読切小説
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求めたもの
レスカティエ教国が陥落してから二年が経つ。
大きな希望を失った人々の心はまだ癒えてはいない。
しかし、一方では彼の国に成り代わって人類の新たな希望になろうとしている国があった。

反魔物国家「イスパーダ」―――

規模はレスカティエどころかそこらの国よりも小さい小国家であった。
教団の力は強いものの、経済力も所持する軍隊も小規模で人類の希望となるには程遠い。
しかし、国民は誰もがこの国こそが人類の新たな希望であると信じていた。
その理由がこの国には存在していた。

「皆、集まったか?」

幕舎の円卓に腰を掛けている面々に向かって、毅然として少女が言った。

「えーと、いつも通りヴィゴーレ以外は集まっています」
「またあいつか」

幕舎のあちらこちらからクスクスと笑い声が漏れた。
 
「私が呼んで来るから皆は先に始めててくれ」
「お待ち下さい!」

少女が幕舎から出ようとすると円卓を力強く叩いて男が呼び止めた。

「いつも申し上げておりますが、フォルティス様がわざわざ足を運ばれることはありません。あの男は我ら高潔たる聖騎士団の汚点です!本来はここにいてはならない輩なんですぞ!」

少し面倒に思いながらフォルティスは興奮している男に言葉を返した。

「いてはならないと言うが、あいつも私達と同じ主の加護を受けた勇者だ。ここにいる資格はあると思うが?」
「怪しいものですな。これから魔物討伐の軍議を始めるというのに毎回あの男は遅れてくるか欠席する。他にも規律を破ることなど日常茶飯事、とても主が認めた者とは思えませぬ」
「でも力は本物だ。いいから先に始めててくれ」
「あなた様はあの男に甘すぎますぞ!」

男に構わずフォルティスは幕舎を出て行った。

フォルティス・ノービリス―――

良家ノービリス家の一人娘、年齢十九歳。
剣術と馬術に秀でた才能を持ち、幼き頃より教団や周りの人々から将来有望な使徒になると期待されて大事に育てられてきた。
そして、一年前に勇者として目覚めた彼女はその才能もあって、同じ勇者である他の者達とも桁違いの力を持つようになった。
近隣の親魔物国家からの侵攻に対して苦戦を続けたイスパーダの軍隊であったが、彼女が戦場へ出るようになってからは戦局が一変した。
連戦連勝、愛馬に跨り颯爽と戦場を駆け抜け、剣を振れば敵は次々と切り払われる。
指揮を執れば、兵達を手足のように使いこなして兵力差を覆す大勝を上げる。
そんな彼女を国民や他の勇者達は「イスパーダの英雄」、「イスパーダのウィルマリナ」、「常勝の女神」と持てはやし、人類の新たな希望であると強く信じるようになった。

「ここにいたのか」

フォルティスは草原に仰向けで寝転がる男を見つけて声を掛けた。
しかし、男は目を少し開けたが彼女に僅かに視線を向けて再び目を閉じた。

「軍議が始まっているのだが」
「知らん。勝手にやって後で具体的なことを教えてくれ」

もし、ここに教団やイスパーダの国民がいたら、国の英雄たる彼女に無礼な口をきいたこの男を間違いなく怒鳴りつけているだろう。
しかし、フォルティスはクスリと微笑んで男の横に腰を下ろした。

「ナビールがまた御冠だったぞ。たまにはちゃんと出席したらどうだ?」
「ふん、俺はああいう堅苦しいのが嫌いなんでな」
「それではここで私と今回の魔物討伐について話し合おうか。今回はどう動くべきだと思う?」
「敵に近いて薙ぎ払う」
「具体的にどう近づいていくんだ?」
「どうもへったくれもない。見える敵は全て薙ぎ払う、ただそれだけだ」
「ぷっ」

男の単純な返答にフォルティスは吹き出してしまった。

「お前らしいな。うん、本当にお前らしいよ」
「難しいことはそっちで考えろ。俺を当てにするな」
「いや、ヴィゴーレ。やっぱりお前は頼もしいよ」

傍で聞いていれば考えのないただの猪武者な男だと思えるが、フォルティスは
ヴィゴーレが本当に頼もしい男だと思った。
それは、彼にはそれだけの実力があったからだ。

ヴィゴーレ―――

フォルティスが勇者として目覚めてから二ヵ月後にイスパーダに来た流れ者。
出身不明、年齢二十一歳。
聖騎士団の一兵士として戦場へ参加していたが、初陣から凄まじい戦いっぷりで他の兵士達や教団幹部、そしてフォルティスの目にも留まった。
何が凄まじいかというと、大の大人が両手でやっと振り回す大剣を片手で軽々振り回して敵をまとめて薙ぎ払う姿である。
後に教団の調べで彼は主神の加護を受けた勇者であることが判明した。
彼にはすぐにフォルティスの仲間として相応しい地位を与えられた。
しかし、傍若無人な振る舞いのためナビールのような一部の勇者や教団から本当に勇者であるのか疑念の目で見られていた。


