休憩にしましょう」
デュラハン「うむ、そうしよう。・・・ふう、少し目が疲れたな」
夫4「そういう時は糖分を取ると良いですよ。さ、このジャムを付けて食べてみてください」
デュラハン「ふむ、頂こう。・・・・なかなか良いな。これは、ブルーベリーだな。仄かな酸味と甘さが丁度良いな。クッキーの塩味にも合ってとても美味だぞ。紅茶も飲みやすい温度で最高だな」
夫4「それは良かったです。実は新作のジャムがあるので、是非このジャムの味見もお願いします」
デュラハン「勿論頂こう、この赤い色はストロベリーかな?どれどれ・・・ムグッ?!?!」
夫4「どうですか?美味しいですか?」ニコニコ
デュラハン「・・・あ、ああ。なかなか刺激的な味だな」(か、辛い!途轍もなく辛い!!!口の中がヒリヒリして舌がビリビリ痺れてもはや痛みだけしか残ってない。い、いや!もうその痛みも無くなり、最早口の中の感覚が無くなっている!!!!な、何だ?この途轍もなく辛いジャムは!!!)
夫4「良かった。自信作なんですよ、この唐辛子ジャム」
デュラハン「唐辛子ジャム!!!!」
夫4「ええ。キャロライナ・リーパーという最恐の唐辛子にハバネロをブレンドしてデスソースを混ぜ込んだんです。カプサイシンってダイエットにも効果があるらしいですから、家の新商品として売り出すつもりです。売れる事間違いなしですね」
デュラハン「ちょ、ちょっと待て!!流石にこれは、いくら何でも?!?!」
夫4「そうだ、確かジャムを紅茶に入れると美味しくなるんですよね。直ぐにお代わりを用意しますね」
デュラハン「・・・ああ、お願いしよう」(クッ!言える訳無い!!あんな笑顔で用意されたら断る事など出来ん!!!)
夫4「♪♪♪〜〜〜。さ、お待たせしました!冷めないうちにどうぞ!」
デュラハン「・・・・頂こう。いざ!!!!」
・・・・死地に赴く覚悟で手にした紅茶を一気に飲みこんだデュラハンは、カップを静かに置くと微笑んだまま静かに意識を失った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫4「・・・・と、こんな具合ですね」
夫1「やるな〜〜、善意にみせての悪意とは。それに生真面目なデュラハンの性格を利用した見事な策略だな。ところでちゃんとアフターケアは」
夫4「勿論ですよ。僕の得意なマッサージを全身全霊でしてあげましたからね、それもずっと毎日です」
夫2「それでここ最近は、いつもぼ〜っとして上の空だったのか・・・・お蔭で大変だったんだぞ、傍を通るだけで反射的に切りつけてくる状態だから書類が溜まるばかりで・・・・」
夫4「すみません、まさかここまで効果があるとは。今夜からは少し控えますから」
夫1「因みに、どんな風にしたんだ?」
夫4「普通に肩や足を揉んだりしただけですよ。ああ、それに『いつもありがとうね、ハニー』とか『可愛い君のためだからこれくらい何とも無いよ』とかそんなことを耳元とかで囁いてるくらいかな」
夫1・2・3「「「それだ!!!」」」
オマタセシマシタ、コーヒートオシオデス。ドウゾ!(ソツカ、コレハツカエルノジャ)
夫4「ありがとう。さてと・・・塩はこんなものかな」
夫3「なあ、美味いのかそれ?」
夫4「僕的には一番美味しい飲み方なんだけど?」
夫3「よく判らんな、普通は砂糖とミルクだからな」
夫1「あと、クリームを浮かべるのくらいかな」
夫2「ま、いいじゃんか。好みはそれぞれだよ。次はオレでいいかな?」
夫1「どんな風にしたんだ?」
夫2「応、それじゃ〜オレが話すぜ。オレの場合はな・・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
稲荷「あらあら。旦那様ったら、またお部屋のお掃除もせず出掛けられたのですね。困った方ですね」
困ったと口では言いいながらも、テキパキと部屋の中を片付け始める。テーブルの上にある書類を整理し、床に散らばっている資料用の本を本棚に分類別にしまい込んでゆき、クシャクシャに丸められた紙などはゴミ箱にいれ、たった数分で新築の部屋と思える程綺麗に片づけてしまう。
