深淵なる夫婦たち
ここは魔物にも友好的な海辺の集落、冬場は少々冷えたりもするが
漁や近くの山林で狩りをして逞しく健やかに村人が暮らす平和な土地である
だが、この集落にはある特徴があった
人口の大半を占めているのが深淵に属する魔物娘と伴侶達なのだ
霧が深くなり夜も更けた頃、ぼんやりと幻想的に光る魔灯花の道
一つの人影が小走りで駆け抜けていった...
カランカラン...
「こんばんわぁ〜ちょっと遅刻かしら？」
触手をうねらせて一匹のマインドフレイアがこの『大衆酒場くとぅるぅ』に入店した
「おー！きたきた！さぁースイちゃん、飲もう飲もう！」
「やっと来たのね、ちゃんと乾杯はまっててあげたんだから早くこっちに来なさいよ」
楽しげな声の主はウェンディゴのシロ
スイ夫婦の遅刻なんか気にせず皆で飲む気満々だ
やや棘のある言葉を発したアトラク＝ナクアのミント
少々呆れた表情をしているものの皆揃って乾杯するのを待ってくれていたようだ
にゅるにゅる...とスイの腰に巻き付いている夫が触手で自分の頭部を擦った、人間が申し訳なさそうに頭を掻くジェスチャーに似ている
「キにスルコトはナイ...ゾ...」
そう言葉をかける3m以上はあるであろうシロの外套の中の巨大なインキュバス
野太い声で威圧感満々だがその顔のシルエットが微かに笑っているように見えた
「シュー！シュー！」
口に巨大な牙と蠢く触手を持つ異形の大蜘蛛のインキュバス
生殖嚢の上にちょこんとミントを乗せた彼はウェンディゴに同意するように恐ろしい鳴き声を出しながら元気よく頷くジェスチャーをした
「皆様ご来店ありがとうございます、夫婦仲がよろしくて羨ましい限りです」
マスターのショゴスが来客者達に改めて声をかけた
誰とでもフランクに接してくれる彼女はこの集落の人気者でたまにサービス満点の接客をしてくれる
...彼女の夫も足元でグチュグチャと音を立てて歓迎？してくれていた
「こんばんはマスター、とりあえず虜のカクテルと魔界獣のからあげを2つづつお願いするわ」「はい、ご注文承りました。スイさんもごゆっくりどうぞ」
スイ夫婦は端の掘り炬燵に座った
巨大な夫たちもゆったり座れるジャイアントアントの建築技術に感謝だ
「よいしょっと...皆は最近どうしてる？」
同じ集落の住人なのだが皆それぞれ海、山頂付近、地下を住処としているため毎日会うことは難しい
それに個々の家庭の事情もあるので顔を合わせるとまず近況を話し合うことから始める
「私達はいつも通り糸を紡いでるわよ」「あ！私達は魔王軍の遠征に参加したー！」
シロが元気よく声をあげた
力を持ったリリム達がよく反魔物国家を堕とす話は有名だった
しかし遠征に赴くのは夫探しやリリム等上位の魔物に堕とされて心酔した元人間達がほとんどなのだ
シロは既婚者で遠征には無縁だと思っていたが
「初耳だわ...面倒そうだと思うけれど気にはなるわね」「シロ、本当？！すごいじゃない！」
スイとミントは興味津々でシロに問い詰める
二人共人間を魔物化させた経験はあったが戦地に赴いたことはなかったのだ
「えへへ、ちょっと二人で体を動かしたいのと魔界ハーブの報酬があったの
陥落させた国はレスカティエ程大きな国ではないんだけどさ」
「ちょっと運動する、のレベルが高いわぁ...」
「貰えるものは貰っとく主婦感覚で戦地に赴いてるじゃないの...」
「これも主婦の節約術！えっへん！」
鼻高々な表情でシロは胸を張った、渾身のドヤ顔である
「シュー、シュシュシュゥ？（でも、奥さんを戦場に連れてっていいのか？）」
「オビえキッタ、主神ダヨリの、勇者ナンゾ、オレタチの敵デハナイ...サ」
「キャア〜♥アナタ〜♥かっこいいぃ〜♥」
心配そうに訪ねたミントの夫に勇ましくシロの夫は答える
そんな外套の中の彼にシロはメロメロだ
「シロったらま〜たバカップル見せつけて」
「誰かさんもアレぐらい男らしい事言ってくれないかしらねぇ！」「シュゥ...」
「ミントちゃん、抑えて抑えて。また毒舌モードに入っちゃうわよ」
こうして夫婦達は他愛のない、しかし幸せなひとときを過ごしていく
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「あれが目標か、お前たち準備はいいな？」「いつでも行けます」
「念のため装備の再チェック、万が一の時の為に例の物も準備しておけ」
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「あ、アナタ、そういえばハーブ吸わないの？」
「...マスター、皆、ハーブ、スッテいいカ？」「ええ、もちろんですわ」
にゅるん、とスイの夫は触手で◯を作る、皆もそれに同意だった
「あら、シロの旦那さんのアレが見れるわよアナタ」
「今日はどんな香りのハーブなのかしら？」
スイとミントも歓迎していた理由、有害な人間界のハーブとは違い魔界のハーブは健康的な嗜好品であり
周りの人々に迷惑を掛けず、心地よい香りを楽しめるものであったからだ
さらにウェンディゴ（インキュバス）用のハーブは...