五日後―――


親魔物国家からの侵攻を見事退けてフォルティス達は凱旋を果たした。
その日は昼間からお祭り騒ぎで国の至る所で「フォルティス様万歳!」、「常勝の女神様万歳!」と国民の讃える声が夜になっても飛び交っていた。
今回も彼女は誰もが認める活躍をして人々の思いに応えた。

「ふう」

一息ついて彼女はグラスに注いだワインを口にした。
昼間は国王に謁見した後、祝勝パーティーに出席して教団幹部や国の有力者達の相手をずっとしていた。
そして、夜になってようやく自室に戻ってくることが出来た。

「人気者は大変だな」

椅子に腰掛けてヴィゴーレは瓶に入ったウォッカをそのまま飲んでいた。
偶然会ったところをフォルティスが招いた。

「でも、みんな喜んでいる。これからも戦いは続くのだから大変なんて言ってられないよ」
「立派なことだな。まぁ、精々頑張ってくれ」
「何を言うんだ」

彼女は微笑を浮かべてヴィゴーレに歩み寄った。

「お前も一緒に戦ってくれるのだろう?」
「さてな、俺はこの国の者じゃないからな。急にこの国を出て行くかもしれないぞ」
「それは困るな」

ヴィゴーレの向かいの椅子に腰を掛けて、ワイングラスを回しながら彼女は静かに言葉を続けた。

「お前がいないと私は戦い続けることが出来ない」
「俺がいなくてもお前は十分やっていける」
「いやいや、今回だってお前の力があったから被害も少なく勝つことが出来たんだ。お前がいなかったら被害はもっと出ていたし、それに勝てたか分からないよ」
「英雄様が随分弱気じゃあないか」
「・・・私が強気でいられるのはお前がいるからだよ」

彼女は、勇者として目覚めてからヴィゴーレが戦場へ参加するまでの間のこと思い出していた。
最初は、ただ人々の期待に応えようと必死に頭と体を働かせていた。
しかし、一ヶ月もすると壁に当たってしまった。
それは敵軍との兵力差だった。
兵の数なら初陣の頃はそれほど差はなかったが、敵に彼女の名が知れ渡るとその差だけで倍以上になっていた。
更に人間と魔物との力の差を考えると兵力差はもっと開いてしまう。
彼女にとって幸いだったのはイスパーダには勇者の数だけはいたことだった。
彼らの協力のおかげで表向きは大勝という勝利を掴んではいるが、内心ではそれでも常にギリギリの選択と決断を迫られていた。
どれもひとつ間違えれば軍の壊滅に繋がることばかりだった。
だが、人々の期待を考えると少しの泣き言も言うことは出来なかった。

もっと力が欲しい・・・兵が欲しい

疲弊しつつある心で何度もそう願った。
そこへヴィゴーレが現れた。
フォルティスが欲しいと願ったものを携えた男が現れた。
彼の初陣の活躍を見た時は奇跡が起きたと思い、彼が勇者であると知った時は神からの贈り物と主神に感謝をした。
そして、彼はフォルティスの要望を全て叶えてきた。
オークの群れを相手にさせれば、豚を転がすかのように全て蹴り飛ばした。
オーガの群れを相手にさせれば、その大剣で薙ぎ払いながら群れの中を縦横無尽に駆け回った。
ブラックハーピーなどの空中からの攻撃にも怯まずに、降下してきた者を片っ端から地上に叩き落した。
敵中突破からの敵本陣急襲、単騎奇襲による敵軍のかく乱など活躍は数え切れない。
振る舞いからどうしても猪武者だの馬鹿力が取り柄の男だのと過小評価されてしまうが、フォルティスにとって彼ほど頼りになる者はいなかった。
こうして一緒にいるだけで安堵感すら感じていた。

「お前が来てくれて本当に助かっている」
「あまり宛にするな。この先どうなるかわからんのだからな」
「・・・ひょっとして、近いうちに出て行くつもりなのか?」
「さてな。まぁ、今のところは熱心に攻め込んでくるあの魔物の国を叩き潰すまでは出て行くつもりはない」
「その後は・・・残ってはくれないのか?」

ヴィゴーレがいなくなると考えたら、彼女は言いようのない不安に襲われた。
しかし、良く考えると隣国の親魔物国家が陥落すればこの国を脅かす国は他にはない。
そうなれば、ヴィゴーレの力が必ずしも必要というわけではなくなる。
魔物が全て滅ぶわけでもないので、別の場所その力を振るってもらった方が人々のためになる。
国を支えるのは他の勇者達や教団が手を貸してくれるだろう。
不安に思うことは何もないはずだった。
それなのに、彼女の心は不安で満たされたままだった。

