俺の好敵手のちに俺の○!!
俺には好敵手(ライバル)がいる。
奴との出会いは、修行の旅の途中に温泉でもと思い、よった火山だった。
硫黄の臭いで鼻は効かず、噴出する蒸気で視界も悪いそんななか、奴はたっていた。
鱗に覆われた手足、腰に挿すには大き過ぎる剣、蒸気の中で赤く揺らめく炎の尾、強い意志を秘めた眼、しかし、俺の目を奪ったのは、そのどれでもなく、赤く揺らめく炎よりも紅く美しい、奴の髪だった。
そして澄んだ声で奴は話しかけてきた。
「うん?こんなところに人間とは珍しい?ここになんの用だ?」
(どうやら敵意は無いらしい。魔物の中には人間の男と見れば襲いかかる物もいるらしいが、どうやら違うらしい。)
「いやなに、こんな立派な火山なら近くに温泉でも湧いているだろうと思い、
剣の修行の旅の途中によっただけだ」
「剣の修行?貴様、戦士か!?」
奴は、俺の言葉を聞いて、まるで何かを期待するような顔をした。
「戦士?まぁたしかに剣の腕を磨いてはいるが、まだ自分を戦士と認められる程ではないな」
俺が答えると奴は腰の大剣を抜いて、不敵に笑みを浮かべて言った
「貴様!私と戦え!」
状況が飲み込めず俺は奴に問いかけた。
「何故だ!?俺にはお前と戦う理由が無いし、魔物に恨みを買うようなことをした覚えもない!」
奴は不敵な笑みのまま大剣をより強く握り締めて答えた。
「恨みなどないさ、それどころか感謝さえしている、ただ貴様が戦士なら戦ってみたい、力を、技を競ってみたい、それだけだ」
奴は今にも跳びかかろうという気迫と迫力で俺の前にたっている。
体の端々に奴の刺すような気迫を感じながらも俺はまだ腰の剣を抜かない。
(抜いたが最後、激戦は必至だ、魔物との戦い未熟な俺が勝てる確立は極めて低いし、こんな無益なことに剣を抜くのは、あまり気が進まない。なにより
俺はまだ、奴の求める戦士ではないのだ)そう思いながら俺は奴に言った。
「俺は未だ未熟な修行中の身そのようなことのために抜く剣をもってはいない」
俺は、奴に威嚇の気迫を飛ばしながらではあるが、そう告げた。
「未熟でも構わん、貴様の事情も知らん、これは私の種族の本能でな悪いが、無理にでも戦ってもらう、それに貴様の放つ気迫が私に貴様は強者だといっている!!」
そう言い終わると同時に奴は俺に跳びかかってきた。
もう戦いを避けられないことを認識した俺は気を引き締めた。
(相手は魔物だ、身体能力ではかなわないだろう)
奴は跳びかかりながら大剣を上段に構えそのまま振りぬいた。
単純な攻撃だがその剣の速さに俺は驚いた。
成人男性の足下から胸ぐらいまではあろうかという大剣をまるで木の棒でも振るかのようだ。
俺は最初その斬撃を剣で受け流そうと思った、人間が振るう大剣なら受け流して自分が懐に飛び込む自信はあった。
だが俺は直感的に奴の剣を受け流さずに避けなければと思って、その場から真横に跳んだ。
数瞬前まで自分のいた場所を大剣が風切り音をたてて通る。
そして俺のいた場所の地面は深くえぐれた、大剣にあたった岩は粉々になり
その場を漂っていた蒸気がきれいに晴れた。
そう相手は魔物なのである、今までの経験より本能や直感に従った方が良いことを俺は悟った。
「ほう、私の渾身の一撃をかわすか。しかも剣で受け流すのは危険との判断も
すばらしいぞ。これはたのしめそうだ」
奴は不敵な笑いをやめて、心の底から出たような笑顔を浮かべた。
不覚にもその顔に見とれてしまいそうになる。
「褒められても、まったく嬉しくないな、俺はお前の一撃を見て早くも降参したくなったよ(苦笑)」
「ふっそんな楽しそうな顔でよく言うお前も私と同じではないかw」
奴は微笑みながら剣を構え直した。
「どうやらそうらしい、こんな気持ちは初めてだw」
釣られて俺もイキイキした顔で笑う。
そして、奴と俺は一時間ほど打ち合った。
結果は俺の敗北だ。
しかし、不思議と爽やかな気分だった、きっと奴の剣がとても澄んでいたからだ。
