第5話〜君臨〜
〜墜落地点〜
副長は隊長の指示に従い部下と作業を進めていた。
特に異常もなく作業はスムーズに進み発生装置は完成、あとは本国から持ってきたコードを入力しリンクさせるだけだった。
「作業の方はどうだ?」
「9割ほど終了しました、あとはコードを入力し本国の装置とのリンクを待つだけです。」
「わかった、作業を続けろ。」
「了解しました。」
思ったより作業が早く進み、無事に作戦は成功が目前に迫っていたが、副長の表情は険しかった。
(何も起こらないのか? 隊長の予想が正しければ何者かの介入があってもおかしくない...ましてやこれほど目立っているのだ、人目につかないはずがない。)
彼がそんなことを考えていたその時
ドオォォーーーン... バババババ... タタタ...タタタ...
隊長の班が消えていった方角から彼らの使用する銃の発砲音と爆発音がした。
「!!?」
副長は驚いて南の方角に目をやると、何かが爆発したのであろう、黒煙が空に昇っていた。
「なんだ!?」
「発砲音!? 敵が来たのか!?」
「南の方角からだ!!」
部下たちもその音に気付いたようで、作業を中止し音の方角に目をやった。
「落ち着け! 作業を続行しろ!!」
混乱する部下たちに副長は指示を飛ばすが彼も焦っていた、あの爆発は何なのか。隊長たちはやられてしまったのか。どうすればいいのか。
彼が焦っているその時だった、彼の通信機にコール(呼び出し)がかかった。
副長は慌てて通信に出た。
『こちらゴースト・アイ・リーダー、応答せよ!』
「隊長! いったい何が、隊長の向かった方角から煙が...」
『説明はあとだ、作業を続行しつつ隊員全員に武装させろ、ウォーカーにも専用武器を持たせて南の方角に対して防衛体制を整えろ!』
「わかりました、ですが隊長たちは...」
『我々は可能な限り敵を足止めしつつ後退する、そちらに着く前に体制を整えておけ!』
「了解!」
そう言って通信は途切れた...否、切られた。
いまだに頭の中が混乱している彼だが、隊長の指示を実行に移した。
「総員、武装せよ! 最低限の人員で作業を続行しつつ南の方角に対して防衛体制をとる。ウォーカーにも武装させろ、急げ!!」
彼の指示に部下は一斉に動き出した。
〜墜落地点南の森〜
そこは戦場と化していた、矢と光弾が飛び交い、彼女らは数で彼らを追い込み、彼らは足止めを食らわせつつ後退していた。
「撃て、撃てぇ!」
「1人でも多く戦闘不能に追いやれ!!」
「敵弓兵、分散! 各個撃破にするつもりです!」
「火力を分散、視界に入った敵から倒せ!」
「奴らを逃がすなぁ!」
「数ではこちらが上だ、押し込め!」
「弓兵、散開し敵を追い込め!」
「各個撃破に持ち込めば勝てるぞ!」
戦況は彼らが圧倒的に不利だった...
「隊長、もう無理です! 後退しましょう、このままでは全滅です!」
「だめだ、向こうはまだ体制を整えきれてないだろう! 今退けばそれこそ全滅だ!」
「ではせめて武器のダメージレベルを上げさせてください!」
「だめだ! 1人でも殺せば一気に押し込んでくる!」
「ですが模擬弾や煙幕では限界です!」
「それでもやるのだ! 伊達に演習を重ねているのだはないのだろう!?」
彼らが不利な要因は数の差だけではなかった。
彼らは彼女らを戦闘不能にするだけで『殺して』はいなかった。
彼らの使用する銃の弾丸は鉄ではなく『エネルギー弾』だった。
しかも、彼らの銃で出力を調整できるので鉄の鎧を貫通する威力から、当たっても痺れる程度の威力まで調整が利くのだ、隊長は部下には『彼女らの殺害は許可できない』とし、当たれば痺れるる(数発受ければ失神する)程度の威力の模擬弾と閃光弾、煙幕を利用し彼女らに死者を出すことなく応戦し後退していた。
(もう下がるか? いやだがもう少し...)
隊長がそう考えていると通信が入った。
彼らを追撃している彼女らも違和感を覚えていた。
ノーマも違和感を覚える1人だった。
(先ほどから光弾を放って後退しているが、こちらの死亡者はゼロ...一体どうなっているのだ? 彼らは手加減をしているのか? それとも...)