「・・・」

しばらく沈黙が続いた後、彼女は急に席を立った。
そして、背後からヴィゴーレに抱きついた。

「今晩はさ。私の部屋に泊まっていけよ。いろいろと疲れているんだ」

耳元で甘えるように彼女はヴィゴーレに囁いた。

「疲れているならとっと寝ろ」

抱きつく彼女を払いのけてヴィゴーレは席を立った。

「部屋に戻って寝るとするかね」

それだけ言って、彼はさっさと部屋から出て行ってしまった。

「釣れないな・・・」

寂しげに呟くとフォルティスは再び椅子に座ってひとりで飲み直した。
少しして、自分の大胆さに気づいて恥ずかしくなった。

(あんなに密着して、胸まで押し付けて・・・どうしたんだろう)

普段の彼女はこんな大胆なことはしない。
小さなテーブルの上に目をやるとワインボトルが目に入った。
よく見ればいつの間にか中身が大分少なくなっている。

「・・・飲みすぎたかな。とても美味しいワインだからな」

そのワインは昼間のパーティーで教団幹部のひとりから貰ったものだが、なかなか手に入らない最高級品だと聞いていた。
飲んでみればそれも頷ける濃厚なコクと香りのする一品で、杯がつい進んでしまっていたようだ。
そのせいか気がつくと体に心地よい火照りを感じる。

「・・・やっぱり疲れているのかな」

急に人肌が恋しく感じた。
そして、気がつくとヴィゴーレのことが頭に浮かんでいた。
それは、疲れと飲みすぎたせいだと思うと彼女はベットに潜り込んだ。

(私が願ったのはあいつの力なのだろうか。それとも、あいつという存在なのだろうか)

意識が薄れていく中で、彼女は過去の自分が願って求めたものを考えていた。


二日後―――


「あのワインは如何でしたか?」

フォルティスが厩で愛馬の手入れをしていると、白いローブを纏った男が声を掛けてきた。
フードを深く被っているせいで顔は良く見えないが、その奥で鋭い眼光が光っていて不気味なようであり、どこか不思議な雰囲気も感じた。

「ああ、あなたか。あれはいいものだった」
「そうでしょうとも。ご希望であればまだ家に数本ありますので差し上げましょうか?」
「いや、貴重品なのだろう?そう何本も貰うわけには・・・」
「ははは、別にもう手に入らない物でもないですよ。私にはその宛もあるので遠慮することはありません。今度あなたの部屋へ届けますので、ご友人か想いを寄せる方とでも一緒に飲むといいですよ」
「友人・・・想い人」

フォルティスの脳裏にヴィゴーレの姿が浮かんだ。

「その顔は誰か想う人がいるようですね」
「え!?」

男の指摘に心臓が止まりそうになるほど彼女は動揺した。
今の彼女は、視線は遠くを見ていて頬が若干朱に染まっていた。
それは普段の凛とした英雄の顔ではなく、恋をする一人の少女の顔だった。

「ははは、他の人には黙っていますよ。何かと頭の固い人が多いですからね」
「ああ・・・その・・・助かる」

そう言い終わる頃に彼女は自ら墓穴を掘ったことに気がついた。
今の言い回しでは男の指摘を肯定したことになってしまう。
彼女は動揺していたとはいえ自らの過ちについ頭を抱えそうになった。

「イスパーダのウィルマリナと聞いていましたが、当の本人より感情が表に出やすいようですね」
「・・・それは、私があの人より未熟だと言いたいのか?」

ウィルマリナという名を聞いてフォルティスの表情が引き締まった。
かつて人類の希望であった国の最強の勇者は、彼女にとっても目標にしていた人物だった。
いや、超えなければならない高い壁だった。

あの方でも駄目だったのだ。お前はあの方を超えなければならない

レスカティエ教国の陥落を聞いた時に父親から言われた言葉である。
それから、当時の彼女の修練は厳しさを増した。

あの人を超えなければみんな安心できない

毎日ボロボロになって自室に帰り着く彼女だったが、その強い想いだけで耐え続けた。
それは今でも変わらない。
時間があれば修練に励み、もっと強くなりたいと常に思っている。
彼女はウィルマリナを超えたつもりはないが、国民の安心のためにはそれより下に見られるわけにはいかないと思っていた。

「いやいや、あの人より未熟とかという話ではありません。あの人はあの人、
あなたはあなた。個々の違いを述べただけですよ」
「そうか。・・・そろそろ失礼する」

すっかり英雄の顔に戻ったフォルティスは、男に一礼してキビキビとした足取りでその場を去って行った。
男は彼女の姿が見えなくなってもそこに留まっていた。

「フォルティス・ノービリス・・・お前はウィルマリナになることも越えることも叶わない。当時の彼女の境遇と比べればお前は恵まれているのだ。だが、それは幸福なことである」

