出張!なんでも破壊団!
夢を見る。
浮かぶ夢。
見慣れた風景を背に、青空を見ながら浮かんでいる。
きっと、俯瞰からいつもの風景を見てしまったら帰りたくなる。
元いた場所に。眠る前のあの場所に。
だから背を向けた。せめて夢の中くらい日常を忘れたいから
すこし目を閉じよう。そうしたらまた別の夢が見れる。きっと・・・
そうして俺は目を閉じ、また目を開けた。そして、そこには・・・
−ネズミ−
わたしは夢を見ている。
それは幸せな夢。きっと叶わない、遠い夢。
兄と慕う人と手を繋ぎ、たくさんのものを見る。
きれいな景色やおもしろいもの、たまには悲しいものなんかも。
だけどそれは叶わない。わたしが見ているものと彼が見ているものはきっと違うから。
彼は近いようで遠いようで、届きそうで届かなそうで、じれったくなる。
手を伸ばして届かなくても、彼ならきっと手を握ってくれる。
この幸せな幻が壊れないように、私は目を瞑った。そして、また目を開けた。そこには・・・
−トリ−
これはきっと夢だ。だって、私は彼と一緒に空を飛んでいる。
夢だと分かってる夢は明晰夢っていうんだっけ・・・
そんなことを考えていると、彼が優しく微笑みながら、私の手を取った。
その顔を見ていたら、これが夢だとかもうどうでもよくなった。
これが虚構だとしても、今はそれを精一杯楽しもう。
彼と手を繋ぎ、見慣れた風景を飛んでいく。
俯瞰から見えるものには、神社が見える。広い神社だ。そこに降り立ち、彼と一緒に境内の石段に腰掛ける。
今の景色を忘れないように、私は目を閉じて心に焼き付ける。そうして、目を開けた。そこには・・・
∧ _∧ トンファーキ〜ック!
_( 狸 )
/ ) ナンデヤッ! _ /
∩ / ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
|| / / | ( 〈 ∵. ・ ( 〈__ 作者 、_
|| | | ヽ ー=- ̄ ̄=_、 (/ , ´ノ \
|| | | `iー__=―_ ;, / / /
||ニ(!、) =_二__ ̄_=;, / / ,'
∪ / / / /| |
/ / !、_/ / 〉
/ _/ |_/
珍妙な光景が広がっていた。
「「「は?」」」
・・・なんなんだ、これは・・・全く理解できない・・・
「何でしょう・・・これ・・・」
「何だろう・・・これ・・・」
「何なんだろうな・・・これ・・・」
三者三様の声をあげ、われに返る。
「いったい何なんだろうな・・・さっきの」
「うん・・・全く意味がわかんない・・・」
「えぇ・・・蹴るんじゃ武器の意味が無いですし・・・」
三人で話していたとき、
ウーヴォーアァァァァァァァ・・・
さっきの方向から人の物とは思えない声が聞こえてきた。
「気にはなるから一応行ってみるか。」
「賛成!」
「私もです。」
声のした方向に進んでいったら、誰かがいた。
「あんたらはいったい何してんだ?」
倒れている人はとりあえず無視して、狐の尻尾のようなものが生えている人に話しかける。
狐「あら、まさかこんなに早く逢えるとは思っていなかったわ。」
彼女は驚いた顔をして、そういった。
「どういうことだ?」
ひとまず話を聞くとしよう。
狸「」ブルブル
「なんでこの子こんなに怯えてるんだろう・・・」
「さぁ・・・たぶん精神的なショックを受けたんじゃないでしょうか・・・」
狐「いえ、こっちの話よ。・・・起きなさい」バシッ
彼女は倒れていた人を文字通り叩き起こした。
作:はいっ!
狐「せっかくお客様がいらしたんだからお茶ぐらい用意なさい。」
作:サー!イエッサー!今すぐ行ってまいります!
ひでぇな・・・
「ひでぇ・・・」
思わずそう呟いた。
狐「そう?」
しれっと言ったこいつはたぶん鬼畜だ。
狸「うぅ・・・狐こわい、狐こわい・・・」
「なんだかかわいそうだね・・・」
「えぇ・・・見てるだけで気の毒な気分になるオーラを放っていますね・・・」
あっちはあっちで気の毒そうな奴がいるな・・・
作:お茶を持ってまいりました!マム!
