「ぼくが動くしかない……」
そう決心した日だった。
傷だらけの銀髪の姫が亡命してきたのだった。
貧民に扮した華奢な身体は擦り切れだらけであり、たった一人だった。
「マリアンヌさん！？」
「サラ……さま…」
白銀の姫は這う這うの体で崩れ落ちた。
アレックスをはじめとする使用人の治療と、ぼくの治癒魔法で彼女は一命を取り留めた。何やら相当恐ろしい目にあった様で、肉体的なものより、精神的な疲労の方が大きかった様だった。
「起きました？」
「サラさん……あ、大変なんですッ！」
いきなりベッドから飛び起きる小柄な美少女。
「あ、無理しないでください」
再び枕に頭をゆったり導くと、とても焦った様子で必死に絞り出した。
「我が国はレスカティエに攻め滅ぼされました。使用人達が必死で逃がしてくれましたが……」
詰まりながらもマリアンヌさんは母国の惨状を語った。
レスカティエから離脱の意思を表明したマリアンヌさんは正式な手続きを取っている最中に突如としてレスカティエに宣戦布告された。騎士達の数は足りず、圧倒的物量差で瞬く間に電撃戦が敷かれ、レスカティエ側の魔法騎士や聖騎士が小国を焦土と化していった。
「ドラゴンは…！ドラゴンが居たのでは！？」
「大臣の中にレスカティエに通じる者がまだ多くて、最高戦力をどのような場合に使用するかの審議が長引いて出撃が遅れました」
どうやら、国民や役人の中には未だに反魔物感情を持つ者が相当数おり、その者達の納得を得ぬまま急進的に改革を進め過ぎた結果、国民も二つに割れたと言う。
容赦ない蹂躙を恐れ寝返った者も多く、一方の親魔物派は人間相手に暴力的な手段を取る事が出来ず防戦一方だった。
ようやくドラゴンが出撃可能になった時には戦局は決定的だった。
たった一頭でドラゴンは獅子奮迅の活躍を見せたが、彼女もまた魔物娘。人間を痛めつける事に強い抵抗があり、ここぞと言う時に非情になりきれず次第に劣勢になった。
一方の聖騎士達は魔物相手に全く容赦がなく、とりわけドラゴンスレイヤーと呼ばれる騎士たちはドラゴン対抗戦術をとり効果的にドラゴンを攻撃した。


勿論ドラゴンの奮戦も無駄ではなかった。
大規模な電撃戦にもかかわらず、ドラゴンが奮戦している間にほとんどの親魔物派は逃げおおせ、当のドラゴンも怪我はしたものの親魔物派達の尽力で救出された。
だが自分の行った改革がきっかけで母国を滅ぼした事はマリアンヌさんにとって途方もない失策だった。
「私は国を見捨てて……逃げました…ひっく……王家たるもの…国民の為にあらねばならないのに……全て私のせいなんです…！」
肩を震わせて泣くお姫様はあまりに悲痛だった。見せしめの意味もあったのかもしれない。
レスカティエに逆らえばどうなるのか。たとえかつての味方であっても容赦せぬと。そういう事なのだろう。マリアンヌさんが良かれと思ってやった事ではあったが、全てが悲惨な結果になった。
これはひょっとすれば未来のぼくの姿なのかもしれなかった。ぼくも法的な手続きを踏んで反魔物陣営を抜けるつもりだった。
「……レスカティエは相当焦っているようです。先日捕らえたジパングのサキュバスを公開処刑するそうです」
「ちょ…ちょちょちょっ！」
衝撃的な事実を聞いた。まさか…
「ひょっとして公開処刑される魔族は、派手な紫色の装束で、クノイチと呼ばれる種族では…？」
「あら…流石に話がお早い」
頭が真っ白になった。トモエが……処刑？
「ど、どうなさいました？お顔が…」
「サラ様、よもやトモエを助けに行く訳ではございますまいな？」
後ろから割って入ってくる執事長アレックス。
「貴方は一国の頂に立っておられるのです。個人の感情から国を危険にさらさぬ様に」
アレックスは当たり前の事を言っている。ぼくもマリアンヌさんに似たような説教をした事もあった。トモエを見捨てれば穏便に事が終わる。だが…
「マリアンヌさん、公開処刑はいつです？」
「私が亡命した10日後、レスカティエの中央広場で行われます。つまり…今日からですと4日後です」
執事長が制止する。