稲荷「ふう。これで大丈夫ですね。後は今夜の夕餉を準備するだけですが、些か早すぎますね。・・・・そういえば、この余った本は何処にしまえばよろしいのでしょうか?この部屋の本棚では見かけませんでしたし、旦那様がお持ちの秘蔵本(意味深)でもみかけませんでしたし・・・少しだけ読んでみましょう。これも良い妻として旦那様にお仕えするためには仕方が無い事なのです。申し訳ありません、旦那様。はしたない妻をお許しください、では!」
パラッ!『見たな!』パラッ!!『また見たな!!』
稲荷「えっ?・・・こ、これは?」
パラッ!!!『またまた見たな!!!』パラッ!!!!『まだ見てるのか?』
パラッ!!!!!『後ろを見るといい!』
稲荷「!!!!!!」
後ろを振り向いてみるが誰も居ない。その事に安堵して次のページを捲る。
パラッ!!!!!!『や〜〜〜い!!!引っ掛かった!!!!この本はイタズラだよ〜〜〜!!!!勝手に秘蔵本まで読んでるからオシオキしたんだ。これに懲りたらお勉強は少し控えなさい。君はオレにもったいないくらい素晴らしい妻なんだから、もっと自信を持って良いんだよ』
稲荷「//////もう、旦那様ったら♪♪♪申し訳ありません。これからは少し控えますね・・・・でも、ホントに少しだけですよ」
稲荷は本をテーブルの上に置くと、尻尾を振りながらルンルンと上機嫌で鼻歌混じりに部屋を後にした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫2「・・・・と、こんな具合だな」
夫4「成程、中々高度な仕掛けですね。イタズラしつつ、さり気なくフォローしているんですから」
夫3「流石は自警団の知恵袋だな。と、一つ確認したいんだが」
夫2「それを知りたいのでしたら、私のオハナシを聞いてもらう事になりますけどヨロシイデスカ?」
夫1・3・4「「「それは断る!!!」」」
夫2「残念ですね〜〜〜」
夫1・3・4(((アンタの満足するまでノロケ話を聞くなんてしたくないですよ。24時間どころか3日間でも足りないなんて・・・)))
夫3「そ、それじゃ〜次はオレな!」
夫4「は、はい!お願いします!!」
夫3「よし!オレはだな・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ネコマタ「お〜〜い。工房の方に修理する防具類を運んどいたよ〜〜」
暢気に話しながら部屋の中に入ってきたネコマタは部屋の主人がテーブルにつっぷして居眠りしていることに耳を伏せて落胆してしまう。
ネコマタ「ブ〜〜!アタシに手伝いを押し付けて自分だけ居眠りしてるなんてズルいにゃ!・・・寝るのにゃらアタシが膝枕してあげたのに」
起こすのも悪いと思いネコ科特有の忍び足で近寄ると顔を覗き込む。目を瞑り安らかに寝ているのに安心して尻尾を近づけると、頬をツンツンとつついてみるが相手は口元を少しだけ歪ませるだけで起きる気配は無いみたいだ。
ネコマタ「ニュフフ〜〜〜、これくらいはイタズラしてもいいよね〜〜。アタシをこき使ったお返しだにゃ〜。ウリウリ・・・キュフフ・・・ホントに起きにゃいね〜〜〜。いつも遅くまでお仕事頑張ってるんにゃから仕方がにゃいけど、疲れすぎて倒れたらダメにゃんだからね♪♪♪」
そんな時何気なく見たテーブルの上に小さな箱が一つ置いてあるのが目に付いた。何の変哲もない普通の箱だがたった一つだけ不釣り合いなモノが付いていたのだ。箱の蓋に小さな長方形の紙が張り付けてあった。そしてその紙切れには一言だけ書いてあった。
ネコマタ「『開けていいよ!』???」
読み上げて考え込んでしまう。普通箱は開けるのを前提にしているはずなのに何故この箱は開けていいのだろうか・・・・
ネコマタ「ニャフ!解かったにゃ!!」
頭の上に電球をピコーンと光らせて自信満々な声で宣言する。
ネコマタ「これはアレだにゃ。この箱の中にはアタシに見せたくない何かが入ってるんだにゃ!で、普通にゃら『開けるな!』とか書くんにゃけどそう書いたら開けられると思ったからこう書いたんだにゃ。逆の言葉を書くことで気を逸らすにゃんてにゃんて高度な仕掛けにゃんだにゃ!!ニュフフ〜〜〜♪でもアタシには無駄だったにゃ!こんなのに騙されるアタシではにゃいにゃ!!!」
なぜかガッツポーズで堂々と宣言したネコマタは、箱を手に取るとテーブルに背を向けて蓋に手を掛けて
ネコマタ「それではご褒美としてこの箱を開けましょう。にゃにがはいってるのか楽しみにゃ〜〜」
自分への言い訳を終えたネコマタは蓋を開けてしまった。
ビヨヨ〜〜〜〜〜ン!!!!