まるで執事だな・・・
狐「結構。お茶を冷めないうちにどうぞ?そちらの娘たちも。あぁ・・・あなたはもう下がっていいわ。」
作:サー!イエッサー!
なんか特殊な訓練でも受けてるんだろうか・・・
「なんか・・・見ていてかわいそうだな・・・」
狐「そんなことを気にしていたらキリが無いわよ。」
こいつは鬼畜だな。間違いねぇ。
「おぉ・・・おいしそうなお茶だね・・・いただきまーす」
ネズミたちも合流してきた。
狐「お茶菓子でも、持ってこさせる?」
「いや、それには及ばない。お茶さえあれば十分だ。」
流石にこれ以上働かせるわけには行かないからな・・・
「わたしはあったほうがいいかな・・・」
「私も欲しいです・・・」
「おい・・・」
狐「まぁいいじゃない。彼女たちがそういってるんだし・・・お茶菓子を持ってきなさい。早く。」
作:ここに。
いつのまにやらお菓子を持って立っていた。
狐「いい仕事ね。褒めてあげるわ。」
作:ありがとうございます。
狐「後は下がりなさい。」
作:イエス、マム
「機敏だな・・」
なんか調教でもされたみたいだ・・・
狐「さ、食べなさい。」
「わーい!ありがとう!」
「いただきます。」
狐「どうぞ。沢山食べると良いわ」
一息ついたところで、聞きたかったところを聞く。
「・・・で、だ。あんたらはこんなとこでなにしてんだ?」
狐「私たちが何をしているか、ね・・・特になにもしてないわよ。」
「嘘つけ。さっき執事が蹴りつけられてたの見たぜ?」
狸「」ビクッ
さっきのかわいそうな子が怯えたような反応をした。そういえばこの子・・・
「ん?あの子・・・」
狐「あぁ。さっきのはこの狸がやったのよ。」
そういった瞬間狸の彼女が目に涙を浮かべながら反論した。
狸「好きでやったんやない!お前が騙したんやないか!」
狐「見苦しいわね。嘘を嘘と見抜けない者が商人が務まるとでも?」
一方的な口戦で全く歯が立っていない。
狸「うぐっ・・・なぁ、にぃやん、あいつがウチのこと騙したのにこっちのせいにしてくるんよ・・・」
「それは俺にはどうもできない問題なんだが・・・」
という俺に話を振られても・・・とは涙目の人には言えないし・・・
狸「うぅ・・・にぃやんにまで見捨てられてもうた・・・」
作:まぁ、気にスンナ。明日はやってくるさ。
お前はいつの間に・・・
狸「そんなもん慰めにもならへん!うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」ダッ
「・・・忙しそうだな」
狐「そうでもないわ。こっちはこっちで楽しくやってるのよ。」
「そうなのか・・・?」
楽しいのはあんただけな気もするけど・・・
狐「そんなことより、もうすぐお別れの時間が近いわよ。」
「お別れ?」
突然の通告におどろく。
狐「そ。お別れ。まぁ、機会があればまたあえるでしょう。」
「いや、淡々としすぎてない?」
狐「そんなものよ。」
そんなものなのか・・・ま、いつまでもいるわけにいかないしな・・・
「そうか。じゃあそのときまでさようなら、だな」
狐「えぇ。」
作:│・ω・ ̄)ノシ マタナ
「さて、二人とも、行くぞ」
「ちょっとまって!もうすぐで10個目食べ終わるから・・・」モグモグ
「こんなにおいしいお茶菓子は・・・初めて食べました・・・」モグモグ
喋らないと思ったら食うのに夢中だったか・・・
「はぁ・・・ほら、ちゃちゃっとする!」
「モグモグ・・・はい!準備終了!」
「モックモック・・・私もです!」
「そういえば・・・ここから出るにはどうすればいいんだ?」
ここには出口とか無いし・・・
狐「簡単よ。心配には及ばないわ。」スッ
「な、なにそれ・・・」
「えっと、ハンマー?ですか?それにしては・・・」
狐「おしいわね。これはゴルディオン・ハ○マーよ。正確にはグラビティ・ショックウェーブ・ジェネレイティング・ツールよ。」
いや、そんなことは聞いてないし。