己を磨くことを生きる目的にしている純粋な気持ちが奴の剣からは感じられた。
疲れ果てて地面に横たわっている俺を上から見下ろしながら奴は頬をそめて少々恥ずかしがりながら俺にこう言った。
「貴様は強いな、うん、この私が言うのだ間違いなく強い、そんな貴様に私はどうやら惚れてしまったようだ」
奴の尾の炎が大きくなりより紅くなった、奴の髪のように。
「貴様、私の夫になれ。断られてもお前がうなずくまで付いていくぞ」
俺はあわてて言葉を返す。
「待てなんだ突然!?俺はお前に負けたんだぞ!?それに俺はまだまだ修行の身だ、まだ嫁などいらん!!」
俺の断りの言葉聞いても奴は諦めない。
「悪いが惚れてしまった物はどうしようもないし、これも私の種族の本能だ諦めろ。それと私は惚れた男には尽くすタイプだ、あと浮気は許さんからな」
「俺の話を無視すんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そんな出会いから一年がたった。
あれから奴は、俺の修行の旅に勝手についてきた。
俺はことあるごとに奴を追い払うために勝負しては負けた。
今までの戦績は俺の99戦99敗だ。
未だ俺は奴に勝てたことが一度も無い。
(まぁ、最近ではいい勝負できるぐらいではあるのだが)(汗)
そして今日とうとう100戦目。
俺は奴のきれいな顔をまっすぐ見つめていった
「とうとう100戦目だ今までの戦績は俺の全敗だ、それでもまだお前は俺に
惚れているのか?」
俺がそう尋ねると奴は、炎の尾を振りながら答えた。
「無論だ、いや、この一年一緒にすごしてより貴様が好きになった。愛している貴様なしでは、私はもう生きてはいけまい」
「そっそうか //// 」
そんな言葉に俺は照れているのを隠しながら奴に提案した。
「どうだ?記念すべき100戦目だ、提案なんだが今回の勝負で負けた方が勝った方の言うこと何でもきくっていうのは?」
俺の言葉を聞いて奴は笑みをこぼした。
「ほほう、面白い!私に勝って私に旅に付いて来るのを止めさせる気だな?だが貴様が負ければ貴様は私の夫だぞ?」
「かまわねぇ」
「それを聞いては負けられん私は勝って貴様の嫁になる!!」
「俺もこの勝負だけは負けられない」
お互いに剣を構えて睨み合う、緊張の一瞬。
先に仕掛けたは、やはり奴だった。
得意の上段からの斬撃、いつもなら俺はこれを横や後ろにすばやく避ける。
だが、今回は違った、俺は奴の懐に飛び込み剣を奴ののど下に突きつける。
俺の初勝利だった。
奴は大剣をそのばに落とし力無く膝を突いた。
「そんな・・・・・負けた、よりにもよってこの勝負で」
そう言う奴の眼には強い意志は見られず、尾の炎はしぼみ、そして綺麗だった髪の紅がわずかにくすんだように見えた。
「俺の勝ち・・・だな」
奴は俺を見つめていた、今にも泣きそうな顔で。
「私は貴様と離れたくない・・・私たちサラマンダーは誇り高い種族だ、約束をたがえたりはしない、だが私は貴様と離れたくない、離れたくないのだ」
「私は孤独だった、私たちの種族は強さを磨くため幼いころより一人で生きる、たとえ親子でも物心が付けば別れる、だからこの一年間、貴様と過ごした日々はまるで夢のようだった、あたたかく、やさしい時だった」
「貴様と離れては私は生きてはいけない、だが約束をたがえるつもりも無い」
言い終わると奴は剣を拾い上げ自分の胸へ向けた
「さらばだ、最高の日々を・・・・・ありがとう」
俺は頭を掻きつつ奴に言った。
「俺を無視して勝手に事を進めるな」
「えっ・・・・?」
奴は呆けていた。
「俺がお前に付いてくんなと頼んだか?」
「でも、貴様の望みなどそれ以外になにがある?」
奴は心底動揺した顔で聞いてきた。
(まったく、ホントに気づいてなかったのかよ)
「はぁ〜、つまり、簡単に言うとだな、この一年が楽しかったのはお前だけじゃねぇってことだ」
「どういう意味だ?」
(こいつ、まだわかんねぇのか?)