ネコマタ「ヒギャ!!!!!」
飛び出てきた白塗り顔にカラフルな帽子を乗せた人形にネコマタは盛大に跳び上がって尻もちをついた後気を失ってしまった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫2「で、その後如何したんだ?」
夫3「目を覚ますまでオレの膝枕で眠らせてあげたよ。目を覚ましたら頭を撫でてあげながら『何時も手伝ってくれてありがとうな』って話したんだ」
夫1「それはさぞかしビックリしたんじゃないかい」
夫3「驚き過ぎて声も出なかったな。それでも撫で続けてると顔を赤くしてニャフ〜〜〜って大人しくされるがままになったな。勿論あのビックリ箱は気を失った時に隠してるからな」
ニイサマ~~~~~!!!!!!コレヲノンデホシイノジャ!!!!!!
ヘ?ワシモイツショニオチャニシヨウジャト。モ、モチロンジャ!!!
ゴクツ。グツ!ニガイノジャ~~~!!!
夫1「さて、最後はオレだな」
夫4「ええ、お願いします。それに実は気になっていたんですよ」
夫2「貴方が何をしたのか?」
夫3「詳しく話せよな」
夫1「わ、解かってるよ。て言うかそんなに大した事はしてないぞ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫1「・・・・これで良しと。お〜〜〜い、準備が出来たぞ」
ドラゴン「うむ、もう少しでキリが付くから暫く待ってくれないか」
夫1「ああ、それでどうだ新入りどもは。使えそうか?」
ドラゴン「そう急ぐな、入隊してまだ二ヵ月だぞ。実力など判るものか」
夫1「それはそうだがな・・・早いとこ半人前くらいにはしないとな」
ドラゴン「一人前ではないのか?」
夫1「自警団団長から一人前なんて言われたらそこで終わっちまうからな」
ドラゴン「教団勇者を正々堂々と打ち負かしたオマエから言われたらしかたないだろ。舞い上がるなと言う方がムリというものだ。さ、終わったぞ」
夫1「そうか。それならそっちに座ってくれ、今からそっちのテーブルにティーセットを持って行くから」
ドラゴン「ああ、こちらだな」
ガタン!スタッ!ブ〜〜〜!!!!
ドラゴン「?!?!?!!!!!!」
夫1「お、おい!今の音は?」
ドラゴン「あ!チ、違うのだ!!!こここれは///そ、その!だ、じゃきゃらわわわちゃしではにゃく//////」
夫1「・・・・解かった、解かった。そっか、オマエも疲れてたんだな」
ドラゴン「ち、違う!そうじゃないんだ!!!だから本当に・・・」
夫1「いいんだ。気付かなかったオレが悪いんだ、きにするな」
ドラゴン「ウ、ウワ〜〜〜〜ン!!!チガウンダ〜〜〜〜!!!!!」
ダダダダッ!ガシャ〜〜〜ン!!!ギャオ〜〜〜〜〜〜!!!!
ウワ~~~!!ドラゴンサンガトビダシテキタゾ!!!リュウカシテトビタツテイツタゾ!!!!
ウチノカベガメチャクチャダ!!ワ~~~!!!ブレスヲフキダシタゾ!!!カベガ!!ジョウヘキガフキトンダゾ!!!
ジケイダンヲヨベ!!!サバトニモレンラクシロ!!!ショウカハンイソゲ!!!!
ウワ~~~ン!!!チガウンダ~~~~~!!!!!ワタシジャナイインダ~~~~~!!!!!