「それでどうするんだ?そのぐ、ぐらびちぃ?を」
狐「簡単よ・・・こうするの!」
「え?」
そういうとこいつは、ハンマーでネズミを叩き潰した。
狐「今のは痛みを感じる暇も無かったわね・・・」
「「ひ、光になった!?」」
狐「これは簡易送還システム、とでも言えばいいかしら・・・とにかく、これに潰されなきゃ帰れないわ、よ!」
ハンマーの大きさとは正反対のすばやい動きでハンマーを振りかぶった。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
そして、トリが犠牲になった。
狐「最後はあなただけよ・・・覚悟なさい。」
「覚悟とか必要なのかよ!」
ジリジリ近寄られて少し怖い。
狐「これがいやならもっと痛いのがあるわよ。」スッ
「なにそのさらにでかいの・・・」
狐「これはゴルディオン・クラ○シャー。正確にはグラヴィティ・ショックウェーブ・・・いえ、そんなことはどうでもいいでしょう。それよりも、これはさっきのハンマーよりも痛いわよ。」
「え、ちょ、待っ!!」
止める時間すら与えず、彼女は振りかぶった。
狐「光に・・・なぁれぇぇぇ!」
「ぎゃぁぁぁぁ!光になるぅぅぅぅ!」
そうして俺の意識は闇に落ちた・・・
狐「ふぅ。狸を実験に使っていただけあっていい威力ね。」
狸「この悪魔め・・・」ボソッ
狐「あら、まだ実験台にされたかったの。それなら早く言ってくれればよかったのに。」
狸「え、ちょ、そんなこといって・・・やめてぇ!アッー!」
目を覚ました。真っ先に天井が目に入る。
「変な夢だったな・・・」
まぁ、面白くもあったんだけどな・・・
しかし・・・
「いつになったら俺の息子は萎えるんだ・・・」
俺の息子は元気なままである。こんなところをネズミやトリに見られでもしたら・・・
「んにゅ・・・あにきぃ?」
「おはよう。いい夢見たか?」
隣で寝ていたネズミが起きた。
「なんか変な夢見た・・・」
「そうか。それより顔洗ってきたどうだ?あと髪も梳かさなきゃいけないしな」
「うん・・・いってくる・・・」
ふぅ・・・ネズミに勃起を見られるという危機は乗り越えた・・・後は手早く着替えて股間の膨らみがわからないようにするだけだ・・・!行動はとにかく早く!
「起きましたか?今朝ごはんを・・・作っ・・・て・・・キャァァァァァァァッ!!!!!」
ちくしょう。最後の最後で下半身に何もはいていない、つまりは息子が完全に露出した状態のときにトリに見つかった。下着で隠す時間すらない。
「なに叫んでんだようるさいな・・・え、ちょっ・・・キャァァァァァァ!!!!」
しかもタイミングが悪いことにネズミまで来やがった・・・!
「クソッ・・・!」
俺は特技の一つ音速早着替えを使い着替えを終わらせた。そして、二人はというと・・・
「あ、兄貴の見ちゃったぁぁぁ」///
「あ、あれが男性の・・・」///
真っ赤になっていた。く、俺まで恥ずかしい・・・
その後の朝食も大した会話もなく終わった。まだこいつらの顔は赤い。
「えー・・それじゃあ、今後のことについて話そうと思う。」
そういうと、二人はすこし顔を引き締めた。まだ目は合わせてくれないが。
「トリ、確認だが『水』の魔力は『水』の魔力であれば中和できる可能性があるんだよな?」
「は、はい・・・おそらく、ですけど・・・」
「あ、兄貴、まさか、『水』の魔力を持った人を知ってるの?」
「あぁ・・・ちょっとした知り合いなんだがな・・・神社があるだろ?そこに奉られてて、ここらを治めてる人なんだが・・・」
「え?それってもしかして・・・」
「?」
「あぁ。」
トリは俺のいう心当たりに気づいたらしい。
そしてネズミは分かっていない。
「竜神様の力を借りる。彼女も水を扱ってっからな。なんとかなんだろ。」
あぁ。きっとなんとかなるさ。
浮かぶ夢。
見慣れた風景を背に、青空を見ながら浮かんでいる。
きっと、俯瞰からいつもの風景を見てしまったら帰りたくなる。
