本当にあった・・・・4
皆さん、ようこそ♪フフフフ、性懲りもなくまた来てくださりこちらとしてもうれしい限りですよ❤
そんな風に身構えないでください、ほんの少しお茶目しただけじゃないですか。
今回はちゃんとした審査をしてもらいますから安心してくださいね。
さあ、それじゃ張り切って審査してくださいね。
それではスタート!
変身
一人の女性が画面に現れると、その女性がゆっくりと回転して全身を映し出す。映し出されているのは雪女だ。雪の様に白い着物を身に纏い、着物の裾から白い肌を覗かせている。新雪を思わせる髪の毛を肩の辺りで切り揃えており、日の光に当たると消えてしまうような儚い笑顔を見せている。
===画面から雪女の姿が消え二週間後と文字が現れ消える===
一人の女性が画面に現れる。ビキニの水着を着て小麦色の肌を魅せる健康美溢れる女性だが、なんとそれはあの雪女だった。浮かべている笑顔も以前の儚い笑顔ではなく、明るい爽やかな笑顔で男女問わず振り向かせる程の魅力に溢れている。
雪女は両手を腰に当ててモデル立ちしたまま回転して全身を映し出している。爽やかな笑顔を魅せながら・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一人の女性が画面に現れると、その女性がゆっくりと回転して全身を映し出す。映し出されているのはゾンビだ。身体を少し斜めに傾け薄汚れた衣服を身に付けており、死者特有の血色の悪い肌を見せている。視線は定まらずだらしなく開けた口からは涎を溢しており、千切れた腕を残りの片腕で持っている。
===画面からゾンビの姿が消え二週間後と文字が現れ消える===
一人の女性が画面に現れる。レオタードを着て現れると床の上を助走をつけて走り出しそこから側転を二回、更にバク転を三回、最後に月面宙返りを決めて見事な着地を行なう。審査委員が観たら確実に高得点を点ける完璧な演技だ。その演技を魅せたのはなんとあのゾンビだった。
血色の悪い肌はそのままだが、千切れた腕は見事に付いており背筋も真っ直ぐに伸ばして両脚で立っている。口元はキリッ!と引き締まり両目はしっかりと正面を見詰めている。額から一筋の汗を流しながら・・・・
画面が暗転してある文章が現れる。
「生まれ変わった後、更に生まれ変わりたいと思ったらこちらに
魔界美容院ビューティーチェンジ」
秘密の仕事
一人の少女が校舎の入り口にある玄関の下駄箱の前で佇んでいる。辺りをキョロキョロと見回すと手提げ鞄から一通の封筒を取り出す。ピンク色の封筒でハート型のシールで封をされているので、ラブレターだと一目で判るものだ。そして目の前の下駄箱に入れる・・・ために扉を開けようとしたところで遠くから聞こえてきた話し声に慌ててその場を逃げ出す。
場面が変わり、少女の教室になる。少女が一つの机に近付くと持っていたラブレターを入れる・・・ために屈みこもうとして廊下から聞こえてきた足音にそのまま机の影に隠れてしまう。やがて足音が遠ざかってゆくと立ち上がり溜め息をついて教室を後にした。
電柱の影に隠れて少女が立っている。何度も深呼吸をして心を落ち着かせるとそっと覗き見て落胆してしまう。少年が歩いてきたのだが、何人かの友達と一緒だったからだ。持っていたラブレターを手提げ鞄にしまうと重い足取りで帰宅したのだった。
自宅に辿り着くと自分の部屋に入り込み手提げ鞄を机に置くと学生服のままベットに寝転ぶ。
「今日も渡せなかった・・・もう諦めようかな・・・・」
ポツリと呟くと少女は食事をするために部屋を出て行った。そんな少女を部屋に置いてある人形が見つめていた。
そして夜中。少女が寝静まるのを待って人形に扮していたリビングドールが動き出す。タンスの上から魔力を使い宙に浮くと机の上に降り立つ。それから少女が寝る前に取り出して捨てようと思いながらそのままにしていたラブレターを背負うと身体に紐で括り付けて落ちない様にしてから窓を開けると外へと飛び出した・・・・・
翌朝、少女は必死に通学路を走っていた。机の上にあるはずのラブレターが無くなっていたため、部屋の中を探し回っていたためだ。結局視つけることは出来ず、遅刻ギリギリの時間に家を出た少女が何とか予鈴前に校舎に駆け込むと上履きに履き替えて
「あの、ちょっといいかな?」
声を掛けられた少女が驚きに立ち止まる。少女が片思いしている少年が立っていた、少女が書いたラブレターを見せながら。
「これ、読ませてもらったよ。・・・・ありがとう、こんなに僕の事を想ってくれて。勿論、返事はOKだよ」
固まっていた少女がその言葉に顔を赤くすると、俯きながら小さな声で答える。
「は、はい。よろしくお願いします」
・・・・二人が並んで歩いてゆく姿を下駄箱の上で見届けるとリビングドールは少女の部屋に戻りこの部屋に最初からいた人形を自分のいた場所に戻し開け放たれた窓から飛び立っていった。
そして開け放たれた窓にある文章が浮かんでくる。
「皆さんもステキなお仕事してみませんか?
