「今日もいい天気だね〜♪歩いてるだけでも楽しいと思わない？真」

そう言って僕は嬉しそうにしている女子と一緒に学校に向かっていた。

「僕にはわからないよカレン。天気がいいから楽しいとは思えないよ。
むしろ、今日からテスト発表だから最悪な気分だ。」

彼女は少し意地悪い笑みをしている

「あぁ〜、真成績良くないもんね。中学の時から。
高校も推薦で入ったし。」
「悪い？推薦で入れるなら入ったほうが良くない？」
「そうだよね〜。真ってスポーツだけは得意なんだよね〜？
特にバスケが。」

すでにバカにしてる感じだ。

「いや、中学の時は大会で優勝したから推薦が来たんだし、しかも万年全国ベスト８には入っているこの高校で一年で一軍のスタメンだからむしろすごくない？あと中学の成績は中の上だ。今は中の下だけど…」

「テストの点は平均かそれ以下だもんね？」
「・・・・・否定はしない」

と、まあいつもこの様な他愛のない話をしながら学校に行っている

そうして、教室についたら

「お、朝からカップルで来るなんて熱いね〜」
「いいな〜。爆発しろ！！」

などと、言ってくるクラスメイト
めんどくさいことこの上ない
なんでこんなこと言われなきゃならない
とりあえず席に着く
カレンは皆に囲まれ楽しく談笑している

「わからないな」
自然に呟いた
「何が？」
無意識のうちに呟いてしまったのかそれを聞いた友達が言い寄ってくる。

「・・カレンの良さが」
「・・・・それを俺たちの前で言うのは嫌がらせか何かか？」
「そうだ！！
大体お前、クラスのマドンナ、いやこの学校でも１・２を争うほどの人気と美貌をもつ麗しき春風さんと付き合っている奴がいう言葉じゃないぞ！！！！」
「そうそう。人柄もいいし成績優秀、運動能力も十分ある。
　おまけにスタイルもいい！！」
「ああ、あの胸の大きさは最高だな！！」
「貴様ら！！そのような発言は我ら春風さんファンクラブが許さんぞ！！」
「はぁ、はぁ。春風さんは俺の嫁・・」
「貴様にはしゅくせいだぁぁぁ！！」

カレンのことだけでこんな風になる
まさにカオス

「あ、皆さんちょっと耳塞いで超きめぇ上に馬鹿丸出しだし、熱いしウザい、
あとキモイから全員死ね。」
「早いッ！　塞ぐ時間をちょうだいよ！あといいじゃん別に！！」
「そもそも付き合ってないよ」
「じゃあ、何で登下校も一緒に居るんだ？」
「ただ家が近くなだけ。」
「なんにせよお前が春風さんと付き合っているって皆から思われてるよ。」

本当に面倒だと思った。

「そんなに好きならお前らカレンに告りなよ」

僕ってあったまイイと思った瞬間、何故かみんなの表情が暗くなる

「ど、どうしたの？」

何かいけないことを言ってしまったのだろうかと思ったが、全く思い当たらない

「あのな神宮…」
「な、何？」
「俺たち全員春風さんに告って振られたんだよ。」
「……ぷっ、くくっ」
「ど、どうした？何で吹き出したんだ？」
「振られたことを思い出して落ち込んでシュンとなっている友達の姿がとても愉快だ。あぁ、これが愉悦か。」
「ひでぇ愉悦もあるな、オイ！てか、何か慰めの言葉をくれよ！！」
「やだよ、気持ち悪い。」

「「「「ひ、酷い」」」」


　　　　---------------昼休み----------------

「は、春風さん、つ、付き合って下さい！！」
昼休み、カレンが告白を受けていた
相手は多分３年生だろう

「おお、こんな教室で告白とは、ほんと勇者だな。」
「あ、断られてる」
「あの人何ともないフリしてるけど結構涙目だね。
ホント人が泣いている顔とかって面白いね。」
「神宮・・・どんだけＳなんだよ」
「でも、神宮もウカウカしてたら春風が誰かと付き合ってしまうかもよ？」

