連載小説
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プロローグ「拉致軟禁」

「俺が何をしたって言うんだ・・・」
「何もしてないですよ?強いて言うなら運が良かったってことかな〜?」
「今すぐ家に帰らせろ!!有無を言わさず連れてこられた俺の身にもなれ!」
「・・・はぁ、あなたには人権なんてないんですよ、そもそも、
 人権なんて我々には通用しませんけど」
「どうしてこうなった・・・」

寝巻きの俺がいるこの明らかにおかしな学園・・・らしい場所は異常に広くい、
また、高い塀(5〜6mはあるだろうか)
で囲まれ、なぜか潮の香りがする、何より怪しいのは、建物が歪んでいるのだ、
まるでディズ○ーの建物の様に明らかなる異常、おかしい、なぜだ

今朝はコーヒーを飲むため豆と湯をセットし、出来るまでの間に新聞を取りに
行ったはずだ
そこで、俺宛の手紙と大きな封筒を見つけた、内容はいわゆるいたずらみたいな
ことが書いてあった


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黒木稜平様へ

春の陽気な陽射しが心地よくなってきましたね、稜平様はいかがお過ごしでしょうか

さて、此度手紙を出しました要件は・・・な、なんと1億人の新高校生の中から抽選で

聖バレル学園に入学が決まりましたぁ!!!これは決定事項ですぅ!4月3日8時に迎えにあがりますね♡

なお、当学園は寮となっておりますにょ、お荷物はまとめておいて下さいね♡

まとめられてなかった場合はしばらくは取りに帰れませんのでご注意下さい

当学園の詳しい資料は別冊の聖バレル学園案内を参考にお読みくださいなのぉ

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「なんだこれ?馬鹿らしい、俺は行く高校は決まってんだよ・・・学園案内ってwww なんだこれ海がある学園って、森もあるよ校庭広いな、
 学園の広さ20kmってありえないな」

高校の入学式は明後日、俺にとってはちょうどいい暇つぶしになると思い
コーヒーを片手に学園案内を読んでいた
今日が4月3日で、もうすぐ8時になることも知らずに
ピンポーン!

「ん?あ、はーい、今行きます」

親達は仕事でもういない、寝巻きのままだったが、待たせるのも悪いので
そのまま出た、ドアを開けると
スーツを着た銀髪の綺麗なお姉さんが立っていた、着替えてくれば良かった
銀髪って、アルビノなのか?
なんでこんな人が?セールスマンか?などと考えていると

「その様子では準備は出来ていないようですね、わかりました、10分だけ時間を差 し上げます、早く準備して下さい」
「はい?」
「ウスノロは嫌いですよ、早くなさい、私の気が変わらない内に」
「え?準備?・・・あのどちらさまですか?」

なぜ、いきなりウスノロと言われたのか、わからなかった、何か機嫌を損ねるようなことをしただろうか?

「8時に迎えに行くと書いたでしょう?寝巻きのまま連れて行きますよ?
 いいんですか?」
「8時?迎え?約束はしてないですけど・・・なんのことですか?」
「はぁ、まったく、読んでいないんですか?手紙」
「手紙って・・・あ!あの、なんたら学園に入学が決まったとか言う
 ふざけた内容の!」
「ふ、ふざけた内容!1日悩んで人間風に書くために勉強して書いた手紙を
 私の初手紙をふざけたですって!!」

あのふざけた手紙はこの銀髪の女性が書いたものらしい、しかも、あれは真面目に書いたものらしい
驚きと共に笑いが込み上げてきた、真面目とふざけが融合していた

「何がおかしいんですか!真面目に人間文化のメール、手紙なるものを参考に
 書いたものですよ!!」
「wwwいえ、真面目にあんな手紙を書く人がいるんですねww・・・人間文化?」
「ええ!人間文化を学ぶため、また人間に魔物文化を学んでもらうために
 設立された聖バレル学園に入学してもらうために、迎えに上がったのですが、
 こちらが下手に出たのが間違いでした!!
 もう知りません無理やり連れて行きます、魔物らしくね!!」

そう言うと彼女に異様に強い力で組み伏せられ、どこから出したかわからないが白い糸で手も足も顔さえも口以外を
ぐるぐるに巻きにされ動きを封じ、70kgある俺の体を軽々と持ち上げ、言った