夫1「・・・・・・・・・・まじかよ」
パサリと床の上にブーブークッションが落ちた音がやけに耳に響いたのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫1「だったけど・・・・」
夫2「さすがに・・・・」
夫3「それは・・・・・・」
夫4「どうしようもありませんね・・・・・」
ウ~~~、ニガイノジャ。チュウモンヲウケニキタノジャ。フム、ワカツタノジャ。
夫1「まさか、あそこまで取り乱すとはおもわなくて・・・・」
夫2「ま、幸いにして被害は建物と城壁だけでしたからヨシとしましょう」
夫3「けどさ、こっちは防具の補修に大忙しだったんだぞ」
夫4「僕も連日の炊き出しで大変でしたね」
夫1「それについては本当に済まないと思ってる。だから」
オマタセシマシタ。コチラトリコノカジツヲツカツタショートケーキデス。
夫1「へ?ショートケーキ?」
夫2「あの、誰か頼みましたか?」
夫3「いや、オレじゃないぞ!」
夫4「僕でもありませんよ。あのこれは一体・・・」
アチラノカタカラノサシイレデス。
夫1・2・3・4「「「「あちら????」」」」
バフォメットが指差した方を見た彼らは後悔した。何故ここで話をしたのかと。何故ここを集合場所に選んだのかと。何故彼女達に気付かなかったかと。
視線の先には彼女たちが居た。自分たちの妻が、愛する妻たちが。
デュラハンは愛用の剣を念入りに研いでいた。
稲荷は氷点下の笑みを浮かべて冷ややかに見つめていた。
ネコマタは研ぎ終えたツメを見つめてクックッと笑っていた。
ドラゴンはテーブルの端を掴んでワナワナと震えていた。
夫1・2・3・4「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」
サービスデキュウカシンセイショヲカワリニテイシュツシテオキマスノデキニュウヲシテクダサイ。
夫1・2・3・4「「「「はい・・・・・」」」」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−ある日のお話し(秘密の話をするときは注意して)
夫2「はい!今行きます」
イラツシャイマセ!ゴチュウモンハナンデショウカ?
夫2「コーヒーをお願いします」
カシコマリマシタ。マスター、オーダーハイリマス。コーヒー1ツデス。
夫2「それで話って何ですか?」
夫1「ああ。実はな、その・・・効果的なダイエット方法って知ってるか?」
夫2「ダイエットですか?・・・・あ〜、やっぱりアレですか?」
夫1「・・・・ああ、そうなんだよ。妻がさ、おいしい料理が出来ましたって言いながらさ、テーブルに並べてくるんだよ」
夫2「判りますよ。オレもそうでしたから。あの頃は本当に辛かったから」
夫1「本当にな、こんな体になってからつくづく実感したよ。アレは一つの所謂メシテロだよ。毎日毎日家に帰るとさ、妻がさ、満面の笑みで出迎えてくれるんだ。それでさ、手を引かれてさ、部屋に入るとさ、テーブルの上にさ、所狭しと沢山の料理が並べられているんだよ」
夫2「新婚の家で新妻が料理を用意して愛しの夫を待っているんですからね。そんな風にされていたら、たとえ疲れ果てていても直ぐに笑顔になってアマエマクルに決まってるんだよな。抱き着いてその胸に頬ずりしまくるに決まってるよな」
夫1「そういや、お前んとこも家と同じホルスタウロスだったよな。あの山脈に挟まれて揉みしだき、思うさま埋もれていたいと世の男性が必ず一度は思うよな・・・ま、一部例外は居るみたいだけどな」
夫2「本当にな。あの大山脈に魅力を感じないなんて如何かしてるよ、人生の全てを損しているとしか思えないよな」
オマタセシマシタ!コーヒーデス、ドウゾ!!!(ガチャン!)
夫1「な、何だ?あの店員は・・・無愛想どころか乱暴だな」
夫2「ほっとけよ。所詮胸も小さいし、背も低いお子様なことでしかアピールできないからヤいてるんだよ。そっとしておいてやれ」
ウワ~~~ン!!!!ニイサマ~~~~~!!!!!!(バン!ダダダダ!)
夫1「あれ?出ていっちゃったよ。店員なのに」
夫2「大丈夫なのかな?この店の店員あのバフォメット一人だけなのにな?」
夫1「ま、大丈夫なんだろ。それよりもこっちの方が問題なんだよ!そのおかげでさ、こうなっちゃったんだよ。見てくれよ、この身体をよ!!!」
夫2「ほう、見事に腹が出ているな。それも立派な三段腹には成っていないが、完璧な太鼓腹だな。叩いたらいい音がしそうだな」
夫1「・・・叩かなくていいよ。別の意味でいい音が出たから。それでさ、直ぐに効果の出るダイエット方法があるか知らないか?出来れば薬とか使わずに、それこそ2,3日でこの腹が目立たなくなる方法とかさ」
夫2「ムチャ言うなよ!食事を制限したり、そのメニューを考えたり、身体を動かす運動メニューを組んでとか、長期的に取り組まないと無理に決まってるだろ。最低でも半年は取り組まないといけないぞ」
夫1「そこをなんとかさ!頼むよ!!!家の嫁さんの笑顔を思うとさ、とてもじゃないけど言えないんだよ」
夫2「そうだよな、愛情のたっぷり篭った料理の食べ過ぎで腹が出てきてるなんて言えないもんな・・・・」
夫1「そうなんだよ。最近医者にも言われているんだよ。『太り過ぎで体重が不味いです、血糖値も正常値の5倍出ています。他にも色々と不味い値が出ていますので、このままですと体質改善のために強制入院してもらいますよ』って言われてるんだ」
夫2「しかしな、こればっかりはな」
ダツタラワタシタチガナントカシマショウカ?