ひとり呟いた彼の口ぶりは、先ほどフォルティスと会話していた時と変わっていた。
そして、その口元が胸に一物を抱くように歪んだ。

「・・・しかし、立ち聞きとはよくないな」

男は振り返って物影に声を掛けた。
すると、そこから背中に大剣を背負った男が現れた。

「久しぶりではないか。ヴィゴーレ」
「なんでお前がここにいるんだ?」

ヴィゴーレは訝しげな顔で男と対峙した。
だが、男の表情はフードの奥で親しい友人に会ったような柔らかい笑みになっていた。

「俺がここにいる理由は、俺がここにいるというだけでわかるだろう」
「・・・堕とすのか。この国を」
「ああ、実は知り合いが国が欲しいと言ってきてな。アンデットの国を造ってノーライフキングを名乗って君臨するそうだ」

顧客から注文を受けた商人のような軽い口調で恐ろしいことを男は口にした。
しかし、ヴィゴーレは驚きはしなかった。

「メルカトール ルクスリア(淫欲の商人)は注文があれば国も用意するんだな。商売熱心なことだ。顧客は当然魔物か?」
「そうとは限らない。こちら側の者なら誰であろうと年中無休で注文は受け付けている」

ズゥゥゥン

不意にヴィゴーレは大剣を抜き出して地面に刃先を突き立てた。
地響きのような音がその重量を表すように響いた。

「それで、アンデットの群れでも連れて攻めてくる気か?向かってくるなら容赦はしないぞ」
「まさか、俺は手荒なことはしない。そもそも国を堕とすのに兵はいらない」
「ふん、まぁ勝手にやるといい。別にここに執着もないしな。ここが堕ちたら俺はまたどこかへ流れるだけだ」
「・・・ヴィゴーレ、そろそろお前もこちら側に来ないか?」

男は教団幹部の者ではなく、教団幹部に成りすました魔物側の者だった。
その彼の言うこちら側とは当然魔物側のことである。
彼はヴィゴーレに魔に堕ちるよう誘いを掛けてきた。

「別に魔物だろうと人間だろうとこだわりはないのだろう?」
「ない。だが、断る」
「・・・理由は変わらないか?」
「ああ、まだ答えが見つかっていない」
「その答え、あの英雄のおかげで得ることが出来るかもしれない」
「どういうことだ?」

ヴィゴーレが意味を聞こうとしたが、男は踵を返して近くの訓練場へ姿を消してしまった。


三週間後―――


親魔物国家の侵攻が再び始まったという報がイスパーダに入った。
すぐに軍の編成と準備が行われる中、フォルティスは国王に招かれて謁見の間にいた。

「性懲りもなくあやつらめが攻めてきたが、この戦いも見事に打ち破ってくれるな。フォルティス・ノービリスよ」
「はっ、必ず勝利を収めてご覧にいれます」
「うむ。・・・ところでの」

フォルティスの返答に頷いた国王だったが、急に何かもったいぶったような態度をとった。

「何で御座いましょう?」
「ふふふ、実はお主に贈りたいものがあってな。これ、あれをここへ」

国王は傍らの衛兵へ何かを持ってくるように命令をした。
しばらくすると先ほどの衛兵が何かが乗った台車を押しながら戻ってきた。

「鎧ですか」

フォルティスの前に運ばれてきたのは白銀の鎧だった。
華美な装飾は施されてはいなく、胸当ての中央に赤い宝石がはめ込まれているだけだった。
しかし、窓から差し込む陽の光を反射すると神々しい白銀の輝きを放ってとても美しいものだった。

「教団の者が手に入れたそうなのだが、見て通りとても見事なものであろう。
是非、お主にと余に献上して参ったのだ」
「確かに素晴らしいものです。ですが、私は鎧は・・・」
「お主が鎧を着用しないのはわかっておる。だが、この鎧を着用して戦に赴けば民にはまるで神の戦士と見えて安堵するであろうし、敵は怯み味方の兵達は大いに奮い立つに違いないのだ」

国王にそこまで言われては着ないわけにもいかなかった。
それに国民が安心してくれるならと思い、フォルティスは着替えるために別室へ入った。

「これは!?」

着替えてみて彼女は驚いた。
鎧というものは重くて動きづらいと思っていたが、この鎧はとても軽かった。
試しに素振りなどをして体を動かしてみたが、ひとつひとつの動作になんら支障もない。
肝心の防御力が怪しかったが、元々鎧を着用しない彼女は動きに支障がなければただの飾りでもいいと思った。