恋を叶えるお仕事メッセンジャー
アナタの想いを届けます」
理解
青年が一人佇んでいる。聖職者の服を身に纏い、聖書と十字架を手に持ち目の前にいる相手ヴァンパイアを睨み付ける。
対するヴァンパイアは優雅に椅子に腰を掛けて、マニュキアを塗り爪の手入れをしている。
「くっ、如何して十字架や聖書が効かないんだ!ヴァンパイアならこれで倒せるはずなんだぞ?!?!」
「だって私、生まれも育ちもジパングだからそんなの見せられても訳解んないんだもん。仕方ないでしょ」
「う、嘘だ?!そんな事で効かないなんて・・・な、ならこれは如何だ!!」
叫びながら真水の入った小ビンを懐から取り出すと翳して見せるが、
「あ、ありがと。ちょうど喉が渇いていたの」
ヒョイッ!と取り上げるとクピクピと一息で飲み干し「ごちそうさま」と空になった小ビンを青年に返す。その行動に青年はあっけに取られてしまう。
「あのね、こんな小ビン位の量で怯むわけないでしょ。むしろ程よい刺激で調子が良くなってきたわね」
「そ、それならこれは如何だ!!!」
再度懐から取り出したもの、ニンニクを見せつけると、
「マリーネ、これで美味しいギョウザを作ってちょうだい」
「かしこまりました、お嬢様。ですが、いくら好物とは言え食べ過ぎて臭いを振り撒いてしまうようなことは」
「はいはい、解ってますよ」
直ぐに取り上げ、何時の間にか現れたメイドのジョゴスに渡してしまう。
「な、何で?」
「好き嫌いしてはいけませんとお母様に躾けられてね。お蔭で大好物になっちゃったの・・・・それで次は?」
「う、うわ〜〜〜〜ん!!!!!!覚えてろよ〜〜〜〜!!!!」
泣き叫びながら逃げ出す青年を見送ると、ヴァンパイアは一冊の本を取り出して読みながら「次はどんな風にして揶揄おうかしら?」と笑顔で呟く。そんな本のタイトルにはこう書かれていた。
題名『単純な人をおちょくる10,000の方法』
「あなたにピッタリな本をお渡しします 魔界出版」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ケット・シーが校舎の廊下で一人佇んでいる。沢山の猫じゃらしを抱えて。
暫くして廊下の向こうから一人のワーウルフがゆっくりと歩いてくる。そのまま傍を通り過ぎようとして、ケット・シーが抱えていた猫じゃらしを渡すのだがワーウルフは首を横に振るとそのまま通り過ぎてしまう。
次の日、ケット・シーは大量の魚を携えて待っていた。クーラーボックスで十箱を足元に置いて。
やがて現れたワーウルフに渡そうとするが、やはり断られてしまう。背後では猫系の魔物娘達が我先にと魚を取り合っていた。
更に次の日、ケット・シーは柔らかそうな枕をとお弁当を二つ持って待っていた。愛用の枕と色違いのお揃いで一緒に食事をした後昼寝をするつもりだが。
そして現れたワーウルフを誘うために手を上げるが、忙しくて食事の時間も惜しいらしくドッグフードを袋から手掴みで出して頬張りながら足早に立ち去ってしまい、ケット・シーは唖然としたまま声を掛ける事も出来ず見送った。
そうしてすれ違い続けたある日。いつもの廊下をワーウルフが歩いていると、目の前にいつものケット・シーが立っていた。いつもの様に軽く挨拶して通り過ぎようとして突然立ち止まる。ケット・シーが持つ物に視線が注がれる。その手にあるフリスビーに。