夫1・2「「ん?」」
横から聞こえてきた声に二人が顔を向けると腕組みをして仁王立ちしている店のエプロンを身に着けた男性達が横に立っていた。額には青筋を浮かべ、こめかみを弾くつかせ、顔を赤くしており、その背中には怒りの焔を背負い体中から正しく『俺達は怒っているんだぞ!』オーラを身に纏っていた。
その姿に二人は慌てて逃げ出そうとして周りを見て固まってしまった。
とんがり帽子に黒い服を着た魔女達が店の中のいたる所に陣取っていた。皆怒りに怒りまくっており、中には目を血走らせている魔女や、火球を何十個も浮かべている魔女もいた。
因みにバフォメットは自分の兄様に泣きついて抱っ子しながらヨシヨシと頭を撫でながらあやされていた。
チョウドイイバショガアリマスヨ。パンデモニウムナラサイテキデスヨ
ワタシタチマジョガセキニンヲモツテオノゾミドオリヤセサセテアゲマスネ
夫1・2「アハハハ・・・お手柔らかにお願いします」
こうして二人は無事痩せました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー痩せる方法(規則正しい生活を心がけて)
夫3「お〜い、ここ!ここ!」
夫1「お、待たせたな。ちょっとゴタゴタしててな」
夫2「知ってるって、それも聞きたくて呼んだんだよ。とりあえず座れ」
夫4「すみません、注文をおねがいします」(手を挙げる)
ハイ、ゴチュウモンヲウカガイマス。
夫4「君達はコーヒーでいいかい?」
夫1・2・3「勿論ブラックで」
夫4「僕もコーヒーだけど、塩を一緒にお願いします」
ハイ?エ~トコーヒー4ツニオシオデスネ?カシコマリマシタ!マスター、オネガイシマス。
夫1「さて!それじゃ〜、反省会を含めて皆の成果を確認しようか。先ずは言い出しっぺのオレからでいいかな?」
夫2・3・4「どうぞ!どうぞ!」
夫1「・・・・お約束しろよ!ホントにもう!判ってないな!オマエらは!」
夫4「あ、じゃあ僕から始めますね」
夫1「・・・・本当に判ってないな」
夫3「いいじゃないか、トップバッター頼むぞ」
夫4「はい、では始めますね」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夫4「はい、紅茶とクッキーです。少し休憩にしましょう」
デュラハン「うむ、そうしよう。・・・ふう、少し目が疲れたな」
夫4「そういう時は糖分を取ると良いですよ。さ、このジャムを付けて食べてみてください」
デュラハン「ふむ、頂こう。・・・・なかなか良いな。これは、ブルーベリーだな。仄かな酸味と甘さが丁度良いな。クッキーの塩味にも合ってとても美味だぞ。紅茶も飲みやすい温度で最高だな」
夫4「それは良かったです。実は新作のジャムがあるので、是非このジャムの味見もお願いします」
デュラハン「勿論頂こう、この赤い色はストロベリーかな?どれどれ・・・ムグッ?!?!」
夫4「どうですか?美味しいですか?」ニコニコ
デュラハン「・・・あ、ああ。なかなか刺激的な味だな」(か、辛い!途轍もなく辛い!!!口の中がヒリヒリして舌がビリビリ痺れてもはや痛みだけしか残ってない。い、いや!もうその痛みも無くなり、最早口の中の感覚が無くなっている!!!!な、何だ?この途轍もなく辛いジャムは!!!)