「着心地はどうであるか?」

謁見の間に戻ると国王が早く感想を聞きたいという顔で待っていた。

「とても素晴らしい鎧です。鎧に対する考えが変わりました」
「おお、それはなによりである」

国王はとても満足気に微笑んだ。
そして、目を細めてフォルティスの姿を眺めた。

「うーむ、鎧も素晴らしいがお主の美貌もそれに引けを取らぬ。うむ、見事に調和がとれて真に神の戦士に見えるぞ。お主、最近美しさにより一層磨きが掛かってきおったな」
「有難きお言葉。それでは私はそろそろ・・・」
「うむ、期待しておるぞ」

軍の編成における仕事があるため、フォルティスは謁見の間を後にした。

「フォルティス様の鎧見た?凄く綺麗だったよ」
「鎧だけじゃないわよ。最近あのお方ますますお綺麗になられてきたわ」

すれ違った女兵士達。

「最初見た時は俺は女神が降臨したと思ったぜ」
「俺、あの方と一緒に戦えることが凄く誇りに感じるよ」

必要な物資を運んでいた兵士達。
フォルティスの姿を見た者はみんなその姿に視線が釘付けになった。
そして、その姿に誇りを抱く者や羨望の眼差しで見る者で、軍の士気は出発前からいつもの何倍にも高まっていた。

「その鎧はどうしたんだ?」

愛馬を引いていたフォルティスにヴィゴーレが声を掛けた。

「国王様から頂いたものだ。良い鎧だよ」
「ああ、おかげで士気が高まっているな」
「みんな私を見るから結構恥ずかしいのだがな」
「それにしてもお前・・・」

フォルティスの胸の鼓動が数回高鳴った。

「前より綺麗になってきたな」

彼女の胸の鼓動が大きく高鳴った。
ここのところ、彼女は周りの人々からよく容貌について言われるようになっていた。
彼女自身も鏡を見る度に肌のハリとツヤが前より増している実感があった。

「食生活でも変えたか?」
「い、いや、特に心当たりはないな」

特に生活習慣を変えたわけではない。
他に特別なことも行っていないので、彼女自身も不思議には思っていた。
しかし、彼女も女である。
美しくなるのは嬉しく感じた。
それに気がついた頃、彼女はヴィゴーレのことを良く考えるようになっていた。
自分の容貌のことも早く気づいて欲しいと強く思った。
だから、こうして気づいてもらえて彼女は動揺してしまうほど嬉しかった。

「も、もうすぐ出発だ。私は先に行くぞ」

胸の高鳴りや嬉しさを隠すように、彼女はやや早足で愛馬を引いて行った。
一方、その場に残されたヴィゴーレは空を見上げた。

(あいつ、この隙にこの国を堕とすつもりなのか?)

彼はいつだかに対峙したあの眼光の鋭い男のことが気になった。
この国を堕とすと言ったあの男は、どのような手段でそれを実行するのか。
それに、最後に言い残した彼の求める答えを得ることが出来るかもしれないという言葉。
やはり、それが気になって仕方がない。

「まぁ、時が来ればわかることか」
「何がわかるというのだ?」

声がして誰かと思い彼が視線を前に戻すと、不機嫌そうな顔でナビールが腕組みをしながら立っていた。

「なんだ、珍しい」
「やかましい!出発の時間だというのに何をしているのだお前は!恐れ多くもまたフォルティス様がお前を呼びに行こうとなされたのだぞ!」

不意にナビールがヴィゴーレの胸倉を掴んだ。

「いいか、身分をわきまえろよ。あの方の美しさに惹かれるのは仕方がないことだ。だが、それに相応しくない者が軽々しく話し掛けることは許さん!私のような高潔な身分の者でも恐れ多いというのに、お前のような本物の勇者かも怪しい者など近づくだけでも論外だ。いいな、肝に銘じておけよ」

言うだけ言うと乱暴にヴィゴーレを突き放して彼は行ってしまった。

「五月蝿い奴だ」

いつものことなので大して気にもせずに、ヴィゴーレも出発のために後を歩いていった。


運命の日――――


今度の戦いはこれまでとは違っていた。
フォルティス達が攻めると敵軍はすぐに引いた。
しかし、兵に食事を取らせたり睡眠を取らせようとすると途端に攻めてきた。
迎え討とうとするとまたすぐに引いた。
その繰り返しで兵達は食事も睡眠も満足に取れない状態になって苛立ちが募るようになった。
彼女達は、これは敵がこちらの心身を疲弊させる作戦と考えた。
そこで、軍をいくつか分けて交代で食事と睡眠を取るようにして対処することにした。
しかし、そうなると敵は全く攻めて来なくなった。
相変わらず攻めれば引くだけで、思い切ってあちらの国まで攻め上げてみようという話も出るようになった。
しかし、それこそが罠であり、自分達を魔物領土内深くまで誘き寄せる作戦ではないかという意見もあった。
相手の意図を調べようと斥候を送っても全員帰って来ないという始末。
昼夜軍議で話し合うがどうするかも決まらずに、日だけが過ぎていくことになってしまった。