ケット・シーが右手に持っているフリスビーを一度目の前に翳すとワーウルフは身体を低くして身構える。そして大きく振りかぶりフリスビーを飛ばすと一目散に駆け出す。猛然とダッシュして床に落ちる前にキャッチすると、もの凄い勢いで戻ってきてフリスビーを手渡しする。受け取ったケット・シーはワーウルフの頭を優しく撫でるとフリスビーを飛ばす。ワーウルフはまた走り出し・・・
数時間後何度もフリスビーで遊んであげた結果、お手におかわりや待てに伏せ等覚えて立派な僕となったワーウルフがそこにいた。
「先ずは一人ね。この調子で私に従順な部下を増やしてこの学園の女王に成るためにも、貴女にも手伝ってもらうわよ」
「クゥ〜〜〜ン、判りました御姉様」
そんなケット・シーの手には一冊の本が握られていた。
題名『ペットを躾ける100の方法』
「あなたにピッタリな本をお渡しいたします 魔界出版」
新素材
画面中央に白衣を着たメガネの男性が現れる。下ろしていた両手を上げると二枚の布を見せる。次に現れたオーガにまず左手の布を渡すと後ろに下がりオーガが中央に来る。渡された布を両手で持つと軽く左右に引っ張るだけで、破れてしまう。再び現れた男性に破けて二枚になった布を渡すと右手の布がオーガに渡される。同じ様に両手で持つと力を入れて引っ張るが破けない。更に力を入れていき、遂には必死の形相となり両手に血管を浮かべて力任せに引き裂こうとするが引き裂くことが出来ず、肩で大きく息をしながら現れた男性に布を渡して項垂れる。
次に男性の隣にイグニスが現れる。左手に持っている裂けた布をイグニスに渡すと男性は後ろに下がる。渡された布を持つと軽く力を入れるだけで火がつき燃え上がってしまう。足元に置いてある水を張ったバケツに落として消火すると現れた男性がバケツから焼け残った布を取り出して見せる。それから右手にある裂けなかった布を渡すとまた画面から消える。イグニスは軽く力を入れて火をつけようとするがつかない。首を傾げると少し強めに力を入れてみるがつく気配は無く、さらに力を込めて握りしめ尻尾の炎も盛大に燃え上がるがそれでもつく気配は無く周囲の機材が危険になったところでストップをかける。焦げ目すら付いてない布を驚きの表情で見ると現れた男性に渡して画面から姿を消した。
三人目にデュラハンが現れる。目を瞑り剣を抜いて構えると、画面外から丸太が放り込まれる。その丸太を鮮やかな剣技で割り箸の山に作り変えてしまう。続いて現れた男性が布を両手で持って広げるとデュラハンも剣を構えて相対する。デュラハンが剣を振り上げると思い切り振り下ろし男性の持つ布を切り裂く筈が、ビンと弾かれてしまう。その後何度も剣を振り続けるが切れ目一つ付くことが無くデュラハンは無念と共に剣を納めた。
男性は手に持った布を広げて見せると裏側も見せてどこにも傷や焦げ目が無いことをアピールすると文章が現れる。
「これで皆様の安全と安心を提供します 魔界建設」
は〜〜い、いかがでしたか♪今回はまともだったですって?酷いですね〜〜健全で真面目な私達に対して・・・・
ま、それは置いといて審査をよろしくお願いしますね。
皆さんは如何でしたか?