ノーマがそう思っていると、彼らはまた撤退を始めた、だが今度のは一気に下がっていく。足止めなど考えずに一目散にという感じだ。
(下がりが大きい...何かの罠か?)
ノーマがそう考える一方で...
「奴らが逃げるぞ! 追い立てろ!!」
「「「オオオォォォォーーーー!!!!!」」」
アリアナは彼らが敗走していると判断し兵たちを鼓舞し、追撃に力を入れた。
それが間違いとも知らずに...
〜墜落現場〜
彼らを追撃している兵士たちの先頭集団はずぐ目の前に逃げる彼らをとらえていた。
(よ〜し、奴らを捕まえればアリアナ様から褒美が出る、逃がすかよ!!)
ここまで追いかけてきたのだ逃がす気はないだろう。
彼らが森を抜け開けた場所に出た直後に先頭集団は森を抜けたが彼女らを待ち構えていたのは2本の足で地に立ち、両手に箱をぶら下げたようなじょうろの様なものを持ち、こちらに構えている黒い鉄の巨人だった。
「な、な...!」
突然のことに驚いていると巨人の構えていたじょうろの様なものから光が発せられ、彼女らの意識はそこで途絶えた。
「な...! 何だ、これは!?」
ノーマが本隊を引き連れて墜落現場に到着すると彼女が目にしたものは。
箱をぶら下げたような巨大な乗り物、
その乗り物に乗ってきたのであろう18人の人影、
彼らが組み上げたのであろう骨組みの門の様なもの、門にはすでに黒い渦が生成されていた。
そして鉄の巨人と先発していた部隊が倒れていた。先発隊には外傷はないが、目を覚まさない。
この時ノーマは自分の予想が当たったと確信した、
彼らは逃げたのではない、待ち構えていたのだと...
ノーマが愕然としていると巨人が手に持ったものをこちらに向けてきた。
反射的に横に飛んでよけると無数の光弾が彼女のいた場所に襲い掛かった。
その攻撃に反応できずに光弾をもろに食らったほかの兵士はその場に倒れてしまった。
(先発隊がやられたのはこいつのせいか...ならば早急につぶさなくては!)
彼女が巨人に切りかかろうとしたその時、何者かが彼女の剣を2本の刃で受け止めた。
その人物は彼女が見知った人物だった。
「悪いが、邪魔はさせん。」
「やはりお前か、隊長。てっきり近接戦は苦手かとばかり思っていた。」
「我々が射撃戦しかできないと思うなよ。剣は装備品の1つだからな。」
ノーマは彼らが近接戦闘もこなせることに驚いていた。
対して隊長は両腰にさしてあ2本の剣で彼女の剣を受け止めたのだ。
「ノーマ隊長!」
「あのデカブツはアタシらにまかせな!」
ノーマが隊長と鍔迫り合いをしている中テュールとメリッサが巨人に対して攻撃を仕掛けようとしていた。
「あの巨人は後回しでいい! お前たちはあの門を壊せ!!」
だがノーマは巨人の攻撃ではなく門への攻撃を命令した。
なぜなら彼女はあの門から彼らの乗り物が出てくるのだろうと考えており放置すれば彼らのような兵士が何百何千と出てくるのではないか、そう考えていたのだ。
「貴様っ!!」
「あの渦を見た時から嫌な予感がしてな...恨みっこはなしにしてもらおうか!」
「全員!! あの2人を止めろ!! 何としても門は死s...」
ズズゥゥーーーーン......
彼は途中で言葉を止めた、自分の言葉を遮って発生した『何かが崩れるような』音の正体を確認するためだ。
音の発生源に目を向けると。
「フン...鉄の巨人とはいえこの程度か、つまらん、準備運動もならんな。」
鉄の巨人、ウォーカーを手足を切り胴体を一刀両断し、その残骸の上でレイピアを軽く振っているアリアナがいた。
「な...ウォーカーが...たった1人に...」
作業用とはいえウォーカーたった1人の兵士の倒された、彼は信じることが出来なかった。最も、これはウォーカーが弱いのではなく、単にアリアナが強いだけの結果なのだが。
呆然とする隊長を横目にノーマが叫んだ。
「アリアナ様! あの門を壊してください! 彼らはあの門を通して援軍を呼ぶつもりです!!