元いた場所に。眠る前のあの場所に。
だから背を向けた。せめて夢の中くらい日常を忘れたいから
すこし目を閉じよう。そうしたらまた別の夢が見れる。きっと・・・
そうして俺は目を閉じ、また目を開けた。そして、そこには・・・
−ネズミ−
わたしは夢を見ている。
それは幸せな夢。きっと叶わない、遠い夢。
兄と慕う人と手を繋ぎ、たくさんのものを見る。
きれいな景色やおもしろいもの、たまには悲しいものなんかも。
だけどそれは叶わない。わたしが見ているものと彼が見ているものはきっと違うから。
彼は近いようで遠いようで、届きそうで届かなそうで、じれったくなる。
手を伸ばして届かなくても、彼ならきっと手を握ってくれる。
この幸せな幻が壊れないように、私は目を瞑った。そして、また目を開けた。そこには・・・
−トリ−
これはきっと夢だ。だって、私は彼と一緒に空を飛んでいる。
夢だと分かってる夢は明晰夢っていうんだっけ・・・
そんなことを考えていると、彼が優しく微笑みながら、私の手を取った。
その顔を見ていたら、これが夢だとかもうどうでもよくなった。
これが虚構だとしても、今はそれを精一杯楽しもう。
彼と手を繋ぎ、見慣れた風景を飛んでいく。
俯瞰から見えるものには、神社が見える。広い神社だ。そこに降り立ち、彼と一緒に境内の石段に腰掛ける。
今の景色を忘れないように、私は目を閉じて心に焼き付ける。そうして、目を開けた。そこには・・・
∧ _∧ トンファーキ〜ック!
_( 狸 )
/ ) ナンデヤッ! _ /
∩ / ,イ 、 ノ/ ∧ ∧―= ̄ `ヽ, _
|| / / | ( 〈 ∵. ・ ( 〈__ 作者 、_
|| | | ヽ ー=- ̄ ̄=_、 (/ , ´ノ \
|| | | `iー__=―_ ;, / / /
||ニ(!、) =_二__ ̄_=;, / / ,'
∪ / / / /| |
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/ _/ |_/
珍妙な光景が広がっていた。
「「「は?」」」
・・・なんなんだ、これは・・・全く理解できない・・・
「何でしょう・・・これ・・・」
「何だろう・・・これ・・・」
「何なんだろうな・・・これ・・・」
三者三様の声をあげ、われに返る。
「いったい何なんだろうな・・・さっきの」
「うん・・・全く意味がわかんない・・・」
「えぇ・・・蹴るんじゃ武器の意味が無いですし・・・」
三人で話していたとき、
ウーヴォーアァァァァァァァ・・・
さっきの方向から人の物とは思えない声が聞こえてきた。
「気にはなるから一応行ってみるか。」
「賛成!」
「私もです。」
声のした方向に進んでいったら、誰かがいた。
「あんたらはいったい何してんだ?」
倒れている人はとりあえず無視して、狐の尻尾のようなものが生えている人に話しかける。
狐「あら、まさかこんなに早く逢えるとは思っていなかったわ。」
彼女は驚いた顔をして、そういった。
「どういうことだ?」
ひとまず話を聞くとしよう。
狸「」ブルブル
「なんでこの子こんなに怯えてるんだろう・・・」
「さぁ・・・たぶん精神的なショックを受けたんじゃないでしょうか・・・」
狐「いえ、こっちの話よ。・・・起きなさい」バシッ
彼女は倒れていた人を文字通り叩き起こした。
作:はいっ!
狐「せっかくお客様がいらしたんだからお茶ぐらい用意なさい。」
作:サー!イエッサー!今すぐ行ってまいります!
ひでぇな・・・
「ひでぇ・・・」
思わずそう呟いた。
狐「そう?」
しれっと言ったこいつはたぶん鬼畜だ。
狸「うぅ・・・狐こわい、狐こわい・・・」
「なんだかかわいそうだね・・・」
「えぇ・・・見てるだけで気の毒な気分になるオーラを放っていますね・・・」
あっちはあっちで気の毒そうな奴がいるな・・・
作:お茶を持ってまいりました!マム!