「はぁはぁ、最初からこうすれば良かったのよ・・・ん///少しぐらい味見しても
いいかな・・・ってダメよね」

その言葉に悪寒を感じた俺は、抵抗しない、というかできないので
おとなしくすることにした
目が見えない状況では時間は恐ろしく長く感じる、あれからどれほど
時間が経っただろうか?
なぜ拉致られたのか、俺が何をしたのか?あ、コーヒー飲み干してなかったな、
あ・・・家の鍵開けっぱなしじゃん
などと考えていると地面に下ろされた

「着きましたよ、糸をほどいて差し上げます」

光が眩しく目が開けられない、少しの間瞬きをして目を慣らすと異様な光景が
そこにはあった
歪み傾いた校舎、異様に広い校庭、聞こえる波の音と潮の香り、
何より異様だったのは
銀髪の女性の腰からしたが昆虫の蜘蛛のなのだ、作り物とは思えない迫力

「どうしました、立てないんですか?」

毛に覆われた黒い8本の足が動く、間違いなく本物だ、作り物ならバランスをとる
ためにおかしな動きになるさらに
こんなになめらかに動けるはずがない、頭では理解しようとしていた

「あ、ありえない、蜘蛛女・・・糸はお前が出したんだな!!」

理解しようとしても、恐怖が込み上げ、恐怖を隠すために、存在を否定してしまう恐怖を隠すために大声を出す
先ほど感じた悪寒はこれだったのか、恐怖が体を支配していく
存在するはずのない化物をみて

「大きな声を出して、はしたないですよ・・・蜘蛛女ですか、間違ってはいません ね、自己紹介が遅れました、聖バレル学園の教師をしております
 アラクネのリゼットと申します、気軽にリゼ先生と呼んでいいですよ
 稜平くんあなたの担任になりますので、仲良くしてくださいね 
 質問があればどうぞ」

あまりに、普通な返答、丁寧な自己紹介、下半身が蜘蛛である以外はまるで普通、それどころか礼儀正しく
人当たりの良い感じさえする

「あ、黒木稜平ですよろしくお願いします、じゃなくて、なぜ蜘蛛なんですか?
 あなたは何者なんですか?なんで拉致られたんですか?ここはどこですか?」

自分でもわけがわからず、変な質問をしていることはわかっていた、それでもなお知りたかった予想なんていくらでも出来る、答えが欲しかった

「質問が多いですね、好奇心旺盛なのかな?一気には答えられませんよ、
 まずはなぜ蜘蛛なのかですね、答えは簡単アラクネだからです♪
 次に何者なのかこれは言いましたよね?あなたの先生ですよ!
 次ですね、なぜ拉致されたのか、抵抗するからです
 それにそれの方が早いからです、最後ですねここはどこか
 本当はわかっているんじゃないですか?学園案内を見たなら
 ここは聖バレル学園です、質問は以上ですか?なら寮に案内しますよ〜♪」

質問に丁寧に答えてくれるリゼットのおかげか、時間の経過かわからないが
少し落ち着いてきた俺はふと愚痴をこぼした

「俺が何をしたって言うんだ・・・」
「何もしてないですよ?強いて言うなら運が良かったってことかな〜?」
「今すぐ家に帰らせろ!!有無を言わさず連れてこられた俺の身にもなれ!」

自分にはそんな権利がないことは本能的に理解していた、でも
言わずにはいられない

「・・・はぁ、あなたには人権なんてないんですよ、そもそも、人権なんて我々
 には通用しませんけど」
「どうしてこうなった・・・」
「面倒な人は嫌いですよ、あなたに拒否権はないんです、さぁ、わかったら寮に
 行きますから付いてきて下さい」

本能的に理解してても、口に出して言われるとダメージは大きかった、そして、駄々をこねれば、リゼットは、糸でぐるぐる巻きにして食べてしまう、
そう理解した俺は、黙って彼女に従うしかなかった

リゼットについて寮に向かう途中の景色は異様で怖く、しかし、少し心躍る景色だった、歩く道の横には必ず水路があり、木々が生い茂り、花々が咲乱れ、
道は無機質なコンクリートではなく、ヒトの温かみを感じるレンガ造りや石畳で、
なぜかいたるところに石像が置かれ、学園にうさぎや犬
蝶などの生き物が多数見られる、コンクリートジャングルで生きてきた稜平には
珍しく、新しいものへの興味で次第に、恐怖は薄れていった