「話しを聞いておられたか？貴方は国そのものだ。世継ぎも残さず死なれては国家に関わる。無責任に独りで突っ込まれては国民も危険にさらすのですぞ！」
「バレなければいいのです。電撃戦で奪還します。万一死んでもぼく個人で攻め込んだならしらを切りとおせるでしょう」
「違う！いくら個人が強くても相手は多勢に無勢だ！何れは押し負ける。それに貴方はまだ戦争を経験していない。それに公開処刑という事は警備が厳重で…！」
「あの、失礼します…お二人とも何故その様な」
マリアンヌさんが申し訳なさげに会話に入ってきた。ぼくは説明する。
「公開処刑される魔族の名はトモエ。ぼくの…大切な人です」
「まぁ…それはお気の毒に……」
マリアンヌさんはそれ以上何もいわなかった。もし助けに行けばまた国が滅ぶかもしれない。半数の国民感情のままレスカティエ陣営を抜けようとして滅ぼされたのだから、個人の感情で動けば尚更危険な事は分っているのだろう。
ぼくは大急ぎで部屋を出ていった。
時間も策もない。どうしようもなかった。
一番地味なドレスと使い古した布を纏い、国を出て行こうとした。
「待ちなさい！」
感情をあらわにする執事長アレックス。ここまで怒ったのは初めてだ。国を思う気持ちは人一倍だ。彼がいたからこそこの国は持っていたと言っても過言ではない。
「アレさん…！サラを怒らないでよ」
ラウラがびくびくしながらやってくる。かつて孫娘の様に可愛がっていた子だ。アレックスは少し落ち着き、続ける。
「どうしても行くと言うなら已む負えない、マリアンヌ様と婚姻していただく」
「はい？」
驚いた。後ろから追いかけて来たマリアンヌさんを連れ込み、使用人を追い出して。
「ここでの話はくれぐれも内密にお願いしたい」
重々しい声で説明しだした。
「サラ様は件のジパングサキュバスを救出に向かわれるおつもりだ。もしもの事も考えねばならない。王家の血を絶やす訳にはいかぬ。私はその為にならなんだってするつもりだ」
「サラ…！まさか…！？」
ラウラは驚きを隠せない。
「あ、あの…何の話を」
マリアンヌさんは状況が飲めていない。アレックスは続ける。
「マリアンヌ様、サラ様は男性です。そしてマリアンヌ様は由緒ある血の生まれだ。この場でお世継ぎを授けていただく。それが嫌ならば件のサキュバスはお見捨ていただきたい」
「そんな事はのめる筈がないではありませんか！」
ぼくは拒絶する。
「あの…、話しが分りません。サラ様が……殿方？」
マリアンヌさんは信じられないと言った顔だ。
「サラ様、失礼いたします」
執事長はぼくのスカートをふわりとめくった。
「ちょっとぉおおおおお！？」
「きゃっ」
マリアンヌさんは可愛らしい悲鳴を上げて尻もち。ぼくはいきなり執事長に酷い事をされて崩れ落ちる。
「マリアンヌさんっ、ひっく…ご、ごめんなさいっ」
泣きそうになりながらマリアンヌさんに謝る。
マリアンヌさんは口を両手で押さえて目を丸くしていた。
「ご覧の通り男性です」
「そうじゃなくって！酷いじゃないですか！何もいきなりそんな…！」
「そうだよ！これはセクハラって奴だ！」
ラウラも味方になってくれる。
「私に男性と言う事を秘密にして魔族と深い仲になった貴方方が何を偉そうに！」
マリアンヌさんは暫く言い合いを呆然と見ていたが、険しかった顔がほころぶ。
「何だか私の理想としていた世界を見た気がしますわ。魔物も人間も信頼しあって話し合えるって素敵な事です」
本当にお育ちが良いお姫様だ。相手を基本的に性善説で見てくれている。それ所かとんでもない事を言いだした。
「国の為に生きるのが王族です。政略結婚も覚悟しておりました。命の恩人の貴方ならば喜んでこの身を捧げます」
執事長は驚く。ぼくを引き止める為の方便のつもりが、マリアンヌさんが受け入れた。
だがどちらに転ぼうが執事長にはメリットがあった。
「ぼくはラウラとトモエを妃にすると決めています。マリアンヌさんはそれでいいんですか？」
ぼくが慌ててマリアンヌさんに問いかければ、凛とした顔で返してくる。
