読切小説
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ゲームブック(風)「深緑の城砦」

イントロダクション

 あなたは平凡な農村に住む青年だ。家族は父と幼い弟が居たが、去年失った。
それも全て、村と遠くない森に住む魔物「アマゾネス」によるものだった。

あなたが、歩いて一日ほどの場所にある反魔物を掲げる都市へ農具を買い付けに
旅立った隙に村が襲われた。「男狩り」である。

昔村に来た教団の坊主が言うには、アマゾネスは年を取った男は殺し貪り喰い、
若い男は幼かろうと、言うもはばかる惨い陵辱を受けると説いていた。

もしその通りだとすると、もはや父の命はなく可愛らしい弟も正気ではいないは
ずだ。そしてなにより襲撃により村には活気が失われ、あなたの様な運のいい物しか生き残っていない。村は風前の灯である。

だが、あなたの闘志は失われなかった。ここで逃げて新天地を目指すことも出来
たが、父と弟の無念を一生背負い続け後悔したくなかったのだ!

さぁ旅を始めよう。家族の誇りを取り戻すのだ! [3]へ進む


[3]
 まずは準備が必要だ。運よく生き残った村人たちにあなたの志を伝えると
村人はあなたの往く先を哀れみ、村に残った鉄器などの道具類をかき集めて譲っ
てくれた。あなたは以下のものを手に入れた。持ち物欄に記述すべし。

丈夫な荷物入れ、皮のつぎはぎ胸当、てつのおの、携行食品と水袋、ランタン、

野宿用寝具、硬貨10枚

[21]へ進む


[21]
 あなたは村人からの贈り物を身に着けると村を出る、目指すは北西だ。
西に向かう街道をしばらく歩いたのち、北へ外れる獣道を進むことによってアマ
ゾネスの森へたどり着くはずだ。あなたが街道をすすみ、獣道の入り口に立ったときにふと怪しいフードつきローブを被った人間の女性がたたずんでいるのに気がついた。女性もこちらに気付いたようで、にこやかに口を開く

「おやおや旅人さん、この獣道を行くなら便利なアイテムがあるよぉ」

いぶかしんだ貴方はてつのおのに手を掛けれるようにしながらも女性に近づく。
すると女性は

「そんな物騒なものはいらないよぅ、ポンポコ印の行商人は信頼が命さぁ」

そういいながらその体格に合わない大きな背負子をあなたに見せる。
そこには木の葉を頭に乗せた狸の絵が彫ってあった。

さぁあなたは彼女を無視しても良いし、彼女の扱う商品を覗いても良い。

彼女を無視する場合は[54]へ

商品を覗く場合は[26]へ進む


[26]
 あなたは好奇心を抑えきれず彼女の元へ向かった。

「ふふふ、みてらっしゃい、よってらっしゃい、キラキラしたのからお求め安いのまでいろいろあるよぉ」

女性は楽しそうに背負子をおろし備え付けてあった布を地面に広げた。そこには
村暮らしのあなたが見たこともないような品々が光を受けて輝いていた。

「旅人さんにおすすめはこの茸とこの斧かなぁ」

行商人の女性がそう言いながら取り出したのはなんともまぁ立派な形の
「赤いキノコ」と妖しく光る紫めいた銀色の「斧」であった。

「きのこはねぇ、いわゆるパワーアップアイテムだねぇ。どうパワーアップするかはオタノシミだよぉ」

行商人は愉快でたまらないといった風に商品の薀蓄を語りつづける。

「この斧は特殊な銀でつくられてるんだよぉ。魔物にも人にもキクんだなぁこれが。」

あなたは無意識のうちに財布の紐を緩めていた。心中は吟遊詩人の話に聞き入る
子供のようだ。さぁあなたはどの商品を買おうか?ちなみにどちらも値段は硬貨5枚である。

卑猥な形の「赤キノコ」を買う場合は[33]へ

「魔法のぎんのおの」を買う場合は[71]へ

どちらとも買う場合は[51]へ


[51]
 あなたは両方のアイテムを購入した。持ち物欄に「赤キノコ」を記入し、装備
欄を「ぎんのおの」に修正せよ。

にんまりとした笑みを浮かべた行商人と別れて、一人獣道を歩む。[43]へ進め


[43]
 あなたはそれから無事に5時間ほど進んだ。もはや空は深緑に支配され、辺り
は仄暗い魔境である。森林などという生易しいものはとうに無くなり、あなたは
警戒しつつ魔物のテリトリーを進んでいた。

ふとあなたの第六感に訴えるものがある。それは何だかわからないが、良い物で
はないことは確かだ。

ここで幸運ロールを行う。ダイスをひとつ振り自身の幸運値に加算する。

もしそれが10以下なら[38]へ

11以上なら[68]へ


[38]
あなたは不幸にも違和感に気がつかず歩を進めた。
そのときである、足に何かが引っかかり転倒してしまった。転んだため体力点から1点を引くべし。

したたかに打った膝をさすろうとしたがそれは中断された。鳴子トラップだ!
乾いた音がまるであなたを嘲笑うかのように連鎖して響く。
あなたが体勢を整えようとした時、不意に鈴を転がすような声が弾んだ。

「ミミはついてる。だってこんな深層で男が一人さまよってる。」

あなたは声の主に顔を向ける。そこには一人の女性がたたずんでいた。
その女性、いや幼さが残るため少女だろうか?