そんな風に身構えないでください、ほんの少しお茶目しただけじゃないですか。
今回はちゃんとした審査をしてもらいますから安心してくださいね。
さあ、それじゃ張り切って審査してくださいね。
それではスタート!
変身
一人の女性が画面に現れると、その女性がゆっくりと回転して全身を映し出す。映し出されているのは雪女だ。雪の様に白い着物を身に纏い、着物の裾から白い肌を覗かせている。新雪を思わせる髪の毛を肩の辺りで切り揃えており、日の光に当たると消えてしまうような儚い笑顔を見せている。
===画面から雪女の姿が消え二週間後と文字が現れ消える===
一人の女性が画面に現れる。ビキニの水着を着て小麦色の肌を魅せる健康美溢れる女性だが、なんとそれはあの雪女だった。浮かべている笑顔も以前の儚い笑顔ではなく、明るい爽やかな笑顔で男女問わず振り向かせる程の魅力に溢れている。
雪女は両手を腰に当ててモデル立ちしたまま回転して全身を映し出している。爽やかな笑顔を魅せながら・・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
一人の女性が画面に現れると、その女性がゆっくりと回転して全身を映し出す。映し出されているのはゾンビだ。身体を少し斜めに傾け薄汚れた衣服を身に付けており、死者特有の血色の悪い肌を見せている。視線は定まらずだらしなく開けた口からは涎を溢しており、千切れた腕を残りの片腕で持っている。
===画面からゾンビの姿が消え二週間後と文字が現れ消える===
一人の女性が画面に現れる。レオタードを着て現れると床の上を助走をつけて走り出しそこから側転を二回、更にバク転を三回、最後に月面宙返りを決めて見事な着地を行なう。審査委員が観たら確実に高得点を点ける完璧な演技だ。その演技を魅せたのはなんとあのゾンビだった。
血色の悪い肌はそのままだが、千切れた腕は見事に付いており背筋も真っ直ぐに伸ばして両脚で立っている。口元はキリッ!と引き締まり両目はしっかりと正面を見詰めている。額から一筋の汗を流しながら・・・・
画面が暗転してある文章が現れる。
「生まれ変わった後、更に生まれ変わりたいと思ったらこちらに
魔界美容院ビューティーチェンジ」
秘密の仕事
一人の少女が校舎の入り口にある玄関の下駄箱の前で佇んでいる。辺りをキョロキョロと見回すと手提げ鞄から一通の封筒を取り出す。ピンク色の封筒でハート型のシールで封をされているので、ラブレターだと一目で判るものだ。そして目の前の下駄箱に入れる・・・ために扉を開けようとしたところで遠くから聞こえてきた話し声に慌ててその場を逃げ出す。
場面が変わり、少女の教室になる。少女が一つの机に近付くと持っていたラブレターを入れる・・・ために屈みこもうとして廊下から聞こえてきた足音にそのまま机の影に隠れてしまう。やがて足音が遠ざかってゆくと立ち上がり溜め息をついて教室を後にした。
電柱の影に隠れて少女が立っている。何度も深呼吸をして心を落ち着かせるとそっと覗き見て落胆してしまう。少年が歩いてきたのだが、何人かの友達と一緒だったからだ。持っていたラブレターを手提げ鞄にしまうと重い足取りで帰宅したのだった。
自宅に辿り着くと自分の部屋に入り込み手提げ鞄を机に置くと学生服のままベットに寝転ぶ。
「今日も渡せなかった・・・もう諦めようかな・・・・」
ポツリと呟くと少女は食事をするために部屋を出て行った。そんな少女を部屋に置いてある人形が見つめていた。
そして夜中。少女が寝静まるのを待って人形に扮していたリビングドールが動き出す。タンスの上から魔力を使い宙に浮くと机の上に降り立つ。それから少女が寝る前に取り出して捨てようと思いながらそのままにしていたラブレターを背負うと身体に紐で括り付けて落ちない様にしてから窓を開けると外へと飛び出した・・・・・
翌朝、少女は必死に通学路を走っていた。机の上にあるはずのラブレターが無くなっていたため、部屋の中を探し回っていたためだ。結局視つけることは出来ず、遅刻ギリギリの時間に家を出た少女が何とか予鈴前に校舎に駆け込むと上履きに履き替えて
「あの、ちょっといいかな?」
声を掛けられた少女が驚きに立ち止まる。少女が片思いしている少年が立っていた、少女が書いたラブレターを見せながら。
「これ、読ませてもらったよ。・・・・ありがとう、こんなに僕の事を想ってくれて。勿論、返事はOKだよ」
固まっていた少女がその言葉に顔を赤くすると、俯きながら小さな声で答える。
「は、はい。よろしくお願いします」
・・・・二人が並んで歩いてゆく姿を下駄箱の上で見届けるとリビングドールは少女の部屋に戻りこの部屋に最初からいた人形を自分のいた場所に戻し開け放たれた窓から飛び立っていった。
そして開け放たれた窓にある文章が浮かんでくる。
「皆さんもステキなお仕事してみませんか?