俺は仕方なくもっと直接的な言葉で想いを伝えた。
「俺もお前が好きだ、惚れてるし、愛してる、お前なしじゃ生きられないし、
お前を俺の嫁にしたい」
俺が言葉を口にしてから数秒の間を置き、奴の顔がみるみる真っ赤になる
「ななななななっなんでだぁ!!?わわ私は貴様に迷惑がられていると思っていたのに!!!」
どうやら俺の惚れた相手は鈍感らしい。
「お前のおかげで俺はここまで強くなれた、お前の強さや、生き方、そして一途さに俺は惚れてしまったみたいだ」
そう言いながら奴の唇にそっと自分の唇をかさねる、やわらかく、甘く、そして炎のように熱い。
「・・・・・・・・・」
奴の瞳には光が戻り、尾の炎は今までに無いほど燃え上がり、そして髪はこの世のどんな赤よりも美しい紅だった。
「俺の嫁になってくれるか?まぁお前が断っても俺はお前にどこまでも付いていくから諦めろ」
俺は微笑みながらつげた。
「ああ、私は今、どんな強者と戦っても手に入らないであろう幸せを感じているよ。愛している貴様のすべてを、今日から私は貴様の嫁だ」
その日、奴は好敵手から俺の嫁になった。
END
奴との出会いは、修行の旅の途中に温泉でもと思い、よった火山だった。
硫黄の臭いで鼻は効かず、噴出する蒸気で視界も悪いそんななか、奴はたっていた。
鱗に覆われた手足、腰に挿すには大き過ぎる剣、蒸気の中で赤く揺らめく炎の尾、強い意志を秘めた眼、しかし、俺の目を奪ったのは、そのどれでもなく、赤く揺らめく炎よりも紅く美しい、奴の髪だった。
そして澄んだ声で奴は話しかけてきた。
「うん?こんなところに人間とは珍しい?ここになんの用だ?」
(どうやら敵意は無いらしい。魔物の中には人間の男と見れば襲いかかる物もいるらしいが、どうやら違うらしい。)
「いやなに、こんな立派な火山なら近くに温泉でも湧いているだろうと思い、
剣の修行の旅の途中によっただけだ」
「剣の修行?貴様、戦士か!?」
奴は、俺の言葉を聞いて、まるで何かを期待するような顔をした。
「戦士?まぁたしかに剣の腕を磨いてはいるが、まだ自分を戦士と認められる程ではないな」
俺が答えると奴は腰の大剣を抜いて、不敵に笑みを浮かべて言った
「貴様!私と戦え!」
状況が飲み込めず俺は奴に問いかけた。
「何故だ!?俺にはお前と戦う理由が無いし、魔物に恨みを買うようなことをした覚えもない!」
奴は不敵な笑みのまま大剣をより強く握り締めて答えた。
「恨みなどないさ、それどころか感謝さえしている、ただ貴様が戦士なら戦ってみたい、力を、技を競ってみたい、それだけだ」
奴は今にも跳びかかろうという気迫と迫力で俺の前にたっている。
体の端々に奴の刺すような気迫を感じながらも俺はまだ腰の剣を抜かない。
(抜いたが最後、激戦は必至だ、魔物との戦い未熟な俺が勝てる確立は極めて低いし、こんな無益なことに剣を抜くのは、あまり気が進まない。なにより
俺はまだ、奴の求める戦士ではないのだ)そう思いながら俺は奴に言った。
「俺は未だ未熟な修行中の身そのようなことのために抜く剣をもってはいない」
俺は、奴に威嚇の気迫を飛ばしながらではあるが、そう告げた。
「未熟でも構わん、貴様の事情も知らん、これは私の種族の本能でな悪いが、無理にでも戦ってもらう、それに貴様の放つ気迫が私に貴様は強者だといっている!!」
そう言い終わると同時に奴は俺に跳びかかってきた。