彼女は薄紫色の野性味ある髪を豊満な双子山に流し、最低限の布切れを巻いているに過ぎない。下半身も同じような装いに加えあたかもドレイクのような尻尾と片翼を纏わり付けている。

人並みな言葉では言い表せない特有のエロスを感じさせる褐色の肌に、神秘的で見たことも無いパターンを描く刺青。

アマゾネスである。繰り返す。あなたの仇敵であるアマゾネスの少女である!
さぁあなたに余裕などは残されていない、すぐさま行動すべきである。

もし対話を試みるなら[68]へ

戦闘を仕掛けるなら[8]へ

逃走するならば[11]へ進め


[11]
 脱兎のごとくあなたは駆け出した。もはや抗う選択肢は無かった。
はじめてみる魔物の気配、圧倒的な生命力。それらを運よく感じ取れたあなたは余計なことを頭から追い出し逃走する。

決して振り向かないが感じ取れる、追跡者の息吹を。だが、あなたは知る事が出来ない、彼女はただ追っているのではなく器用にも追い詰めている事を! 
あなたは無意識の内にアマゾネスの集落、「深緑の城砦」へと引き返せない道を往くのである!

それはまさしく13……いや「14」階段を上り詰めているようだ。
[15]へ進め


[15]
 全力で駆けずり回るあなたの目前に、樹木と一体化した門と植物を編んだ城壁が見える。あからさまに人工物だがそれを観察する間もなく、頭上の樹木から声発せられた。

「ミミだ!ミミがオトコを狩り立て来るぞ−!」

アマゾネスである。あなたは頭が煮える感覚を覚える。そう、アマゾネスの里に誘導されたのだ。

とっさに城門から反れ免れようとするが、逃げこむ先に幾対もの瞳が存在する。
まるで竹林に潜む虎のごとく静かに、かつ淫靡な笑みを浮かべたアマゾネスたちがあなたを強制的に城砦へと導く。

もはや袋のねずみである。しかし、ここで敵を討てず終わるよりは、せめて混乱の隙に弟だけでも逃がそうとあなたは決意する。
それ自体都合の良い幻想であるが、チラつく現実とおぞましい恐怖を無視しあなたは城砦内部へ駆け込む。

 城壁内は生活集落で有るにもかかわらず地面は何の加工もされていない、住居も樹木を元にした質素なものが目立つ。
もはや城壁の外と変わりない環境にあなたは戸惑う。

ゴツゴツとした木の根をさけ路地ともいえない道を行く、時たま聞こえるのは
ミミを応援しながらも、淫猥な言葉で囃し立て叫んでいるアマゾネス達の声だけであった [24]へ進め


[24]
 あなたは走りながらも弟を探す。もはや理性は無駄と判断を下しているが、
その目的が唯一あなたを陰惨な結末から目を反らさせている。しきりに周囲を見回しながら走るあなただが、前方に存在する人物に気がつかず衝突してしまう。

まさにウカツ。衝突のち、もつれ合い転倒したあなたは相手を見てさらに息を呑む。

なぜならば彼はあなたの捜し求めた弟だったためである。幼さに何処か垢抜けた弟は貴方と同じく目を見開きしばしの沈黙後、あなたに抱きついた。

「おにーちゃん!おにーちゃんだ!お父さんと心配してたんだよ!」

弟が声を高らかにして叫ぶ。

とっさに弟の口をふさぐ貴方であったが、もはや遅し。その歓喜の叫びを聞きつけたアマゾネスたちがあなたと弟の周りを囲む。

不自然に1つだけ道が空けられているが、そこからは狩人が満足した様子で闊歩して来る。そうミミである。

あなたの血の気が引く。なんと残酷な事だろうか、必死に捜し求めた弟があなたの終焉の引き金を引いたのだ。

もはや逃げられない、貴方は震える体に鞭を打ち立ち上がる。周囲のアマゾネスのニヤついた視線に射られるたび、正面にたたずむミミの幸福に満ちた笑顔を
見るたび、体が動かなくなる。

さぁあなたは最後の決断をしなければならない。

彼女らに降伏し、終わりを受け入れるならば[99]へ

勇気を奮い起こし、機知を使い果たし、幸運の女神にに祈り戦うなら[83]へ進め

[83]
あなたは所持しているアイテムを使うことが出来る。この状況で使えるのはせいぜい一つだけだろう。

「薬草」を使うなら[3]へ

「逆探知の護符」を使うなら[10]へ

「赤いキノコ」を使うなら[27]へ進め


[3]
あなたはすばやく薬草を口に含んだ。体力点に3点加え[7]へ進め


[10]
あなたは逆探知の護符を使おうとした。だが、そもそもこのアイテムは相手に探知呪文を掛けられた時にしか役に立たない!
ましてや、どの様にして19万ガメルもの魔法の品を手に入れることが出来たのだ!このうそつきめ!