「ええい、これではいつまで経っても決まらないじゃないか!」
「だって相手の考えがわからないんだもの」
「俺達が出るとあいつら逃げるしな」
「だから、行ける所まで行ってみればいいじゃないか」
「だから、それが罠だったらどうするのよ」
「ヴィゴーレでもぶつけとけばいいさ。あの馬鹿力ならなんとなるだろ」
「お前な、向こうの領土なんて魔物だらけだぞ。あいつだけならなんとかなるかもしれんが俺達はそうはいかんだろうが!」
「ちょっと、それじゃあ結局決まらないじゃないのよ」

軍議に参加していた勇者達も行動が決まらないことに苛立っていた。

「フォルティス様?如何なされましたか?」

ナビールの言葉でその場にいた全員の視線がフォルティスに集まった。

「・・・いや・・・だい・・じょうぶだ」

そう言う彼女の顔は赤くなっていて汗も滲み出ていた。
息も少し荒く、目の焦点もぼやけ気味でどうみても辛そうである。

「熱があるのではありませんか?すぐにお休みになられませ」
「い・・・や、しか・・・し」
「いやいや、恐らく疲れが溜まっておいでなのです。あなた様は我等にとってはなくてはならぬ方。どうか、大事に至る前に我等のためと思ってお休み下さいませ」

ナビールの再三の勧めでフォルティスは衛兵に付き添われてようやく幕舎へ戻って行った。
幕舎に戻った彼女は力無くベッドに倒れ込んだ。

(変だ・・・何かが変だ)

彼女は自分の異変の理由がわからなかった。
疲れが溜まっているにしては体にだるさなどは感じない。
むしろ、前より軽く感じて調子はいい。
頭痛もないしこれといった病の症状もない。
ただ、異常な体の火照りを感じる。
気がついたころは大したことでもなかったが、日が経つにつれてどんどん増していった。
今では熱くて熱くて溶けてしまいそうなほどだ。
それにヴィゴーレのことが頭から離れない。
いや、離れないどころか気を緩めると他の事を押し流すように彼のことが頭に流れ込んできた。

(会いたい・・・あいつに会いたい)

「駄目・・・だ」

(会いたい会いたい会いたい)

「・・・いま・・・会っ・・・ては・・・駄目・・・だ」

(会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい会いたい)

自分の心を言葉で制するかのように独り言を呟いた。
べつにヴィゴーレが何らかの理由で不在になっているわけではない。
会おうと思えばすぐにでも会えた。
しかし、今の状態で会ってしまったら自分が自分じゃなくなってしまいそうな気がして、ここ数日は故意に彼とは会わないようにしていた。
だが、会わない日が続けば続くほど彼女の症状は悪化するばかりだった。

(そうだ、鎧を脱ごう)

彼女はいつ何が起きても対処できるように、戦中は眠る時でも常に装備を付けたまま眠っていた。
その癖で今回も鎧を着たまま休んでいた。
いくら動きに支障が無いとはいえ、ひょっとしたら慣れない装備のせいで休んでも疲労がとれないのではと考えて、鎧を脱いで休もうとした。

(・・・あれ?)

彼女は困惑の表情を浮かべた。

(おかしい・・・脱げない!?)

彼女がいくら脱ごうとしても鎧は張り付いたようにびくともしない。
焦りが増していく中、それでも何度も試みた。

(そんな馬鹿な。こんなことがあるはずが・・・あれ?)

力任せに鎧を脱ごうとした時だった。
急に床が近づいてくると思ったら、次には額を床に打ち付けていた。
床を転がって景色がグルグルと回る。
そして、止まった時に彼女が見たものはベットに腰を掛ける首の無い自分の体だった。
それから彼女は頭の中が真っ白になった。

「これは・・・」

フォルティスが体調を崩したと聞いたヴィゴーレは彼女の幕舎へ足を運んだ。
そこで彼が見たものは、ベットに腰掛けたままの首の無いフォルティスの胴と床に転がる彼女の首だった。
しかも、その首はヴィゴーレを見ると熱を帯びた微笑を浮かべた。

「ヴィゴーレ・・・来てくれたのか。私は・・・いつの間にかこんな体になっていたようだ」

首の無い胴が急に立ち上がった。
そして、ジリジリとヴィゴーレに向かって歩み寄ってきた。

「だけど、不思議なんだ。気味悪さとか不安とか全然無いんだ。むしろ、いろいろなことから解放されたみたいで凄く気分がいいんだ」

あと一メートルのところまで彼女の胴が迫ってきた時、ヴィゴーレは彼女の胴を思いっきり蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされた胴は床に叩きつけられた。
彼女の表情が少し寂しげなものになった。