「ヨし...ト」
20本近い束の魔界ハーブをシロの頭を鷲掴みに出来る巨大な手が堅い葉で器用に巻いて出来上がったシガーはマスケット銃のような太さと長さのものだった
とんでもない光景だが皆日常風景のように異常さには誰も触れない
そう、これがウェンディゴ用のハーブなのである
「シマっタ...シガーカットをワスレタ...」「シュー」
ヒュッ！と強烈な風切り音と共にハーブの燃焼部分が綺麗に切り落とされた
シガーカットの代わりにミントの夫が鋭い触肢でやってのけた早業だ
「アリがトナ、オ前さんノ脚ハシガーカットよリモ、ヨクキレる...」
「ふんっ、アンタも少しは役に立つみたいね...♥」「シュー///」
「アナタやるぅ！ちゃっかりミントちゃんの旦那さんに見せ場つくってあげちゃって！」
「ふふっ、ウェンディゴさんはキューピットみたいね」
「にゅるるる、にゅるるる（棚から、ぼたもち）」「イイこト、シタきブン」
ウェンディゴの顔のシルエットが＾ｗ＾←のような表情になる
ご機嫌な表情で大きくて太い中指と親指でフィンガースナップの動作した
ものすごい炸裂音と共に火花が飛び、ハーブに着火した
バチンッ！...ボッ！
「私の旦那はライター要らずだよ〜」「まぁ飲み会の一発芸ぐらいには使えそうね」
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ウェンディゴがシガーを吸い終わり
ほんのり漂う優しいバニラの香りが徐々に弱くなってきた頃
「フハァ...イイ銘柄ダッたゾ...」
「ほんとねー」「いい香りだったわ」
「...！」「あなた？」
スイの夫が触手の電気信号で直接脳内に語りかける
「（どうやら賑やかな団体様が入店してきそうだ、反魔領の小隊みたいだね）」
「（数は１０人ね、シロの遠征帰りを追跡したのかしら？普通の人間はまずここに来られないだろうし）」
シロ、ミント、マスターに目をやると全員外の小隊の存在を感知しているようだ
アイコンタクトで口裏をあわせるようにすると伝えた
「動くな、貴様らを捕縛する。生死は問われていない、抵抗すれば殺す」
一人が店内に入ったのを皮切りに残り９人の刺客がゾロゾロと攻め入った
「いらっしゃいませ、どうやら忘年会というわけでは無さそうですね」
「軽口を叩くなよ、いつでも射殺は出来るんだ」
スイが皆に軽く目配せをして口を開く
「降参よ、いくら魔物娘でも１０人で不意打ちされればひとたまりもないわ」
「懸命な判断だ、お前たちは生かしてやる...よしロック！シュガー！捕縛はお前たちに任せる、奴らは我々にまかせておけ」
「「了解！」」「未婚の魔物は力が弱いと聞くが絶対に油断はするな」
若い男女が封魔の刻印が施されている縄でスイ達を縛る、夫たちはピクリとも動かない
未婚と言っている事から察するにどうやら私達の個体を知らないようだ。
心理学と人心掌握の心得があるスイ
泣きそうな表情と消え入りそうな声ですかさず問い詰める
「私達は殺されてしまうのですか...！一体私たちに何をするつもりなんです！」
「まぁ話せば諦めもつくか、冥土の土産だ。先の侵略は知っているだろうがその最中、我々の別部隊が巨大なイエティを発見した」
「大きなイエティって...」
「丁度そこにいる貴様のお友達だ、そいつの帰還を隠密部隊が付けてここにたどり着くと未知の魔物だらけだった。お前らのようなな」