うそつきは反逆者とみなしZAPだ! o(`ω´*)oプンスカプンスカ!!


[27]
あなたは赤いキノコを一口で咀嚼し飲み込んだ。なんということだろう今までの恐怖で支配された脳は解放され、変わりに全身の血液が沸き立つかのような感覚に包まれる。

しだいに視野が急激に狭まり、気がつくとあなたの瞳には、周りを囲むアマゾネスも、あなたの腰に捉まる弟も写されなくなった。

しかし、たった一人ただ一人だけが写るようになった。それは貴方の真正面に居るアマゾネスの少女ミミ。彼女はあなたの血走る目を見てきょとんとした後いかにもアマゾネスらしい獰猛かつ、何に増しても得がたい喜びの表情を作りあなたへ駆け出す。

その手には魔界銀製であろう妖しい光を放つ大剣が握られていた。選択せよ 

もし「てつのおの」を装備しているなら[91]へ

「ぎんのおの」を装備しているなら[63]へ進め


[63]
 あなたは自身の思考と身体が制御不能に陥っていることに気がつく。
恐怖を捨てた代わりに湧き出てくるのは正に狂気といえるほどの情欲、目の前の敵に対して信じられない感情を抱きつつも体はしきりにミミを組み伏せようとする。

振るわれた相手の大剣を「ぎんのおの」で払いのける、相手はまるでこちらの武器を確かめるようなとても軽い打ち込みをした後、さらに喜んだ。

「ミミと遊びたくて、魔界銀なんて用意してくれたんだぁ!嬉しい!」

彼女はそう言い、まるで猫が玩具で遊ぶような攻撃をしかけ、それをあなたは打ち払う。

チャンバラめいたお遊びにあなたは混乱しつつも好機と見て猛攻を仕掛ける。
ここで技術ロールを行う、ダイスを一つ振り技術点に加えよ。

もし加えた数値が13以下の場合[13]へ

14以上の場合は[88]へ進め


[88]
 あなたの大振りが彼女の二の腕へヒットした!だがしかし、彼女の細い腕には血はおろか傷すらついていないではないか!
それどころかミミの表情は情欲に濡れた歓喜を示している。その表情はあたかも被虐性癖がある女性が見せるそれだった。

「あふん! あぁミミすっごく気持ちいいよぅ、もっとぉ!」

あなたが混乱する隙に彼女は剣を振るった。
あなたの大振りよりも素早く力強いそれは、回避など許さずあなたの横腹をいとも簡単に切り裂いた。

その結果はまたしても同じ、彼女の攻撃はあなたを傷つけない。それどころか下腹部に抱えた猛りがさらに強く、高まってくる。
あまりの冒涜的な欲望にあなたは錯乱状態に陥る。ここが現実なのか、それともベッドの中で見る淫な夢なのかもわからない。

ふと、「ガコンッ」と響く音とともにあなたは下を向く。それはあなたが斧を地面に落とした音だ。もはや何もいらない、ただ己の体と彼女の体があれば良い。あなたは本能に身を任せミミに突撃した!「14」へ進め!


[14]
 あなたの体は地面に寝そべっていた。彼女に突撃し乱暴に組み伏せようとした刹那、足を払われたのである。
ミミを求め宙を切るあなたの手に、ミミは自らの手を繋ぎとめ、ゆっくりとあなたの上に体を重ねる。

「ごめんなさい、痛くなかった?男の人は柔らかくって、か弱いから手加減したんだけど」

彼女はそういって心配しつつあなたの頭をやさしくなでた。彼女にとってあなたは脅威にもならなかったのだ。
しかし、あなたは彼女を求める事しか頭に無い、そんなもがくあなたを組み伏せながらミミはささやく。

「ねぇミミのお婿さんなってくれる?なってくれたら今あなたがしたいこといっぱい、いっぱい!できるんだよ」

理性を捨てたあなたは、魔物に対しての風評を忘れ、ただただミミを求める。その行為を肯定ととったミミはあなたと口付けを交わした。
お互いがお互いの唾液を求め合い、双方の手足も同じように絡む。ささやき、愛撫し、刺激を補い合う。そこに有るのは太古から受け継がれてきた本能の二重螺旋。
互いにボルテージが上がり生殖行動にいたるまで時間はかからなかった。

「ずっとミミといっしょにいようね」

なんということだ!あなたは復讐者からアマゾネスの夫へと変貌してしまったのだ。
あなたの冒険はここで終わってしまった。

[エンディング14 家族仲良く婿入り] 
15/05/02 11:47更新 / とーでれです。

■作者メッセージ
忍空組一番隊隊長ドーマウス忍のとーでれ!(播磨地方の方言で始めましての意)
稚拙な文章ですがお読みいただきありがとうございます。
初めての創作ゆえルールもへったくれもありません、どうかお許しを。
元ねたは「レモンちゃんがもしいろんなキャラを召喚したら」の
ソーサリーシリーズに影響されました。
ではではお後がヨロシイヨウデ。

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