まるで執事だな・・・
狐「結構。お茶を冷めないうちにどうぞ?そちらの娘たちも。あぁ・・・あなたはもう下がっていいわ。」
作:サー!イエッサー!
なんか特殊な訓練でも受けてるんだろうか・・・
「なんか・・・見ていてかわいそうだな・・・」
狐「そんなことを気にしていたらキリが無いわよ。」
こいつは鬼畜だな。間違いねぇ。
「おぉ・・・おいしそうなお茶だね・・・いただきまーす」
ネズミたちも合流してきた。
狐「お茶菓子でも、持ってこさせる?」
「いや、それには及ばない。お茶さえあれば十分だ。」
流石にこれ以上働かせるわけには行かないからな・・・
「わたしはあったほうがいいかな・・・」
「私も欲しいです・・・」
「おい・・・」
狐「まぁいいじゃない。彼女たちがそういってるんだし・・・お茶菓子を持ってきなさい。早く。」
作:ここに。
いつのまにやらお菓子を持って立っていた。
狐「いい仕事ね。褒めてあげるわ。」
作:ありがとうございます。
狐「後は下がりなさい。」
作:イエス、マム
「機敏だな・・」
なんか調教でもされたみたいだ・・・
狐「さ、食べなさい。」
「わーい!ありがとう!」
「いただきます。」
狐「どうぞ。沢山食べると良いわ」
一息ついたところで、聞きたかったところを聞く。
「・・・で、だ。あんたらはこんなとこでなにしてんだ?」
狐「私たちが何をしているか、ね・・・特になにもしてないわよ。」
「嘘つけ。さっき執事が蹴りつけられてたの見たぜ?」
狸「」ビクッ
さっきのかわいそうな子が怯えたような反応をした。そういえばこの子・・・
「ん?あの子・・・」
狐「あぁ。さっきのはこの狸がやったのよ。」
そういった瞬間狸の彼女が目に涙を浮かべながら反論した。
狸「好きでやったんやない!お前が騙したんやないか!」
狐「見苦しいわね。嘘を嘘と見抜けない者が商人が務まるとでも?」
一方的な口戦で全く歯が立っていない。
狸「うぐっ・・・なぁ、にぃやん、あいつがウチのこと騙したのにこっちのせいにしてくるんよ・・・」
「それは俺にはどうもできない問題なんだが・・・」
という俺に話を振られても・・・とは涙目の人には言えないし・・・
狸「うぅ・・・にぃやんにまで見捨てられてもうた・・・」
作:まぁ、気にスンナ。明日はやってくるさ。
お前はいつの間に・・・
狸「そんなもん慰めにもならへん!うわぁぁぁぁぁぁぁん!!!」ダッ
「・・・忙しそうだな」
狐「そうでもないわ。こっちはこっちで楽しくやってるのよ。」
「そうなのか・・・?」
楽しいのはあんただけな気もするけど・・・
狐「そんなことより、もうすぐお別れの時間が近いわよ。」
「お別れ?」
突然の通告におどろく。
狐「そ。お別れ。まぁ、機会があればまたあえるでしょう。」
「いや、淡々としすぎてない?」
狐「そんなものよ。」
そんなものなのか・・・ま、いつまでもいるわけにいかないしな・・・
「そうか。じゃあそのときまでさようなら、だな」
狐「えぇ。」
作:│・ω・ ̄)ノシ マタナ
「さて、二人とも、行くぞ」
「ちょっとまって!もうすぐで10個目食べ終わるから・・・」モグモグ
「こんなにおいしいお茶菓子は・・・初めて食べました・・・」モグモグ
喋らないと思ったら食うのに夢中だったか・・・
「はぁ・・・ほら、ちゃちゃっとする!」
「モグモグ・・・はい!準備終了!」
「モックモック・・・私もです!」
「そういえば・・・ここから出るにはどうすればいいんだ?」
ここには出口とか無いし・・・
狐「簡単よ。心配には及ばないわ。」スッ
「な、なにそれ・・・」
「えっと、ハンマー?ですか?それにしては・・・」
狐「おしいわね。これはゴルディオン・ハ○マーよ。正確にはグラビティ・ショックウェーブ・ジェネレイティング・ツールよ。」
いや、そんなことは聞いてないし。
「それでどうするんだ?そのぐ、ぐらびちぃ?を」