（つけられてたなんて全然気が付かなかったよー！アナタは？）（スマン...オれモダ...）
「なるほど...私達をモルモットにするために此処に来たということかしら？」
「察しがいいな、まぁ抵抗しなければ長生きは出来るぞ。もうこの村は無くなって帰る場所は無くなるだろうが」
見るからに不機嫌そうなミントが声を荒げる
「ハァ？あんたいきなり何言ってるわけ？村が無くなるわけ無いでしょうが」
「正確にはお前たち以外は存在を抹消させてもらう、これ以上未知の魔物が増殖してはこちらも困るのでな」
「...オイ」
「あっ、アナタ！」
「なっ！？なんなの！」「男の声だぞ！」「デカいイエティからだ！」「別個体...！？」
腹に据えかねたのか、ウェンディゴがついに正体を晒す
突然の出来事に訓練されていた小隊も動揺する
「落ち着け！封魔の縄で縛ってある！」
「マッショウっテどうイウことダ？返答ニハ言葉をエらべヨ？」
「ここの住人を全員殺害する、恨むなよ。こっちだっｔ...」
隊長格の男が話を終える前に店内の夫婦が恐ろしいオーラを纏って封魔の縄を解いた
強力な魔封じの力が込められているそれを雑草のように千切ったのだ
「なっ！？」
「オ前たちガ主神に選バレたと信じル戦士カは知ラン、コレが高尚ナ天命だト考えてイルかは知ラン、ダガ何の罪ノ無イ魔物達ヲ皆殺シに出来るト思っテいるノなら...」
「ソンナモノ罷り通らナイと体デ教えてヤル」
「撃てっ！撃てええええっ！」
静かな夜、魔灯花に囲まれた酒場に銃声が響く
彼らは深淵の魔物達の怒りを買ってしまった
発砲と同時にスイの腰のイカが触手を目にも留まらぬ速さで振るう
吸盤に弾丸を吸い付かせて銃撃を防いだのだ、パラパラと弾丸が床に落ちた
「ば、ばかな...あれだけの一斉射撃を防ぐなんて...」
「行って！」
スイの声にすぐさま応じた夫は分離して一人の若い男を捕らえ、小隊から引き離して連れてきた。先程皆を縄で縛った一人だ
「ぐっ？！」
「ロック！くそっ、全員射撃を止めろ！」「奴も別個体のインキュバスか...！」
スイはもう一人の縄で縛ってきた女を睨みながら言い放つ
「ロックくんね、なかなかいい男じゃない」「このッ！ロックを離しなさいっ！」
「やめろシュガー！うかつなっ！」
「やっぱり助けに来たわね、はじめましてシュガーちゃん♥」
「くそっ！離しなさいこの穢れた魔物がっ！」
「（フフフ...スイ、久しぶりにアレをやるんだね）」
「（勿論よ♥こういうお硬い娘が一番楽しいんだから♥）」
「そ〜れっ♥」ｽﾞﾌﾟﾝ
「あ゛あ゛あ゛っ！？はぅう！？」「シュガー！？」
「何いぃぃ゛ごれえぇ゛ぇ！？あ、あたまのなかあぁぁぁ！」
「シュガアアアアアア！離れろイカあああああああああ！！！！」
唖然、その一言に尽きた
仲間が頭の中を触手でかき混ぜられ、若くて力もあるロックが手も足も出ない
もう助けられない、二人ごと射殺するしかない、命令を下そうとした瞬間
「マスター、お部屋借りていいかしら？じっくり調教してあげたいの」
「ええ勿論、どうぞどうぞ」「ありがとう♥じゃあ終わったら降りてくるから」
「ふあぁぁぁぁ♥脳みそぐちゃぐちゃあ〜♥もっとぉ！」「むぐ！むぐぐぐ！」
二匹の烏賊は若者二人を連れて二階の部屋に消えていった
「さて、次はアンタたちよ」
巨大な蜘蛛に乗る少女が威嚇する、見た目異常に大きく見えるほどの威圧感
「やむを得ん、試作段階だが...」「致し方ありません！これしかもう！」