「な、させんぞ!!」
「それはこちらのセリフだ!」
隊長は必死にノーマを振りほどこうとするが彼女は手強く簡単には振り払えなかった。
「アリアナ様! 彼は私が抑えます! お早く!!」
「止めろぉ! させるなぁ!」
隊長の命令で部下の数人がアリアナを阻止しようと攻勢に出るが兵士たちによってさえぎられてしまう。
だが、このままではアリアナも装置に近づけない。だがアリアナは笑っていた...
「案ずるな。あの門を壊すのに、近づくまでもないわ!」
そういうと彼女はレイピアを振りかぶり装置に向かって投げた。
彼女によって投げられたレイピアは回転しながら装置に直撃コースを進んでいる、彼らも黙って見ているわけもなくレイピアを防ごうと銃を撃ったり剣ではじこうとするが...
「残念だったねぇ!!」
「そうはさせないんだよ!!」
テュールとメリッサの2人がそれを未然に防ぐ。
そうしているうちにレイピアと装置の距離が縮まり装置が破壊される直前、魔物と人間の誰もが勝利を確信し、異世界から来た彼らが敗北を覚悟したその時。
ガキィィィィーーーン...!! サク...! ザクンッ!!!
「「「「「!?」」」」」
耳鳴りともいえるような何かがはじかれる音と何かが刺さる音が聞こえ、その場の全員が静まり返った。
その時、かすかではあるが渦の向こうから足音が聞こえた。
......カッカッカッカ......
アリアナのレイピアは地面に刺さっている。
足音は近づいて来る...
......カッカッカッカッカッカ...
ゲートの接続状況を示すパネルには『ON LINE』と表示されていた。
更に足音は近づく...
...カッカッカッカッカッカッカッカ
ゲートの目の前には見知らぬ『黒い大剣』が刺さっていた。
足音がすぐそこまで来ている...
カッカッカッカッカッカッカッカッカ
ゲートから『黒いボロ布を纏った鎧を着た人影』が現れた、その顔は『鉄仮面』に覆われて表情は伺えない。
「ゴースト・アイ諸君、任務ご苦労であった。」
そう、来てしまったのだ。
「反撃開始だ。」
指導者が
副長は隊長の指示に従い部下と作業を進めていた。
特に異常もなく作業はスムーズに進み発生装置は完成、あとは本国から持ってきたコードを入力しリンクさせるだけだった。
「作業の方はどうだ?」
「9割ほど終了しました、あとはコードを入力し本国の装置とのリンクを待つだけです。」
「わかった、作業を続けろ。」
「了解しました。」
思ったより作業が早く進み、無事に作戦は成功が目前に迫っていたが、副長の表情は険しかった。
(何も起こらないのか? 隊長の予想が正しければ何者かの介入があってもおかしくない...ましてやこれほど目立っているのだ、人目につかないはずがない。)
彼がそんなことを考えていたその時
ドオォォーーーン... バババババ... タタタ...タタタ...
隊長の班が消えていった方角から彼らの使用する銃の発砲音と爆発音がした。
「!!?」
副長は驚いて南の方角に目をやると、何かが爆発したのであろう、黒煙が空に昇っていた。
「なんだ!?」
「発砲音!? 敵が来たのか!?」
「南の方角からだ!!」
部下たちもその音に気付いたようで、作業を中止し音の方角に目をやった。
「落ち着け! 作業を続行しろ!!」
混乱する部下たちに副長は指示を飛ばすが彼も焦っていた、あの爆発は何なのか。隊長たちはやられてしまったのか。どうすればいいのか。
彼が焦っているその時だった、彼の通信機にコール(呼び出し)がかかった。
副長は慌てて通信に出た。
『こちらゴースト・アイ・リーダー、応答せよ!』
「隊長! いったい何が、隊長の向かった方角から煙が...」
『説明はあとだ、作業を続行しつつ隊員全員に武装させろ、ウォーカーにも専用武器を持たせて南の方角に対して防衛体制を整えろ!』
「わかりました、ですが隊長たちは...」
『我々は可能な限り敵を足止めしつつ後退する、そちらに着く前に体制を整えておけ!』
「了解!」
そう言って通信は途切れた...否、切られた。
いまだに頭の中が混乱している彼だが、隊長の指示を実行に移した。
「総員、武装せよ! 最低限の人員で作業を続行しつつ南の方角に対して防衛体制をとる。ウォーカーにも武装させろ、急げ!!」
彼の指示に部下は一斉に動き出した。
〜墜落地点南の森〜
そこは戦場と化していた、矢と光弾が飛び交い、彼女らは数で彼らを追い込み、彼らは足止めを食らわせつつ後退していた。
「撃て、撃てぇ!」
「1人でも多く戦闘不能に追いやれ!!」
「敵弓兵、分散! 各個撃破にするつもりです!」
「火力を分散、視界に入った敵から倒せ!」
「奴らを逃がすなぁ!」
「数ではこちらが上だ、押し込め!」
「弓兵、散開し敵を追い込め!」
「各個撃破に持ち込めば勝てるぞ!」
戦況は彼らが圧倒的に不利だった...