「着きました、ここが、今日からあなたが住まう寮です」

そこには、あまりにこのメルヘンな世界とは真逆の建物があった
鉄筋コンクリートの3階建てマンション
団地などで見かける無駄を捨てた姿、1DKで家賃4万3000円とかで駅から
徒歩12分なんて不動産家さんが言いそうな、ごく一般てきなマンションである

「これは、人間界で最もポピュラーな建物を真似して作ったんですよ!!寮には寮 母を含めて24人居ます、仲良くするんですよ、えっと」

何やら薄い冊子を取り出し読み上げ始めた

「部屋数30で部屋にはキッチン、トイレ、シャワー、寝室とリビングがついた
 2LDK、申請があれば改造可で、防音、防弾性能あり、部屋の室温調節は
 -50℃〜50℃まで可能、食事に関しては自炊でも学食でも良いですが
 自炊の場合食材は自分で手に入れること」

いや、このマンションの部屋の区切りじゃ2LDKはありえないだろ・・・改造?防弾って、てか温度怖なんじゃそら

「以上が寮の説明になります、食事は別館に食堂があるので給仕さんに言って
 作ってもらってくださいね、ここまでで質問は?」
「ツッコミどころが多すぎて困りますが、とりあえず部屋を見せてもらっても
 いいですか?」

あの手紙が本当ならしばらくは帰れない、つまり、部屋の確保はありがたい
防弾?の部屋ならひきこもれば、蜘蛛に食われることも無いだろうし
部屋をもらえるならそれに越したことはない

「いきなり突っ込むだなんて、大胆ね///嫌いではないですけれど
 部屋でやるか決めるんですね?分かりました///」
「?」

2LDKなんてありえない、そう思っていた時期が僕にもありますた
結論から言うと、ホテルのスイートルームの様な、明るく、綺麗で
豪華な部屋だった天井は高くシャンデリアの様な光る水晶が垂らされ
外観はコンクリートなのに、中は木で出来た壁や柱、
扉は綺麗な彫刻と細工がなされ、なぜかいたるところに光る水晶が置いてあった
極めつけはベット、クイーンサイズのベットである、あまりのふかふかさ加減に
寝てしまいそうであった、なんでも、ワーシープという種類の羊の毛が
中に敷き詰められているとか、二人でも寝れると言われ上に乗られた瞬間
眠気は吹っ飛んだため、寝なかったが、素晴らしい寝心地であることは確認した

「シャワールームってまさか、トイレと一緒じゃないですよね?」
「シャワールームとトイレは別々ですよ、ベルゼブブは同じがいいとか
 言っていましたが」
「?・・・風呂ってないですよね?」

日本人たるもの風呂は欠かせないがここで生活を強いられるならシャワーで
我慢する・・・しかし、稜平はかなりの風呂好きで、
稜平家には風呂にテレビがついていたため、彼は5時間ほど
風呂に入りっぱなしで倒れたという経歴を持つほどの風呂好きである
あるなら、入りたい!!それが亮太の願いである

「露天ならありますよ、お勧めはしませんけど、外でお湯の中に入るなんて
 ただでさえ外の湯は不衛生なのに、でも一緒に入りたいなら入ってあげますよ」
「露天があるんですか・・・素晴らしい!!」

亮太の心は踊った!!『てーしょんまっくす』というやつである

「風呂の場所はまた今度教えます、先に重要なのはラクリマの使い方ですね
 人間では宿る魔力の波長でラクリマの判断はできないでしょうから
 色をつけておきました、黒のラクリマは触れると明かりを消します
 明かりを消すと白に色が変わるので、もう一度触れて下さい
 触れれば明かりが付きます・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ラクリマだの、ルーンで刻めば相手につながるだのよくわからない説明を受けたがさっぱりわからない、これ以上メルヘンの
話をされても頭がパンクすると考えた稜平は考えることをやめた。


13/04/18 15:58更新 / ただのHE☆N☆TA☆I
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■作者メッセージ
終わらせ方が下手ですいません、処女作です、いたらない点があれば直そうと思いますのでアドバイスを下さい、お願いします

設定にこってしまいそう・・・(汗

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