彼は意地悪で言ったつもりだろうが興味ない・・

「別に構わない気がするけど・・・。それに・・・」
「・・あの、神宮くん」

友達と話をしていると突如女子から声をかけられる

「なに？」
「あの、私、あなたのことが好きです！」
「だから？」
「わたしと、おつ、おつきやい、おつきあい…して、ください…」

こちらにも勇者はいた
女勇者と言うべきなのだろうか
もちろん答えは決まっている

「…ごめんね。お断りさせて頂くよ」
「どうしてですか？春風さんの事が、そんなに好きなんですか？」

―…何でカレンが出てくるんだ

「いや、違うよ？
ただ何も知らないのにいきなり付き合ってくれって言われてもねぇ？」
「何で俺に聞くんだよ？！」

―ごめんワザと

「で、でも…わた、わたし…神宮くんのこと、好きで…、好きで…」

あぁ、確かに彼女は可愛いとおもう
男子なら普通喜んで付き合うだろう
でも僕は彼女と恋愛をする気がない
彼女には諦めてもらおう
ただ普通に振ると泣きそうだしここはアレを使う

「まぁ、いきなり付き合えって言われても無理だけどさ、僕は君のこと何もわかってないし…」
「…はい」

もうすでに涙目だ

「だからさ、友達から始めない？」
「…友達…ですか？」
「うん。
　そこで今より親しくなって、それでも気持ちが変わらないのならまた僕に告白してきてよ。
今度はちゃんとした答え出すからさ。」

そう言うと彼女は泣くのを止め少し嬉しそうな表情をしている

「は、ハイ！！」

うんうん女性は笑顔でないと

「で、では私はこれで。」
「うん、バイバイ」

にこやかな笑顔で見送った
ベタなセリフだが大体これで何とかなった

「「「「おお」」」」

そしてこの男子の素晴らしいと言わんばかりの「おお」である

「とにかく、僕は僕で告白の処理が忙しい。
　だから、カレンのことを考える暇もない」
　
そういうと皆から何か変な目で見られてる
これは嫉妬なのかな？

「おまえってホントモテるよな。」
「……羨ましい」
「頼む、俺たちにもモテる方法を教えてくれ。」

そういって皆僕に土下座をする。その中には友達だけでなく、何故か他のクラスの男子や、先輩がいる。

「モテたいがために同い年や年下に頭を下げるその姿が無様で仕方ない。
動画に撮って学校中にばら撒きたい。」

「てめェ！せっかくこちとら頭下げて懇願しているのに、とゆうか、そういうことを言う時は普通聞こえないように言わね！？　なんで真っ直ぐした綺麗な目ではっきり言えるの！？　逆になんか嬉しいよ！」

「ごめん、男にＭ発言されてもキモイとしか言いようがないから。」

事実周りから

『うわぁ、キモイ』
『なにあれ』

などという言葉が聞こえてくる。

「みんなうるさい。静かにして。」

と、しびれを切らした委員長が注意する

「「「「「「「す、すいません」」」」」」」

「涙を流して耐えるといい。はは、このザマァ」

「だから、なんでそういうことを人の目を見て言えんだよ！？
もはやお前外道の道に進んでいるだろ！？」
「この人でなし！！」

「うるさい！！」
「「「「「「「す、すいません。」」」」」」」


------------------下校---------------

「真、一緒に帰ろ♪」
「ああ」

そんな会話からからかってくる奴もいるが相手をするのも面倒なのでさっさと学校をでた

「やっと学校が終わったよ」
「ホントに疲れたね〜」

カレンとは別の方向の景色を見ていると視線を感じた
その感じた方向を見るとカレンが無遠慮な視線を注いでいる

「どうした。変な目で見て。」
「ええと…変だった？」

カレンは少し顔を赤くしながら質問してきた

「まぁ、うん。変だったね。」
「最近そうゆう視線が多いね。
どうかした？何か悩み事？」

いつもと同じような帰り道でいつもと同じような他愛のない会話
この世界はとてつもなく普通だ
正義のヒーローがいるわけではないし、悪の組織も、化け物がいるわけでもない
ただただ普通の世界
正直な所暇だ
何か特別変わった事が起きて欲しいと思ったりする
例えばいきなり誰かが突然死ぬとか…