「気になさる必要はありませんわ。王族とはそういうもの。妾、第二夫人など珍しくありません。このお話は国を滅ぼした私の最後の価値です」
「ラウラ、来なさい。今日は二人きりにしてさしあげましょう」
アレックスはラウラを連れ去り部屋を閉め切った。アレックスが出ていく際、ぼくに渡したのは即効性の妊娠薬と強力な精力剤。飲んで“する”よう言われた。


これから王族として最も重要な仕事の一つ。世継ぎを授かる行為だ。

「ぼくは影武者で貴女を騙していたのですよ？よろしいのですか？」
「あら、卑下なさらないで。麗しいですよ？それに貴方は私を助けてくださった方です。良い人に決まっていますわ」
マリアンヌさんはにこやかに話してくれる。
「私としても、王家の血を残せるのは良い機会なのです。サラ様になら身を捧げられます」
「こんな関係で良いんですか？最悪ぼくとは一夜限りで…」
「そうですね。最悪の場合はそうです。でも貴方がかえってきて私を妻としてくださる可能性もあるのでしょう？」
「でも…トモエが居ない中で他の方に浮気をするみたいで……ラウラも戸惑っていて…ッ！勿論貴女はとても素敵な女性ですけど！」
「今は火急ですわ。貴方のお世継ぎを残さねばならないし、割り切ってくださいませ」
気付けば白いドレスを脱ぎ、華奢な身体を晒している。出過ぎずしかし小さくもない女性のラインが艶めかしい。マリアンヌさんも恥かしそうにしている。女性に恥をかかせてはいけない。
「抱いてください。これも王家の務めです…わ」
「ごめんなさい。あの…これを…」
即効性の妊娠薬の入った小瓶を渡す。
「これは？」
「妊娠しやすくなる薬らしいです。ぼくもこれを飲みます」
精力剤を飲む。俄然やる気になった。マリアンヌさんは戸惑いつつも小瓶に口をつける。
「…甘くて美味しいですね…」
白い肌をほんのり上気させた彼女はとても愛らしかった。準備が整い、そっとベッドに押し倒す。ごめんラウラ、トモエ、もう一人の女性と肉体関係になります…
白い肌とウェーブのかかった銀髪が綺麗だ。美脚を惜しげもなく開いて受け入れ体勢を取ってくれる。
「綺麗ですよ…」
「やっ…恥かしい」
「力抜いて。挿入れますから」
「……っはい」
長い脚を掴んで覆いかぶさり、腰を突き出した。
「―――ァッ」
声にならない声で仰け反る細い体。
既に二人の魔性の女を抱いてはいるが、人間の女の子の扱いは未知だった。
「んぁっ、サラ様少し…お待ち…を…！」
破瓜の血と共に弱々しく抵抗する彼女。やはり人間と魔物では扱いが違うらしい。魔族の女の子達は激しいのが好きだったけど、人間の乙女は優しく導かないと。
「どう…？」
「申し訳…っ」
ベッドに手をつき、ゆっくり腰を振る。ラウラほどきつくないし、トモエほどねちょねちょでも無い。しかし二人を知らねばすぐに達していただろう。
「ゆっくり慣れてイってください」
「は…ぃ…」
腰をゆったり振りはじめる。
「痛くありませんか」
「…っ」
コクコクと必死に頷く様は愛らしい。結合部からは徐々に愛液が滲んできた。
「…んっ♪」
感じ始めてくれたようだ。艶やかな様を見て腰に力が入る。
「ぁああッ」
「ごめっ、痛かったです？」
「いえ…っ、わたしも…女…なのですね…」
「感じてくれたの？嬉しい…」
俄然やる気になる。腰を段々早く動かす。
「子作りしてるんだよ」
「あっ、サラ様何だか怖いっ」
ベッドでもぞもぞするマリアンヌさん。そちらから誘っておいて。
「今更止まれませんよっ。しっかり孕んでッぼくの世継ぎを産んでもらいます」
「ひゃぁ…ん、はい」
華奢な身体は、腰を抜き挿しする度に大きく反応する。
「つらい…？」
「少し…」
ぼくは気持ち好いが、マリアンヌさんは正直に打ち明けてくれた。少し減速し、穏やかなセックスに戻す。
焦って彼女を傷付ければ、世継ぎ以前の問題になる。相手は人間の華奢で小柄な女の子。ラウラやトモエの感覚で欲望のまま種付け交尾に走れば壊してしまう可能性もある。
大切にしなければ。