夫4「良かった。自信作なんですよ、この唐辛子ジャム」
デュラハン「唐辛子ジャム!!!!」
夫4「ええ。キャロライナ・リーパーという最恐の唐辛子にハバネロをブレンドしてデスソースを混ぜ込んだんです。カプサイシンってダイエットにも効果があるらしいですから、家の新商品として売り出すつもりです。売れる事間違いなしですね」
デュラハン「ちょ、ちょっと待て!!流石にこれは、いくら何でも?!?!」
夫4「そうだ、確かジャムを紅茶に入れると美味しくなるんですよね。直ぐにお代わりを用意しますね」
デュラハン「・・・ああ、お願いしよう」(クッ!言える訳無い!!あんな笑顔で用意されたら断る事など出来ん!!!)
夫4「♪♪♪〜〜〜。さ、お待たせしました!冷めないうちにどうぞ!」
デュラハン「・・・・頂こう。いざ!!!!」
・・・・死地に赴く覚悟で手にした紅茶を一気に飲みこんだデュラハンは、カップを静かに置くと微笑んだまま静かに意識を失った。
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夫4「・・・・と、こんな具合ですね」
夫1「やるな〜〜、善意にみせての悪意とは。それに生真面目なデュラハンの性格を利用した見事な策略だな。ところでちゃんとアフターケアは」
夫4「勿論ですよ。僕の得意なマッサージを全身全霊でしてあげましたからね、それもずっと毎日です」
夫2「それでここ最近は、いつもぼ〜っとして上の空だったのか・・・・お蔭で大変だったんだぞ、傍を通るだけで反射的に切りつけてくる状態だから書類が溜まるばかりで・・・・」
夫4「すみません、まさかここまで効果があるとは。今夜からは少し控えますから」
夫1「因みに、どんな風にしたんだ?」
夫4「普通に肩や足を揉んだりしただけですよ。ああ、それに『いつもありがとうね、ハニー』とか『可愛い君のためだからこれくらい何とも無いよ』とかそんなことを耳元とかで囁いてるくらいかな」
夫1・2・3「「「それだ!!!」」」
オマタセシマシタ、コーヒートオシオデス。ドウゾ!(ソツカ、コレハツカエルノジャ)
夫4「ありがとう。さてと・・・塩はこんなものかな」
夫3「なあ、美味いのかそれ?」
夫4「僕的には一番美味しい飲み方なんだけど?」
夫3「よく判らんな、普通は砂糖とミルクだからな」
夫1「あと、クリームを浮かべるのくらいかな」
夫2「ま、いいじゃんか。好みはそれぞれだよ。次はオレでいいかな?」
夫1「どんな風にしたんだ?」
夫2「応、それじゃ〜オレが話すぜ。オレの場合はな・・・・・」
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稲荷「あらあら。旦那様ったら、またお部屋のお掃除もせず出掛けられたのですね。困った方ですね」
困ったと口では言いいながらも、テキパキと部屋の中を片付け始める。テーブルの上にある書類を整理し、床に散らばっている資料用の本を本棚に分類別にしまい込んでゆき、クシャクシャに丸められた紙などはゴミ箱にいれ、たった数分で新築の部屋と思える程綺麗に片づけてしまう。
稲荷「ふう。これで大丈夫ですね。後は今夜の夕餉を準備するだけですが、些か早すぎますね。・・・・そういえば、この余った本は何処にしまえばよろしいのでしょうか?この部屋の本棚では見かけませんでしたし、旦那様がお持ちの秘蔵本(意味深)でもみかけませんでしたし・・・少しだけ読んでみましょう。これも良い妻として旦那様にお仕えするためには仕方が無い事なのです。申し訳ありません、旦那様。はしたない妻をお許しください、では!」
パラッ!『見たな!』パラッ!!『また見たな!!』
稲荷「えっ?・・・こ、これは?」
パラッ!!!『またまた見たな!!!』パラッ!!!!『まだ見てるのか?』
パラッ!!!!!『後ろを見るといい!』
稲荷「!!!!!!」
後ろを振り向いてみるが誰も居ない。その事に安堵して次のページを捲る。
パラッ!!!!!!『や〜〜〜い!!!引っ掛かった!!!!この本はイタズラだよ〜〜〜!!!!勝手に秘蔵本まで読んでるからオシオキしたんだ。これに懲りたらお勉強は少し控えなさい。君はオレにもったいないくらい素晴らしい妻なんだから、もっと自信を持って良いんだよ』
稲荷「//////もう、旦那様ったら♪♪♪申し訳ありません。これからは少し控えますね・・・・でも、ホントに少しだけですよ」