恋を叶えるお仕事メッセンジャー
アナタの想いを届けます」
理解
青年が一人佇んでいる。聖職者の服を身に纏い、聖書と十字架を手に持ち目の前にいる相手ヴァンパイアを睨み付ける。
対するヴァンパイアは優雅に椅子に腰を掛けて、マニュキアを塗り爪の手入れをしている。
「くっ、如何して十字架や聖書が効かないんだ!ヴァンパイアならこれで倒せるはずなんだぞ?!?!」
「だって私、生まれも育ちもジパングだからそんなの見せられても訳解んないんだもん。仕方ないでしょ」
「う、嘘だ?!そんな事で効かないなんて・・・な、ならこれは如何だ!!」
叫びながら真水の入った小ビンを懐から取り出すと翳して見せるが、
「あ、ありがと。ちょうど喉が渇いていたの」
ヒョイッ!と取り上げるとクピクピと一息で飲み干し「ごちそうさま」と空になった小ビンを青年に返す。その行動に青年はあっけに取られてしまう。
「あのね、こんな小ビン位の量で怯むわけないでしょ。むしろ程よい刺激で調子が良くなってきたわね」
「そ、それならこれは如何だ!!!」
再度懐から取り出したもの、ニンニクを見せつけると、
「マリーネ、これで美味しいギョウザを作ってちょうだい」
「かしこまりました、お嬢様。ですが、いくら好物とは言え食べ過ぎて臭いを振り撒いてしまうようなことは」
「はいはい、解ってますよ」
直ぐに取り上げ、何時の間にか現れたメイドのジョゴスに渡してしまう。
「な、何で?」
「好き嫌いしてはいけませんとお母様に躾けられてね。お蔭で大好物になっちゃったの・・・・それで次は?」
「う、うわ〜〜〜〜ん!!!!!!覚えてろよ〜〜〜〜!!!!」
泣き叫びながら逃げ出す青年を見送ると、ヴァンパイアは一冊の本を取り出して読みながら「次はどんな風にして揶揄おうかしら?」と笑顔で呟く。そんな本のタイトルにはこう書かれていた。
題名『単純な人をおちょくる10,000の方法』
「あなたにピッタリな本をお渡しします 魔界出版」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ケット・シーが校舎の廊下で一人佇んでいる。沢山の猫じゃらしを抱えて。
暫くして廊下の向こうから一人のワーウルフがゆっくりと歩いてくる。そのまま傍を通り過ぎようとして、ケット・シーが抱えていた猫じゃらしを渡すのだがワーウルフは首を横に振るとそのまま通り過ぎてしまう。
次の日、ケット・シーは大量の魚を携えて待っていた。クーラーボックスで十箱を足元に置いて。
やがて現れたワーウルフに渡そうとするが、やはり断られてしまう。背後では猫系の魔物娘達が我先にと魚を取り合っていた。
更に次の日、ケット・シーは柔らかそうな枕をとお弁当を二つ持って待っていた。愛用の枕と色違いのお揃いで一緒に食事をした後昼寝をするつもりだが。
そして現れたワーウルフを誘うために手を上げるが、忙しくて食事の時間も惜しいらしくドッグフードを袋から手掴みで出して頬張りながら足早に立ち去ってしまい、ケット・シーは唖然としたまま声を掛ける事も出来ず見送った。
そうしてすれ違い続けたある日。いつもの廊下をワーウルフが歩いていると、目の前にいつものケット・シーが立っていた。いつもの様に軽く挨拶して通り過ぎようとして突然立ち止まる。ケット・シーが持つ物に視線が注がれる。その手にあるフリスビーに。