狐「簡単よ・・・こうするの!」
「え?」
そういうとこいつは、ハンマーでネズミを叩き潰した。
狐「今のは痛みを感じる暇も無かったわね・・・」
「「ひ、光になった!?」」
狐「これは簡易送還システム、とでも言えばいいかしら・・・とにかく、これに潰されなきゃ帰れないわ、よ!」
ハンマーの大きさとは正反対のすばやい動きでハンマーを振りかぶった。
「きゃぁぁぁぁっ!!」
そして、トリが犠牲になった。
狐「最後はあなただけよ・・・覚悟なさい。」
「覚悟とか必要なのかよ!」
ジリジリ近寄られて少し怖い。
狐「これがいやならもっと痛いのがあるわよ。」スッ
「なにそのさらにでかいの・・・」
狐「これはゴルディオン・クラ○シャー。正確にはグラヴィティ・ショックウェーブ・・・いえ、そんなことはどうでもいいでしょう。それよりも、これはさっきのハンマーよりも痛いわよ。」
「え、ちょ、待っ!!」
止める時間すら与えず、彼女は振りかぶった。
狐「光に・・・なぁれぇぇぇ!」
「ぎゃぁぁぁぁ!光になるぅぅぅぅ!」
そうして俺の意識は闇に落ちた・・・
狐「ふぅ。狸を実験に使っていただけあっていい威力ね。」
狸「この悪魔め・・・」ボソッ
狐「あら、まだ実験台にされたかったの。それなら早く言ってくれればよかったのに。」
狸「え、ちょ、そんなこといって・・・やめてぇ!アッー!」
目を覚ました。真っ先に天井が目に入る。
「変な夢だったな・・・」
まぁ、面白くもあったんだけどな・・・
しかし・・・
「いつになったら俺の息子は萎えるんだ・・・」
俺の息子は元気なままである。こんなところをネズミやトリに見られでもしたら・・・
「んにゅ・・・あにきぃ?」
「おはよう。いい夢見たか?」
隣で寝ていたネズミが起きた。
「なんか変な夢見た・・・」
「そうか。それより顔洗ってきたどうだ?あと髪も梳かさなきゃいけないしな」
「うん・・・いってくる・・・」
ふぅ・・・ネズミに勃起を見られるという危機は乗り越えた・・・後は手早く着替えて股間の膨らみがわからないようにするだけだ・・・!行動はとにかく早く!
「起きましたか?今朝ごはんを・・・作っ・・・て・・・キャァァァァァァァッ!!!!!」
ちくしょう。最後の最後で下半身に何もはいていない、つまりは息子が完全に露出した状態のときにトリに見つかった。下着で隠す時間すらない。
「なに叫んでんだようるさいな・・・え、ちょっ・・・キャァァァァァァ!!!!」
しかもタイミングが悪いことにネズミまで来やがった・・・!
「クソッ・・・!」
俺は特技の一つ音速早着替えを使い着替えを終わらせた。そして、二人はというと・・・
「あ、兄貴の見ちゃったぁぁぁ」///
「あ、あれが男性の・・・」///
真っ赤になっていた。く、俺まで恥ずかしい・・・
その後の朝食も大した会話もなく終わった。まだこいつらの顔は赤い。
「えー・・それじゃあ、今後のことについて話そうと思う。」
そういうと、二人はすこし顔を引き締めた。まだ目は合わせてくれないが。
「トリ、確認だが『水』の魔力は『水』の魔力であれば中和できる可能性があるんだよな?」
「は、はい・・・おそらく、ですけど・・・」
「あ、兄貴、まさか、『水』の魔力を持った人を知ってるの?」
「あぁ・・・ちょっとした知り合いなんだがな・・・神社があるだろ?そこに奉られてて、ここらを治めてる人なんだが・・・」
「え?それってもしかして・・・」
「?」
「あぁ。」
トリは俺のいう心当たりに気づいたらしい。
そしてネズミは分かっていない。
「竜神様の力を借りる。彼女も水を扱ってっからな。なんとかなんだろ。」
あぁ。きっとなんとかなるさ。
12/03/05 13:55更新 / パイルバンカー・改
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