稲荷は本をテーブルの上に置くと、尻尾を振りながらルンルンと上機嫌で鼻歌混じりに部屋を後にした。
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夫2「・・・・と、こんな具合だな」
夫4「成程、中々高度な仕掛けですね。イタズラしつつ、さり気なくフォローしているんですから」
夫3「流石は自警団の知恵袋だな。と、一つ確認したいんだが」
夫2「それを知りたいのでしたら、私のオハナシを聞いてもらう事になりますけどヨロシイデスカ?」
夫1・3・4「「「それは断る!!!」」」
夫2「残念ですね〜〜〜」
夫1・3・4(((アンタの満足するまでノロケ話を聞くなんてしたくないですよ。24時間どころか3日間でも足りないなんて・・・)))
夫3「そ、それじゃ〜次はオレな!」
夫4「は、はい!お願いします!!」
夫3「よし!オレはだな・・・・」
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ネコマタ「お〜〜い。工房の方に修理する防具類を運んどいたよ〜〜」
暢気に話しながら部屋の中に入ってきたネコマタは部屋の主人がテーブルにつっぷして居眠りしていることに耳を伏せて落胆してしまう。
ネコマタ「ブ〜〜!アタシに手伝いを押し付けて自分だけ居眠りしてるなんてズルいにゃ!・・・寝るのにゃらアタシが膝枕してあげたのに」
起こすのも悪いと思いネコ科特有の忍び足で近寄ると顔を覗き込む。目を瞑り安らかに寝ているのに安心して尻尾を近づけると、頬をツンツンとつついてみるが相手は口元を少しだけ歪ませるだけで起きる気配は無いみたいだ。
ネコマタ「ニュフフ〜〜〜、これくらいはイタズラしてもいいよね〜〜。アタシをこき使ったお返しだにゃ〜。ウリウリ・・・キュフフ・・・ホントに起きにゃいね〜〜〜。いつも遅くまでお仕事頑張ってるんにゃから仕方がにゃいけど、疲れすぎて倒れたらダメにゃんだからね♪♪♪」
そんな時何気なく見たテーブルの上に小さな箱が一つ置いてあるのが目に付いた。何の変哲もない普通の箱だがたった一つだけ不釣り合いなモノが付いていたのだ。箱の蓋に小さな長方形の紙が張り付けてあった。そしてその紙切れには一言だけ書いてあった。
ネコマタ「『開けていいよ!』???」
読み上げて考え込んでしまう。普通箱は開けるのを前提にしているはずなのに何故この箱は開けていいのだろうか・・・・
ネコマタ「ニャフ!解かったにゃ!!」
頭の上に電球をピコーンと光らせて自信満々な声で宣言する。
ネコマタ「これはアレだにゃ。この箱の中にはアタシに見せたくない何かが入ってるんだにゃ!で、普通にゃら『開けるな!』とか書くんにゃけどそう書いたら開けられると思ったからこう書いたんだにゃ。逆の言葉を書くことで気を逸らすにゃんてにゃんて高度な仕掛けにゃんだにゃ!!ニュフフ〜〜〜♪でもアタシには無駄だったにゃ!こんなのに騙されるアタシではにゃいにゃ!!!」
なぜかガッツポーズで堂々と宣言したネコマタは、箱を手に取るとテーブルに背を向けて蓋に手を掛けて
ネコマタ「それではご褒美としてこの箱を開けましょう。にゃにがはいってるのか楽しみにゃ〜〜」
自分への言い訳を終えたネコマタは蓋を開けてしまった。
ビヨヨ〜〜〜〜〜ン!!!!
ネコマタ「ヒギャ!!!!!」
飛び出てきた白塗り顔にカラフルな帽子を乗せた人形にネコマタは盛大に跳び上がって尻もちをついた後気を失ってしまった。
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夫2「で、その後如何したんだ?」
夫3「目を覚ますまでオレの膝枕で眠らせてあげたよ。目を覚ましたら頭を撫でてあげながら『何時も手伝ってくれてありがとうな』って話したんだ」
夫1「それはさぞかしビックリしたんじゃないかい」
夫3「驚き過ぎて声も出なかったな。それでも撫で続けてると顔を赤くしてニャフ〜〜〜って大人しくされるがままになったな。勿論あのビックリ箱は気を失った時に隠してるからな」
ニイサマ~~~~~!!!!!!コレヲノンデホシイノジャ!!!!!!
ヘ?ワシモイツショニオチャニシヨウジャト。モ、モチロンジャ!!!
ゴクツ。グツ!ニガイノジャ~~~!!!