もう戦いを避けられないことを認識した俺は気を引き締めた。
(相手は魔物だ、身体能力ではかなわないだろう)
奴は跳びかかりながら大剣を上段に構えそのまま振りぬいた。
単純な攻撃だがその剣の速さに俺は驚いた。
成人男性の足下から胸ぐらいまではあろうかという大剣をまるで木の棒でも振るかのようだ。
俺は最初その斬撃を剣で受け流そうと思った、人間が振るう大剣なら受け流して自分が懐に飛び込む自信はあった。
だが俺は直感的に奴の剣を受け流さずに避けなければと思って、その場から真横に跳んだ。
数瞬前まで自分のいた場所を大剣が風切り音をたてて通る。
そして俺のいた場所の地面は深くえぐれた、大剣にあたった岩は粉々になり
その場を漂っていた蒸気がきれいに晴れた。
そう相手は魔物なのである、今までの経験より本能や直感に従った方が良いことを俺は悟った。
「ほう、私の渾身の一撃をかわすか。しかも剣で受け流すのは危険との判断も
すばらしいぞ。これはたのしめそうだ」
奴は不敵な笑いをやめて、心の底から出たような笑顔を浮かべた。
不覚にもその顔に見とれてしまいそうになる。
「褒められても、まったく嬉しくないな、俺はお前の一撃を見て早くも降参したくなったよ(苦笑)」
「ふっそんな楽しそうな顔でよく言うお前も私と同じではないかw」
奴は微笑みながら剣を構え直した。
「どうやらそうらしい、こんな気持ちは初めてだw」
釣られて俺もイキイキした顔で笑う。
そして、奴と俺は一時間ほど打ち合った。
結果は俺の敗北だ。
しかし、不思議と爽やかな気分だった、きっと奴の剣がとても澄んでいたからだ。
己を磨くことを生きる目的にしている純粋な気持ちが奴の剣からは感じられた。
疲れ果てて地面に横たわっている俺を上から見下ろしながら奴は頬をそめて少々恥ずかしがりながら俺にこう言った。
「貴様は強いな、うん、この私が言うのだ間違いなく強い、そんな貴様に私はどうやら惚れてしまったようだ」
奴の尾の炎が大きくなりより紅くなった、奴の髪のように。
「貴様、私の夫になれ。断られてもお前がうなずくまで付いていくぞ」
俺はあわてて言葉を返す。
「待てなんだ突然!?俺はお前に負けたんだぞ!?それに俺はまだまだ修行の身だ、まだ嫁などいらん!!」
俺の断りの言葉聞いても奴は諦めない。
「悪いが惚れてしまった物はどうしようもないし、これも私の種族の本能だ諦めろ。それと私は惚れた男には尽くすタイプだ、あと浮気は許さんからな」
「俺の話を無視すんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
そんな出会いから一年がたった。
あれから奴は、俺の修行の旅に勝手についてきた。
俺はことあるごとに奴を追い払うために勝負しては負けた。
今までの戦績は俺の99戦99敗だ。
未だ俺は奴に勝てたことが一度も無い。
(まぁ、最近ではいい勝負できるぐらいではあるのだが)(汗)
そして今日とうとう100戦目。
俺は奴のきれいな顔をまっすぐ見つめていった
「とうとう100戦目だ今までの戦績は俺の全敗だ、それでもまだお前は俺に
惚れているのか?」
俺がそう尋ねると奴は、炎の尾を振りながら答えた。
「無論だ、いや、この一年一緒にすごしてより貴様が好きになった。愛している貴様なしでは、私はもう生きてはいけまい」
「そっそうか //// 」