小隊の奥にいた二人が鉄の部品をその場で組み立てる
持ち運びが出来る小型の大砲のようだ
「対魔物特効の砲弾だ！蜘蛛の魔物を確実にやれ！」
「酒場を滅茶苦茶にする気ー！？アナタ！」「...オウ」
ウェンディゴがシロの頭を鷲掴みし、土管の用に太い足で大砲の目の前まで移動する。同時に丸太のように太い腕を外套から出した
「来ナ...」「くっ！構わん発射だ！」
ズドオォン！
「コンナもンを作っテおきナガラやれ平和ダノやれ主神ダノか...」
「そんな...」
閃光が瞬き発射された砲弾を掴んでいる、それも至近距離の対魔物特効弾を片手で
一体どれほどの能力があればそんな芸当が出来るだろうか、あるいは力だけなのか
様々な国の勇者を見てきたがいずれの勇者もこんな真似できないだろう
「マァ、モう無駄ダカら止めトキな」
魔物が砲弾を粉々に握りつぶす、我が国の技術の結晶をまるでリンゴのように砕く
血の気が引く。そして思った、我々はとんでもない相手を敵に回してしまったのだと
「そろそろ閉店ですのでこの辺でお開きにしましょうか」
「何なのこの黒い粘液は！？」「体が...ビクともしないぞ！」
ダークスライムらしき酒場の店主が音もなく粘液を飛ばしていた
もはや引き金を引くことすら敵わない
「くぅ...万事休すか...」
小隊は戦意喪失気味、１０人がかりで魔物を捕らえるはずが少数の魔物に逆に無抵抗にされてしまっては無理もなかった
「終わりか、にしても...ハァ...アンタほんといいとこ無しだったわね！」
「シュ...」「スイやシロ、マスターの旦那さんも大活躍だったてのに！」
「アンタは何？村を守るために男らしく闘うことも出来ないわけ？！」
「...」「ハッ！何とも言い返さないのね！一生アタシの椅子役がお似合いよ！」
ギジャアアアアァァァアアアアオォォァアアアアアア！！！！！
「うわあっ！？」「耳が！」
「あー完全にミントの旦那さんに火が付いちゃったね」「ヤバいナ...」
耳を劈く大絶叫の怒号
大蜘蛛が乱暴に妻であるミントを生殖嚢から振り落とす
「きゃぁ！何すんのよヘタレのくせに！アンタこの後...」「グジュ！！！」
「ハァァ？！アタシに向かって牙を向けるな強姦魔が！誰が敵かも分からないの！？男のくせに大声あげてヒスって！場所をわきまえなさい！どこかしこでも発情しくさって！その小っさいくっさい生殖嚢ひっぺがして精子から人生やりなお...あ゛う゛っ！？」
大きな牙がミントの心臓部と腹部に深々と突き刺さる
教団の者達から見れば大蜘蛛が少女を噛み殺す、あまりにも猟奇的な光景でしかない
「と、共食い...？」「ゲホッ！おぇ゛...」「ひっ...」
「お、おい！インキュバスは魔物の夫ではないのか！？」
ミントの身を案じる教団員すら現れる中、のんきな表情でシロとマスターは答える
「夫婦に決まってるよ〜だからこんなに愛し合ってるんじゃない！」
「お二人はよく見せつけてくださいますからねぇ」
大蜘蛛はミントを押さえつけ根本まで牙を突き刺した
完全に臓器、心臓と肺も貫通していることだろう
「ひぃぃぃぃぃ！！！」「う、ああ！お前たちは魔物娘なんかじゃない！化物だ！」
「主神よ...我を救い給え...」
顔面蒼白の教団員を尻目に狂った行為は続く
「や゛らっ♥や゛ーーーーッ♥あ゛♥あ゛っ♥これヤバッ♥死ぬ゛っ♥」
「あーあー始めちゃったよ」「教団ニ襲わレてるンダぞ...」