「酷いじゃないか。私はオークじゃないぞ。私はただ、あの夜の続きがしたいだけなんだ」

何かを想像してフォルティスの表情が恍惚としたものに変わった。
もはや、英雄フォルティス・ノービリスの表情は微塵も残ってはいなかった。

「こいつは・・・どうしたものかな」

敵なら薙ぎ払えばいいが目の前にいるのはついさっきまで仲間だった、それも英雄と呼ばれていた者だ。
彼といえど問答無用で大剣は振るえなかった。
だが、どうすればいいのかもわからなかった。

「・・・ヴィゴーレ、勇者ヴィゴーレ」

突然、彼の頭の中に声が響いてきた。
それは、彼には聞き覚えのある声だった。

「あんたの声を聞いたのは久しぶりだな。主よ」

彼に声を掛けたのは、教団達が信仰する主神の内の一柱だった。
神は語り続けた。

「彼女は見ての通り魔に堕ちてしまいました。残念ですがあなたの手で葬ってあげなさい」

神の言葉を聞いてヴィゴーレの片方の眉がピクリと動いた。

「主よ。どうにかならないのか?」
「こうなってしまってはもはや手遅れです。一度魔に堕ちた者は我等の力をもってしても元の人間には戻れません」
「だが、こいつを失ったらあの国はどうなるんだ?誰がこいつに代わって軍の指揮を執るんだ?」
「そなたがいるではありませんか。そなたは粗暴なところがありますが、それさえ直してその力を振るえば皆あなたを認めるでしょう」

ヴィゴーレは少し間を空けてから言葉を返した。

「それはつまり・・・俺がいるからこいつは用なしってことか?」
「何を・・・」

彼の返答に神は言葉を詰まらせた。
しかし、彼は構わずに言葉を続けた。

「知っているか主よ。世の中には痩せた大地で暮らす人々がいる」
「ええ、魔王の影響で土地が痩せてしまったのです」

ヴィゴーレの片方の眉がまたピクリと動いた。

「知っているか主よ。その人々は教団に援助を申し出たが、教団側は政略、戦略的に価値なしと見なしてその申し出を断ったそうだ」
「何かの手違いでしょう。我等はそなた達全ての人間を愛しています」

ヴィゴーレの手が背中の大剣を掴んだ。

「知っているか主よ。後にその土地を人々を救ったのは魔精霊使いだったそうだ。」
「あれは人々の弱みに付け込んで、まんまと土地を魔界にしたのです。騙されてはいけません」

ヴィゴーレの手がゆっくりと背中から大剣を引き抜いた。

「さっき、あんたは全ての人間を愛しているといったな。それなら目の前にいるこいつのことも愛しているんだな?」
「彼女はすでに人間ではありません。先ほども言いましたが残念なことだとは思っています。ですから・・・」
「主よ!」

大声で神の言葉を遮るとヴィゴーレは大剣を低く構えた。

「知っているか?俺は今まで何のためにこの力を振るえばいいのか、その答えを探し続けていた」
「その力は人類のために行使されるべきもの。何も迷うことはありません」
「人類のためとは、人類の幸せのためか?それは人間ひとりひとりの幸せのことか?」
「その通りです。先ほどからそなたは何を・・・」
「ならば!」

大剣を握るヴィゴーレの手に力が入る。

「こいつの幸福はどうなるんだ!?あんた達や国のために十九年も必死に捧げてきたのに、それが魔に堕ちた途端に消え失せてしまうのか!?こいつの人生とはなんだったんだ!?」
「ヴィゴーレよ・・・気持ちはわかります。しかし、先ほど言ったようにどうしようもないのです。ですから、せめて安らかな眠りに付かせてあげるのが我等の出来る唯一の報いです」

ヴィゴーレの足が床を強く踏みしめる。

「魔界では死んだ人間が魔物として蘇ることがあるらしい」
「あれは安らかに眠る者を弄ぶ愚行です。それを使ってその親族や親しかった者たちを取り込もうとする非道な行為です」
「それによって、死に別れた恋人と再会して今でも幸せに暮らしている男の話を聞いたことがある」
「ヴィゴーレよ・・・」
「お前達の言うことは!」

ヴィゴーレの目が大きく見開いた。

「いろいろなところを流れたきた俺にはなにひとつ信憑性を感じない。お前達が言うことと、俺が実際に見て聞いたこととはまるで違う。今のでようやく結論が出たぞ!」

大剣が轟音を立てながら振り上げられた。

「お前達は自分達の都合で俺達に魔物を駆逐させたいだけだ!」

振り上げられた大剣は、幕舎の屋根を木っ端微塵に吹き飛ばした。
それから神の声は聞こえなくなった。
渾身の一撃を放って、ヴィゴーレが肩で息をしていると背後に気配を感じた。