「隊長、もう無理です! 後退しましょう、このままでは全滅です!」
「だめだ、向こうはまだ体制を整えきれてないだろう! 今退けばそれこそ全滅だ!」
「ではせめて武器のダメージレベルを上げさせてください!」
「だめだ! 1人でも殺せば一気に押し込んでくる!」
「ですが模擬弾や煙幕では限界です!」
「それでもやるのだ! 伊達に演習を重ねているのだはないのだろう!?」
彼らが不利な要因は数の差だけではなかった。
彼らは彼女らを戦闘不能にするだけで『殺して』はいなかった。
彼らの使用する銃の弾丸は鉄ではなく『エネルギー弾』だった。
しかも、彼らの銃で出力を調整できるので鉄の鎧を貫通する威力から、当たっても痺れる程度の威力まで調整が利くのだ、隊長は部下には『彼女らの殺害は許可できない』とし、当たれば痺れるる(数発受ければ失神する)程度の威力の模擬弾と閃光弾、煙幕を利用し彼女らに死者を出すことなく応戦し後退していた。
(もう下がるか? いやだがもう少し...)
隊長がそう考えていると通信が入った。
彼らを追撃している彼女らも違和感を覚えていた。
ノーマも違和感を覚える1人だった。
(先ほどから光弾を放って後退しているが、こちらの死亡者はゼロ...一体どうなっているのだ? 彼らは手加減をしているのか? それとも...)
ノーマがそう思っていると、彼らはまた撤退を始めた、だが今度のは一気に下がっていく。足止めなど考えずに一目散にという感じだ。
(下がりが大きい...何かの罠か?)
ノーマがそう考える一方で...
「奴らが逃げるぞ! 追い立てろ!!」
「「「オオオォォォォーーーー!!!!!」」」
アリアナは彼らが敗走していると判断し兵たちを鼓舞し、追撃に力を入れた。
それが間違いとも知らずに...
〜墜落現場〜
彼らを追撃している兵士たちの先頭集団はずぐ目の前に逃げる彼らをとらえていた。
(よ〜し、奴らを捕まえればアリアナ様から褒美が出る、逃がすかよ!!)
ここまで追いかけてきたのだ逃がす気はないだろう。
彼らが森を抜け開けた場所に出た直後に先頭集団は森を抜けたが彼女らを待ち構えていたのは2本の足で地に立ち、両手に箱をぶら下げたようなじょうろの様なものを持ち、こちらに構えている黒い鉄の巨人だった。
「な、な...!」
突然のことに驚いていると巨人の構えていたじょうろの様なものから光が発せられ、彼女らの意識はそこで途絶えた。
「な...! 何だ、これは!?」
ノーマが本隊を引き連れて墜落現場に到着すると彼女が目にしたものは。
箱をぶら下げたような巨大な乗り物、
その乗り物に乗ってきたのであろう18人の人影、
彼らが組み上げたのであろう骨組みの門の様なもの、門にはすでに黒い渦が生成されていた。
そして鉄の巨人と先発していた部隊が倒れていた。先発隊には外傷はないが、目を覚まさない。
この時ノーマは自分の予想が当たったと確信した、
彼らは逃げたのではない、待ち構えていたのだと...
ノーマが愕然としていると巨人が手に持ったものをこちらに向けてきた。
反射的に横に飛んでよけると無数の光弾が彼女のいた場所に襲い掛かった。
その攻撃に反応できずに光弾をもろに食らったほかの兵士はその場に倒れてしまった。
(先発隊がやられたのはこいつのせいか...ならば早急につぶさなくては!)