「あ゛♥お゛ほぉっー♥あひ♥も、もっとシてへぇ゛♥くひッ♥
何でも言うこと聞くかりゃぁ♥」
致命傷のはずの少女が蕩けた表情で潮を吹きながら大蜘蛛に懇願している
すると大蜘蛛が黒いオーブに包まれ中から全裸の男が出てきた
「あ！？何で俺専用精液便所のお前が俺様に命令してんだ？あああああ！？
お前の事を心から愛してる俺様に謝れっ！」
「お゛あ゛あぁっ！♥も、申し訳ありません゛ん゛♥卑しいメス蜘蛛の分際で
旦那様に゛いぃ生意気言って...あんっ♥」
「ミントよぉ！お前さっきから俺様が椅子だの他の旦那は男らしいだの言ってたよな！？なぁ！？なぁ！？！？！！！おめーのチンケなマンコをひいひい鳴かせてやってる慈悲深いモノは何だかさっさと言えってんだよ！！！！！！」
「今子宮ビンカンでぇ♥そんなに突かれちゃ♥ハァッ♥キたぁ！！
モチイイのキたぁぁ！！！」
「誰が今子宮口でキスしろっつったああああ！！！俺の許可なくメス顔アクメってんじゃねぇえええ！！！！旦那様のチンポはこんなんじゃ全然満足できねぇんだよ！メス穴キッチリ締めてご奉仕しやがれ駄目蜘蛛ォ！」
「あ♥あ！♥マジで無理だってッ♥マジで無理でしゅっ！♥お゛！♥あン♥しゅごおおおおお♥チンポで頭狂うぅ゛ッ♥中出しぃーっ♥」
「てめーに言われなくても中出しするに決まってんだろが！まだ自分の立場が分かってねぇな。一ヶ月間の躾セックス合宿だ！ウェンディゴさん、マスター、俺はコイツを躾なきゃなんねぇから失礼するぜ」
「ひょんなぁ♥一ヶ月もセックス合宿にゃんてぇ♥あッ♥イグっ♥あっあっ♥
またイっちゃうーッ♥」
「うるせぇ！まず一週間はキスハメ期間だ！喋ってねぇで俺様の子をしっかり孕めよ！」
「んぅ゛〜〜〜ッ♥んちゅぅ♥むぅ♥んむぅ♥むちゅぅ♥ちゅうぅぅ♥」
男はキスをしてミントの口を塞いだ後、大蜘蛛に戻った
するとワイヤーのように丈夫そうな糸を妻に吐かせ洞穴の方へ飛んでいった
「やっぱりおしどり夫婦だね〜」「今頃お家でキスハメイチャラブですね」
（二人トモ、性格変ワリすぎだロ！）
「狂ってる...」「は、はは...」「死にたくねぇよぉ...！」
もう勇ましい教団兵達の姿は完全に消え去っていた
店の隅っこで身を寄せ合う男女、震えながら十字架に祈る者、失禁する者も居た
「絶叫が聞こえたわよー」「何だ何だ？ドンパチと、花火か？」
「マスターどうかしたー？」「この８人はどうしたのですか？」
「まあ皆様お揃いでご来店ありがとうございます
お騒がせして申し訳ありません、ただの反魔の兵隊さん達ですよ」
地獄絵図、あの恐ろしい未知の魔物がわらわらと湧いて出てきた
「そーそー！これから魔物化させるとこだよ〜」
「シロさん！おかえりだったんですね！」
「おっ！いいねぇ〜久々にぼく達夫婦の触手が唸るね！」
「あ、洞穴に空き家あるからアタシ達もアトラク夫婦を作っておくわね」
「あ〜近くの山にもいい感じの小屋があるよ！ウェンディゴも１組追加で！」
「おオ！ここのウェンディゴはオれが一番ワカいんダ！後輩出来テ嬉しイ！」
「初めまして、アトラク＝ナクアの夫です。蜘蛛の体もいいもんですよ！」
「「「「「ようこそ！深淵の集落へ！」」」」」
「うわあああああああああ！」「いやあああああああああ！」
後日、１０人の新しい深淵の夫婦が仲間になった
集落はまた一段と賑やかになったそうな
17/04/03 09:40更新 / もけもけ