夫1「さて、最後はオレだな」
夫4「ええ、お願いします。それに実は気になっていたんですよ」
夫2「貴方が何をしたのか?」
夫3「詳しく話せよな」
夫1「わ、解かってるよ。て言うかそんなに大した事はしてないぞ」
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夫1「・・・・これで良しと。お〜〜〜い、準備が出来たぞ」
ドラゴン「うむ、もう少しでキリが付くから暫く待ってくれないか」
夫1「ああ、それでどうだ新入りどもは。使えそうか?」
ドラゴン「そう急ぐな、入隊してまだ二ヵ月だぞ。実力など判るものか」
夫1「それはそうだがな・・・早いとこ半人前くらいにはしないとな」
ドラゴン「一人前ではないのか?」
夫1「自警団団長から一人前なんて言われたらそこで終わっちまうからな」
ドラゴン「教団勇者を正々堂々と打ち負かしたオマエから言われたらしかたないだろ。舞い上がるなと言う方がムリというものだ。さ、終わったぞ」
夫1「そうか。それならそっちに座ってくれ、今からそっちのテーブルにティーセットを持って行くから」
ドラゴン「ああ、こちらだな」
ガタン!スタッ!ブ〜〜〜!!!!
ドラゴン「?!?!?!!!!!!」
夫1「お、おい!今の音は?」
ドラゴン「あ!チ、違うのだ!!!こここれは///そ、その!だ、じゃきゃらわわわちゃしではにゃく//////」
夫1「・・・・解かった、解かった。そっか、オマエも疲れてたんだな」
ドラゴン「ち、違う!そうじゃないんだ!!!だから本当に・・・」
夫1「いいんだ。気付かなかったオレが悪いんだ、きにするな」
ドラゴン「ウ、ウワ〜〜〜〜ン!!!チガウンダ〜〜〜〜!!!!!」
ダダダダッ!ガシャ〜〜〜ン!!!ギャオ〜〜〜〜〜〜!!!!
ウワ~~~!!ドラゴンサンガトビダシテキタゾ!!!リュウカシテトビタツテイツタゾ!!!!
ウチノカベガメチャクチャダ!!ワ~~~!!!ブレスヲフキダシタゾ!!!カベガ!!ジョウヘキガフキトンダゾ!!!
ジケイダンヲヨベ!!!サバトニモレンラクシロ!!!ショウカハンイソゲ!!!!
ウワ~~~ン!!!チガウンダ~~~~~!!!!!ワタシジャナイインダ~~~~~!!!!!
夫1「・・・・・・・・・・まじかよ」
パサリと床の上にブーブークッションが落ちた音がやけに耳に響いたのだった。
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夫1「だったけど・・・・」
夫2「さすがに・・・・」
夫3「それは・・・・・・」
夫4「どうしようもありませんね・・・・・」
ウ~~~、ニガイノジャ。チュウモンヲウケニキタノジャ。フム、ワカツタノジャ。
夫1「まさか、あそこまで取り乱すとはおもわなくて・・・・」
夫2「ま、幸いにして被害は建物と城壁だけでしたからヨシとしましょう」
夫3「けどさ、こっちは防具の補修に大忙しだったんだぞ」
夫4「僕も連日の炊き出しで大変でしたね」
夫1「それについては本当に済まないと思ってる。だから」
オマタセシマシタ。コチラトリコノカジツヲツカツタショートケーキデス。
夫1「へ?ショートケーキ?」
夫2「あの、誰か頼みましたか?」
夫3「いや、オレじゃないぞ!」
夫4「僕でもありませんよ。あのこれは一体・・・」
アチラノカタカラノサシイレデス。
夫1・2・3・4「「「「あちら????」」」」
バフォメットが指差した方を見た彼らは後悔した。何故ここで話をしたのかと。何故ここを集合場所に選んだのかと。何故彼女達に気付かなかったかと。
視線の先には彼女たちが居た。自分たちの妻が、愛する妻たちが。
デュラハンは愛用の剣を念入りに研いでいた。
稲荷は氷点下の笑みを浮かべて冷ややかに見つめていた。
ネコマタは研ぎ終えたツメを見つめてクックッと笑っていた。
ドラゴンはテーブルの端を掴んでワナワナと震えていた。
夫1・2・3・4「「「「・・・・・・・・・・・・・」」」」
サービスデキュウカシンセイショヲカワリニテイシュツシテオキマスノデキニュウヲシテクダサイ。
夫1・2・3・4「「「「はい・・・・・」」」」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−ある日のお話し(秘密の話をするときは注意して)
16/11/03 05:05更新 / 名無しの旅人
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