ケット・シーが右手に持っているフリスビーを一度目の前に翳すとワーウルフは身体を低くして身構える。そして大きく振りかぶりフリスビーを飛ばすと一目散に駆け出す。猛然とダッシュして床に落ちる前にキャッチすると、もの凄い勢いで戻ってきてフリスビーを手渡しする。受け取ったケット・シーはワーウルフの頭を優しく撫でるとフリスビーを飛ばす。ワーウルフはまた走り出し・・・
数時間後何度もフリスビーで遊んであげた結果、お手におかわりや待てに伏せ等覚えて立派な僕となったワーウルフがそこにいた。
「先ずは一人ね。この調子で私に従順な部下を増やしてこの学園の女王に成るためにも、貴女にも手伝ってもらうわよ」
「クゥ〜〜〜ン、判りました御姉様」
そんなケット・シーの手には一冊の本が握られていた。
題名『ペットを躾ける100の方法』
「あなたにピッタリな本をお渡しいたします 魔界出版」
新素材
画面中央に白衣を着たメガネの男性が現れる。下ろしていた両手を上げると二枚の布を見せる。次に現れたオーガにまず左手の布を渡すと後ろに下がりオーガが中央に来る。渡された布を両手で持つと軽く左右に引っ張るだけで、破れてしまう。再び現れた男性に破けて二枚になった布を渡すと右手の布がオーガに渡される。同じ様に両手で持つと力を入れて引っ張るが破けない。更に力を入れていき、遂には必死の形相となり両手に血管を浮かべて力任せに引き裂こうとするが引き裂くことが出来ず、肩で大きく息をしながら現れた男性に布を渡して項垂れる。
次に男性の隣にイグニスが現れる。左手に持っている裂けた布をイグニスに渡すと男性は後ろに下がる。渡された布を持つと軽く力を入れるだけで火がつき燃え上がってしまう。足元に置いてある水を張ったバケツに落として消火すると現れた男性がバケツから焼け残った布を取り出して見せる。それから右手にある裂けなかった布を渡すとまた画面から消える。イグニスは軽く力を入れて火をつけようとするがつかない。首を傾げると少し強めに力を入れてみるがつく気配は無く、さらに力を込めて握りしめ尻尾の炎も盛大に燃え上がるがそれでもつく気配は無く周囲の機材が危険になったところでストップをかける。焦げ目すら付いてない布を驚きの表情で見ると現れた男性に渡して画面から姿を消した。
三人目にデュラハンが現れる。目を瞑り剣を抜いて構えると、画面外から丸太が放り込まれる。その丸太を鮮やかな剣技で割り箸の山に作り変えてしまう。続いて現れた男性が布を両手で持って広げるとデュラハンも剣を構えて相対する。デュラハンが剣を振り上げると思い切り振り下ろし男性の持つ布を切り裂く筈が、ビンと弾かれてしまう。その後何度も剣を振り続けるが切れ目一つ付くことが無くデュラハンは無念と共に剣を納めた。
男性は手に持った布を広げて見せると裏側も見せてどこにも傷や焦げ目が無いことをアピールすると文章が現れる。
「これで皆様の安全と安心を提供します 魔界建設」
は〜〜い、いかがでしたか♪今回はまともだったですって?酷いですね〜〜健全で真面目な私達に対して・・・・
ま、それは置いといて審査をよろしくお願いしますね。
皆さんは如何でしたか?
15/12/17 07:25更新 / 名無しの旅人