そんな言葉に俺は照れているのを隠しながら奴に提案した。
「どうだ?記念すべき100戦目だ、提案なんだが今回の勝負で負けた方が勝った方の言うこと何でもきくっていうのは?」
俺の言葉を聞いて奴は笑みをこぼした。
「ほほう、面白い!私に勝って私に旅に付いて来るのを止めさせる気だな?だが貴様が負ければ貴様は私の夫だぞ?」
「かまわねぇ」
「それを聞いては負けられん私は勝って貴様の嫁になる!!」
「俺もこの勝負だけは負けられない」
お互いに剣を構えて睨み合う、緊張の一瞬。
先に仕掛けたは、やはり奴だった。
得意の上段からの斬撃、いつもなら俺はこれを横や後ろにすばやく避ける。
だが、今回は違った、俺は奴の懐に飛び込み剣を奴ののど下に突きつける。
俺の初勝利だった。
奴は大剣をそのばに落とし力無く膝を突いた。
「そんな・・・・・負けた、よりにもよってこの勝負で」
そう言う奴の眼には強い意志は見られず、尾の炎はしぼみ、そして綺麗だった髪の紅がわずかにくすんだように見えた。
「俺の勝ち・・・だな」
奴は俺を見つめていた、今にも泣きそうな顔で。
「私は貴様と離れたくない・・・私たちサラマンダーは誇り高い種族だ、約束をたがえたりはしない、だが私は貴様と離れたくない、離れたくないのだ」
「私は孤独だった、私たちの種族は強さを磨くため幼いころより一人で生きる、たとえ親子でも物心が付けば別れる、だからこの一年間、貴様と過ごした日々はまるで夢のようだった、あたたかく、やさしい時だった」
「貴様と離れては私は生きてはいけない、だが約束をたがえるつもりも無い」
言い終わると奴は剣を拾い上げ自分の胸へ向けた
「さらばだ、最高の日々を・・・・・ありがとう」
俺は頭を掻きつつ奴に言った。
「俺を無視して勝手に事を進めるな」
「えっ・・・・?」
奴は呆けていた。
「俺がお前に付いてくんなと頼んだか?」
「でも、貴様の望みなどそれ以外になにがある?」
奴は心底動揺した顔で聞いてきた。
(まったく、ホントに気づいてなかったのかよ)
「はぁ〜、つまり、簡単に言うとだな、この一年が楽しかったのはお前だけじゃねぇってことだ」
「どういう意味だ?」
(こいつ、まだわかんねぇのか?)
俺は仕方なくもっと直接的な言葉で想いを伝えた。
「俺もお前が好きだ、惚れてるし、愛してる、お前なしじゃ生きられないし、
お前を俺の嫁にしたい」
俺が言葉を口にしてから数秒の間を置き、奴の顔がみるみる真っ赤になる
「ななななななっなんでだぁ!!?わわ私は貴様に迷惑がられていると思っていたのに!!!」
どうやら俺の惚れた相手は鈍感らしい。
「お前のおかげで俺はここまで強くなれた、お前の強さや、生き方、そして一途さに俺は惚れてしまったみたいだ」
そう言いながら奴の唇にそっと自分の唇をかさねる、やわらかく、甘く、そして炎のように熱い。
「・・・・・・・・・」
奴の瞳には光が戻り、尾の炎は今までに無いほど燃え上がり、そして髪はこの世のどんな赤よりも美しい紅だった。
「俺の嫁になってくれるか?まぁお前が断っても俺はお前にどこまでも付いていくから諦めろ」
俺は微笑みながらつげた。
「ああ、私は今、どんな強者と戦っても手に入らないであろう幸せを感じているよ。愛している貴様のすべてを、今日から私は貴様の嫁だ」
その日、奴は好敵手から俺の嫁になった。
END
11/04/20 20:18更新 / 北極のトド