「ごめんね。気持ち好くて、ついついはしゃいでしまう」
「いいんです。ん♪サラ様がお相手で良かった……♪」
ゆっくり腰を引き、挿入れる時は、どこが良いか探りながら突っ込む。トモエに鍛えられた技術だ。
「〜〜〜〜〜ッッ♪♪」
「ここが好いの？」
白い顔を真っ赤にして声を殺しているマリアンヌさん。

「あぅ…意地悪なさらないで…」
「折角だから楽しまないと」
嫌がってはいない様だったので、反応が好さそうな所を重点的に小刻みに突いた。
「あぁぅあ♪ひゃ♪ん♪」
「感じてくれてっ、ありがとっ。少しペース上げるね」
「はいぃい」
所謂政略結婚。今の状況はそれと大差ない。それでもマリアンヌさんは感じてくれて。
本格的に種付け行為を開始した。恐らく自分は魔族の女性を繰り返し愛しているので、インキュバスになるギリギリの所だと思う。元々魔力の高い家系だったから、ひょっとしたらこれでも進行は遅れている方なのかも。トモエと繰り返しセックスと言う名の房中術を受け、精力だけが膨れ上がった事も考えられた。
「大丈夫？」
「ええっ…少しなら強くしていただいても」
許可をいただいたので遠慮なく致す事にした。
ずぱんっ！
「ひゃぅ！少し激し…ん」
ちゅぷっ…ちゅぷっ…
マリアンヌさんの事を思い、ややペースを落とす。お互いの歩調を合わせるのが難しい。
「っ、どうですっ？」
「んっ♪このペースで…♪」
マリアンヌさんが感じるペースを見付けセックス。
思いの外愛液が滴ってくる。ぬるぬるとした女性器はぼくの射精を促す。
「んっ♪んっ♪んっ♪サラ様っっ♪」
「少しずつ速くするからッ慣れて？」
腰をいれて交わると、甘い声を鼻から洩らす様になった。
「Hの時は恥かしがらずに喘いだ方が気持ちぃよ」
「だってっ…！ハし…タナいッ…」
口を手で塞いで必死に堪える様がいやらしい。
ぐっと奥をかき分けて繋がれば、女の顔になる。
「さっきみたいに大胆に喘いで。そうすればぼく、嬉しくて」
「はい…！あっ♪あっ♪あっ♪」
大分感じてくれるようになった。ペースを上げていく。
ぺち…ぺち…ぺち…
「ぼく達がっ、んっ♪肉をぶつけ合う音がっ、してきたねっ」
「いやっ、言わないでっ」
絶頂に向かうなら必然的に激しくなる。愛液も多くなってきたので意地悪しなくても淫音はする。もどかしい。
「大丈夫だから。えっちになって？ぼくが帰ってきたら毎日するんだよ？世継ぎは多い方がいいし」
「ま…まいにち…っ！？」
かぁ〜っと更に真っ赤になり、顔を背けるマリアンヌさん。ぼくは射精に向かう事にした。
「ッ！？」
「種付けしますっ。しっかり孕んでくださいっ」
ずこっずこっずこっ
「〜〜〜〜！〜〜〜〜〜！〜〜〜〜〜〜〜！」
孕ませに熱が入る。いよいよ競り上がってくる子種。
「射精しますねッ」
どぼっ！
じゅるるるるるッ！

絶頂する。がっちりと腰を深く結合させ、たっぷり送り込む。
「んっ、気持ちぃよ…マリアンヌさんのカラダ…」
マリアンヌさんは射精の脈動に合わせてびくん、びくんと反応してくれた。
「そのまま続けますねっ」
「うそ…、まって！駄目ェエッ」
「ごめんなさい。一回や二回じゃ我慢できないのッ」
まだ射精が収まらぬ内にピストンを再開。
「んやぁあッ！う、そっ…！」
「たっぷり…種付けセックスして、確実に孕むまで抱きます」
一度膣内射精してタガが外れた。一回戦とは違い、結構な勢いで腰を振っている。射精を受け止める華奢な女体が乱れる。小さくもなく大きすぎもしない胸がぷるんぷるんと揺れる。
お尻は案外と大きめで、セックスの時に跳ね返るその弾力でさらにぼくを狂わせる。
やっぱりぼくは女好きなんだ。女装して生きて男の部分を抑えつけてきたけれど、何よりもう3人も女性と深い仲になっている。身勝手に抱いて、孕ませようとしている。トモエが危険なのに、セックスに溺れている。申し訳ない背徳感に襲われる。
「やすまひぇてぇ…！」
「ぁっごめん…」