「・・・お前がこいつを堕としたのか」

振り向くと彼の背後にはあの眼光の鋭い男が佇んでいた。

「その鎧はデュラハンの魔力を凝縮して込めた物。鑑定済みと言ったら何の疑いも無く国王へ献上された」
「今回の戦もお前の入れ知恵か?」
「鎧の魔力が全て彼女に流れ切るまでの時間が欲しかった」

ヴィゴーレはその場に腰を下ろして大剣を傍らに置いた。

「俺を恨むか?ヴィゴーレ」
「恨まんよ。勝手やれって言ったしな」
「そうか。・・・イスパーダは陥落したぞ」

突然のイスパーダの陥落を聞いてもヴィゴーレは驚かなかった。
既に予想していたことだった。

「どうやって堕とした?」
「国を堕とすのに兵はいらない。ただ、少量の毒があればいい。それも甘美な毒が望ましい」
「媚薬か?」
「いや、果実だ。陶酔の果実という葡萄に似たものがある。一粒一粒に魔力が凝縮されているが下に生っている粒ほどより濃厚だ。その一番下のもっとも濃い粒を一部の教団や国の要人に食べさせた。その一粒だけで彼らをインキュバスにするのは十分だ。上層部さえ抑えてしまえばあとは時間の問題だ」

男の用意周到さにヴィゴーレは舌を巻いたように頭を掻いて溜息をついた。

「前準備としてその実で作ったワインを彼女に数本贈った。神の加護で魔力に対する抵抗力があったのでそれを弱めるためだ。全て飲んだようだ」
「最近こいつが綺麗になってきたのはそれが原因か」
「君の軍は協力をしてくれたあの魔物の軍に報酬として明け渡すつもりだ」
「好きにしてくれ」

降参というようにヴィゴーレは両手を挙げて見せた。
男はその場を立ち去ろうと振り向いたが、数歩歩いたところで立ち止まった。

「ヴィゴーレ、答えは得ることが出来たか?」
「・・・ああ」

ヴィゴーレは俯いて返事をした。

「共に来るか?」
「ああ、とりあえず当面は厄介になる」
「無論、彼女も一緒だな?」
「まぁな・・・うん?」

ヴィゴーレの背中に何かが抱きついてきた。
言うまでもなくフォルティスだった。
こちらに忍び寄る際に付け直された彼女の首は、抱きついた勢いで再び胴から転げ落ちてしまった。
それが床に落ちないようにヴィゴーレは両手で受け止めた。
彼と視線が合うとフォルティスは頬をより朱に染めてジッと彼を見つめた。
気がつくと男は既に立ち去っていた。

「な、なんということだ!?」

代わりにそこには顔面蒼白となっているナビールの姿があった。

「お、大きな音がしたので来てみれば・・・お、お前は・・・はっ!そうか、わかったぞ。お前はフォルティス様が弱っていることに付け込み、見舞いに来たふりをして言い寄ったな!?それを断られて激昂し、自分のものにはならぬのならとその大剣でその方の首を切り落としたのだな!そうに違いない!」

背に乗った首の無い胴、両手に持つ生首、傍らに置いてある大剣、事情の知らない者がこの状況を見たらそう思うのも無理はなかった。

「お前は我等の、人類の希望であったお方になんと取り返しの付かないことをしたのだ!む・・・そうか!?さては、お前は魔物共と内通していたのだな!やはり、その力は主より賜りしものではなく魔の力であったか!最初からそのつもりでフォルティス様に近づい・・・ぶへ!?」

ヴィゴーレは傍にあった瓦礫をナビールの顔面に投げつけた。
そして首の無い胴を背負ったまま、フォルティスの首を小脇に抱えて全速力で走り出した。

「げふ!」

ついでに顔面を押さえてうずくまっていたナビールを思いっきり蹴り飛ばしたが、そんなことは気にしなかった。
繋がれていたフォルティスの愛馬に跨ると、唖然とする兵達の間を全力で走らせて陣営から飛び出した。

「どこへ行くんだ?」

しばらく馬を走らせていると、首を付け直したフォルティスがヴィゴーレの背中に体を密着させながら彼に尋ねた。

「知り合いのところでしばらく厄介になるつもりだ。構わないな?」
「ああ」
「あの国に未練はないか?」
「ない。お前がいるなら私はそれでいい」

馬上で彼女は甘えるようにずっとヴィゴーレの背に頬を擦り付けていた。
今の彼女には、人々の期待に応えることやウィルマリナを超えなければという使命感はなかった。
代わりに安堵感に包まれてとても心地良く感じていた。

「ヴィゴーレ」
「なんだ?」

甘えた声がヴィゴーレの耳元に囁かれた。

「私が願ったのは、お前という存在だったんだ」
13/01/05 05:39更新 / 古ぼけた書物

■作者メッセージ
初めての投稿 執筆です。
思ったより長くなってしまい申し訳ない。
イメージを文書にするのって難しいですね。

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