「…と…こと……真！！聞いてる！？」
「あぁ、ごめん。なんだっけ？」

考えごとをしていると人の声が聞こえないと言うのも本当かもしれない
これはこれで発見だ

「だから、テスト期間でしょ？
なので私が今日一緒に勉強を教えようと思っているんだけど、どうかな？」
「今日これから？まあいいけど、特に予定もない…あ」

思い出した、そして油断した
アレがあったんだ

「…予定あった？」
「うん……その…ね、今日から家庭教師が来るのを忘れてた。」

うかつだった
まさかこんなことを忘れるとは

「……家庭教師？」

彼女にとっては初耳だったのだろう。何とも言えない顔をしている

「うん、成績が良くないからさ、両親が勝手に申し込んだんだ。
でもさ、来る人が女性なんだ。」
「…うん」
「僕は…その…過去に問題があったからちょっと女性が苦手だ。」

そう、あの忌々しい過去があるから女性と付き合いたいとは思わなかった
それを知っているのは隣にいる幼馴染を含む少数の人だけだ

「じゃあ、親に言えばいいのに、教師変えてほしいって。」
「いや、両親はそんなこと知らないからさ、あんまり心配もかけたくないし……ごめん」

そもそも話すようなことではない
僕が話さなかったからこそ今の生活があるのだから…

「いいって。ま、確かに真って成績良くないしね。
この機会にその勉強と女性が苦手なのを克服できるかもしれないし…」
「うん…ま、そうだね。頑張ってみるよ…」

本当にタイミングが悪い
でも、これは自分が招いたことだしこればかりは仕方ない

「でも、辛かったら相談してね？
私、真が苦しんでいる所はみたくないから…」

僕の様子を気遣い、カレンは心配そうに見つめてくれる
僕のちょっとした話に笑ってくれて、僕が悲しい時に自分のことのように一緒に悲しんでくれる大切な心安らげる存在
それがカレンだ
いつも彼女には助けてもらっていた
だからこそ僕は彼女に幸せになってもらいたい

「うん…ありがとうカレン。その時はよろしくね」
「任された♪」

そのあとは他愛ない話をしながら家路を歩み、いつものようにカレンの家の前で別れた

「またね、真」
「うん。じゃ、また明日」

カレンが家に入るのを見届けたあと家に入り、２階にある自分の部屋に向かった
部屋のベットに鞄を放り投げ、寝そべる

「しんど……」

それからずっとカレンのことを考えていた

「僕は、カレンのこと…」

好きではある
それが、親友としてか、異性としてかとなると恐らく後者だろう
カレン自身も恐らく僕に好意はあることは何となく察している
でも所詮、僕のは淡い恋心だ
彼女に本気で向き合えるとは言えない
もし付き合ったとしても中途半端な感じになってしまう
本気ではない分もしかしたらカレンを傷つける可能性がある

「はぁ…」

そんなことを考えながら盛大な溜息をつく

「あぁ、もう！！」

ウジウジ考える自分に嫌気がさしたので、気分を変えるため雑誌を読み始める

それから数分後―

「ん？」

突如チャイムが鳴った、家には誰もいないので自分が行くしかない
めんどくさいと思いつつも一階の玄関まで行きドアを開ける
するとそこには女性が立っていた

触り心地が良さそうな細い髪、顔立ちはとても整っており釣り上った目尻から
ピンと通った鼻筋、赤い薔薇の花弁のような綺麗な唇、豊満な胸をしており、
身動きするだけで少し揺れている
ウエストはとても細く、太ももはとてもむっちりしている
服装は夏だからかタンクトップにホットパンツという格好である

「あなたが神宮　真君？」

玄関の前に立っていた女性が質問してくる

「はい、そうですが…」
「へー、結構可愛いのね♪」

などと言って頭を撫でてくる
女性が苦手な僕はいきなり頭を撫でられて驚きはしたが、不快な感じは無かった
むしろ、どこか安らぐような感じでもある
少しボーッとしてしまいそうになったが、それを振り払い質問する

「あの、どなたですか？」
「あぁ、ごめんごめん。私は神木セツナっていって―



―今日からあなたの家庭教師です♪」

■作者メッセージ
ヒャッハー

あぁ、文才が欲しい

あ、感想まってまーす
キャラ紹介必要なら書きまーす（必要ないと思うけど）

まっ、ハーレムENDは書けないけど…
何が何だか訳が分からなくなるから……

あぁ！！文才が欲しいィィィィ！！！！