彼女が巨人に切りかかろうとしたその時、何者かが彼女の剣を2本の刃で受け止めた。
その人物は彼女が見知った人物だった。
「悪いが、邪魔はさせん。」
「やはりお前か、隊長。てっきり近接戦は苦手かとばかり思っていた。」
「我々が射撃戦しかできないと思うなよ。剣は装備品の1つだからな。」
ノーマは彼らが近接戦闘もこなせることに驚いていた。
対して隊長は両腰にさしてあ2本の剣で彼女の剣を受け止めたのだ。
「ノーマ隊長!」
「あのデカブツはアタシらにまかせな!」
ノーマが隊長と鍔迫り合いをしている中テュールとメリッサが巨人に対して攻撃を仕掛けようとしていた。
「あの巨人は後回しでいい! お前たちはあの門を壊せ!!」
だがノーマは巨人の攻撃ではなく門への攻撃を命令した。
なぜなら彼女はあの門から彼らの乗り物が出てくるのだろうと考えており放置すれば彼らのような兵士が何百何千と出てくるのではないか、そう考えていたのだ。
「貴様っ!!」
「あの渦を見た時から嫌な予感がしてな...恨みっこはなしにしてもらおうか!」
「全員!! あの2人を止めろ!! 何としても門は死s...」
ズズゥゥーーーーン......
彼は途中で言葉を止めた、自分の言葉を遮って発生した『何かが崩れるような』音の正体を確認するためだ。
音の発生源に目を向けると。
「フン...鉄の巨人とはいえこの程度か、つまらん、準備運動もならんな。」
鉄の巨人、ウォーカーを手足を切り胴体を一刀両断し、その残骸の上でレイピアを軽く振っているアリアナがいた。
「な...ウォーカーが...たった1人に...」
作業用とはいえウォーカーたった1人の兵士の倒された、彼は信じることが出来なかった。最も、これはウォーカーが弱いのではなく、単にアリアナが強いだけの結果なのだが。
呆然とする隊長を横目にノーマが叫んだ。
「アリアナ様! あの門を壊してください! 彼らはあの門を通して援軍を呼ぶつもりです!!
「な、させんぞ!!」
「それはこちらのセリフだ!」
隊長は必死にノーマを振りほどこうとするが彼女は手強く簡単には振り払えなかった。
「アリアナ様! 彼は私が抑えます! お早く!!」
「止めろぉ! させるなぁ!」
隊長の命令で部下の数人がアリアナを阻止しようと攻勢に出るが兵士たちによってさえぎられてしまう。
だが、このままではアリアナも装置に近づけない。だがアリアナは笑っていた...
「案ずるな。あの門を壊すのに、近づくまでもないわ!」
そういうと彼女はレイピアを振りかぶり装置に向かって投げた。
彼女によって投げられたレイピアは回転しながら装置に直撃コースを進んでいる、彼らも黙って見ているわけもなくレイピアを防ごうと銃を撃ったり剣ではじこうとするが...
「残念だったねぇ!!」
「そうはさせないんだよ!!」
テュールとメリッサの2人がそれを未然に防ぐ。
そうしているうちにレイピアと装置の距離が縮まり装置が破壊される直前、魔物と人間の誰もが勝利を確信し、異世界から来た彼らが敗北を覚悟したその時。
ガキィィィィーーーン...!! サク...! ザクンッ!!!
「「「「「!?」」」」」
耳鳴りともいえるような何かがはじかれる音と何かが刺さる音が聞こえ、その場の全員が静まり返った。
その時、かすかではあるが渦の向こうから足音が聞こえた。
......カッカッカッカ......
アリアナのレイピアは地面に刺さっている。
足音は近づいて来る...
......カッカッカッカッカッカ...
ゲートの接続状況を示すパネルには『ON LINE』と表示されていた。
更に足音は近づく...
...カッカッカッカッカッカッカッカ
ゲートの目の前には見知らぬ『黒い大剣』が刺さっていた。
足音がすぐそこまで来ている...
カッカッカッカッカッカッカッカッカ
ゲートから『黒いボロ布を纏った鎧を着た人影』が現れた、その顔は『鉄仮面』に覆われて表情は伺えない。
「ゴースト・アイ諸君、任務ご苦労であった。」
そう、来てしまったのだ。
「反撃開始だ。」
指導者が
15/11/02 10:36更新 / @サイエンティスト
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