ぼんやりしていて、かなり激しく抱いてしまった。我に返って腰を止めるも、目の前の華奢な銀髪少女は、少し怖がっていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…すみま…せん…サラ…さ…ま…」
「えっち嫌でした？」
「そんな…はぁ…はぁ…素敵でした…」
乱れた銀髪と華奢な身体。程良く女性的な身体。こんな華奢な人間の娘に激しく種付けしているんだ。
「続けますね」
「ぇ……はい…」
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ
ほんの一呼吸置いて、再びセックス。今晩中に種付けしないと、彼女を妊娠させないと、ぼくが死んだらどうにもならない。
「ごめんなさいマリアンヌさん。確実に孕むまで何度も犯します」
「ぇえ？犯すって…ぁああん！」
マリアンヌさんの膣内は気持ち好い。恐らく人間女性としては最上位の名器。再び勢いを増す精液。
「あんっ…まだそんなにっ」
「これからですよ…！本気セックス、いや種付け交尾は…！」
とにかく孕ませ優先の行為に切り替えた。ベッドに手をつきなおして激しく腰を振る。卑猥な交尾音。
「んん！サラ様ぁッ！」
「孕んで」
ピストンの最中も射精は続く。白い女性器から吹き零れる種付けできなかった雄汁達。
「孕んでッ」
「はら…みますぅうッ！うみますからぁあッ♪」
ずこっずこっずこっずこっずこっずこっずこっ
王族同士の交わりとは思えない激しい行為はどんどん下品に昂っていく。
「孕んでッ、孕んでッ、孕んでッ」
「はいぃっ♪はぃッ♪ンぁいッ♪」
どぼどぼと子種を送り、彼女の胎内で熾烈な精液の競争を促す。一番丈夫で元気な精鋭精子が彼女の卵に向かっていき、勝ち残った者が受精させられる。なるべく丈夫な子を産ませたい。それは雄の本能であり、優れた子を産むのは雌の本懐でもある。高貴さ等今は要らない。ひたすら交尾し、次の世代を残すのだ。
「ッ！ーッ！――――ッ！！」
「ッ♪ッ♪ッ♪」
二人とも交尾に夢中になっている。粘膜を絡ませ合い、体液を混ぜ合って、交わりに交わる。もうイきっぱなしで、壊れた蛇口の如く絶頂を重ねている。
「おッ！おッ！マリアンヌの膣内…！たまんないッ」
「アッ！」
下品な声を隠しもせず、交尾、交尾、交尾。いつのまにか呼び捨てている。トモエの時もこうだった。セックスで身も心も繋がれるのかもしれない。
精力剤の効果も大きいだろう。マリアンヌを抱き足りない。もう何度も絶頂しているのに。
｢おッ！おッ！おッ！おッ！おッ！おッ！おッ！おッ！｣
「んッ♪んッ♪んッ♪んッ♪んッ♪んッ♪んッ♪んッ♪」
じゅぶッじゅぶッじゅぶッじゅぶッじゅぶッじゅぶッ
犯し足りない。目の前に差し出された雌を孕ませまくりたい。暴走していた。
マリアンヌもそれは同じだった。上品に恥じていた前半戦はなりを潜め、孕ませ行為を受け入れる雌になっていた。細い太ももが絡みつき、胎内では淫肉も絡みつく。腕もいつの間にか背中にまわされ、離さないと言わんばかり。時たま潮吹きし、脱水症状にならぬか心配になってくるほどだった。
「うぉおおおおおおッ！！」
「あぁあああああんッ！！」
雄たけびを上げつつ最高の絶頂。精液を全て出し尽くし、彼女に倒れ込んだ。
ずりゅ…！
「はぁ…はぁ…絶対帰ってきてくださいね…私、待っておりますから」
「はい」
下腹部を愛しそうに撫でる華奢な女性に布団を掛け、そのまま眠りに就いた。


次の日、早朝に目覚める。マリアンヌは激しい行為の疲れで熟睡していた。
部屋を出ると、ラウラが待っていた。
「トモエを助けに行くのか」
「そう。ラウラはここで待ってて。貴女まで危険な目にあったら、ぼくは…！」
「………じゃ、キスして。」
ラウラは唇をつきだし、別れのキスを待つ。
「ごめんなさい…我儘ばかり言って。愛してるから。全て終わったら結婚しよう」
ラウラのキスに応じ、優しく触れるか触れないかで唇を重ねた。


出立した。
フードを深くかぶり、魔力増強薬や携帯食品を持ち、加速魔法でレスカティエに向かった。



















to be continued